2024.12.03
企業の情報漏えいで最も多いのは「中途退職者」による持ち出し 内部不正が発生しやすい3つの要素
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矢澤麻里子氏(以下、矢澤):今、役割のお話をお聞きしましたが、「人による」部分ですと、やはり強みや弱みは人によって違う。
もちろん自分の強み・弱みもあると思うんですが、そこに対してどういうふうに察知していくというか、「ここをやったほうがいいな」と判断したり、どこをカバーするかみたいな、ご自身の中でのそういう判断に対するエッセンスはありますか? 西條さんからお願いします。
西條晋一氏(以下、西條):強みを伸ばすというよりは、「発揮できるようなことを手伝う」とかですかね。
矢澤:そうですね。確かに伸ばすというか、集中させるというところですよね。
西條:あとは会社でチャレンジして拡大していこうとすると、どうしても今まで経験したことのない困難なことが起こるので、それを一緒に乗り切ることで強くなっていく感じですかね。
矢澤:会社のステージによっても違うかもしれないんですが、メンバーから経営者に対する不平不満みたいなのが出てくるところもあると思います。そういったところをどうカバーされたり、意識されていますか? あまりないですか?
西條:これも組織のカルチャーにもよると思うんですけど、社外の人が騒いでいるとか。例えば、上場したらYahoo!掲示板で騒いでいるとかもありますし。
矢澤:ありますね(笑)。
西條:メディアからいろいろ言われることもあります。もちろん、なかなか伝わらないこともあって社内でも不満がたまったりするんですが、僕はすごく丁寧に対応はしないですね。もちろんある程度説明はするんですけれども、それでも「ちょっと今は伝わらないかな」と思ったら、僕はあんまり説明しないですね。
矢澤:なるほど。
西條:普通はするんですかね?
矢澤:どうですか? 永岡さんとか。
西條:スピード感とかいろいろあるから。
矢澤:それどころじゃないと。
西條:説明している間に、やる方向が変わったりするから。そうすると、「また言っていることが違うじゃないか」となる。とにかくどんどん会社を大きく進めていかないといけないので、成果を出してついてきてもらう感じ。僕はそうしちゃうんですけど。
永岡英則氏(以下、永岡):そうですね。伝えようと努力はしますよね。でもなかなか伝わらないというか、規模が大きくなったり、事業の分野が広がっていくと、いる方々もすごく多様になっていく。
伝わり切らないことを是としてというか、「ある程度は致し方ないものとして前にどんどん進んでいく」は、やはり絶対必要なのかな。ただ、やはりベストは尽くしますよね。
矢澤:なるほど。スピードや、ちゃんと数字を達成しているか。そこを集中していくと、弱みとかはあまり気にしなくてもいいというか、細かいところに意識を置くよりは、という感じですか?
永岡:この問いを問われると、一応私なりの答えで言うと、20年やっても、人間の強み・弱みって本質的にはあまり変わらないなと思うんですね。
矢澤:はい、まさに。
永岡:ただ、先ほど言ったように、人によって癖があったり、強み・弱みが領域としてすごくあったりする中で議論して続け合っていると、お互いに何か自覚できることはあると思うんですね。「あ、この人が考えている領域はこっち側で、こういう面もあるね。確かにね」ということを積み重ねていくことになるので。
それは、強みをより強くというよりは、それぞれ自己認識できるし、自分たちの外にある正解みたいなものの可能性を理解することができるようになってくる。多少長くやっていると、成長している感はお互いに持てる。これは2人に閉じた話ではなくて、経営陣としてもそうだと思うんです。
なので、やはり徹底的に議論していく土壌は、会社として、あるいは経営者として、すごく価値があるとすごく信じているところはありますね。
矢澤:お話を聞く限りすごくきれいだなと思うんですが、一方で喧嘩と言うと大袈裟ですが、すごく感情的になって揉めてしまうことってなかったんですか?
永岡:先ほど前川さんが「(天沼さんとは)コンサル同士で」とおっしゃっていましたが、実は宇佐美・永岡ももともとコンサルタントで、「あなたたち、なんで長くやれているの?」と外の人にけっこう言われるんです。
これは宇佐美くんの言葉ですが、「永岡くんと一緒にこれだけ長くやれたのは、お互いの対話のプロトコルが共有できていたからだ」と言うんですね。プロトコルという、要は規格みたいなものですが、何かを話し合って意見が違うと、「なぜ違うんだ?」みたいなことを探求します
掘り起こしていくと、もともと持っている情報が違うとか、このタイミングで重視する価値観がずれているとか、何かが違うことが発見できるんですが、それを発見しにいくというある種の規格というか、議論しながらそれを見つけにいく土壌というか。
そういうものが最初からあったわけでもないかもしれないですが、バックグラウンドも含めて、比較的培われてきたのはあると思うんですよね。だから、あまり感情に振れない。どんなに意見が違ってなかなか解決しなくても、解決するまで議論する。そういう感じはすごくありますね。
矢澤:前川さん、いかがですか?
前川祐介氏(以下、前川):そうですね。このご質問は、例えばスキル的な強み・弱みとか、性格的な特性を指しての強い・弱いだとしたら、対代表のみならず、人を変えるって難しいと思っています。なので、そもそもそういうことをあまり考えたことがない、というのが1つですね。
本当に近くでやっているので、代表こそ人間だし、初めてやることだったり、1回しかできない決断の前に言うと絶対迷いもあるし、不安もあるし、怖さもあると思っている。
そういった中で、経営者として絶対持っておかねばならない自信、セルフコンフィデンスみたいなものをしっかり立ててもらうというか、立てていくことがすごく大事かなと思ってコミュニケーションを取っています。
迷ったり不安だったりする人が何をもって自信を持てるかと言うと、賛同だったり、共感だったり、承認だったりかなと思うんですよね。
なので、どちらかと言うと西條さんがおっしゃっていたような、「昨日こう言っていたのが今日こうなる」というのは当然僕たちの中でもけっこうあるんです。それに対して私は、例えば頭から「No」とは意識的にしないようにしています。だいたい「Yes」「いいっすね」と言う。
だけど、「昨日始めちゃったこれ、どうしよう?」という問題だったり、「今動いているこれと将来的に問題がある」とか「アイデアはいいけど、ちょっとリーガルマターになりそう」ということも多いので、「Yes, but…...、こうやったらできそうだから、ちょっと考えさせてね」と言う。
最初から頭ごなしではなくて、やはり「やりたい」と言ったことについて、経営者として「じゃあ、そうしてみましょう」と、私なりにできる最初のレシーブは意識してやっている。そういう考え方を持つようにしているのは、今まで出てこなかったお話の要素としてはあるかなと思っています。
矢澤:確かに。代表も、意思決定しても実は不安だったりしますものね。なので、そういったところで「これをやろう」といった方向に、とりあえず賛同してくれるとか、ちょっとした心のサポートをすることはすごく大事なのかなと思います。
前川:そうですね。悪い意味じゃなく、時々「副代表はYesマンなのか」と問われることがあるんですが、「違う。半分合っているけど。Yes, butマンなんです」という話はよく冗談でもしています。
何かしら提案を持ってその意思決定を前に進める。私自身も経営者の1人ではあるので、お互いの意思決定を強くしていくために、そういう会話は常にやっていると思いますね。
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