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Z世代がストレスを感じる! 上司の3つのダメなマネジメント(全1記事)

Z世代がこっそり辞めていく「ダメなマネジメント」3選 ハラスメントを恐れた「ゆるい上司」もNGな理由とは

株式会社らしさラボ 代表取締役 伊庭正康氏の『研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル』では、業績の悩み、効率の悩み、マネジメントの悩み、コミュニケーションの悩み、モチベーションの悩みなど、仕事の悩みを解決できるビジネスメソッドを紹介しているチャンネルです。今回は、Z世代がストレスを感じる「上司の3つのダメなマネジメント」について明かしました。 ■動画コンテンツはこちら

デジタルネイティブのZ世代が嫌がるマネジメント

伊庭正康氏:若者はすぐに会社を辞める。そう思っている人、ぜひ見てください。「Z世代が嫌がる、やってはいけないダメなマネジメント3選」を紹介していきます。

すぐに辞めるには、何かの理由があるはずなんですよね。その理由を知らずしてマネジメントなんかできません。でも、実は多くの職場の上司は知らないんですよ。今日はそれを3つ紹介しますので、ぜひ最後までよろしくお願いします。

まず、そもそもZ世代はどういう人たちなんでしょうね。どのような職場を好み、どのような価値観を持っているのか、最初にZ世代とは何かを紹介します。2024年4月にワークス研究所のおもしろい特集がありましたので、今日はそこからエッセンスをお借りしまして、私なりの意見を添えて紹介していきます。

このチャンネルは、年200回登壇する研修講師の伊庭だからこそお伝えする、ちょっと知ってるだけで仕事・人生のクオリティがアップするヒントを紹介しています。ぜひチャンネル登録をよろしくお願いします。週に4回配信していますので、レベルアップできることは間違いありません。

まず、Z世代とはどういった特徴を持っているのかを見ていきましょう。Z世代の特徴その1として、そもそもZ世代は何年生まれなのか。定義としては、1995年から2004年生まれぐらいと言われています。まさに今、2024年にこの動画を撮っているんですが、新卒の方々は(Z世代)ど真ん中ですよね。

この世代の特徴は、デジタルネイティブであること。これはもう言い尽くされていることではあるんですが、よく押さえておかないといけないことがあるんですよ。

Z世代は社会貢献欲求が強い

「デジタルイミグラント」という言葉があります。もともとデジタルをそれほど使っていなかったんだけれども、途中で覚えるようになってた、アナログの世界からデジタルに来た“デジタル移民”ということです。まさに私なんかもデジタルイミグラントでございます。

Z世代のデジタルネイティブ具合はちょっと違うんですよ。スマホを駆使するだけではなく、動画やVR、SNSのネイティブですから、もうツールではなくライフラインなんです。じゃあ、これが何に影響するのかを見ていきましょう。

フィリップ・コトラーはマーケティングの御大ですが、マーケティング評論家の牛窪(恵)さんが「『コトラーのマーケティング5.0』を見ると、デジタルに何歳で初めて触れたかが、その人の価値観を形成する。ここがZ世代を知る上では大きな鍵になる」とおっしゃっていましたね。確かにそうだと思います。

そこでキーワードが出ていたのが、SDGsの意識が強いこと。確かに、MeToo運動やハラスメントなどに対する意識も強いですよね。ハラスメントをSDGsに加えるのはちょっと誤解が生じますが、とはいえ、人に優しい、社会に優しいということが前提でありますよね。これはやはり、今の情報がそうだからですよね。

また、社会貢献欲求が強い。これも今の情報がそうだからですよね。デジタルがライフラインであり、触れている情報が幅広く、その情報に大きく影響を受けている世代ということなんです。

「耐え忍ぶ」ミレニアル世代との違い

2つ目にいきましょう。これを押さえてるとめちゃくちゃおもしろいです。Z世代の特徴その2は、「不安が大きい」ということなんですね。もう1つ前の世代はミレニアル世代と言って、1995年ぐらいまでに生まれた方々ですね。

