2024.12.03
企業の情報漏えいで最も多いのは「中途退職者」による持ち出し 内部不正が発生しやすい3つの要素
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「出世をしたいと思っていますか?」という質問に対し、必ず出世したいと答えた人の割合は、平成元年入社の人で8.3パーセント、平成30年入社の人で22.4パーセント(アデコ調べ)と、実は出世欲のある若手は増えています。しかし一方で、「最近の若手は欲がない」「最近の若手は出世欲に欠ける」という声も。なぜこのようなギャップが生まれるのか、データを元にひもときます。本記事では、若手の育成施策が進まない原因の1つにもなっている、今の管理職が置かれた厳しい現状について語りました。
宮地尚貴氏:なんで若手が育たないのかということで、これが(原因の)すべてではないんですが、あくまで1つの要因としてあるのが、やはり管理職なのかなと思います。
昔と比べて、そもそも業務外での管理職と若手、一般社員と上司の関わり自体も減っているので、コミュニケーション機会も減っているんじゃないでしょうか。
なので若手からすると、例えば「こうなりたい」という自分なりの将来像を持って入社したものの、結局は上司の方もプレイングマネージャーで忙しいので、なかなか教えてもらう機会がない。「将来こうなってほしい」という、期待の伝達をもらえるシーンもない。
「この場所にいてもなかなか成長できないんじゃないか」という、またこれも漠然とした不安を持って、時には退職という判断をとってしまう。
ただ、そもそも管理職側の立場になってみると、それこそパワハラ法が2~3年前(2022年)に改正されて、中小企業にも適用になったり、ワークライフバランスというワードが出てきたりだとか、働き方改革という言葉が出てきたりしている。
今までで言うと、管理職の方は売上を上げていく、とにかく目の前の役割を推進していくことが一番の責任としてあったところから、部下の指導責任やメンタルマネジメント、部下の保護管理責任も管理職の方の責任の範疇になってきたりしています。
なので、管理職側の業務難易度が高まっているんじゃないかと思います。過去のところで言うと、とにかく目の前の業績を組織で上げるために試行錯誤していればよかった。
一方で、指導育成のところ、あとは(部下の)保護管理までまかなっていかないといけない。以前までは、そこまで教えなくてもよかったかもしれない。
ただ、今はいろんな選択肢もありますし、いろんな情報も取れる。そうなった時に、「教えてくれない」という環境を放置しておいてしまうと、若手はどんどんいろんな情報をキャッチしているので、「ん? ほかの環境のほうが良いんじゃないか?」とニュースに左右されて転職してしまうケースもあるんじゃないかなと思います。
なので重ね重ねになりますが、特に営業の管理職の方は、どちらかというと業績を向上させていくことが主だったところが、業績を向上させつつ社員の残業時間抑制をしていったり、経費削減、部下の指導・育成、メンタルフォローまで触手を伸ばしていかないといけない。フォロー範囲がかなり増えている。
それにも関わらず、例えば過去に管理職研修をやっている割合を調べたことがあったんですが、全体の企業の中でもそこまで多くなかったんですね。大企業を入れて、確か20パーセント台ぐらい。
たぶん中小企業だけに焦点を当てると、管理職研修やマネジメントの方策を教える機会を会社として提供しているケースって、かなり少ないんじゃないかなと思います。
なので管理職の方々にも、そもそも今、責任・役割として何があるのか、目の前の業績だけではなく、ほかのところをカバーしていくためにどんなやり方をしていかないといけないのか、学んでいただく機会を提供していかないといけないのかなと思います。
ダイバーシティという言葉も出てきたりしている中で、外国人人材の活用だとか、いろんな多様性も認めないといけなくはなってきています。その中で、どうやってまとめて成果を出していくのかって、何も情報を取り入れてない中では試行錯誤できないところはあります。
会社からの要求も高くなっているところはあるのかなと思います。例えば「今の事業で成果を出しながら、新しい事業も考えてほしい」とか。
「業務量は増えるけど労働時間は短めにしてほしい」「会社側の意向とメンバーの意向をうまく調整して、なんとか離職をセーブしてほしい」とか、管理職側への要望もけっこう高くなっているので、やはり管理職の能力が求められてくる。
