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Z世代の視点から読み解く! 令和の人事が持つべきマインドとは?(全4記事)

Z世代は、PRや広告の「言わされている感」に敏感に反応 企業の採用活動でも求められる、就活生に向けた“リアル”な姿

SNSネイティブであるZ世代は、企業選びにおける情報源や判断軸は多岐にわたります。説明会や求人情報だけでなく、面接官の対応やSNSでの従業員による投稿など、人事担当者の範疇を超えた場所でのちょっとした一言がZ世代とのギャップを生み、企業選びにおける意志決定に大きな影響を与えています。本セミナーでは、「SHIBUYA109 lab.」の長田麻衣氏と、「ONE CAREER」を運営する株式会社ワンキャリアの寺口浩大氏が、でZ世代の価値観や実態をもとに、企業の人事がZ世代の就活生と向き合う際に必要なマインドとは? 本記事では、Z世代の就活生に向けた採用活動を行う上でポイントとなる、「3つのマインドセット」について寺口氏が解説します。

企業に求められる「3つマインドセットのシフト」

寺口浩大氏(以下、寺口):次は、3つのマインドセットのシフトは大事ですよ、というところですね。さっきは施策のシフトだったんですが、オープン化の流れが進んでいるので、「カルチャーのオープン化」「キャリアパスのオープン化」は社内・社外問わず、それから「採用活動のオープン化」の3つをやっていきましょう。

どういうことかと言うと、「学生が知りたい『この会社で働くリアル』5W1H分析」をしてきましょう。いつ、どこで、誰と、何を、なぜ、どのようにやっているのかということが、ちゃんとコンテンツの中に入っていますか? というところに関しては、今一度チェックしていただければなと思います。

「カルチャーのオープン化」は、サイバーエージェントさんとメルカリさんはかなり進んでいるなと思います。僕らも全部を真似ることはできないんですが、必要なところに、できるところは1つでも参考にしていただいて、真似していくということを、僕ら自身もやっています。みなさんも真似できるところはあると思うので、見ていただければなと思います。

「キャリアパスのオープン化」に関しては、ディー・エヌ・エーさんと、先ほど出たソニーグループさんがすごく進んでいるかなと思います。ディー・エヌ・エーさんに関しては、卒業生のキャリアを開示したライブとかもやっていますね。実際、元ディー・エヌ・エーの人が、社内でどういうキャリアを歩んでいるのか。

また、中途でも実際どういうところからディー・エヌ・エーに来ているのかを、学生向けにライブでやってたりします。これは、かなり進んだ事例かなと思います。

もう1個が、先ほどの全社採用の流れです。採用活動のオープン化をうまくやっているところでは、アトラエの加賀さんと、実際にCEOとして採用に関わられているグッドパッチの土屋さんに出ていただきました。

具体的にどういう巻き込み方をすれば、ちゃんと全社採用になっていくのか。採用活動というものが、全社にオープンになっていくのかに関しては、加賀さんのお話が詳しいので、またこれもONE CAREER CLOUDのページにイベントレポートが上がっていますので、リンクから見ていただければなと思います。

競合他社を下げる発言に、Z世代の就活生は引いている

寺口:ちょっと駆け足になったんですけれども、ここまでが寺口の知っていることです。もっといっぱいしゃべりたいことがあるんですが(笑)、ここからはちょっと長田さんとパネルディスカッションをしていきたいと思います。長田さん、けっこう被っているところがかったですよね。

長田麻衣氏(以下、長田):そうですね。めっちゃわかる。「それな!」みたいな感じで(笑)、ずっと聞いていたんですが、やっぱり専門性を求めるとか、それこそリスクヘッジの話とか、ダークソーシャルですごく共有されているというのがあるので。

もしかしたら、今いる社員さんや社長とかも含めた人たちにどういう体験を提供できるかによって、勝手に拡散していくこともあるのかなと思いました。Z世代の就活生と向き合うことと、社内みんなが働きやすい環境をちゃんと実現していくというのが、両軸である必要があるんだなとあらためて思いました。

寺口:そうですね。勉強になりますね。今日はいろいろNGがいっぱいあったと思うんですけれども(笑)。優先順位的にも絶対にNGのところはまず押さえておきたいなと思っていまして。「これに違和感を感じるな」というよく聞く話って、長田さんの中でこれというものはありますか?

