2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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安部裕一氏(以下、安部):本日はたくさんの方に参加いただきありがとうございます。本日の会ですが、私が活動している次世代DIGGING LAB.とZENTechさんが「HRアワード」に入賞させていただいたのと、たまたま心理的安全性AWARDで、両ファシリである、安部、佐々木の活動が受賞した経緯があって、本日の会が実現したという背景となっております。
あともう一点、本日ご講演いただくマーシーさんから新しい書籍『心理的安全性をつくる言葉55』が発売されたばかりでして、そちらのご紹介もかねてお届けさせていただければと思います。まず宣言しておきたいのは、本日この場は心理的安全性のある場です。安心していただいて、チャットや質問していただけることもウェルカムです。
佐々木隆太氏(以下、佐々木):本日主催の横濱OneMM、横浜をつなげる30人自体、もちろんDIGGING LABもですが、心理的安全性を大切にしている活動ですもんね。
安部:そうですね。そういったところも伝えられればと思います。それではご講演、よろしくお願いします。
原田将嗣氏(以下、原田):よろしくお願いします。こんばんは、今日はりょうえんさん(@ryouen、石井氏)と2人でお時間をいただいていますので、さっそく私からスタートさせていただければと思います。りょうえんさん、一言よろしいですか?
石井遼介氏(以下、石井):はい、みなさんどうぞよろしくお願いします。ここからは原田、石井で担当させていただきます。すでにたくさんのコメントが入っていますけれども、みなさん、ぜひリアルタイムにご質問をよろしくお願いします。できるだけやりとりしながら進めていきたいと思います。
原田:ありがとうございます。では私、マーシーからお届けさせていただこうと思います。今日は「学校・会社では教えてくれない!心理的安全性のつくり方」というタイトルをPeatixでもご案内させていただいていました。私からは「いいチームをつくるための『心理的安全性』」というテーマで、予定では20分ほどと聞いております。
原田:一応アジェンダとして3つ用意させていただきました。最初に「心理的安全性とは」。言葉としてみなさんも聞くことが多くなってきましたよね。実際に「心理的安全な場ですよね」という感想が出てくるぐらい、世の中にも定着し始めた言葉だと思っています。
今一度、基本的な心理的安全性とは何かを軽くおさらいするパートを、前半でお届けさせていただきます。その後の2つ目で「心理的安全性のこわしかた」もレクチャーさせていただこうかなと思っています。
3つ目に「心理的安全性をつくる言葉」はどんな言葉があるのか。そんなことにも触れながら、私のパートはお届けしていきたいと思います。
では私の簡単な自己紹介です。初めましての方も多くいらっしゃるかなと思います。原田将嗣と申しまして、みなさんにはマーシーと呼んでいただいています。よろしければみなさんも気軽にマーシーと呼んでいただければと思います。
ZENTechではシニアコンサルタントとして活動しておりますが、組織づくりの実践者という顔と、言葉で変容をサポートするビジネスプロコーチとしても活動をしております。
実際ZENTechでは、心理的安全性認定ファシリテーターとして、企業さまにお招きいただいて、研修とかワークショップなどをしながら、組織に心理的安全性を浸透させていく取り組みをしています。
もともと2020年3月までは会社員をしていまして、住宅の営業とか営業マネージャーをやってきました。後ほどエピソードとしてもお話ししたいのですが、住宅営業はけっこう競争の激しい、ガシガシした世界ですよね。ギラギラしたイメージがあると思うのですが、僕はまさにそんな中で育ってきました。
原田:今思い返すと僕は、チームの心理的安全性が低い時には、めちゃめちゃパフォーマンスが低かったんです。一方、チームの中で協力し合っていたりとか、良いライバル関係があったりとか、助け合いがあったりとか、そういう中だと自分自身の業績は上がるし、チームとしても業績が上がる。そんなことを今まで経験してきました。
なので「チームづくり」とか「言葉」に対する思いは、実体験も合わせてお話しをさせていただいている、と捉えていただけるといいかなと思います。コーチングの分野は、国際コーチング連盟マスター認定コーチの谷口(貴彦)さんに、コーチング、コミュニケーション、言葉の力を基礎から学ばせていただいてきました。
