
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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伊庭正康氏(以下、伊庭):らしさラボの伊庭でございます。ここからは、1on1のポイントをスライドで紹介させていただきます。
私もUdemyに講座をいくつか持っており、その中でリーダーシップというテーマはいくつか挙げているのですが、1on1はまだ挙げていないんですね。でも、これから挙げていこうと思っています。
2022年頃から、各企業さまで1on1のニーズが高まっている状況で、私も今、ここをしっかりと各企業で研修しているところです。
今日は、約4割の企業が導入するマネジメント手法である1on1ミーティングの進め方のコツを持って帰っていただければと思います。
先ほど申しましたが、1on1の導入割合は4割を超えています。
これは2020年の人事白書さんの調査です。内訳を見ると、導入している会社、導入していない会社がありますが、この時の導入をしていない会社さんがその後導入し始めているので、私ども企業研修講師が1on1研修で、今走り回っている状況です。
その背景にあるのが、コミュニケーションがとても必要になってきているという状況ではないでしょうか。先ほど山中(麻衣)さんからお話がありましたが、「階層間でのコミュニケーションがさらに希薄になっている。そこに問題があるんじゃないか?」と、各企業さまが気づかれたんですね。そこで一気に1on1の導入が進んでいます。
じゃあどこの会社がやっているのか。挙げればきりがないんですが、私が見て、「まさにシンボリックだな」と思った事例がヤフーさんです。具体的にヤフーさんはこんなことをされているというのが、ベストセラーで紹介されています。
一人ひとりの部下の能力を、「才能と情熱を解き放つ」というコンセプトのもと、隔週1回、30分の1on1をされていると、この本には記されています。もちろん時とともにやり方は変わっていくでしょうが、されていらっしゃるということでした。
また、パナソニックさまもコネクティッドソリューションズさまのほうで1on1をされているという情報が出ていました。これは目的が違うので、おもしろいですね。「事業マネジメントの風土改革」でこれを使っていると。
「コミュニケーションを通じて、内向き仕事を外向き仕事に変えていくんだ」というもともとの目的とメッセージがあったようです。つまり1on1は1つの目的ではなく、組織課題を解決するプラットフォームになっているということなんですね。
伊庭:だいたいの方向や、重要度もわかったし、世の中の動きもわかりました。ここからは、「1on1ミーティングは、普通の面談と何が違うのか?」というところを確認していきます。
まず左側をご覧ください。一般的な面談。こちらは業務のことにフォーカスします。私も管理職の時によくやっていました。1on1ミーティングは「あれはどうなった?」「これはどうなった?」ではなく、部下自身のことにフォーカスをして教えてもらいます。
こちらのイラストをご覧ください。部下の心模様がポワンポワンと吹き出しで出ていますが、フォーカスをするのはこちらなんですね。今どんなことを感じているか。
部下の方の声を聞いていくとおもしろいですね。「自分の役割がイメージできてスッキリしました」「上司に不安な点を相談できました」「チームに対して、意見をより言っていきたいと思います」みたいな声が実際に挙がっています。
もう少し詳しく見ていきましょう。必要となっている背景を、ちょっと違う角度から整理してみました。「部下が抱える問題の個別性が高まっている」とよく私は耳にします。1on1によってまさかの事態に、先々のリスクに対して備えておきましょうということですね。
(スライドの)左に挙げたのが個別性です。例えば、10年前、15年前、20年前。確かにないわけではないけれども、一般的ではなかったものも含まれているのではないでしょうか。でも今はどうでしょう。すべて普通のことですよね。ただ、これらをキャッチアップできているかが問題です。
例えば右側。「こういったコミュニケーションがあったら寂しいですよね」ということですね。「子どもが熱を出して10分ほど遅刻します。すみません」。管理職は言うんでしょうね。「了解です。気を付けて」。
表面上はこう言っているものの、ひょっとすれば10年前の常識であれば、人によっては、「10分ぐらいだったら、工夫すれば間に合うんじゃねえの? 私だったらもう少し段取りをうまくやるけど」なんてことを言う方もいるかもしれませんね。
でも、背景は多様化しています。「子育ての他にも親の介護もあるし、シングル親はつらいな。だからといってつらさを見せてはいけないし、体調もすっきりしないんだよな」。「なんで上司に相談しないんですか?」「相談する機会なんてないじゃないですか」ということがあるわけですよね。
1on1が必要な理由は、「上司はなんで気づかなかったんですか?」「会話をしていないからです」というのを防ぐためなんですね。個別性が高まっており、表面的な会話では理解がしにくくなっていることがあると思ってください。
伊庭:このあたりはまだ本題ではありませんので、さらっといきます。もし現場に抵抗感をお持ちの方がいらっしゃれば、「人事の方が1on1をやろう」と言っても、「いや、忙しいから」「面倒くさい」とか、(スライドの)①から⑤のような反対意見が出てきます。
最初の抵抗はやはりあるんですね。でもそれを乗り越えたらいいことがありますという話をしていきます。
これは実際に、最初に抵抗をした上司の方がおっしゃった言葉ですね。「1on1の回数をこなすと、部下の知らなかった一面が見えてきた。部下によってコミュニケーションの量に偏りがあった」。
「次第に部下に変化が出てきた。最初は何を言っていいかわからなかったけど、次に愚痴が出てくる。愚痴の次は、『こうしたらどうでしょう?』といった提案がくる」と、ある介護施設の施設長の方はおっしゃっていました。その間に何ヶ月かかかっているみたいですけどね。3行目は「上司に感謝をしている」という職場ができたということですね。
1on1ミーティングをしていくことで、得られる効果があります。いくつかありますが、私が見て「これだな」と思ったものが3つあります。効果1、「部下の主体性が向上する」。
やりたいことを聞いて、上司が支援をしていくことができる。「悩んでいるんですけど、相談に乗ってもらっていいですか?」でアドバイスをするのではなく、どうしたら良いのかということを質問で聞いていくやり方。これが1on1なんですね。基本的には「聞く」というスタイルを取ります。
部下が「じゃあ私、これをやってみたいと思います」と、自分で決めるシチュエーションが生まれます。これは「自己決定感」というキーワードでよく説明されます。「自分で決めた」という感覚が、その業務に対してコミットを生むんですよね。
先ほど山中さんから「モチベーションクラウド」というお話がありましたが、私の研修先にも、導入されている企業さまはたくさんあります。
ある大きな会社さんの副社長とお話をしていて、「モチベーションクラウドのエンゲージメントスコアが80を超えている」とおっしゃるんですね。それはどうやらすごいスコアらしいんです。山中さん、それはすごいスコアなんですか?
山中麻衣氏(以下、山中):はい、すごいです。エンゲージメントスコアは偏差値なので、偏差値80というのは非常に稀有な状態です。
伊庭:ありがとうございます。そこの副社長とお話をしていて、週に1回30分の1on1をやり続けたら、部下たちが自分たちの仕事にコミットし始めて、スコアが上がっていったとお聞きしました。これが1on1というプラットフォームでうまく組織を運営されている会社さんの例かなと思います。
あとは、「早期リスクの発見」。これは言わずもがなですね。それから「部下からの提案が増える」。「ちょっといいですか?」といったこともありますので、1on1をやらない理由を探すほうが難しい感じはします。
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