2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
リンクをコピー
記事をブックマーク
小笠原治氏(以下、小笠原):これから、「異端の経営者が渡すバトンはAIへ? 全産業でリストラ対象拡大」という(テーマでトークセッションを始めます)。
本当は最初は「突き抜けた経営者を生み出すには?」というタイトルだったんですが、この中の誰かが「AIのことをしゃべりたい」と言ったおかげでこのタイトルになりました。私はモデレーターの小笠原と言います。よろしくお願いします。
(会場拍手)
軽く自己紹介から始めていきたいと思うのですが、私自身は、さくらインターネットというデータセンターからこの業界にいますので、かれこれ25年ぐらいこの業界におります。かなりジジイのほうなのですが、いまだにこういうのに呼んでいただいて光栄です。
今は京都芸術大学というところで教職をやっていまして、今回、ネクストステージで「awabar」というものを出させていただきました。そちらは教育のDXに興味のある方に来ていただけるようにしていますので、ぜひ立ち寄っていただければと思います。
小笠原:じゃあ、登壇者のみなさんをご紹介できればと思います。まずは日本M&Aセンターの三宅さんから自己紹介をお願いします。
三宅卓氏(以下、三宅):みなさんこんにちは。三宅と申します。コンピューター会社でIT系を15年ぐらいやってから、この会社を立ち上げて32年になります。
中小企業のM&Aが中心なんですが、最近はスタートアップのM&Aもすごく増えてきたので、このようなイベントにも多く参加するようになりました。どうぞよろしくお願いします。
(会場拍手)
小笠原:三宅さん、ちなみにスタートアップのM&Aというのは、お願いすれば大企業にも積極的に紹介していただけるんですか?
三宅:そうなんです。今までは上場するしか出口がなかったわけですが、アメリカではM&Aが8割なんですね。最近では日本でも、「上場はできないけど大手の傘下に入ってもっとスケールしたい」という会社が多くて、そういうものは大企業にご紹介して買っていただいてる感じですね。
小笠原:実際に、資金調達に苦しんできているスタートアップもいっぱいいますので、そういう時の相談窓口として、ぜひお声がけいただければと思います。ありがとうございます。
三宅:お願いします。
小笠原:じゃあ、寺田さんも一言ご紹介をお願いします。
寺田航平氏(以下、寺田):寺田倉庫の寺田と申します。よろしくお願いします。ご承知の方はご承知だと思うんですが、僕は2000年に起業をしました。今は実家なのですが、ビットアイルというベンチャーを作って、2006年にJASDAQ、2013年に東証一部まで上場いたしました。
その後2015年に、僕らもデータセンターの業界なのでもともとライバルなんですが、世界最大手のTOB(株式公開買付け)がかかりました。400億円くらいで会社をイグジットして、そのお金で実家を買収して、4年前から寺田倉庫という会社をやっています。
そして、個人のライフワークとしては起業家育成をやっているので、今まで約40社ぐらいスタートアップ出身に投資をさせていただいて、12社ぐらい上場しています。
今日のテーマはいまいちまだ自分の中で消化しきれていないんですが、自分の時間の2〜3割は起業家の育成に使っているというポジションからも、亀山さんについていけるようにがんばろうかなと思っております。以上です。
(会場拍手)
小笠原:(セッションタイトルにある)「異端の」と言うと、まさに寺田さんは異端だと思うんですが、わざわざ上場している会社を売って実家を買収するって、どうしてそんなメンタルになるのかまったくわからないんですけど(笑)。
寺田:売却はTOBですからね。「時価総額の2.5倍で買いたい」という手紙がきちゃったので、これはもう断る術がないなということで、チェックメイトみたいな手の中でイグジットしていく中で、やはりおもしろいなと思って。
こういうポテンシャルの中堅企業をどこまで爆発させられるかな? という実験をしてみたかったというところが、一番の理由じゃないかなと思っています。
小笠原:寺田倉庫という名前は変えられていませんけど、町づくりの会社みたいな感じですもんね。