そうなった時に、会社としてそこに対応できる状態をある程度作っていかないと、若手にまで影響して、若手が育たない、離職してしまうということが起こり得るのかなと思います。
実際に弊社の研修ご導入企業さまにアンケートをとらせていただいた中で、経営者が管理職に求めることは何かというと、1位が「問題発見し、改善活動し、成果を上げる」。こうやってあらためて見てみると、言葉で言うのは簡単ですが、なかなか難易度が高い。
経営層が感じる管理職の課題で言うと、「管理職がプレーヤーで部下指導力が弱い」「管理職が他責」「言われたこと以上がない」「問題発見、課題解決能力が弱い、もしくはない」「部長陣が経営層の考えを下に落とし込んでくれない、もしくは理解していない」。
こういうところを課題としても感じているので、経営層側も管理職層に感じる課題は多くあるんじゃないかなと思います。
弊社も新入社員研修をやらせていただいている中で、若手を育成するために若手だけに施策を打っても、なかなかうまくいかないなと思っています。なので私たちの場合だと、若手研修に必ず上司を巻き込んで、同時育成をしていきましょうというふうにしています。
例えば弊社が研修で携わる機会も、現場で上司の方が指導する時間に比べると圧倒的に短いので、研修ですべてが変わるわけではない。ですので、現場で管理職の方が若手にどう指導するかによって、育ち度合いが大きく変わってくる。
なので、管理職の方が若手に具体的にどんなアプローチをしていくのかを、一緒に並走型で教育していく取り組みも実施させていただいております。
というところで、ここまでのまとめです。新卒の出世欲で言うと、ここ数年変わっていない。働き始めてから出世欲が消えているのではないかという仮説が1つあります。
あとは、時代の流れとともに管理職に求められていることが多様化しているので、働き方改革はされてはいるものの、もしかしたらそこに対応できる状態を会社として作れてないんじゃないか。管理職層が対応できるように、育成の機会やアプローチをする機会を設けてないんじゃないかというところがあります。
これらを解決するために1つあるのが、やはり「同時育成」というのがキーワードなのかなと思います。経営層の育成もしくは発信から、管理職の教育。キャリアプランをある程度魅力的に見せていかないと、若手層が上に上がってこない、上がろうとしてこないということが出てきます。
経営層・管理職の育成をして、ある種、管理職側に生き生きと働いてもらうことによって、若手が上を見えるように、上への道を鮮明にしていくというのも1つの試みとしてありなのかなと思っています。
弊社の場合だと、それをまるっとコンサルティングでも実施させていただいております。今、全国的に本当に多くの会社さまで実際に並走しているものもあります。どんなふうに進んでいるのか、どんな流れで進めているのかにご興味ある企業さまがいらっしゃれば、事例は打ち合わせを通じて紹介させていただくこともできますので、ぜひお願いいたします。
ただ、育成の取り組みをしていく時に必ず求められるのが、社長もしくは役員層が旗振り役にならないといけないなと思っています。なんとなく管理職研修を実施すると、管理職の方々もなんとなく会場に来てしまったり、なんとなく受講します。
現場ありきで、プレイングマネージャーとして活躍されている管理職の方が圧倒的に多いので、「なんでこれをやるのか」「どうなってほしいのか」「なんでこの忙しい中、研修をやらないといけないのか」というのをきちんと理解していないと、受講に対する意欲は著しく下がる傾向にあるなと思います。
弊社の研修サービスに送り出していただく時も、必ずキックオフミーティングで社長・役員の方に話していただく機会を作って、それを踏まえて管理職の方に目標設定をしていただいたりします。
(管理職に求められることは)3つですね。これらを踏まえて、まず1つが、現場の能力が高いから管理職になられているケースが圧倒的に多い。プレイヤー視点から、多少意識改革をしていかないといけないのかなと思います。
マネージャーとしての責任・役割は何なのかをあらためて伝えることによって、「本来自分はプレイヤー業務だけではなく、ここまでまかなわないといけないんだ」という認識を持たせる。
あとは最近、若年層が管理職になりたくないというケースも多く見受けられますので、部下を育成して、ある程度管理職のプレイヤー業務も剥がしていくような試みを、勇気を持ってやっていく必要があるなと思います。
