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「数値化の鬼」識学代表登壇!経営者のための数値化マネジメント解説(全5記事)

営業以外の部署でも、KPIの定量化はできる クオリティを担保し、「回数をこなす」を目的にしない目標設定

株式会社識学が主催した経営者向けに特化したオンラインイベントに、著書『数値化の鬼』『リーダーの仮面』の2冊累計発行部数が50万部を超える、同社代表の安藤広大氏が登壇。「経営者のための数値化マネジメント解説」と題して、安藤氏がセミナー参加者からの質問に答えました。

メンバーが経営者や上司の「目線」で考えるのは不可能

司会者:「時間軸について、一般的に2段階上から見たほうが良いと言われていると思いますが、それについてはどう思いますか」。

安藤広大氏(以下、安藤):見えないです。その立場に立ってみないとわからないことが多いので、その立場に立って、はじめて物事がわかる前提に基づいてやるべきです。「経営者目線に立って考えなさい」は不可能です。

逆に「経営者目線になって考えなさい」と言うと、経営者目線を持っていないくせに、経営者を批判しだしたりするので、この「1個上の目線を持ちなさい」は、識学的には間違いです。ただ、1個上の人からの指示を徹底してやった結果、なんとなく考えがわかってくるというぐらいでいい。

司会者:「変数と定数の概念について、わかりやすく、部下にも伝えやすい概念だと思いました。変数について仮説→分析をすることが大事かと思いますが、どのくらいの期間で変数の分析を進めて行くのが良いでしょうか?」。

安藤:これはもう完全に物事によりますね。要は、効果があるかどうかの検証ができる数字のタームは、物事によって変わってくるので。早いものであれば1週間とかでできるものもありますし、1ヶ月2ヶ月見てみないと、効果があるかどうかを判断できないものもあると思うので、これは決めの問題だと思いますね。

司会者:「成果ではなく、コントロールできる結果視点で動く(KPIの設定が重要)ということでしょうか」という質問をいただきました。「KPIってどういうことですか」というご質問もいただいていましたので、私も今調べたんですが、「重要業績評価指標」という言葉でして、成果を上げるためにどの数字が重要かを決めてコントロールするという意味です。

安藤:ある種そうですね。どのKPIに集中させるのかの設定になります。ある意味ではそれでも正しい。でも、それがすべてというわけではない。時には、あるKPIに設定して「動きなさい」と言うこともありますし、これはこれでいいと思います。

「納得して仕事をしたい」という部下との向き合い方

司会者:「納得して仕事をしたいという部下には、どのように対応したら良いですか?」。

安藤:ちゃんと自分の立場を理解させることですかね。要は、あなたが納得するかどうかを決められる立場ではないということを、ちゃんと教えてあげることではないですかね。

これって、部下の納得感を取りにいってあげたほうが、優しいように見えるんですけど、でも、納得できないと仕事をしなくていいと勘違いをし続けて過ごす人生は、どんどん糧を得られなくなるので、早めに教えておいたほうがいいですよ。

司会者:「真のKPIを見つけることの難しさを感じています。そのために行動量が必要なことも理解できます。が、その行動量をどんな軸でやらせるべきかが難しく感じています。例えば『売上●万円するための案を、●個やりましょう』というような粒度の指示でよいのでしょうか?」。

安藤:例えば、どの数字を重点的に動かすのかを確認して、それを動かすのを、「まずいつまでにやってみなさい」という感じですかね。

これも「案を何個やりましょう」となると、さっき言ったように散漫になってしまう。なので例えばそういう案があるのであれば、「まずこの方法で2週間やりなさい。ちゃんと動いたかどうか言いなさい」という感じですかね。同時に動かすのはやめたほうがいいですね。

司会者:次の質問は私が、文章を捕捉します。「中小零細企業です。年功序列で実力のない人を可視化(数値化)するには、どういった方法がありますか。それを適正に評価しない役員の組織は、すでに崩壊しておりますでしょうか」という意味合いかなと思います。

安藤:当然、年功序列で実力のない人が、既得権益で残っているということは、その分誰かが被害を被っていることになりますので、長続きはしないですね。この質問を送ってくれた方が社長であれば、その仕組みを変えていかなければいけないと思います。

イチ社員の方であれば、そういう組織なので、ちょっと諦めないといけない部分もあるかなと思いますし、言えるとすると、もっと評価を数値でやってほしいと提案することぐらいですかね。

営業以外の部署でKPIを定量化する際のポイント

司会者:「営業以外の部署(企画系の部署など)で、提案回数などの結果視点で上司と目標を数値化で決めた際に、クオリティより『回数をこなすこと』が目的化されることを上司が懸念しています。手段が目的化することを恐れずに、回数を決めたほうがいいですか?」。

安藤:これは一番評価すべきポイントを提案の回数ではなくて、承認回数、提案が通った回数にする。例えば簡単に言うと、承認が取れた回数を評価の8割にして、最低限の回数をこなす回数を2割にするみたいなイメージかなと思いますね。

司会者:「テレアポの例ですが、成果視点ではなく結果視点で評価する場合、質の悪いテレアポ(成案につながらない)も成案につながる質の高いテレアポも、同様に評価するということでしょうか?」。

安藤:これはルールを決めます。なので、質の悪いテレアポを定義して、例えば質の悪いテレアポの点数と、質の高いテレアポの点数を変える。もしくは質の悪いテレアポは1件に数えないとして、コントロールすればいいですね。

司会者:「社長秘書をしています。社長と社員の距離の取り方について。当社の社長はとても社員思いで日頃から社員に声掛けをしています。それも理由になるのか、社員が上司よりも社長を頼っているように見受けられます。社長自身もここに課題を感じているようです。識学としての考え方をご教示ください」。

安藤:これはもう社長自身も寂しい部分もあるかもしれないんですけど、社員とのコミュニケーション回数を減らす。物理的距離を取ることだと思いますね。

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