
2025.04.02
働く人が増えても、日本の「人手不足」問題は解決しない “労働力=人手”という捉え方の盲点
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安藤広大氏(以下、安藤):(「理想の社員」が備える7つのポイントの)最後は、「時間短縮に対する意識が高い」。1個1個の行動を、人より短い時間で行うという意識が高いです。時間に対しての意識をしっかり持てているかが、最後のとても重要なポイントです。
時間短縮の意識が高ければなぜ成長できるのか。当然、他の人より短じ時間でできるということは、多くの成果を上げることができるということがあります。
(スライドの)この図に集約されます。
上が遅い人で、下が時間短縮の意識を持つ人で、同じ期間内にどれだけのゴールを切れるかに大きく差がある。
人は不足を認識して、その改善を繰り返すことで成長します。その意味では、同じ期間内でいかにたくさんのゴールを切れるかで、成長に大きな差が生まれます。そして、同じ期間内でゴールをたくさん切るためには、この時間短縮という意識が非常に重要になり、この意識がなければ成長する人材になれないと考えています。
安藤:最後のまとめです。
理想の社員とは「組織成長のために必要な能力を早い速度で成長させることができる社員」です。そのためには、自らの社会における立場を正しく認識する。自らは他者から評価される存在であると正しく認識し、会社における立場を正しく認識すること。自分は会社・上司を評価できる立場ではなく、会社・上司から評価を得なければいけない立場であることを正しく認識する。
そして、評価を得るためには、どういう責任を果たせばいいかを理解し、その責任に対してしっかりと自らの権限を取りにいくこと。そして、自らが変えられない定数に対して嘆かないこと。こういう言いわけをしない状態になる。
さらに、「失敗に対する恐怖に打ち勝ち集中している状態」。つまり成果視点ではなく、結果視点です。さらに、常に比較で評価されるという環境の中では、周りの基準より自分が成長していなければ、周りからは退化していると認識されることを理解する。そして、時間短縮の意識を強く持って、多くのゴールを積み上げていく。
これが理想の社員像であり、一人ひとりの社員はこういう社員を目指し、マネジメントする側は、こういう社員を1人でも多く作り上げていく。そういう会社の仕組みを作る必要があるということです。
私の話はここまでとして、このあとは質疑応答にいければと思います。
司会者:では、最初のご質問です。
「数値化を徹底したいと思っていますが、識学ではどのような指導をされているのでしょうか。差し支えない範囲で助言いただけたら幸いです」。
安藤:ぜんぶ数値化するということです。要は定性的な指示をしない。どんなことであっても期限は決められると思います。できれば期限と、その期限にどういう数字を求めるのかをしっかり指示する。少なくとも、どんな指示でもまず期限を設定することが一番重要だと思います。
質問者:「変数とは俗に言うKPIと同じという認識で良いでしょうか」。
安藤:ほぼ同義ということでいいと思います。KPIは自分で動かせるものという認識だと思いますので。
司会者:「業界や会社によって差はあると思いますが、理想の社員を育てるのに必要な期間はどのくらいを見ておくものでしょうか」。
安藤:これは組織の状態にもよりますね。理想の社員像からかけ離れた社員ができてしまうということは、そういう環境になっているということなので。会社の仕組み自体を変えて、理想の社員を育てられる環境を作っていくことになります。
その環境からかけ離れていれば、理想の社員の育成はとても偶発的なものになって、いくら経ってもたまにしか出てこないということになると思います。しっかりと仕組みができあがっていれば、早いタイミングで理想の社員が出てくる。ここは会社の状態に左右されると思います。
司会者:「OA機器販売店ですが、採用に苦労しています。今日お話しされたような社員でなくとも、まず採用を成功させる、採用人数を確保することが目下の目標です。御社は、採用人数にはもう苦労しないですか」。
安藤:まったく苦労しないというわけではないですが、おかげさまで採用はそんなに大きな課題ではないところはあります。
司会者:「社長はともかく、間の上司が現状維持を評価するような人間だったら、どう立ち回るべきでしょうか」。
安藤:現状維持を評価するという状態が本当にあるんでしょうか? その上司に、現状維持を評価するとは、どういう状態を評価しているかを確認しに行くこと。現状維持とそれより成長した状況で、どっちを評価するかを確認した上で進めていくということですかね。
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