言葉を大事にしてきた背景をお話しさせていただきます。僕はもともと、本当に人と話すことも好きだし、楽しいことが大好きな少年だったんですよね。
経験ある方もいると思うんですけど、お調子者ですしお喋りが好きだと、ついつい人のことを傷つけてしまったりしますよね。相手に泣かれてしまったり、「原田くんがこんなことを言っている」と先生にチクられたりとか、ありますよね。
一方、逆に言葉によって自分が傷つく経験もたくさんしてきました。そうすると自分自身も、自分の発する言葉に意識を向けていくようになるし、相手から言われる言葉を自然と私も意識をするような、そんな育ち方をしてきたのではないかなと思います。コーチングを学ぶことでも、より一層言葉の力を尊ぶようになってきたと思っています。
原田:「チームの力」も大事にしてきた。ここについても少し触れておきたいんですけれども、先ほどお話しした営業パーソン時代に、競争が激しい住宅営業の中で、自分自身は「チームとしての達成感」がすごくうれしかったんですよね。
不動産業界では、3月末がいわゆる期末と呼ばれることが多いんですけれども、3月31日の21時、22時、23時まで、最後の1件の契約をがんばって取りにいき、チームメンバー全員が残っている中で「目標を達成したぞ」みたいな達成感を味わい、おいしいお酒を飲む。そんなことが幸せだったんですけれども、実際に成果を上げられた時は、チームにも良きライバルがもちろんいたし、お互いの強みも理解し合っていた。
そして強みを頼りに相談もし合ってきました。時には弱みも見せ合う、こんな仲になれているチームは、業績も上げられていた、と思い返されます。あのチームにいたからこそ個人としても、結果として運良くトップセールスになることもできたんです。なんでかと言われたらあのチームがあったからだし、チームとしても個人としても業績が残せたのは、今思い返せば心理的安全性という言葉がガッチリはまるなと思い返されます。
原田:古い写真があったので引っ張り出してきました。住宅部門で、5人のチームで年間100棟を売った時がありまして、その時の僕を今顔を見るとどうですかね。ちょっと顔がパンパンですよね。少しドヤ顔かな(笑)。これは本邦初公開なので、これぐらいにして次に進もう。ということで「言葉」と「チームの力」、これを大事にしてきた人間でございます。
本当にチームで使われる言葉の一つひとつは、チームの出力を変えると思っています。今日お集まりのみなさんが所属する会社もありながら、OneMMだったりとかDIGLABだったりとか、あと横浜をつなげる30人のプロジェクトだったりとか。いろんなチームに所属しながら活動されている方が多いのかなと認識しています。
ということは、なおさら一つひとつのチームでメンバーが変わろうとも、いかに「言葉がけ」とか「振る舞い」で、自分が心理的安全性をつくっていくことができるか。それがもしかしたらそのチームで描くゴールに向かうスピードとか、成果を変える要素になってくるのではないかなと思っています。
そんな中、模索しながら生まれたのが、先ほどもご紹介いただいた『心理的安全性をつくる言葉55』です。55(ゴーゴー)と呼ばせていただいています。おかげさまでAmazonでも社会心理学部門で発売以来第1位を継続していて、ご好評をいただいております。本当にありがとうございます。
原田:ということで自己紹介はこれぐらいにして、簡単に「心理的安全性とは」というパートに入っていきたいと思います。心理的安全性がビジネスのフィールドで広がってきたきっかけは、このGoogleの研究。みなさんご存知の方は多いと思います。
プロジェクトアリストテレス、2016年に公表された社内の大規模調査です。ただただ優秀な人材を集めたチームよりも、心理的に安全なチームのほうが効果が高かった。これはすごくインパクトのある結論でした。世界中から優秀な頭脳を集めたGoogleという会社の中でも、さらに業績を残す効果的なチーム、その要素として革新的に重要なのが、この心理的安全性です。
これをきっかけに「心理的安全性って何だ?」、と注目を浴び始めたのではないでしょうか。この後お話しされるりょうえんさんが、心理的安全性を日本版で考えていくことを、研究の中でされてきています。日本版心理的安全性みたいなお話もしているんですけれども、その中で心理的安全性はこのように定義をしています。
「『心理的安全性』とは地位や経験に関わらず誰もが率直な意見・素朴な疑問を言うことができる組織・チーム」。まさに「ゆったりつながっているコミュニティ」だったり、先ほどここも「地位とか経験とか、年齢も役職も関係ないですよ」とアナウンスがありましたが、まさにこういう場一つひとつも「心理的安全な場」を意識されているのかなとも感じていました。
