2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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熊平美香氏(以下、熊平):対話の5つのメソッドについてご紹介させていただきました。まず「メタ認知」。これができないと先に行けません。「メタ認知」の力が上がりますと、自然にその先にあるプロセスに進みやすくなります。まずは「メタ認知」から始めていただくと良いかと思います。
対話は、多様な人材がその潜在能力を開花させることで、イノベーションを生み出し価値創造につなげていくために活かせると、冒頭でもお話させていただきました。ご紹介した対話の5つの基礎力をそのための土台と考えていただきたいです。その上で、こんなこともお話してみたいと思います。
これまでは画一性の時代、ヒエラルキー型(管理型)の組織の時代。上下関係があって、主に情報は指示命令というかたちで上から降りてくる、下は報告するという世界観だったと思います。しかし、今の多様性の時代は、画一性時代とは違いヒエラルキー的な組織の運営は難しくなってきていると思います。
自律分散型のDAO(分散型自律組織)という言葉も出ておりますが、そういった組織の在り方が広まりつつあります。自律分散型では、対話が鍵を握ることになります。指示命令型から対話型に変わっていくのは、画一型から多様型への変化であり、それは同時に組織の在り方が、管理型から自律分散型に変わっていく話でもあります。
VUCA(予測不可能な)時代になり、意思決定のスピードはどんどん上がっていますし、計画通りにものごとが進まない時代でもあります。現場がどんどんアジャイル(変化に柔軟にすばやく)に、仮説検証を進めていく時代になる中でも、「対話」は鍵を握ります。このため、新しい時代に合った強い組織を作る上でも、対話は欠かせません。
また、「パーパス」という言葉も、ダイバーシティの推進の中では重要なテーマになっています。一人ひとりが違う。一人ひとりの強みや個性を活かす。そういった個を重んじることがダイバーシティでは主流になりますが、組織は個がバラバラでは成果を上げることができません。多様な個が一体化して、同じ目的に向かっていくためには、パーパスの存在が欠かせないという話になるわけです。
多様性を活かそうと思えば、ダイバーシティをつなぐ手段として、パーパスは組織にはなくてはならない存在となってきています。このパーパスを共有していく。あるいはみんなで作り上げていくためにも、私は何でこの仕事に取り組んでいるのか。この会社にいるのか。何のために私は存在しているのか。そういったことをリフレクションして、対話をして、そして自分ごとにしていく、パーパスの自分ごと化においても、対話は欠かせないものになります。
ダイバーシティと対話は、切っても切れない深いつながりがあると思います。対話の力を上げていかないと組織は一体化しませんし、協働する力も弱くなっていきます。みなさんも、ダイバーシティを推進することに力を注いでいらっしゃるならば、パーパスを共有する強い組織を創るためにも、ぜひ対話を活かしていただければと思います。
さて、ここで、少しだけ対話の時間を取りたいと思います。(みなさんに)聞いてみたいのですが、本セミナーで何を学びましたか。一番印象に残ったことを教えてください。あまりお時間がないのですが、ぜひ4点セットで考えていただきたいと思います。
今日は4点セットまで共有していただくことは難しいのですが、「本セミナーで何を学びましたか」をチャットで教えてください。ぜひ1つでも学んだことを、チャットに投げかけていただけるとうれしいです。また4点セットのイメージはだいたいつかんでいただいたと思いますので、初めて認知の4点セットをご覧になる方は、ぜひその続きもここに書き込んでいただきたいと思います。
みなさん、何を学ばれたんでしょうか。どうでしょう。(4点セットの)フルバージョンではなく最初の意見のところだけを、まずシェアしていただきたいと思います。
……ありがとうございます。たくさん出てまいりました。「学習と変容ですね」「インプットだけだと学習にならない」「意見がなぜ対立するのかっていうところ」もありがとうございます。「メタ認知も大事」「みんなで1つの目標達成すること」そうですね。「対話をすること、ほんと大事ですね」「傾聴」も来ております。「カレーの話」もありがとうございます。
みなさんどんどん書き込んでいただいておりますが、ちょっと先に進めさせていただきますね。この今、書いていただいていること、そのものなんですけれども、実は私たちは同じ話を聞いても同じ事実を拾わない。さらに4点セットまで掘り下げていきますと、同じ事実を拾ってもその解釈は違っているんです。
これはけっこう重要なことで、なぜ多様性や対話が学びに必要なのか。「(対話が)必要なんです」と訴えているのは、自分が学んで分かったことは、本当に氷山の一角でしかないけれど、いろいろな方の学びを集めるとものすごく幅広い学びになり、それを自分のものにすることが可能になるからです。
私たちはこの瞬間も1,100万ビットの情報に触れているそうです。五感を含めてなので、私の言葉だけではないのですが、その中でたった40ビットの情報しか認知できない。これが人間の特性だそうです。
私たちは1パーセントの情報も聴き取れない。私たちは自分が焦点を当てたものを拾っていく仕組みになっているので、自分1人ですべてのことを学ぶことはできない。それを知った上で、いろいろな方たちとの対話を通して、自分の学びを広げていく。ぜひ対話を活かしていただきたいと思います。