寺田:そうですね。わりとアートや町づくりの文脈で出ることが多いんですが、意外と地味に全事業のDX化がどんどん進んでいるので、そんなところもけっこうおもしろいなと思ってやっています。
小笠原:わかりました、ありがとうございます。
寺田:ありがとうございます。
小笠原:じゃあ、AIと言い出した亀山さん。
亀山敬司氏(以下、亀山):どうもこんにちは。DMMの亀山です。AIについてしゃべりたいというよりも、「おっさんたちが今みたいな話をしていてもぜんぜんおもしろくない、誰も聞きに来ないよ」という話になって、せめて「AI」という文字ぐらいつけときゃ来るんじゃないの? ということで、AIをつけてみました(笑)。
ここにいるのはもうええ年ばっかりで、たぶん平均年齢50、60歳になっちゃうんじゃないかと思われるんだけど。
共通点があるとしたら、時々投資やM&Aをやっているぐらいなので、会社を売る気になった時にはここの誰かが頼りになるかもしれない。ちなみに、うちに売る時は、三宅さんを通すと手数料がかかっちゃうので直接来てくださいね。
小笠原:直接来いと。
亀山:はい。うちがなかった時には三宅さんのところに行くとか、そういう流れがありがたいかなと(笑)。
小笠原:ちなみに亀山さん、一応これは周知しておかないとと思うんですが、写真は撮ってもいいけどソーシャルに流すなってやつですよね。
亀山:そうそう。俺の写真を持っているやつはいっぱいいるんだけど、いまだに(表には)出ていない。それが愛か恐怖か、みんな悩んでいるところなんだけど。
小笠原:恐怖じゃない。愛(笑)。
亀山:今日も出ないことを祈っております(笑)。
小笠原:みなさんおわかりのとおり、ポスターですら絵ですからね。そこはお約束ですよ。
寺田:本当はお面を忘れたんですよね。
亀山:はい。本当はお面で。
小笠原:本当はいつも写真を撮る時はお面をしているんですが、忘れたので。
亀山:ちょっと忘れました。あとで背中向けてで良ければ撮れますので、その時にお願いします。
小笠原:みんなのやさしさで守ってください。
亀山:はい、よろしくです。
小笠原:そういえば亀山さん、Twitterでは「AIの企業もM&Aはぜんぜんするよ」みたいなことを書かれていましたけど、そこは積極的なんですか?
亀山:積極的ですね。もう「やらなきゃどうしようもない」ということでございます。AIの会社を立ち上げて、今は10人ぐらいの会社だけど、そこをベースにこの間M&Aを1件しましたので、それで20人ぐらい増えたんじゃないかなという感じです。
AIをやりたい人もいると思うけど、ある程度の規模感を出そうと思うとチームでやらないといけないところもあるので、まだVCがM&Aにあまり投資しないうちに固めようかと思ってやってまいりました。今回は、会社だけじゃなくて人も狩りに来ました(笑)。
小笠原:調達とM&Aができる人たちが揃っているということですね。
亀山:はい。あとリクルーターもいますよ。
小笠原:リクルーターもいますね。確か、DMMから10人ほど来ているはず。
亀山:DMMリクルーターが来ました。ルフィよりも怖いリクルーターです(笑)。
小笠原:なのでもしAIに興味があったり、DMMの中のいろんな事業を含めて興味があれば、DMMの方を見つけて声をかけるといいんじゃないかなと思います。
亀山:はい、よろしく。
小笠原:ありがとうございます。
小笠原:軽く自己紹介をいただきましたが、まず「異端の経営者が渡すバトンはAIへ?」というのは思いつきで(タイトルを)作っただけなので、本当はバトンの話はないのですが。亀山さん、最近AIで一番興味が出たとか、おもしろかった、AIでいけると思ったポイントは何かありますか?
亀山:いけるというか、やらないとちょっと厄介だなというのが。ドッグイヤーというかマウスイヤーというか、ITの人間もビビっているぐらい(AI業界の)動きが早すぎる。
全業種に関わってくるので、実際問題ここ最近だと、金融系や大手ITもどんどんリストラを始めたりしている。黒字リストラ。それで株価が上がっちゃうという、ややこしい状態。利益を上げながら人を辞めさせると、結局株価が上がるという状態。
ここには経営者の人もいるので、今回はできれば「経営者とはなんぞや?」というお題で話していきたいなということで、これはけっこう突きつけられる問題かなと。
小笠原:「AIと雇用」みたいなところ?
