2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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尾原和啓氏(以下、尾原):そうですよね。ただ「DXの本質」って、もちろん自動化して省略化することもあるけれども、個人にどんどん権限が移っていって、自身が見えている新しいものとかをパーソナライゼーションして、一人ひとりに提供できるということだから。やっぱりDXの先には、やっている人が「ここの人がおもしろい、この人がすごい」と思えることをやれるということだったりとか。
あと、AIが自動化していくと結局、人間しかできないところが残る。それは何か? というとヒューマンタッチの部分なので。やっぱり「この人がおもしろくやってるから、この人の言うことに従ってみよう」とか「この人と一緒だったらワクワク冒険できるよ」みたいなところに立ち戻っていくわけですもんね。
藤野英人氏(以下、藤野):そうなんですよ。その中でいうと、今、若い人たちにすごい人が出てきているという話を、この書籍『おいしいニッポン 投資のプロが読む2040年のビジネス』でも書いたんです。その1つの例が藤井聡太さんという将棋の大天才。この方が出てきたことによって、将棋が激変したということですけど。
でも彼自身が認めていることなんだけれども、彼の出てきた背景の中にはAIがあるんですよね。
尾原:そうですね。
藤野:将棋のAI化があって。
尾原:「強いAIと対戦して磨いてきた」という。
藤野:そうなんですね。将棋のAIがすごいことになって、そのAIと藤井聡太さんがある面で見ると対話をする・研究をすることによって、この人の将棋がものすごく磨かれて。
結果的にいうと、藤井聡太さんの将棋を見るとぜんぜん違う切り口のアイデアが出てきて、そして多くの人が感動するということが起きている。
だから藤井聡太さんが、いろんな意味で次の日本のプロトタイプだと思うんです。それは若い人が新たなあり方で才能を縦横無尽に伸ばして、それで力を発揮し、新しい地平線を拓くということでもあるんだけれども。
藤井聡太さんという存在そのものが、将棋のある面で見れば「DX化に成功した人」だということがあるので。その中に、「人の生産性」というか「人の可能性」を大きく切り拓いたという。
尾原:そうですね。真面目という言葉からここまで広がるって、すごくおもしろくて。結局は「真面目ということが、日本人の美徳」みたいに言われるわけじゃないですか。
藤野:実はそうなんですよね。
尾原:それって実際、昭和の中盤ぐらいまでは、みんなが今使っている真面目という言葉で成功できたわけですよね。
藤野:そうなんです。
尾原:「モノづくり日本」と言われますが、失敗を減らすことが、結果的に高品質で安く作れるということだから。だから、どうしても失敗を減らすことが最上のルールになって。会社の中ではできるだけ個人を殺して、みんなで一緒に動いていくことが成功パターンだった。
それがある種、真面目に会社の面目を守り続けるということだったけれども、やっぱり昭和が97年まで(続いて)来て、令和に入ってくると変化の時代になる。単に失敗を減らすだけだったら、AIでできてしまうわけだから。藤井聡太棋士みたいに、最高のAIマシンを自分で作って、AIマシンがガンガン失敗を減らしていく。
そして、AIとコラボレーションすることで、自分にとっても意外なところとか、もっとワクワクできる何かを見つけて、どんどん新しい世界を冒険していける。そういう、もともとの意味の真面目に戻るということですね。
藤野:まさにそうなんですよ。さっきのパーパス(の話)に戻ると、投資業はパーパスで考えることがとても苦手だったというか。私は前職・前前職の時に、よく役員に対して「そもそも投資信託って何なんでしょうね?」とか「投資しない意味について議論しませんか」という話をすると、めちゃくちゃ怒られたんですよ。
何かと言うと「お前、そんなこと言ってないで仕事しろ」って言われたんです。
尾原:なるほどね、おもしろい。「レコメンドすることだけが仕事だ」と。
藤野:そうなんですよ。金融業界は全部そうですけれども、「銀行とは何だろう?」とか「証券とは何だろう? 株式って何だろう?」とか、そもそも「お金って何だろう?」とかいうところを、本当は合宿したりしながら、上から下まで徹底的に議論すべきだと思うんです。
その中に、ビジネスチャンスと顧客とのあり方と、サービスの創造があるはずだと思うんですよね。それは、尾原さんには言わなくてもわかる話だと思うんですけれども。パーパスというのはWhyがすごく大事なんだけれども、それがすごく軽視されていて。「投資とはこうだ」とか、投資のアイデアとか切り口はいろいろあっていいと思うんですよ。