あとは会社として、マネジメント力のスキルアップの機会をいかに提供していくかが、管理職育成にはまず求められるところかなと思います。
社内でできる若手育成は、キャリアプランを見せる。プラス、しっかりと長期的に運用していく。キャリアマップやスキルマップは、多くの会社さまで作っていることのほうが多いとは思うんですが、作ってはいるものの運用できてない、周知ができてないことが多いのかなと思います。
ですので、「何をどれぐらいがんばればどうなれるのか」という明示されたものがあれば、それを基に上司がきちんと指導していく。
キャリアマップ・キャリアプランはあるんですが、上司も中身を知らない、みたいな。なので、現場によって指導の方向性にばらつきが出てしまっていたり、指導者によって言っていることが変わってしまうというのも、現場の指導の中では出てきます。
まずはキャリアプランを見せて、しっかりと会社として運用していくというのが必要なのではないかと考えています。特に、4月に新入社員を受け入れられる企業さまには必要なのかなと思っております。
というところで、ざっくりとまとめさせていただきます。育成施策や育成の重要性は、このWebセミナーの中でご理解いただけたところもあるんじゃないでしょうか。
育成施策を打とうとした時に、旗振り役を経営層・役員が示していかないと、なかなかうまくいかないことが多いなと思います。その上で、各階層ごとに求められる像を洗い出して、それに沿った育成を実際に運用していく。
言葉では簡単に言えるんですが、どう運用していくのかに悩まれる企業さまも多くいらっしゃいます。せっかくWebセミナーにご参加いただいておりますので、よろしければお打ち合わせの機会をいただければ、詳しく弊社からご紹介等もできればなと思っております。
最後に、実際に弊社の取り組みをお伝えできればと思っております。私たちが考える育成の理想像です。この状態が現場でなされていれば、わざわざフォロー研修を若手にやっていく必要はないんじゃないか、というものです。
それは何なのかというと、組織状態を作っていくことです。例えば、上司がいて若手が3人いた時に、まずは報告体制を整える。1週間活動してどうだったのか、今日1日活動してどうだったのかを、必ず報告させるようにする。
なぜなのかと言いますと、若年層の方も管理職の方も、求められてる責任や役割を達成するために目標はあると思うんですね。そのために日々試行錯誤している。
ただ、その次にどうしたらいいのかというのは、管理職の方は経験・能力がもう十分なのでPDCAを回せると思うんですが、若手社員は能力・経験がまだまだなので、個人ではPDCAが回りきらない。
ですので定期的に報告をもらって、そこに上司がフィードバックをすることによって、次の行動改善が曖昧なら鮮明にするとか、ちょっと間違った方向に行っているなら是正していくような機会を設けていく。
あとは、若手がA、B、Cと3人いた時に、横の情報共有も大切なのかなと思います。要は、上司の方が若手Aに伝えた内容がB、Cにも共有されていると、それこそ教育の手間も省けると思うんですね。
なので、若手間での活動の共有機会だとか、上司から今週どんな指導を受けたのかという共有機会を定期的に設けていく。もっと言えば、可能であれば日々どんな指導をしているのかを上司は上に報告して、フィードバックをもらう。
現場でこの体系を作るために、弊社もサービスを提供させていただいていたりします。この状態を作り続けることによって、若手育成や上司育成を最適化していこうという取り組みも行っております。
特に、上司の方だけで指導が完結してしまっている状態が多いのかなと思います。日々どんな指導をしてるのかを、さらに上に報告する機会ってあんまりないと思いますし、任せっきりが多いと思うんですね。
例えば課長が日々指導をしていた時に、部長が「本来こういう方針を若手に浸透させてほしいな」とか、社長が本来課長に「こんな思いを部下に伝えてほしいな」という思いが伝わっていないなどです。
それが浸透し始めたり、そういったことを日々訴え続けることによって、管理職が管理職として本来求められる行動ができるようになる。
成功事例が1つ出来上がれば、ほかの部署にも転用できますので、成功事例を作りにいってほかに派生させていくというのもありなのかなと思っております。ということで、全体像としては以上でございます。
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