今日はこれで話を終えなくてはいけなくて、みなさんに対話をしていただけないのがとても残念ですが、対話の実践方法はご理解いただいたと思います。ぜひみなさんも職場やいろいろな場所で、対話を活かして学びを広げていくことに取り組んでいただければと思います。
さて、ここからは少し昭和女子大学のキャリアカレッジの内容について、ご紹介させていただきます。我々は2013年から、ダイバーシティーの中でも女性の活躍にかなり力を入れており、少しずつ男性も女性も関係なくダイバーシティを活かす上で欠かせない「対話」の実践方法を含めたプログラムを展開し始めております。
こちら(スライド)の真ん中にありますのが「女性マネジメントステップアップコース」と「203030時代の女性リーダーシップコース」です。こちらは女性だけが対象になっておりますが、その上の「ガバナンス経営研修」は男女共同ですし、左の上の「ゲームチェンジ時代のリーダーシップ養成」も男女一緒です。時々男性の管理職の育成も求められますので、(男性管理職向けダイバーシティ研修も)実施しています。
簡単にプログラムを、ご紹介させていただきます。まず最初にこの「203030時代の女性リーダーシップの育成コース」はご承知のとおり、役員の比率を30パーセントにしようという経団連の目標を前提に、「それに合わせて目線を上げていこうよ」というチャレンジングなプログラムになっております。
昭和女子大の理事長・総長の坂東眞理子先生、さらにアクサ・ホールディングス・ジャパン株式会社の社長でいらっしゃる安渕聖司さん、日本たばこ産業株式会社の元副社長の新貝康司さん、こういった本物のリーダーのみなさんにもお話いただき、対話をする機会をご用意させていただいております。
今年は新たにパーパス経営のご専門でいらっしゃいます岩嵜(博論)先生。ご著書がとても素晴らしく、お願いをしてて、このプログラムにも参加していただきました。このような感じで手作り感満載ですが、「こういう人たちと一緒に対話をして成長できたら素晴らしいよね」というイメージを持ってプログラムを企画させていただいております。
アクションラーニングなども入っておりますので、座学だけではなくてグループでいろいろなことを対話して頂きます。異業種交流的な要素も加わっております。「ガバナンス経営研修」では、経営者としての基本スタンスを学んでいただくために、コーポレートガバナンス(企業統治)の第一人者でいらっしゃいます北川(哲雄)先生にもお越しいただいております。
素晴らしい先生方からESG経営やリーガルマインド(法的思考力)セットなどについてもしっかりと学んでいただくプログラムになっています。
「ゲームチェンジ時代のリーダーシップ養成コース」は男女混合のプログラムです。「多様性を価値に変えることができない」という多くのみなさまの悩みに応えるために用意したプログラムです。ダイバーシティがイノベーションにつながることを証明するためのプログラムであり、それを実践していただくためのプログラムです。
私はチームビルディングやリフレクションを(担当)させていただいております。「デザイン思考」「システム思考」「ファシリテーション」は、多様性を価値に変えるためになくてはならないものです。そこに我々のダイバーシティの観点を掛け合わせプログラムとして開発させていただいております。こちらもすばらしい先生方で、いつも、講義は。本当に目から鱗という感じです。
ダイバーシティを推進していく研究会(経営研究会)もやっております。この研究会は、新しい働き方を実現していく中で、企業のご担当の方々が日々悩んでおられることへの答えになる、ビジョンを形成することができるようなプログラムとして企画せていただいております。
先ほどのプログラムにもご登壇いただいている安渕さんもいらっしゃいますが、Googleの戦略本部長やユニリーバ・ジャパン・ホールディングスの社長にもお声掛けさせていただき、先行事例から学んでいただくプログラムになっています。
どうしても会社の中だけでやっていますと、過去のしがらみや延長線で考えてしまいがちです。それが、もう一気に先を行ってるロールモデルとなる団体の話を聞きますと、学ぶことがかなり多いなといつも思います。
さて、先ほどの女性のプログラムに、ちょっと戻らせていただきます。参加者の構成ですが、みなさんには参加するプログラムを階層別に選んでいただいています。
一番ボリュームゾーンになるのが、課長候補者たちを対象とした「女性のマネジメントステップアップコース」と、次の階層を対象とした「女性エグゼクティブコース(現・203030時代のリーダーシップコース)」です。次にに、部長、役員層を対象にした「ダイバーシティ時代のガバナンス経営研修」となっております。
先ほどもご紹介させていただきましたが、講師陣も幅広く外部からもご支援をいただいておりますので、おもしろいプログラムがたくさんございます。言うまでもありませんが、インタラクティブ(対話形式)なプログラムになっております。また、対話を対話を重視しておりますので、座学ではないこともお伝えしておきます。
現在43社の会員企業のみなさまにご参加いただいており、参加企業のみなさま同士の交流会などでの学びの機会も、得ていただけます。またご相談に応じて企業別に新しいプログラムの開発提供も行っております。個別の対応可能でございます。
ご説明いたしましたプログラムに、ごご関心がございましたら、ぜひ、お問い合わせいただければと思います。
司会者:熊平先生、ありがとうございました。
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