CLOSE

「優れたNo2の育成方法」No2を育てられる社長はこれをやらない(全4記事)

自分が自社の「誰よりも仕事ができる」は社長の大きな勘違い 『リーダーの仮面』著者が説く、部下の責任範囲を広げるタイミング

株式会社識学が主催した経営者向けに特化したオンラインイベントに、著書『数値化の鬼』『リーダーの仮面』の2冊累計発行部数が50万部を超える、同社代表の安藤広大氏が登壇。「優れたNo2の育成方法」と題して、会社に対する「姿勢」を確認するルールや、ナンバー2の管理の仕方などを語りました。

会社に対する「姿勢」を確認するルール

安藤広大氏(以下、安藤):No2を育成していく上で6つの「してはならないこと」の3つ目は、「No2を自由にさせない」ということです。これもよく聞く話ですね。「No2には気持ち良く働いてほしいので、細かいことは言わないようにしています。それに、彼の能力は高いから、遅刻などの『軽い違反』は暗黙の了解になっています」と。

要は自分よりNo2のほうが数字をたくさん作っていて、辞められたら困るので、ちょっとぐらいの違反とかちょっとぐらいのルール無視は目をつぶっていると。特権階級みたいな感じになっているということですね。これも絶対にダメです。

何度か識学の講演を聞いていただいた方はご存じかもしれないですが、識学の中には、「姿勢のルール」「行動のルール」というものがあります。姿勢のルールはここに書いている通り、挨拶するとかユニフォームを着用するとか、できる・できないが存在しないルールのことです。違いは能力の必要の有無なんです。

なんで「姿勢のルール」と呼んでいるのかと言うと、この「できる・できない」が存在しないルールに違反するということは、自分の意思を持ってルール違反を犯しているということになります。ですので、これは社長や会社に対しての姿勢を表しているということです。

なので、姿勢のルールを破ることを許してしまうと、それはイコール、いわゆる業務指示や売上を作る目標に対してもそれぐらいの姿勢で取り組むことを許してしまうことになりますので、できる・できないが存在しない姿勢のルールは、No2であっても、例外なく破ることを許してはいけないということにです。

No2であっても、特別扱いはしてはいけない。ルールを守らなければ、組織の一員として認めないという断固とした姿勢を示すべきです。

No2であっても、あくまでもルールの中で自由に動いてもらう。当然、他のメンバーとは、与えている権限や責任の大きさは違うので、動ける範囲内は大きいとしても、こと「姿勢のルール」に関しては、特別扱いをしてはいけないということです。

ナンバー2の管理の仕方

安藤:原則4は「No2に丸投げしない」ということです。「No2には、私の専門外の新規事業を担当させています。そのため、一切口出しをしていません。それが信頼の証ですし、彼のやる気を削ぎたくない。万が一辞められたら一大事ですから……」というパターンもよくあるんじゃないかなと思います。これもNGですね。

私自身も今、営業部隊に関しては、すべてNo2である副社長に責任を持たせていますので、そういった意味では、この瞬間僕が営業の責任者になったら、彼と同じパフォーマンスを出せるかと言うと正直自信はないです。やはりやっている職務が違いますので、それこそ辞められたら一時的に一大事になることは想定されるわけですね。でも、そういうことを気にしてもしょうがない。

じゃあ、「丸投げしない」ってどういうことなのか。まず大前提として、「経過」と「結果」ということで、プロセスと数字の結果ということがあるんですけど、経過には介入すべきではないですね。

部下にいったん責任を任せたのであれば、プロセスに介入することはやめましょうと。なんでかと言うと、部下自身が考えなくなるからです。あとは、結果に対して無責・他責になる。つまり、「社長の言う通りやったので、これがうまくいかなくても僕の責任じゃありません」ということになります。

あとは、すべてのプロセスを自分が見るのであれば、これは任せているとは言いませんので、こちら側の負担ばかりが増えてしまうことになります。だからプロセスの介入はすべきではない。ただ、まったく放置していいかと言うとそうでもない。じゃあ何を管理すべきなのかと言うと、結果を管理すべきです。

管理をするというのは、毎週なり毎月なりしっかりと設定をして、それに対してできたかどうかの評価をし、その不足の確認と、不足に対して翌週、翌月どういうことを変更するかの確認を点でする。しっかり結果で管理していかなきゃいけないということです。

ただ、最終ゴールだけ任せて、結果で握っていればいいわけではなくて、No2の今の状況によって、例えば週次で管理するのか、月次で管理するのか、はたまた3日で管理するのかということは、僕らは「結果点」と呼んでいますけども、人によってこの幅をしっかりと決めて、部下のほうから報告をさせる。そしてそれに対して評価を下すのが管理をするということです。

部下の責任範囲を広げるタイミング

安藤:私の経験も含めて、責任範囲を広げるタイミングってどこかと言うと、しっかりと結果点を達成しているということと、報告時にクリアした時のプロセスを聞いた時に、そのアイデアが「自分のアイデアを超えてきているな」と思った時です。そうなれば、さらに責任範囲を広げていけばいいかなと思っています。

結果管理というのは、No2の育成のみならず非常に重要だなと思っています。とにかくプロセスに口を出さずに、求める結果を明確に設定し、それに対してできたかできないかというところで管理をしていくことが大切です。これをやっていくと、「自分を超えてきたな」「自分のアイデアを超えてくるな」というシーンが本当にたくさん出てきます。

社長の大きな勘違いで、「いつまで経っても自分がナンバーワンプレイヤーで、誰よりも仕事ができる」というパターンが非常に多いんです。社長が1人で経営やいろんなことを考えていく中で、例えば責任者は1個の責任だけを任されていて、社長以上のアイデアが出てこない確率のほうが低い。

例えば僕が(アイデアを)10個考えていて、責任者は1個しか考えていない。1個のことに頭を使う人間と10個に頭を使う社長では、1個を考える人に社長が勝ち続けることはあり得ないということです。ですからプロセスに口を出さない。ただ一方で、丸投げはしちゃいけないということです。

社長の専門外の仕事をNo2に任せている場合でも、「管理しない状態」にしてはいけません。No2に「明確な結果」を設定し期限を迎えるまではこちらから口出しせず、結果で管理をしてください。

「明確な結果」がポイントです。あるとしたら、期限を迎える前の向こうからの相談には乗りますけどね。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • “退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!