「投資とは効率である」かもしれないし、「投資とは人類の営みである」かもしれない。そこに確信と、その人の哲学があればなんでもいいと思うんですよね。「投資とは効率である」というのが1つの仮説であれば、「どうやって効率を上げるのか?」というHowの話になって、それから商品サービスのWhatの話になっていくわけですよね。
そうするとWhyが1つめにあって、次にHowがあって、その次にWhatがあるということだけど。でも、この「What」=「何をするか?」というところが、すごく重要視されていると僕は感じます。
だから僕が「いや、投資信託ってそもそも何でしょう?」とか「投資とは何でしょう?」という質問をしたら「そんなことを言う前にちゃんと投資を、運用をしろ」と言われて、要するにWhatの話になってくるわけです。僕らはWhatの話をすることがすごく好きなんですね。
尾原:まぁ、すぐ結果が返ってきますからね。
藤野:そうなんですよ。だから(例えば)器を磨くとかね。漆職人がきれいに漆を塗って、それを10年20年かけて、均一に塗ったムラのない漆がすばらしいという認識になってくる。すると、そもそも「木に漆を塗ることをやめよう」といった、別のアプローチをしようとすることが“御法度”になっていく。
要するに、Whatが目的になってしまっている。これが日本のすべての会社で起きているんだと思うんですよ。だから結果的に言うと、世の中や新しい技術が進歩したり、人のあり方が変わってきてるから、What(商品や製品やプロダクトそのもの)を磨くよりは、それを諦めるか、もしくは別の領域に出たほうがいいんだけれど。
でも「『今やることを磨くこと』そのものが素敵だ」という考え方があるので。それもどちらかというと、「労働投入してがんばって、汗水流すことそのものが大事だ・素敵だ」というふうに変わってきて。そうすると汗水を垂らさないものに対しては……。
尾原:それが、逆にだめなものになるんだ。
藤野:よくないことだということになってしまったのが、結果的にサービス化とかIT化とか効率化とか金融システムなどを激しく遅らせていったところがあるんだと思うんですよね。
藤野:だから、そういう中で見ると僕らは、本来の「真面目さ」を取り戻さなければいけない。それが大事なんです。「何のためにこれをやってるのか?」を問えるとか。それから自分も信念に従って行動して、そのことがちゃんと認められるような人たちを作らないといけない。
でも、それを認めて取り組んでいくことで成功できそうな社会が、世界的には到来しつつある。日本でもたぶん、2040年という目線になったらそういう人たちが勝ち抜くから。
でも今、昔の意味の真面目さで、上司の言うことを淡々と聞いて、それをタスクとしてこなしていって積み上げていっている。「給料とは、タスクを積み上げた“我慢量”である」という生き方を、今、転換する。今、行動した人は、10年とか20年後を見てみると、大きな領土を得ている可能性がある。そういうことを伝えたいんです。
だから「おいしいニッポン」というのは、今の現状で言うと、ぜんぜんおいしくない。古い意味の真面目な人がいて、昭和97年の縦社会・村社会で、おじさんが古い考え方で、ダイバーシティもなく、上から下に命令をしている。
DX化もあまりできていなくて、ハンコを押しながらほとんど改善もなく仕事をするという状態であるんだけれども。でも、会社の中でも外でもどっちでもいいんだけれども、(昔の意味の真面目さから)離れた行動ができたら、その人は、これからの社会の中でさまざまなチャンスを得られる。それがおいしいんだよというのが、僕の本の主題です。
何もしなくても「みんなに自動的においしい社会が待っている」わけではなくて、ちゃんと変われた人に関しては、もう逆に「いただきの世界だよ」ということを、すごく伝えたいんですね。
尾原:20年後を見据えてブレずにそこに向かって、今からゼロから作れる人たちにとっては、結果としてはおいしくなるし、何よりもそれをやること自体が楽しくワクワクできるよねって。あと3年で“昭和100年”になってしまうわけだから。
藤野:そうです(笑)。
尾原:いくらなんでも、もう「昭和の戦い方」から離れて、令和23年・24年に向けて、新しく生まれる場所を見たほうがいいんじゃないか、ということですね。
藤野:そうなんですよ。
尾原:僕すごく(藤野さんのお話が)わかって。今、世の中で「Web3.0」とか「メタバース」とかが、ものすごくバズワードになってるじゃないですか。さっき藤野さんもおっしゃられたように、ちょっと怪しいものも含めて、いろんなものが今は“ないまぜ”になっているんですけれども。
でも実はWeb3.0やメタバースの話は、1995年ぐらいのインターネット初期の頃からやってる人間からすると、あの時に「20年後こうなるね」と言っていたものがようやく実現しかけてるじゃんという。まさに20年前に「おいしい場所」って言ってたところが、今、実現してるんですよね。
藤野:そうなんですよ。
尾原:だからネット初期の頃からしてみると、「『Web3.0』じゃなくて、『Web0.0』に向かってるよね」という感覚だなと思います。
