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育成に変革の時! 毎年500社2000名の育成実績を誇るPDCAの学校が解説する「育て方改革とは」(全2記事)

福利厚生や企業知名度よりも、若手社員が“重視すること” 働き方改革と同時に、企業に求められる「育て方改革」 

昨今注目されている「働き方改革」と同時に、企業に迫られているのが「育て方改革」。若手社員の育成に悩む企業に向けて、毎年500社2,000名の育成実績を誇るPDCAの学校の宮地尚貴氏が、企業が取るべき行動について解説します。本記事では、若手・新人社員の傾向をまとめたデータなどをもとに、適切なマネジメント方法を探ります。

「働き方改革」だけではなく「育て方改革」も必要

宮地尚貴氏:PDCAの学校の宮地と申します。よろしくお願いいたします。いつもWebセミナーに登壇させていただいてるんですが、今日は自己紹介を割愛をさせていただきます。

(今日の)テーマは「多くの中小企業で起こっている育成課題」「企業が未だ未着手な『育て方改革』とは」「『育て方改革』を踏まえた育成施策」という3本立てで進めていければなと思います。

メインは、(スライド)真ん中の「育て方改革」についてお伝えができればなと思います。働き方改革に伴い、育て方改革もやっていかないといけないんじゃないか? という問題提起のWebセミナーと位置づけてもらえればと思います。

もしかしたら、本日のWebセミナーですべての解が見えるというわけではないかもしれないのですが、今日の育て方改革を行わないといけない理由付けにはなると思います。

他のWebセミナーもほぼ毎日のペースで開催しておりますので、より詳細な施策を知りたい、より詳細な施策を聞いてみたいという方は、ぜひご視聴をお待ちしております。

若手が成長できる環境をいかに整備できるか

ではさっそくなんですが、「多くの中小企業で起こっている育成課題」とは。このあたりは、若干他のWebセミナーと被る部分もございますので、もしかしたら目にしたことのある方も多くいらっしゃるかと思います。

まず弊社は、全国各地で若手の教育を精力的に開催させていただいております。ですので、若手の傾向やニーズはかなり捉えることができているんじゃないかなと思ってます。

ちなみに昨今、成長欲求が1つのテーマになっているなと思っています。新人・若年層のニーズで言うと、自らの成長が期待できる会社に就職を決めた方がかなり増えているので、やっぱり今は、企業として成長環境をいかに整備できるかが課題なのかなと思います。

昨今、入社3年以内ないし入社1年以内の早期での離職も、多くの企業さまで課題として挙がっているんじゃないかなと思います。特に最近うかがうんですが、大手の企業さまでも離職が増えているみたいなんですよ。

今回のテーマでもある「育て方改革」というのを元に、なんでそんな事情が起こってるのか、なんでそうなっているのかもお伝えできればなと思っております。

フィードバックの少なさに不満を持つ人も多い

ちなみに、管理職の方・指導にあたられる方が今、何ができてないと感じられているのか。または一般社員の方から見て、「自分の上司はこれができてないんじゃないか」というアンケートも、実は内閣府のデータにございます。

実際に、青が一般社員から見た「自分の上司はこれができてない」という、なんと偉そうなデータです。赤は「管理職として、自分はこの行動が課題だ」と、ご自身が課題認識されているもの。両方ともトップに君臨しているのが、「部下のキャリア形成や人材育成に対する支援ができていない」。

これは、他のWebセミナーでもしきりに弊社からお伝えしてはいるのですが、なんでこうなってるのか。このデータを収集していく中で、私も若干見えてきたところがございますので、後半でお伝えできればなと思います。

上司の方が指導・育成という分野に精力的に携われてないことによって、一般社員の方からも「ぜんぜん上司が教えてくれないな」「仕事ができる感じもなかなかないな」という負の感情が出ている。

その結果、不満の側面でも「フィードバックがない」「キャリアプランが見えない」といったお悩みが、すごく多くの企業さまで見受けられるなと思っています。

(新人・若年層の不満として)もっと条件面のところが上位に来るのかと思いきや「フィードバックがない」とか、「1年後、2年後、3年後、私はこの会社で大丈夫なのか?」と、なんとなく漠然とした不安を抱えてしまう。あとは「OJTという名の研修で、仕事のやり方がわからない」というお悩みが非常に多いです。

「同期の人数」によって離職率にも変化が

企業さまの悩みどころで、やっぱり「早期の離職」を掲げられてる企業さんも多くいらっしゃると思うんですが、なんと同期の人数によって離職率も若干異なるというデータもあるようです。

ですので、中小企業で離職が起こったり離職率が高くなっているのも、もしかしたら人数によってパーセンテージが関係しているのかもしれません。

例えば、2人採用して1人辞めると50パーセントになってしまいます。もちろんそういった関係もあるとは思うんですが、一応参考までに「新入社員採用人数別3年以内の離職率」を見ていただければなと思います。

厚労省が出してるものなんですが、5名未満の採用企業だと、なんと6割近い人材が3年以内に辞める。5名から29名採用されている企業さまだと、3年以内には約半分ですね。もし仮に29名採用していたら、14~15名が辞めてしまう。

