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2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
第761回 仕事に役立つABC『フィードバックの伝え方』(全1記事)
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熊谷翔大氏:今日は「フィードバックの伝え方」がテーマです。以前「フィードバックの受け止め方」についてお話ししました。フィードバックをされてむっとした時は、当たりくじを引いたと信じる。言われたことを文字だけ切り取る。今すぐ理解できない時は忘れる、という3つのポイントをお伝えしました。
フィードバックの受け止め方も大切な話ですが、おそらくリスナーの多くの方が後輩や部下を持っていて、「どうすればうまくフィードバックできるだろうか」と、悩むことも少なくないはずです。
褒める内容のフィードバックは伝えやすいんですけれども、特にネガティブなことを言う場面や「もっとこうしてほしい」と指導する場面は、難しいと感じている方が多いはずです。
私自身も悩むことがあるんですけれども、そんな時は過去の上司のやり方を思い返してみたり、同じように先輩・上司の立場で試行錯誤する友人知人と意見交換しながら、日々試行錯誤して取り組んでいます。
今日はその中から、特にネガティブなフィードバックをうまく伝えるにあたって、大切だなと思うポイントを3つご紹介いたします。まず1つ目、ポジティブなフィードバックとセットで伝えましょう。これは私が新入社員の時の上司の上司の方から学んだポイントです。その人は仕事は厳しいけれども、とにかく面倒見がよくて、人間的にもすばらしい方でした。
新入社員だった私はよく失敗をして、いろんな上司・先輩からフィードバックをされていたんですが、今思い返すと、その上司の上司の方からのフィードバックは、スッと自分の中に入ってきました。
今その理由を考えてみると、ネガティブなことを言われる前に、例えば「ほかの〇〇の仕事をやってくれたね、ありがとう。すばらしいね」と、ポジティブなことを言ってくれるんです。そしてそのあとに「ところで、あの件だけれども」と指導されていました。
受け手としては、最初に良いポイントを言ってもらうからこそ、話を聞くモードに入れていました。そのあとに言われるネガティブなことも、自然と聞くしかなくなっていたと感じています。
続いて2つ目、未来のこととつなげてフィードバックを伝えましょう。これも1つ目と同じ上司の上司の方からの学びなんですけれども、フィードバックする時はどうしても「今回の仕事の何々ができていなかった」と、今現在起こった事象に対してだけ言及しがちです。
ある意味ミスした本人が一番わかっているんだから、そこに重ねて何かネガティブなフィードバックを言われると、余計にへこんでしまって聞く耳を持たれないんじゃないかと思います。
その上司の上司の方は、今現在起こったこともしっかりと伝えつつ「今後似た仕事をやる時に」とか「将来立場が変わった時に」とか、未来の話をしながら「もっとこうしたほうがいいよ」とフィードバックをしてくれていました。
受け手としては、現状の改善もそうなんですけれども、やはり「未来の自分のためにも、しっかりとフィードバックを聞いてやり方を変えよう」と前向きに思うことができました。少し未来の話とつなげてあげるだけで、ぜんぜん伝わり方が変わってくるかと思います。
そして最後の3つ目ですが、事前にフィードバックすることをすり合わせておきましょう。これはほかの会社でマネジメントをしている友人から聞いて「良い方法だな」と思ったものです。
その友人いわく、以前はうまく後輩・部下にフィードバックできなくて困っていたと。そこでふと思い立って、後輩・部下に対して「自分はこんなポイントを大切にしている」と伝えた上で、「悪いけどこういう場面は細かいこともフィードバックします。それをぜひ受け止めてほしい」と宣言したらしいんですね。
そこからすんなりと(話を)聞いてくれて、コミュニケーションも以前よりとりやすくなったと聞きました。相手と事前にすり合わせておくだけで、「こんなポイントを言われる」とわかっていますから、相手も受け止めやすい。これは本当に良い方法だなと思います。
上司・先輩の立場としても、ネガティブなフィードバックを伝えやすくなるので、ある意味みんながハッピーになる、非常に良い方法だなと思います。
3つのポイントをお伝えいたしました。1つ目、ポジティブなフィードバックとセットで伝える。2つ目、未来のこととつなげてフィードバックを伝える。そして最後に3つ目、事前にフィードバックすることをすり合わせる。
前職の会社でよく耳にしたのが「相手のことを本気で思うなら、しっかりと面倒をみてあげよう」ということでした。先輩・上司の立場としては、時には言いたくないことであっても伝えてあげることが必要です。その時にはすぐには理解してもらえなかったとしても、先になって「ああ、あの時あの人がこんなことを言ってくれたから」と受け止めてくれることもあるはずです。
ネガティブなフィードバックはなかなか伝えづらいところはあるんですけれども、それでも相手の成長のためにしっかりとリスペクトと愛情を持ってフィードバックできる。そんな関係がベストではないでしょうか。
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