長田:私はやっぱり、さっき言っていたジェンダーの観点の「女の人でもがんばれる」とか、良かれと思って言っているけど、どっちかのジェンダーに偏っていることは絶対に避けたほうがいいです。説明会の話で聞くのは、他の企業を下げて自分たちを上げることに対して、みんな引いているというのはけっこう聞きます(笑)。

例えば、「競合他社はこういうところが悪いから、うちのほうがいいですよ」みたいなことを言ってしまったりすると、「そんなことしなくていいのに」「自分の会社の良さだけを教えて欲しい」みたいなことはありそうな気がしますね。

案件やPRなどの「言わされている感」に敏感なZ世代

寺口:そうですね。めちゃくちゃ聞きますし、ONE CAREERもいろんなクチコミがあるんですが、めっちゃ入っていますね。悪気ない言葉なんですが、例えば「女性も活躍できます」「『も』って何?」みたいなところとか、普通に使っちゃうこともあると思うんです。

「いろんな人たちがそれぞれの個性を活かしています」ということを伝えたかったのに、女性の活躍をすごく押したかったのか、女性だけを映してしまって「女性だけ出てきて、逆に怪しい」「がんばって全社から集めてきたんだろうな、というのが見えます」ということも、もう「鋭いな」と思います。

長田:そうですね。今の子たちって、例えば案件、PR、広告とかの「言わされている感」にすごく敏感です。だから採用活動でも、「取り繕っているな」「うまく言わされているな」というのにすごく敏感なんだろうなと思うので、本当に嘘のないというか、リアルなことが大事なんだろうなと思います。

寺口:そうですね。ジェンダーのところに関しては、特に言葉遣いに気を付けましょう。あとは、競合についてですね。誰が1位とか、「あそこじゃなくてうちはすごくて」「あそこはこういうところがダメで」みたいなのは、一瞬で他社下げが自社下げになる。他社を上げるのが当たり前で、その上で自社の特徴を言うとか。

「どっちがすごい」とかじゃなくて、「こういう特徴とこういう特徴があるよ」というように、特徴でしゃべれるようになったらいいかなと思いますね。

Z世代の就活生が、企業説明会で見ている意外なポイント

寺口:次は、逆に「Z世代の心を掴んでいる事例はありますでしょうか?」という質問です。言っておいたほうがいいなというのが、関係性です。今日だったら長田さんと寺口の関係性ですね。僕らはまだ今日が「二度めまして」なんですけれども。

長田:そうですね(笑)。

寺口:こうやってフランクにお話させていただいていますが、たぶんこれが企業の採用の説明会で、長田さんと寺口がぜんぜん噛み合っていなかったら、「なんかチームワークよくないんだろうな」となりますし。

これが逆にもうちょっと近かったら、言葉で言わなくても「めっちゃカジュアルな会社なんだな」と関係性で伝わるので、関係性で演出しましょうというところに関しては、今の採用の一番大事なところかなと思いますね。

長田:確かに。働きやすい環境であるかというところで、人の部分でみんなが注目していると調査の結果でも出ています。「この人たちと働いたら楽しそう」「こういう関係性の会社だったら行きやすそう」と感じられるのって、ふとした時の社員同士のコミュニケーションだったりするのかなと思うので、そこが大事ですよね。

寺口:めっちゃ思います。現場の社員の方も、説明会や座談会の前に待っていることがけっこうあるんですが、その時に「偉い人やプレゼンターがしゃべっている時、若手の人たちがどんな態度で聞いているかから関係性を読み解きます」というのが学生から来て。

内職している人もいたし、聞き飽きたのはわかるけど、すごくつまらなそうにしている。意外と「スライドも見るけど、どちらかと言うとワイプを見ます」という学生がめっちゃ多いので、気を付けていただければなと思います。

「見られていますよ」と現場の社員の方に言っていただけると、うれしいなと思います。これは第2回をやったほうがいいですね……。

長田:そうですね(笑)。

Z世代は「いろんな意見をニュートラルに見る」意識がある

寺口:まだ2割くらいしか出せていないんですが、「明日からできることがあれば教えてください!」という質問で、いったんこのセッションは締めようかなと思います。こちらは長田さんから。