藤野:確かにそうだよね。
尾原:だけど逆に「Web2.0」が、ユーザーが情報をあげられるようになったがゆえに、その情報の預け先の中心地であるFacebookやGoogleなどに独占を生んでしまったことの弊害があって。どうしても2.0的な戦いの中で、みんな3.0を考えてしまう。
「いやいや、これって『0.0』に戻って、0を考えたほうがシンプルなんだよ」という話をよくするんです。それと同じで、今からでも原点から考えられる20年後のおいしい先があるということですもんね。
藤野:そういう面で見るとね、尾原さんもよく知ってるヤフーの川邊(健太郎)さんが、電脳隊というベンチャー企業を作りましたよね。
尾原:はい。もう電脳隊も、iモードなどガラゲー時代から活躍されてましたよね。。
藤野:電脳隊を作って、ヤフーに吸収されながら、川邊さんはヤフーの社長まで上り詰めるわけですけれども。でも、それで今の彼がやっていることは何かというと、もちろんPayPayのところです。お金もかなり使いながらマーケティングでPayPayを増やしていったとか、いろいろあるけれども、それと同時に彼自身が館山に家を買っていて。
尾原:そうですよね。狩りをしながら(笑)。
藤野:土日は本当に猟銃でイノシシとか鹿を撃って、それを解体し、その命をいただく。まさにDXのど真ん中で、新しい資本主義実現メンバーの中にいながら、それをやってるわけです。川邊さんのような、まさにWeb2.0の人たちが今、Web3.0をやっている。
でも川邊さんは、本当に自分で漁をして魚を釣ったり、イノシシを狩って解体して食べている。「Life0.0」みたいな感じで(笑)。
尾原:(笑)。そうですよね。
藤野:この間も話題になりましたが、そういうことを突き詰めるところから、新しい働き方という話になります。どこで働いてもいいわけで、どこに住んでもいい。
尾原:飛行機で通勤してもいいよと。
藤野:……というような、新しい価値観を打ち出してきたけれども。でもそれって、今言ったように、彼自身が人生や仕事に対して真面目な人(だからなんです)。その人が今、ヤフーの社長をしているというところが、日本の希望の1つじゃないかなと僕は思うんです。
そういうWeb1.0というか0.0の時代の人たちが、また中心人物になって、Web3.0の世界で今は勝負しようとしている。もちろん、すばらしいおじさんたちもいるんだけれども、(この対談を)聞いている人の中には、大学生とか若い人もいると思うので。新しい価値観を打ち出して「2040年はこういう社会が楽しいんだ」というところを打ち出したものが“勝ち”みたいな。
打ち出した人こそが楽しいしおもしろいし、たぶんそうやって打ち出した社会になったら、その人はめちゃくちゃお金持ちにもなるんですよね。
尾原:そうですよね。だから僕は、この本の中の「穴を見つけて穴を埋める成長企業は、絶えず生まれる」という言葉がすごく好きなんです。あと、単純なテクノロジーだけじゃなくて、暮らし方や規模など「どこに光を当てるべきか?」というところにすごくフォーカスをされています。
藤野:そうなんですよ。僕はよく「穴を見つけて穴を埋めることが大事だ」と言うんですけど、穴というのは社会課題なわけですよ。要は、なんでこんなに不都合なんだろうか、不安なんだろうか、不便なんだろうか? という、不安とか不満の「不」ですよね。
多くの人がネガティブに思っていること、もしくは不平不満に思っていることは、日本ってけっこういっぱいあると思うんですよ。「今の日本が完璧で、楽しくてワクワクしている」という人はあまりいなくて。
「生産性が低いね」とか「少子高齢化が大きな問題だね」「地方が衰退しているね」「アメリカとか中国に比べて、今は技術的にも遅れているね」みたいな。とにかく問題点を挙げると、山ほどあるわけじゃないですか。
でもそれを見て「あぁ、だめだ。暗い社会だな」と思うのか。「いや、こんなに課題がいっぱいあるから、どんな大きな課題でも解決したらすごく楽しいよね、成功するよね」と思うのか。要は、穴を見つけて穴を埋めるというのは、結果的に不便さをなくしてくれて前向きな社会にするということ。
そうすると楽しいしおもしろい。穴を見つけて穴を埋めるという考え方で見ると、今の日本は穴だらけで、埋めるべきチャンスがいっぱいある。そうすると、誰でもそういうアプローチをやって、自分独自のやり方で存在感を示せる社会だよねと。
だから2040年という目で見ると「日本って暗い社会だね、今はだめだね」みたいな感じじゃなくて。「こんなにいっぱい課題があるから、それを解決したらすごいことになるよ。ワクワクするね」と、考え方や気持ちを切り替えましょうよ。そうすると日本はすごくおいしい案件だらけです。日本っておいしいよねというのが、僕のこの本の中核的なメッセージです。
尾原:個人的にすごくわかります。実はうちの娘は、バリ島で小学校後半と中学時代を過ごしたんですね。
藤野:おぉ~、いいですね。
尾原:それはなