2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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業務において指導やマネジメントは不可欠ですが、苦手な部下とのコミュニケーションをどう取るべきか悩む人も少なくありません。本イベントでは部下とのコミュニケーションに焦点を当て、ハラスメントにならない接し方のポイントや苦手な部下マネジメント方法を紹介。若手の離職にもつながる「ゆるブラック」な職場の問題点や、ハラスメントを起こさないコミュニケーションのポイントについて解説します。
奥津直樹氏:ここからは、ハラスメントに対する実態と叱責に関するデータがある中で、ハラスメントにならない接し方・コミュニケーション・指導を少しご紹介します。
最初に、ハラスメントにならないコミュニケーションについて、私自身がそうだなと思っているところです。上司や部下、先輩・後輩関係なく、お互いに気持ちよくYESが言えて、正しくNOが言える関係性が大事だと思っています。
日々業務をする中で、「心理的安全性が大事」といった話をよく聞くと思いますが、心理的安全性は大事なので、より相談をもらいやすい環境を作らなければならない。ただし、緩すぎること、甘くすることとは違いますので、お互いに気持ちよくYESが言えて、正しくNOが言える関係性を作らなければならないと思っています。
ご存じの方も多いと思いますが、緩すぎたり甘すぎたりすることについて、最近ワイドショーなどでも取り上げられている「ゆるブラック(ゆるブラ)」という言葉があります。
20代やZ世代の若い方が「逆に緩すぎて指導されないので、自身の成長につながらない」と判断して会社を辞めてしまうなど、離職につながってしまうことが1つの問題としてあります。調べてみるといろいろな記事が出てくると思いますので、知らなかった方は参考にしていただければと思います。
こちらのスライドに細かく記載がありますが、こちらは厚生労働省の「あかるい職場応援団」という、国がハラスメント撲滅のために出しているホームページです。そこからデータを抜粋させていただきました。「言い方ひとつで変わる会話術」は、詳細はホームページで見られますので、こちらも参考にしていただければと思います。
この中で、今回は特に「部下を育てる・後輩を指導する」にフォーカスをあててお話ししたいと思います。部下を育てる・後輩を指導することについては、「相互尊重」を実践しなければならないと思っています。ホームページにも書いてあるのですが、「相互尊重」を実践するためには5つのスキルが大事だとご紹介しています。
1つ目が「事実ベースで100パーセント褒めて、一緒に喜ぶ」。2つ目が「事実で叱り、解決策は情報共有」。3つ目が「メンツを気にせず部下に謝る」。4つ目が「権限移譲する」。5つ目が「逆『ホウレンソウ』する」です。
詳細にご説明します。「事実ベースで100パーセント褒めて、一緒に喜ぶ」「事実で叱り、解決策は情報共有」は、ハラスメント対策とマネジメントのスキルにも通ずるところではありますが、感情や憶測で話すことなく、事実で相手とコミュニケーションを取ることが非常に大事だと思っています。
厚生労働省の「あかるい職場応援団」のホームページに出ていますが、指摘だけではなく、事実ベースで100パーセント褒めて、一緒にその成果を喜ぶということです。
私たちが1万人に対して、「従業員満足度」に高く相関する要素が何かというデータを取った際、「仕事の貢献実感」が一番大事だというデータが取れました。「事実ベースで100パーセント褒めて、一緒に喜ぶ」ことは、仕事の貢献実感を高めることに非常に寄与するもので非常に重要なことだと思っています。
指導については「事実で叱り、解決策は情報共有」することが大切で、実際に指導・指摘する時は、「事実に対して何ができていなかったのか」をしっかり伝えるべきだと思っています。
また、事実に対してできていなかったことを伝えるだけではなく、どうすれば解決できるのかを一緒に考え、それを情報共有することが非常によいのではないかと思い、私自身も実践しています。この方法は「あかるい職場応援団」でも紹介されています。
少し詳しくご紹介すると、私たちのチームでのミスが起きた際には、管理職の私からミスにフォーカスし全体へ注意喚起するのではなく、メンバーから発信・解決策のアウトプットをしていただいています。
自分自身でアウトプットした方が、次に同じミスをする確率が下がると思いますし、同じ立場のメンバー間でも、ミスに対する当事者意識をより持つことができます。非常に良い取り組みになっていると感じておりますので、参考までにご紹介しました。
