2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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大澤陽樹氏(以下、大澤):では、日本で失われている働きがいはどうしたらいいのか。よくハラスメントとかが言われるじゃないですか。「めちゃくちゃ厳しくフィードバックしたら訴えられました」とか、「ホットラインに投稿されて降格されました」と。
働きがいのある組織を創るのは、そんなに簡単ではないと思いますが、実際に働きがいのある組織はどんな会社に多いのか。仕組みをどう変えると、「働きがい」が上がりやすいかを最後にお伝えして、トークセッションに入りたいと思います。
そもそも「働きがいって何なの?」とよく聞かれますけど、私は厚生労働省の定義が一番わかりやすいと思います。働きがいは「働く価値がある」と本人が感じているものです。別にお金でも何でもいいです。本人が「ここで働く価値がある」と感じていれば、それが働きがい。
「働きやすさ」はまったく違います。「働く苦労や障壁」が小さいことです。苦労とは、単純にフィードバックを厳しくされないとかではなくて、例えば通勤が大変ではないとか、自分のライフイベントと両立しながら働くことができるとか。そういう意味の働く苦労・障壁が少ないことですね。
大澤:最後に、みなさんに「働きがい」に影響を及ぼすものは何かという調査結果をお伝えして終わりたいと思います。日本は「働きがい」で世界最下位ですが、日本の中でも「働きがい」の点数がすごく高い会社がけっこうあって、その会社に共通するのが、(スライドの)この8項目(「待遇面の満足度」「社員の士気」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代成長環境」「人材の長期育成」「法令順守意識」「人事評価の適正感」)の中からどれかが高いんです。
もしくは(スライド右側の)残業時間が多いか少ないか。有給休暇消化率が多いか少ないか。これのどこかが、「働きがい」にものすごく影響しているとデータに出ています。
(スライドのように)働きがいと強い相関関係があった項目は、3つありました。「社員の士気」は相関というかそのままイコールなので飛ばします。
「20代成長環境」。若手の方が成長できると感じる環境は、働きがいが高いという結果になりました。ちょっと腫れ物に触るように「今の若者はそんなに成長とか求めていないでしょ」とやっていると、どんどん働きがいが失われていく組織になりますので、もしそういうマネジメントスタイルや風土になっている会社さんは要注意だと捉えてください。
もう1つは「人事評価の適正感」。これも働きがいと強い相関がありました。おもしろかったのは、「待遇面の満足度」という、お金がたくさんもらえるかどうかの項目があって、お金がたくさんもらえることと働きがいって、そんなに相関がなかったんですよ。
お金がもらえる・もらえないにかかわらず、ちゃんと適性に評価されてそれが報酬につながっているか、人事評価に適正感があるかが、非常に働きがいにつながることが、今回の結果からよくわかりました。
働きがいは業績や3年後の売上、成長率にすごくつながるよ、と。でも「働きがいはどうやって変えたらいいの?」というと、「若手がしっかりと成長できる環境を用意できたか」、そして「評価が適切に行われ、それが報酬に結びついているか」。その結果、社員の士気が上がると思うんですが、このあたりを意識していただくとよろしいかなと思います。
大澤:ということで、トークテーマに入っていければと思います。まずここまで、多くの人事の方やもしかしたら経営幹部の方で、社長や経営陣が「働きがいなんて放っておけ。知らん」という方いらっしゃると思いますが、ぜひ声を出してください。
働きがいは3年後の売上につながることは、日本だけでなく海外でも同じ研究結果が出ています。世界では当たり前で、ファクトも出ていますよ、と。投資家も、ESG(環境、社会、ガバナンス)をしっかりしていないと投資をしないというデータも出ている。
経営者の方は企業価値を上げていきたいとシンプルに思っていると思います。若手が成長できて、評価が適正になっていれば働きがいは上がります。何でやらないんですか? と突き付けていただくと、お得なことだったら絶対やるはずなので、ぜひ困っている方はこういう投げかけをしていただくとよろしいのではないかなと思います。
ということで、いったん私からの講演を終わりにさせていただければと思います。
藤澤:ありがとうございます。めちゃくちゃわかりやすいですね。このデータは今回のZ世代の採用の話にすごくつながると思いますし、逆に採用するだけではなく、しっかり育てていく観点がないと、「SNS採用したからいいんじゃないの」みたいに安易に思いがちなところの視座を、1個上げてもらった感覚がすごくあります。
大澤:ありがとうございます。