長田:一番早いのは、今までの採用の時に出していたコミュニケーションにおいて、今言っていたようなジェンダー的な観点とか、「他社下げ」みたいなことをしていないかをもう一度見直して、そこをすぐに改修するのができることかなと思いますね。

寺口:ありがとうございます。他社下げはめっちゃやりがちというか、クチコミでも「他社のことを悪く言っていたので、そういう考え方なんだと思って受けるのをやめました」というのはめちゃくちゃ載っています。

長田:ですよね。

寺口:ありがとうございます。一問一答になりますが、いくつかいただいているのでライトに答えて行きますね。

「就活の段階で将来的な転職を考えている学生が多いことに驚きました。3年以内の早期の転職を考えている層は志望業界どんなは層ですか?」これは正直、あまり抵抗なく全般的に考えているかなとは思いますね。

でも、就職活動の前から見ている人たちは、どちらかというと就職活動を一生懸命やっている方々ほど考えています、というのが答えですかね。

「Z世代が失敗したくない体質で、そのために情報収集を入念に行っているのは、なるほどと納得しました。一方で、収集する情報がSNSやネットメディアに偏ってしまうことでの弊害は生じないのでしょうか」。

長田:そこはバランスを見るようにみんなしていて、偏らないように、マイナスもプラスも1つの事象に対してのいろんな意見をニュートラルに見ようという姿勢は、保とうとみんながんばっていますね。

SNS以外でも、Webサイトを見たりとか、四季報を見たりすることも含めて、けっこういろんなかたちで情報収集はしています。もしかしたら偏ってしまうことはあるかもしれないけど、ニュートラルにいようとする姿勢は意識しているかなと感じますね。

さまざまなキャリアパスが掲載された「ONE CAREER PLUS」

寺口:ありがとうございます。まだまだいっぱい質問をいただいているんですが、ワンキャリアもSHIBUYA109 lab.さんもフロントを開けていますので、どんな窓口でも聞いていただければお答えいたします。たくさんの質問をありがとうございます。

こんなに時間を取っちゃってすみません。では、あとちょっとにはなるんですが、ワンキャリアはいろいろやっています。スカウトもやっていますし、ライブや掲載もやっています。「どんなのがあるのかな?」くらいで、ウィンドウショッピングでいいので、まずフロントに聞いてもらえればと思います。

うちはけっこう、「草食系の営業をしてくれる会社」ということで評判があるらしいので、聞いてみるだけでも大丈夫です。あとは、ONE CAREER PLUSはぜひ見ていただきたいです。いろんなキャリアパスが載っています。

実際、こういういろんな職種からのキャリアパスが載っていまして、coming soonで人事・採用担当の方々からのキャリアパスみたいなものも、みなさんも人事である前に、個人のキャリアをものすごく見ていらっしゃるかなと思うので。

転職するか・しないかとは別に、どういう可能性があるのかはONE CAREER PLUSのほうで見ていただけたらと思いますし、個人としても使っていただければなと思います。企業の採用担当としても、これをブランディングに使っていただければなと思います。無料なので会員登録のみで行けます。

Z世代だけでなく、すべての世代のためのアップデートを

寺口:それでは最後、長田さんに一言今日の感想をいただいて終わろうかなと思います。

長田:本当に駆け足で、もうちょっとじっくり価値観をみなさんにお伝えしたいなと思っていたんですけど、ぜひ2回目をできればなと思っております。

Z世代の子たちだけの特性ではなくて、変化することはおそらく上の世代にとってもすごくありがたい・うれしいことなのかなと思うので、Z世代のためだけというよりも、今働いている人たちのためにも、こういう部分がアップデートできるといいのかなと思います。今日はありがとうございました。

寺口:今日はSHIBUYA109 lab.から長田さんに来ていただきました。第2回は、ちょっとテーマを絞りながらやっていこうかなと思います。たくさん参加していただき、本当にありがとうございました。

基本的に私たちは採用担当のみなさんのことを応援するスタンスでやっておりますので、今後も学びになるようなものを提供できればなと思っています。長田さん、あらためてありがとうございました。

長田:ありがとうございました。

寺口:失礼いたします。

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