続いて「実践②」が、「メンツを気にせず部下に謝る」です。完璧な人間はいませんので、管理職の方もできていないところがあれば、メンツを気にせず部下に謝ることが大切です。
また、しっかり部下を信頼し権限移譲することや、「逆ホウレンソウ」することも大切です。メンバーの方からホウレンソウを求めるだけではなく、チーム全体の進捗がどうなっているのかなどをきちんと伝えて、現状も理解していただいた上で、業務に取り組んでもらうことが大事なのではないかということです。
厚生労働省の「あかるい職場応援団」のデータと併せ、自分自身が日々意識していることをお伝えしました。
コミュニケーション方法とは別に、指導をする中でフィードバックをすることが非常に多いと思います。1on1面談などをはじめ、フィードバック面談のやり方やコミュニケーションの取り方はいろいろあります。
私たちが提供する、フィードバック方法に関するお役立ち資料から特に大切な3つのポイントをご紹介します。
1点目は、部下一人ひとりに面談の「ゴール」を設定することです。1on1もそうですし、人事評価などのフィードバックの面談もそうですが、面談でのゴールをきちんと設定します。
2点目は、面談で「必ずフィードバックする内容」を設定しておくことです。人事評価の話であれば、人事評価の目標に対して(進捗が)どうかがわかると思いますが、1on1などの抽象的なものは、単純に時間を取ればよい話ではありませんので、内容を設定しておくことがおすすめです。
3点目は、面談の相手がどのようなタイプかを把握して、フィードバックの仕方を考えることです。(こちらの資料で)抜粋しているのは、「ポジティブタイプ」なのか「ネガティブタイプ」なのかに基づいたフィードバック方法です。
また余談にはなりますが、男性と女性では脳波の違いがあります。あくまでもご参考までとなるお話ですが、男性は事実に対して褒めるとよい、女性はプロセスに対して褒めるほうが効果があるといった話もあります。
(フィードバック方法に)正解はないのですが、これまでお伝えさせていただいたことも鑑みながら、どのようなフィードバック方法がよいのかをちゃんと考えることが重要なのかなと思っています。フィードバックについて、ご参考までに少しお話ししました。
最後にまとめをお伝えします。最初のパートでは、全体の約10人に1人がパワハラ、ハラスメント被害の自覚症状があるのが実態であるとお伝えしました。さらに全体の5.3パーセントは、「ハラスメントを受けても何もしていない」という1万人のリアルがわかりました。
パワハラの内訳を見ますと、精神的攻撃が一番多いことがわかりますので、日頃の何気ないコミュニケーションや指導の中でも発生している可能性があります。
このことからも、日頃のコミュニケーションや指導に気をつけなければならないということが分かりますが、逆に気をつけすぎることもよくありません。叱責に関するデータでご紹介した通り、部下・メンバーから「叱責することも必要だ」と感じている声が多数あります。
叱ることは個人・組織の成長のために必要なことですし、適切なコミュニケーションや叱り方を知って、メンバーのタイプに合わせた接し方やフィードバックを日頃から意識することが求められます。ですのでこのあとは、苦手なメンバーへの接し方についてより詳しいお話をOne人事の田中さまから話していただきます。
最後に私自身が考える、ハラスメントを起こさないための4つのポイントを紹介します。
まず1つ目は、先ほど話した内容と重複しますが、「事実に対して叱るコミュニケーションを取る」。2つ目は、ハラスメントのアウトとグレーの境界線はなかなか難しいのですが「人格否定は一発アウト」と、ちゃんとわかっておくことです。
3つ目はアンガーマネジメントです。私自身もそうですが、完璧な人間ではないので怒ってしまい、その感情をぶつけてしまいそうになる時があるかと思います。
そんな時には、「4秒息を吸って8秒で吐く」というアンガーマネジメントの手法の1つを実践します。感情をぶつけそうになったら、4秒息を吸って8秒で吐いて、そこから一呼吸おいてコミュニケーションを取るのがおすすめです。
最後に4つ目は、知り合いの弁護士先生から教えていただいたことで私も実践していることをご紹介します。それは、「仕事をする相手を『取引先の社長の子ども』だと思って対応する」ことです。この意識を持っておけば間違いないと思います。
パワハラについても、しっかり意図を説明した上で仕事の依頼ができると思いますし、セクハラについても、取引先の社長の子どもにできるような誠実な対応であれば問題ないのかなと考えています。
僭越ながら、30代のゆとりマネージャーの考えではあるのですが、「私はこう考える」ということを最後にまとめさせていただきました。アスマーク奥津からの話は以上です。
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