藤澤:チャットでも「中途採用の面談をしているんですが、『現状の給与に関わらず、成長環境を手に入れたい』みたいなことも言われる」とおっしゃっていますので、このあたりもトークで広げて行ければと思います。
大澤:わかりました。
藤澤:ということで、トークディスカッションのテーマの1つ目が「20~30代が働く上で最も人気な企業特徴データまとめ」です。先ほどのデータからさらに当社まとめみたいなものもあるので、そこを深掘っていくと浮き彫りにできるところがあるんじゃないかと思っています。
2つ目が、「Z世代に響く、採用説明会の内容について」。めちゃくちゃ具体的ですね。3つ目が「退職者が出にくいオンボーディング&組織風土の特徴」。採用だけではなく、そこから育てていく観点も、ぜひおうかがいできればと思います。
資料を用意いただいているということで、それをもとに進行していただけますでしょうか。
大澤:わかりました。これは書籍に載っているランキングデータなので、もしおもしろいと思ったらぜひ書籍もご購入いただければうれしいです。
藤澤:(笑)。
大澤:まず1個目。「20~30代が働く上で最も人気な企業特徴データ」。Z世代に近い、もしくはZ世代に入っている20代の方が選ぶ、「働きがいにつながっている」「成長できるな」と感じる会社トップ20ですね。
これはおもしろい話ですけど、おじさんおばさんが「うちの会社は若手が成長できる」と思っている会社と、20代当人たちが「うちの会社は成長できるよね」と思っている会社は、実はぜんぜん違います。
藤澤:ええ!
大澤:40代、50代の人が感じる、「20代が成長できる環境」は、自分の昔のことを思う人が多いんですよ。「俺が若手の頃は」みたいな。
藤澤:ああ。
大澤:でもそういう会社に限って、20代当人たちの評価がめちゃくちゃ低いです。
藤澤:(笑)。
大澤:なので、本当に20代が評価している、「うちはめちゃくちゃ成長できるぜ」という会社のランキングをこのあとお伝えします。
30代は違う視点にしていて、私も今38歳ですけど、最近わりと中堅層の方々の転職がすごく活況です。でも、企業によっては「転職してもぜんぜん年収が上がらない」という会社があったりするので、ちょっと変化球です。「30代で一番年収上がる会社どこ?」というランキングを作っています。
藤澤:ええ!
大澤:これは私たちが適当に作っているわけではなく、1,500万件のクチコミから算出したものですので、一定の正確性のあるデータかなと思っています。
大澤:ということで、「20代で成長できる超優良企業20社」から行きましょう。20位からベクトルさん、UHA味覚糖さん、プレサンスコーポレーションさん。こちらは不動産系の会社ですね。
17位のじげんさんは一時期ネクストリクルートと言われたインターネットの会社です。リクルートさん、メディックスさん、サイバーエージェントさん、有名ですね。シティグループ証券さん、ビービットさん。ビービットさんもインターネット系の会社です。
日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング。実は日本アイ・ビー・エムさんより、この日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリングさんのほうが、スコアが高かったのが特徴的だったかなと思います。
続いて、トップ10です。今日お越しの方の会社もランクインしているかもしれないですね。10位。日本ナショナルインスツルメンツ。知っている方は知っていると思います。半導体とか電子とか、すごく有名な会社さんですね。ガイアックスさん。これもご存じの方が多いかもしれませんが、非常に起業家を輩出している会社かなと思います。
フィッツコーポレーションさん。日用品、化粧品とかの会社ですね。ISSリアライズさん。みなさん、このあたりは聞き覚えがないですよね。旧社名が井上特殊鋼さんという専門商社で、確か営業の粗利とかをベースに賞与とかが決まってくる。めちゃくちゃ若手でも成長ができ、報酬が高いことで有名な会社だったりします。
KPMGコンサルティングさん。シンプレクスさんは、Slerがすごく伸びている会社さんですね。揚羽さん。そして、みなさんご存じのP&Gジャパン。フューチャーさんは、フューチャーアーキテクトを抱えているSlerさんです。
1位がローランド・ベルガーさん。実は、戦略コンサルティングファームのマッキンゼー、ボスコン、ベイン、ATカーニーは、あらゆるランキングに入り過ぎているのでランキングから外しちゃっています。
実はその4社は、この20代で成長できる超優良企業20社の中でも、トップ20に入っています。ベルガーさんは他のところに入らなかったので、ベルガーさんだけ入れているんでけど。戦略コンサルは概ね20代でめちゃくちゃ成長できると評価されていると捉えていただいていいと思います。
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