原田:一見すると本当に当たり前に重要で、何気ないことのように聞こえるんです。けれども、この「心理的安全性が組織・チームの業績に貢献する」という研究は、アメリカではもう半世紀以上前からされ続けています。
その研究の成果を簡単にご紹介したいと思います。チームの心理的安全性が高くなると何が起こるのか。まずチームの学習が進見ます。これが心理的安全性の効果で、一番大事な1丁目1番地だと思っています。
チームの学習が進むからこそ、その先でパフォーマンスが上がることがわかっているのであって、心理的安全性が上がったから次の日からいきなり好パフォーマンスになる、というお話ではないんですよね。まずはチームの学習がたくさん起こる。これが心理的安全性の効果になります。
それ以外にも、「情報共有や衝突の頻度が高まる」という研究とか、「意思決定の質も高まるんだ」みたいなこと。あとはチームにいるメンバー一人ひとりの満足度やエンゲージメントが高くなることがわかっています。企業であれば離職率の低下にもなっていきますし、コミュニティ等であればそこに定着する確率が高くなるとも言えるのではないかと思っています。
ただ多様性(ダイバーシティ)をチームに入れたから(といって)、それがパフォーマンスにすぐつながるわけではない。そんな中にも、チームの心理的安全性が高いほうがパフォーマンスにつながりやすい、などの研究もあります。
それ以外にはイノベーションの分野でも、「意見の衝突がたくさん起こるのは、イノベーションやプロセス刷新につながる」と言われているんです。チームの心理的安全性が高いほうがイノベーションが起こりやすいこともわかっています。
また、世に出るイノベーションのすべてが、すぐに売上とか画期的な技術として世に広まるわけではありません。しかし、イノベーションがパフォーマンスにつながりやすくなるためにも、チームの心理的安全性が高いほうが効果があることがわかっています。
原田:この心理的安全性は、さまざまな効果があることは研究でも実証されています。ただこの心理的安全な組織・チームは、単なる「仲良し組織」でもない。そして率直に「言い合える」けれども、決して仲が悪い組織でもない。
ここはぜひ押さえていただきたいポイントなので、今日あらためてお伝えさせていただきます。このスライドの絵を見ていただくとわかりやすいかなと思うんですけれども、左側、仲が悪すぎるのはもちろんパフォーマンスにつながるわけがないですよね。
話もしないし足を引っ張り合うとか、なかなか今のご時世だと見ることも少なくなったような仲の悪い組織は、もちろんパフォーマンスには良くないと思っています。一方、仲が良ければいいのか。右に振れていった時に、仲が良すぎる。仲が良すぎるのも実はパフォーマンスや成果にはつながりにくいんですよね。
というのも、成果より人間関係を重視してしまう。このような状況になってくると「新しいチャレンジングなことをしなくても、みんながつらい思いをしないほうがいいんじゃない?」みたいな判断が増えてきてしまうわけですよね。
一方、心理的安全な関係であれば、みなさんで共通の価値あるゴールに向かって、成果のための健全な意見の衝突が起こる。
そして、意思ある仕事と働きがいがそこには存在する。これが心理的安全な状況・関係だと思っていて、まさに仲が良すぎるというわけでもないし、仲が悪いわけでもない。そんな中でも価値あるゴールを目指していること、良いチームを目指して成長を求めていることがポイントかなと思っています。
原田:実際、チームの価値あるゴールに向かうからこそ、たくさんのチャレンジが生まれますよね。居心地がいいコンフォートゾーンに居続ければ仲もよく、「いいじゃん」なんて言いながら、挑戦を起こさなくても日常を過ごすことができるんですけども。やはり一人ひとりが一歩そこから踏み出す。
チームの心理的安全性には、その一歩を踏み出す勇気を与えるものがあるのではないか。そう言っても過言ではないのではないかなと思っています。なのでチームの誰もが率直な意見、素朴な疑問を伝えられる、安全だからこそやってみる。安全は別に何もしないことではないですよね。
安全だからこそ、いろんな挑戦ができるんだ。安全だからこそ、いろんな発言ができるんだ。それを、心理的安全性だとご理解いただけるといいのかなと思っています。まずは心理的安全性の基礎についてのお話しをさせていただきました。
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