その方々との大きな違いは、ミレニアル世代は多少の不安や不満があっても耐え忍んだんですが、Z世代は不安がより鮮明にあり、自ら動いてしまうということなんです。

先ほど言いましたが、情報に触れている世代なんですよ。ですから、いろんな情報を知ってます。今後12ヶ月の経済見通しについて、4割が不安視している。そして貧富の差に関しても、将来不安に感じているという人は2割いる。

つまり、不安という情報を浴びせられまくっているわけですよね。以前の世代と違うのであれば、もうそれは現実に起こっているということなんですよ。例えば、自分らしく生きていきたいんだけれども、40代、50代を見た時に「これでいいのかな?」とリアルに感じる世代だと思ってください。

この世代に対してどんなことをすればいいかというのが、もう見えてきましたよね。(Z世代に対して)やってはいけないマネジメントが、職場ではけっこうやられているんですよね。対策も含めて、それを3つ紹介していきます。

不安ゆえに、プランBやプランCを用意するのが当たり前

ここからが本番です。まず1つ目のNGは、すぐに辞める原因をわからずにマネジメントしているということです。「最近のZ世代は根性がない」「Z世代は甘い」というふうに、世代のせいにしている上司は絶対にNGです。

だって、今は不透明・不安定がデフォルトになってるわけですよね。Works Reportにはこんなことが書いてありました。不安が強いので、常にプランBやプランCを用意しているのだと、マーケティング評論家の牛窪さんがおっしゃってました。でも、不安からプランB、プランCを用意しておくというのは、そのとおりだと思います。

今、ニュースでは「内定した瞬間から転職サイトに登録をしている」ということが言われています。私、思うんですよ。我々の世代やあなたの世代からすると当たり前じゃないかもしれませんが、この世代にとっては当たり前なんですよ。だって、プランB、プランCを用意しておくのは当たり前だからですよね。

また別の情報なんですが、2023年のパーソルキャリアの言葉が印象的です。実は、内定した瞬間に転職サイトに登録している人が多いんだと。配属ガチャにデリケートな人も多いですよね。なんと12年前に比べて30倍の人が、4月の入社時点で転職サイト「doda」に登録しているということなんですって。

これに対しては編集局も驚いていらっしゃるそうです。確かに、それは驚きますよね。でも、プランB、プランCを考えていくのが当たり前では、当然と言えるでしょう。

失敗に備えて常にリスクヘッジ

こういったことを好むのだということが、Works Reportでも載ってましたね。常に失敗に際してリスクヘッジをしておきたい。つまり、二刀流を心がけたいと思ってるんですね。Aという職種がイマイチだったら、すぐにBという職種に移れるように。Aという勤務地が嫌であれば、Bという勤務地に移れるように、常に網を張っておくというやり方ですよね。

大谷翔平選手が二刀流とおっしゃってますが、あれもその1つなのかもしれませんね。自分の人生として、ピッチャーだけではバッターとして活躍できないことはリスクだと感じていらっしゃるのかもしれない。ちょっとこれはわからないですし、また次元の違う話かもしれませんが、何か感じることがありましたね。

彼ら(Z世代)は、常に本気でそこにどっぷり浸かっているというよりは、片足で立っておき、もう片方の足でポンとBの選択肢に移れるように考えていると思ってください。これが前提です。

じゃあ、どうすればいいんでしょうね。プランB、プランCに対して「考える必要がない」と思ってもらうのか、それともプランB、プランCをあらかじめ示唆しておくのか。このあたりが重要になります。

私も新卒研修をよくやっていますが、「ずっとこの職場でやると考えると不安なんですが、どう考えたらいいですか?」と、よく質問をいただきます。

会社からすると、当然これからのキャリアパスを話してるはずなんですが、キャリアパスをまだ話をしていないという方もいらっしゃるんですよね。ですから、キャリアパスの可能性は絶対にお話ししておくことをおすすめします。

「ゆるい上司」や「ホワイトすぎる上司」もNG

では、NGその2。ゆるい上司は絶対にNGです。ハラスメントが怖いから、腫れ物に触るような上司っていますよね。これはぜんぜんダメなんですよ。驚きでしょう。あえてぬるくしてませんでしたか? ぬるく、ゆるくしたらダメなんです。

