
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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藤原愛氏(以下、藤原):それでは牧野さん、どうぞよろしくお願いいたします。
ヴィランティ牧野祝子氏(以下、ヴィランティ牧野):よろしくお願いいたします。藤原さん、すてきな素晴らしいイントロをどうもありがとうございました。そしてみなさま、こんにちは、こんばんは。土曜日の18時という良いお時間に来ていただいて、本当にありがとうございます。
このたびこちらの書籍、あさ出版の(『国際エグゼクティブコーチが教える 人、組織が劇的に変わる POSITIVE FEEDBACK』)を出させていただきました。では、スタートしていきます。本日の流れなんですけれども、私の自己紹介をしてから本題ですね。本のサマリー的に、ポジティブフィードバックについてお話しさせていただきたいと思います。
その前にこの本の状況についてお話ししたいんですけれども、6月14日に販売する前、先月末に予約イベントをしたところ、Amazonの13カテゴリーで1位をいただくことができました。(チャット欄に)「とても勉強になりました」と、すごくうれしいポジティブフィードバックをさっそくいただきました。ありがとうございます。
では、自己紹介をさせていただきます。私は東京生まれ東京育ちで、今はイタリアのミラノに住んでおります。3人の子どもがいるんですけれども、イタリアは6月から夏休みになってしまいますので、今は東京に来ております。
私は帰国子女でもないし、英語もぜんぜんしゃべれなかったんですけれども、ずっと海外に行きたいなと思っていました。ご縁をいただいてニューヨークのコロンビア大学の学士課程に行きました。その後に少し仕事をしてから、INSEADのMBAに行きました。
ヴィランティ牧野:プライベートでは、イタリア人の夫と子ども3人と一緒に暮らしております。イタリア人の夫とはINSEADで知り合いました。もしこの中に海外MBAを検討されている方がいらっしゃったら、こんなこともあるんだよっていうことですね。
私の時は、INSEADの中で結婚した方がけっこう多かったですね。もし「INSEADへ行こうかな」と思っている方がこの中にいらっしゃったらお伝えしたいのですが、すっごく楽しいです。たった10ヶ月なんですけれども、めちゃくちゃインテンシブでベリーハードで、本当に楽しい1年間でした。
その前後に、戦略コンサルから始まってマーケティング、ファッション、アウトレットなどなど、いろいろな国で仕事をさせていただきました。ここでは出張は数えていなくて、数ヶ月プロジェクトをやったとか、数年住んだとか、そういった国だけをカウントしております。
最初はMonitor Companyという戦略コンサルで働きました。もしかしたらマイケル・ポーターという人をご存じの方もいるかもしれませんが、「ファイブフォース分析」を作られた方がスタートアップしたコンサルファームです。今はデロイトに買収されていたかなと思います。
それからベイン(ベイン・アンド・カンパニー)に行きました。私はその頃22、23歳だったんですけれども、偉そうに会社の社長さんとかに「あなたの会社のコストは〜」とか言っていました。ただ、自分に「コンサルをやっていていいのか?」という疑問があって、メーカーに入って、ロレアルに行きました。
その後にINSEADに行って、それからディアジオという世界一大きなお酒の会社のロンドンオフィス(本社)に入らせていただいて、そこからいろいろな国でプロジェクトをしています。
ヴィランティ牧野:その頃、中国の上海に引っ越しました。主人は当時マッキンゼーにいて、私はディアジオにいて、子どもが1人おりました。
上海で10年間暮らしている間に子どもの数も増えていって、私もいろいろ転職して、最終的にはヨーロッパで一番大きいValue Retail(バリューリテイル)というアウトレットの会社ですね。日本だと、お台場とかにあるような三菱系・三井系のアウトレットがありますけれども、あんな感じのアウトレットのオープニングプロジェクトを何度もさせていただきました。
ということで、その次は大きな会社から小さな会社に移りました。10 Corso Como(10コルソコモ)という会社はすごく小さなオーナー会社でした。