あとは、30名から99名だと約4割。「集団の○○理論」みたいなものが出てきそうですけれども、多くの企業さまで離職が課題として挙がっていると思います。

若手の8割以上がOJTに不満を感じている

今回は「育て方改革」というものを通じて、まずは社内で何をやっていけばいいのか、これをやれば他の会社と差別化ができるんじゃないか? というヒントになればなと思っております。

実際に、多くの企業の育成環境に着目していきたいなと思います。正直、多くの企業さまで育成環境の課題として挙がっているのが「なんとなくのOJT」。大手も含めて、OJTで若手を育てる企業さまは圧倒的に多いです。これを否定しているわけではないですし、やっぱり現場でしか培われないものがある。

成長のインパクトでいうと、教育研修で人が成長するきっかけになるものは10パーセントぐらいしかない。仕事の経験や体験によって、その人の能力が70パーセントぐらい上がったり、経験が培われたり、スキルが上がっていくというデータも出ていたりします。

ですので、OJTを実施することはさほど悪くはないと思うんですが、大手の企業さんも含めた多くの企業さまで、OJTの取り組み方にやや問題が起こっているのではないでしょうか。

じゃあ、こちらは何の数字でしょうか? お考えいただければなと思います。

退職をした新卒・若手社員の方の87.9パーセントが「これが嫌だった」と答えたものです。

なんと正解は、OJTに不満を感じていた人の割合。企業はOJTを重要視しているのにもかかわらず、多くの若年層の方々がOJTに不満を抱えていたというデータがございます。

マネジメントを学ぶ機会がなかった管理職も多い

企業さまによって、実際に誰がOJTを担当するのかはまちまちかなと思います。身近な20代の先輩社員が担当するのか、それともある程度役職に就かれた30~40代、50代の方々が対応されるのか、企業さまによって異なると思います。

ただ、多くの企業さまにお話を聞いてみると、ある程度経験された方がつかれるケースも多いと思っています。わりとここが、一番の課題になってるんじゃないかなと思っています。

実際に、OJTへの認識のギャップがあるのではないかなと思っています。例えば、40~50代の企業経営の中核を担っている方々がOJTを担当する時。

弊社も管理職研修や中堅層のリーダー研修を多くの企業さまで担当させていただくケースがあるんですが、「マネジメントについて学ぶ機会がなかった」とおっしゃられる方々はすごく多いです。

ですので、どのように教えていけばいいのかを体系的に学ばれてない方が多いですね。となると、いざOJT担当になって教える立場になった時に、自分がされてうれしかったこととか、自分の実体験・経験の中で教えられる姿のほうが圧倒的に多いと思っています。

上司の価値観は、Z世代には応用できないことも

じゃあ、40~50代の方々がうれしかったOJTって何なのか。いろんなサイトから声を引っ張ってきました。

例えば、「上司が夜遅くまで企画書の修正に付き合ってくれた」「先輩と一緒に営業して、終業後はそのまま飲みに行って、今日の振り返りをした。それが次の仕事の糧になった」「事業部対抗ソフトボール大会があって、数ヶ月前から土日に練習をして、当時の部長に社会人としての大切さの指導を受けた」。

こういった、人としてのあり方だとか、実際に業務時間外の関わりを通じて自分たちは成長できたんじゃないかと思っている人が多いです。

私たちも中小企業ですので、めちゃくちゃ制度が整っていてザ・ホワイト企業だというよりは、一定の残業もあると。特に新入社員の時なんかは、能力・経験がまだまだ何もない。

じゃあ、成果を上げるために何を捧げられるのかというと、時間ぐらいしかない。私もすごく遅くまで働いた経験もあります。

ただ、「その経験が良かった」「その経験が大切なんじゃないか」というのをそのまま今の若年層、いわゆるZ世代と言われる方々に還元しようとしても、もちろん合う時もあると思いますが、合わない瞬間も一定は存在するのかなと思っています。

20代が抱くOJTへの不満

実際の20代の声です。どんなところからOJTの不満が出ているのかというと、「説明会で社内教育はOJTがしっかりしていると聞いていたが、実際は放置されてた」。

これもきっと、上司の方からすると放置していたわけではなくて、「見て覚えてください」「背中を見て学んでね」というかたちの指導だったんじゃないかなと思います。

あとは「OJTがしっかりしていたのは初めの2週間で、『あとは現場で見て覚えて』という感じだった」。先ほどの話とも少し関連づいていますが、育った経験・価値観から、どうしても認識が違ってしまうところがあるんじゃないかなと思います。

あとは最近だと、「人によって言ってることが違っていたり、OJT担当者が怖くてあまり聞けなかった」という課題も多いんですね。

実際に、時代による変化はあるのか。どちらかというと働き方改革以前は、1日の中で嫌なことがあっても、飲みに行ったりだとか、上司から励ましの言葉だとか、「明日もがんばろう」と喝を入れられて、次の日も乗り越えていくという経験をされている方々も多くいらっしゃるんじゃないかなと思っています。

私も体育会系出身ですので、そういう経験はけっこう好きだなと思っているんですが、今の20代前半の方々はそういう経験が好きじゃない、と言ったら語弊があるかもしれないですが、あまり精力的ではない印象があります。

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