亀山:ここには経営者の人もけっこう集まっていると思うので、「俺たちはどう判断するんだ」みたいな。
小笠原:じゃあ、シンプルにAIと雇用の話を聞いていきたいと思うんですが、AIと雇用でいうと、亀山さんは雇用がマイナスになるという考え方ですか?
亀山:雇用がマイナスというか、現実問題ホワイトカラーは打撃を受けるというか。このまま放っといたら、半分ぐらいがマッサージ師か介護師になるしかないかなと、ぶっちゃけそんなイメージはあります。けっこうやばい。
ただ社会の問題として、それにどう接するかは経営者の問題になるから、経営者次第。国もまた法律を変えていくかもしれないけどね。
小笠原:ちなみに寺田さんは、AIと雇用って考えるとネガですか、ポジですか?
寺田:短期的には、僕はどっちかというとポジですけどね。
小笠原:短期的にはポジ?
寺田:全産業まで広げちゃうとちょっと話は別かもしれないですが、AIを使い倒した人たちだけがグッと伸ばしていくことができる。
例えば我々は、裏側のエンジンとしてコールセンターを全部AIに置き換えてみようとか。ARTnewsの配信会社を持っているので、世界中のやつをすべて勝手に翻訳して、権利だけ取得した上で、それを配信するプラットフォームを作ってやろうとか。そういった裏側のところで(AIを)どんどん使い始めているところはあります。
短期的には、それを使った上で自分たちがクリエイティブな仕事をどんどん作り上げていけるようになれば、ほかと比べると業務効率性が圧倒的に高くなるので先行優位性がある。
中長期的には、そのプラットフォームをどんどん確立していくことになるので、いわゆる「作業」という工程をやる人がいなくなる。全員がクリエイティブな仕事をできない限り、結果としてその人たち単位では生き残れないというかたちになります。
一方で世の中全体で言えば、当然少子高齢化という波もあるので、こういう人たちが地方企業や中小企業の受け皿にどんどん回っていく。その観点で言えば、総合的には意外とバランスは取れていくんじゃないかなと考えています。
小笠原:確かに。
小笠原:僕もわりと近い考えかもなんですが、今はネガに働いて、次はポジにいってニュートラル、という感じで見ています。じゃあ、三宅さんはどういう感じでしょうか?
三宅:今の寺田さんの話を受けて、私は完全にポジなんですね。確かにAIによって、ホワイトカラー、あるいはホワイトカラー的な仕事で作業している人はどんどん仕事がなくなっていったり、リストラクチャーに遭うと思います。
かたや日本全体を見渡すと、「生産年齢人口」と言って、2000年には働く人が8,000万人もいたんですが、2035年に6,500万人に減ってしまうんです。さらに、2050年には4,000万人と半分になっちゃうんですね。
世界における日本のGDPも8パーセントを占めていたのが、(生産年齢人口が)半分になるから、このままいったら2パーセントを切っちゃうんですよ。
やはり、AIによってどんどん人が余ります。余った人にもう1回きちっと再教育をして、そして地方にどんどん持っていく。働く人が4,000万人足らんようになるわけですから、地方に回していく。
日本の生産性を上げていくことが非常に大事ですし、AIを導入するような企業のマネジメントやテクノロジーはかなり高いですから、それを地方に持っていくとものすごく役に立って、地方創生にも役に立っていく。こういうことで、合計としてはプラスマイナスゼロになっていくんじゃないかなと思います。
三宅:ただ、東京とかの都市部で進んでいる企業のホワイトカラーはきつい。これからはリスキリングが求められるかなという気はしますね。
寺田:だから正直、大企業がきつくなっていくんじゃないですか?
小笠原:そうですね。それはむちゃくちゃ思います。
寺田:要するに、歯車を使ったヒエラルキーみたいなモデルが全部崩壊していくと思うんですよね。
小笠原:ぶっちゃけ新卒入社なんて日本のチートの仕組みで、ほぼ洗脳に近いかたちでヒエラルキーの中に入れられた人たちです。こういう、ホワイトカラーや現場から遠い人たちにとってはむちゃくちゃしんどい状態。
亀山:そうね。それで言うと、例えば5年後とか10年後にこの中で起業家が出たとしても、意外と「代表1人だけどユニコーンになりました」「雇用はありません」みたいな会社が生まれる可能性があるということなんでね。
小笠原:そうですね。
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略