大きな会社から、ファミリー企業から、外資系まで。ロレアルは外資系だと思って入ったら、日本の会社を買収したばかりで、私がいたところはすごく日本的でした。いろいろなところで経験させていただいたかなと思います。
そんな経験をしながら、私もすごくキャリアで悩んだことがあったので、「キャリアで悩んでいる人のお役に立てたらうれしいな」と思って起業して、現在はエグゼクティブコーチという仕事をしております。
どんなコーチングをしているかというと、いわゆるキャリアマインド。「これからどうしようかな」とか「今までいろいろ仕事をしてきたんだけど、将来何をやりたいかな」とか、そういった課題を持っていらっしゃる方のお手伝いをさせていただいております。
あと、「ちょっと外資系とか、海外に転職をしたいな」とか「ずっと会社員だったけれども、ゼロから起業したいな」とか、もちろん「組織内でステップアップしたいな」とか、そういった個人の方。
それから最近では企業研修もさせていただいております。テーマはやっぱりダイバーシティ&インクルージョンとか社内のコミュニケーションとか、企業のマインドですとか、そういったテーマで研修をさせていただいております。
ヴィランティ牧野:こう言うと、「祝子さんは、いろんな国へ行って、いろんな会社へ行って、楽しそうにうまくいったのね」と言われるんですけれども、ぜんぜんそうではありませんでした。
Monitorに入った時にはアジアで大失敗をしてしまいまして、すごく恥ずかしい思いをしました。ベインに行った時、当時は東京オフィスだったんですけれども、いわゆるブラックですよね。すごくきつい業界ですので、終電で帰った思い出がほとんどありません。
毎日タクシーで帰り、次の日の朝6時ぐらいから来るような感じで、常に寝不足、常に疲れている。そして周りが本当に仕事ができる方ばっかりで、「私はなんでこんなところにいるんだろう?」と自信がなくなるような体験もありました。
それからメーカーに行って、INSEADに行って、INSEADを卒業してからはディアジオという会社のロンドンのヘッドクオーターでインターナルコンサルティング、つまり戦略のポジションに就いたんです。そこで今度は、イギリス英語のアクセントがわからなくて仕事にならない、という経験をしました。
これは本当に想定外で、今までアメリカに留学もしたし、いろんな国で仕事もしたし、何か苦労はするだろうと覚悟してはいたんですけれども、まさかイギリスのアクセントで、英語で苦労するとは思いませんでした。
ヴィランティ牧野:会社にはもちろん世界中の方がいるんですけれども、お酒の会社なので、スコットランドでウイスキーを作ったり、アイルランドでギネスビールを作ったりすると、スコティッシュやアイリッシュの人、ブリティッシュ系の人もいらっしゃるんですね。そうすると、英語で何を言っているかわからないんです。
今はZoomで、画面を共有したり顔が見えたりするのでいいんですけど、当時は音だけの電話でした。しかも電話会議がすごく多い会社だったんですね。しょっちゅう電話会議をするんですが、画面共有はなく、多くの場合はドキュメントもありませんでした。なので、みんなが一斉に話をし始めると、何の話をしているかまったくわからない。
MBAが終わった後、ある程度期待されて入ったにもかかわらず、ぜんぜん期待に応えられず、ぜんぜんプロジェクトも回せない。まったくの役立たず、という期間がけっこう長いことありました。
その後はいろいろ転職して、ファッション業界とかアウトレット業界に行きました。管理職で上海の時にも100人ぐらい部下がいたんですけれども、ゼネラルマネージャーのポジションにいながらも、私はファッション業界のことを何も知らなかったんですね。
下についているマネージャーの方々はすごく業界に詳しくて、私は何も知らない。「どうしたらいいんだ」と、非常に上司として悩ましい経験をさせていただきました。
その途中でも、急に上司になって、部下とまったくコミュニケーションが取れないとか。マネージャー職って、最初はなりたいなと思っていたんですけれども、いざなるとすごく孤独で、みんなに悩みを話せなかったり、誰に話したらいいかわからなくて相談できなかったり、非常に孤独で心配な不安な日々も続きました。
ヴィランティ牧野:それから私は常にマイノリティのポジションでした。多くの場合は海外にいたので、外国人で、母国語で仕事をしていない。その言葉は英語の時もあったし、イタリア語の時もあったし、中国語の時もありました。