ホワイトすぎる上司は、今やもうバカにされております。YouTubeとかを見てください。「ホワイトすぎる職場で辞めている」というビジネスYouTuberコントがあったりします。甘やかしたらダメなんですよ。

じゃあ、どうするかという話ですよね。彼らは自己成長欲求が強いんですが、これはなぜだと思われますか? 不安が強いからなんですよね。ですから、彼らはコスパではなくタイパ、タイムパフォーマンスで考えるわけですよ。つまり、「この仕事で自分は何を得られるのか」を考えるわけですよね。

ホワイトすぎる、ゆるい上司の下では得られるものがないんですよ。「でも、そんなことしたらハラスメントになるでしょう」と思われたかもしれません。これについては、この後すぐ話しますね。

まずはこう考えてください。成長欲求が高い人材は多いですが、それは不安からきています。だとすれば、ゆるい、あまい、ぬるい上司は絶対にNGであることは覚えといてください。まずこれが1つ。

とはいえ、職場を見渡すとそんな人ばっかりじゃないと思います。成長欲求の強い人でもそうでない人にも、価値意識の根底にあるものは共通していることを知っておきましょう。「自分のやりたいことを大切にしている」ということなんです。

仕事なのか、仕事以外なのかは人それぞれです。自分の「やりたい」があるわけですよね。じゃあ、それぞれの部下に対して「自分のやりたいこと」を知っておく必要があります。

個々人に合わせたマネジメントが重要

一方で、ゆるさを求める部下もいます。ゆるさを求めているわけじゃなくて、ワークライフバランスを重視するとか、もしくはそんなに残業したくないとか、成長をそんなにしたくない、自分なりのサイズでいいという人もいますよね。これはNGではなくて、そういった人に活躍してもらうのが上司の仕事です。

だとすれば、Works Reportが言っている「Z世代はひとくくりにするな」ということは、そのとおりだと思います。ステレオタイプで捉えるなってことなんですね。もちろん傾向として知っておかないといけないんだけれども、一人ひとりを見ると違いますよね。個々人に合わせたマネジメントができているかどうかが鍵です。

確かに、私の新卒研修先でもそうなんですよね。「もっと成長したい人、早めに成長したい人は挙手してください」と言ったら、多くの方の手が挙がります。さらに、やってはいけないというっていう前提で、「残業してでも、早いうちにガンガン成長したいよという方は挙手してください」と言ったら、だいたい3分の1とかの手が普通に挙がります。

残業してもらうことはあんまり是ではありませんので、「残業してください」と言う必要はないですよ。成長の機会をちゃんと与えてあげられるかどうか(が重要)ですよね。このあたりをステレオタイプで見てはいけないってことなんですね。ゆるい、ぬるい、そんな上司はダメということでした。

「仕事の意味」を語れない上司は多い

3つ目のNG。仕事の意味を語らない上司はNGです。もっと言うと、語れない上司はNGと言ってもいいでしょうね。これは厳しいですが、意外と重要です。

例えば、業務をわかりやすく教えるだけではNGなんです。また、「これをやり遂げたら早いうちに昇進できるよ、昇級できるよ」としか言わないのも当然NGです。大事なことは、何のために我々はこの仕事をやっているのかを伝える必要があります。だって、彼らは貢献欲求が強いんです。

私はふだん企業研修でリーダーシップ研修をやってるんですが、会社によってはこんなことが起こります。「『なんで我々はこの目標をやらねばならないのか』ということを顧客視点で語れますか?」という問いがあるんですね。

実は語れない人は多いんですよ。営業課長さんとかでも、「顧客のためにがんばる」という接続ストーリーが作れないんですが、作らないとダメなんですよ。これを作れない人は、僕から言わせると絶対にZ世代のマネジメントができません。

でも、会社によってはちゃんと整理できてる会社もあります。「なんで我々がこの営業目標をやらねばならないかというと、目の前にこういったお客さまがいるよね。私はこういったお客さまの状態を放っておけない。こういうビフォー・アフターにしたいんだわ」とか。