あと海外は日本よりも女性の割合が多いんですけれども、それでもやっぱり役職が上に上がっていくと、なかなか女性がいなかったりして。
例えば社長含め10人ぐらいで話していると、普通に仕事をしているんですけど、気づくと「この中で女性は3人だな」「その中で外国人は私だけ」「女性の中でも子育てをしているのは私だけだな」と考えてしまうんです。
独身だったり子育てが終わった方はいらっしゃったんですけど、「子どもを3人置いて来ていて、これから家に帰ってご飯を作らなくちゃいけないのは私だけなんだ」とか思いながら仕事をしていることがありました。
そんな環境の中で自分の価値をどうアピールしたらいいか、自分の強みが何かということをどう考えて、どうそれを出していくか、いろいろと苦労しました。すごく悩みながらキャリアを過ごしてきましたので、「すごくうまくいった」というイメージとは反対なんですね。
(子どもたちの中には)障がい児もいて、3年間キャリアを休んだこともあったんですけれども。そんな中でもがんばろうと思えた理由には、「ポジティブフィードバックの天才」のリーダーの方がいらっしゃったからだと思います。
彼らが私を勇気づけてくれたり、私を信じてくれたりしていなかったら、きっとどこかで仕事を辞めていたり、「戻らなくてもいいや」って思ったんじゃないかなと思うんですね。なので彼らには本当に感謝しています。
この本を書いたので、実はその数人のうちの1人と、最近お話をさせていただいたんです。話していると泣きそうになるぐらいうれしくて、思いがこみ上げてくるようなことがございました。
ヴィランティ牧野:私は、「ポジティブフィードバックの天才」と呼んでいる素晴らしいリーダーの方に恵まれたんですけれども、そうじゃない方もいました。でも、ポジティブフィードバック、常に肯定的な言葉をかけてくれる人が私にはいた。だから、がんばれたのかなと思います。
この本を書くにあたり、「フィードバックってどう思う?」と、いろんな方にヒアリングをさせていただきました。日本の方はもちろん、海外の方にもヒアリングをさせていただきました。
そうしたら、特に日本の方は、フィードバックについて非常にネガティブなイメージがあるんです。「ちょっと嫌なもの」「1年に1回の人事評価でしょう?」「上司と1対1で行う面談」というかたちで認識されている方が多かった。
私の中ではフィードバックと言うと、もうちょっとカジュアルなものをイメージするんですけれども、日本ではどちらかと言うと「ちょっと嫌で、ちょっとフォーマルなもの」という考えの方が多いのかなと思います。
「どうしてかな?」と考えてみると、やっぱり人や組織に対する反応や意見や評価って、どうしてもうまくいかなかった点や改善すべき点、どちらかというと弱みやできなかったことについてフィードバックすることが多いんです。だから「批判されること」ってお考えの方が多い。
ヴィランティ牧野:いきなりそういうネガティブなフィードバックとか、「これ、こうしてよ」と言われると聞く耳を持てなかったり、素直に言葉を受け止めることが難しかったりするんじゃないかなと、ヒアリングを通して思いました。
ここで私の申し上げたい「ポジティブフィードバック」は、それとは違います。あくまでも「相手の成長のために」。そして「相手の存在や行為や結果について」。これは後から詳しく説明します。単に「結果が良かったね」じゃなくて、存在から、行為から、いろいろなことについて肯定的な言葉で話をしましょうということなんですね。
相手に思いやりを持った良質なコミュニケーション全体を「ポジティブフィードバック」と捉えています。1年に1回の上司との会議とかじゃなくて、もっと頻繁に行われる毎日の報連相のやりとりとかも、私はポジティブフィードバックとして捉えています。
上司からも、部下からも、そして横同士もあると思うんですけれども、常に肯定的に言葉をかけてもらっていると「人間として大切に思われているな」とか「肯定的に前向きにやっていこうかな」と思えて、傷ついたりへこんだりすることがないと思うんですね。
ただ、先ほどのちょっとネガティブなイメージのフィードバックだと、「何か言われるとへこみそう」とか「言われたくないな」とか、そんなことを考えていらっしゃる方が多いのかなと思います。
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