「出会ってない方々はこういう状態にあるよね」「私はこの状態を放っておけない。この状態にしたいので力を貸してほしいと思っているし、一緒にやっていきたいと思ってる。この指に止まりませんか?「この営業所の目標のためにがんばる人、この指に止まってくれ」と言ったら、止まりますよね。いや、止まらない人もいるかもしれませんけどね。

もう一度言いますね。「何のために我々はこれをやってるのか」を言えないと、もう今は通用しないということなんですよ。ぜひよろしくお願いします。

僕はいつもこれをリーダーシップ研修でいつもやってます。すると、語れるようになります。これは後天的に身につけるものですので、上司や指導員の方はそれを今から考えておいてください。

旭化成が行っている「新卒学部」という取り組みとは

そして彼ら(Z世代)は、「その会社で活躍している人を自らの未来像に重ねる」ということもやりたがります。だとすれば、OJT指導員や上司が自分の手本になるような人じゃないとダメなんですよね。ですから、OJTやってる人や上司が、仕事の意味を語れないのはダメということなんですね。意味を語れるようにしておきましょう。

そして、いろいろな人と接する機会を持ってもらうこともけっこう大事です。その職場の中だけ(しか見ていないの)であれば、「この職場では成長できないな。おっと、隣の職場を見たらもうキラキラした人がいるじゃん。あんな人になりたい」となる。これこそマネジメントなんですよ。ですから、そういった仕組みを作っていくこともおすすめします。

おもしろい参考情報がWorks Reportに載ってましたので、今から紹介します。旭化成さんの「新卒学部」の取り組みです。感動しましたね。私が新卒でも行きたい、もう大昔ですけどね(笑)。そう思った取り組みで、これは絶対にいいと思いましたね。

興味ある分野を新卒同士で話し合うという取り組みをされているそうです。期間は約9ヶ月で、6月から9月、11月から翌年の2月の期間で、1クール、2クールがあるそうです。

1クール目には4つのゼミが用意されているそうで、アドベンチャーゼミ、プロフェッショナルゼミ、クリエイティブゼミ、ワークハックゼミから選択をするそうです。

おもしろいのは第2クールなんですよ。お金持ちになるゼミ、DXに詳しくなるゼミなど、第2クールは自由に考えていいんですって。このあたり、おもしろそうでしょ。でも、確かに思うことがあって。彼らは共同作業でやることが得意なんですよね。だって、シェアハウスにずっと一緒に住めますか? 僕の世代にとっては地獄です。

Z世代が嫌がる「3つのダメなマネジメント」まとめ

あと、「新卒を社員寮に強制的に住まわせる」という会社のニュースも見ました。共同生活を無理やり、強制的にさせるんですって。これ、どう思われました? 離職ゼロだったんですって。私は世代が大きく離れておりますが、強制的に入れられたら2日で辞めます(笑)。これは世代の差なんですけどね。

でも、彼らを理解しておけば、自分とは比べなくなりますよね。この感覚が大事ですね。(旭化成の)新卒学部は参考になるんじゃないでしょうか。ここからトレースして、それぞれの職場で取り込めることを考えてもいいんじゃないでしょうかね。

もっと仕事に特化してもいいかもしれませんね。商品を作るとか、社長に提案をするとか、営業力をアップさせるとか、そういったゼミをみんなで作ってもらってもいいのかもしれませんね。こんなことを参考にしていただくのもおもしろいと思いました。

では、締めていきましょう。今日のまとめです。やってはいけないこと。まず、すぐに辞める原因を知らないマネジメントはやってはいけません。彼らはA案、B案、C案と常にリスクヘッジを考えている。だとすれば、その対策としては用意をしておくこと、また示唆をしておくことですよね。「うちの会社では選択肢がいっぱいあるよ」と伝えてあげてください。

次に2つ目。ゆるい上司はダメです。ステレオタイプで彼らを見ないでおきましょう。一人ひとりとちゃんと面談をして、何をやりたいのか、何になりたいのか、どんな価値観を持っているのか、このあたりをぜひ覚えておきましょう。そして、チャンスをあげてください。

そして、3つ目。仕事の意味を語れるようにしておかねばなりません。これは、上司もOJT指導員もぜひお願いします。そして、他の部署の方との交流もやっていただくとおもしろいかなと思っております。

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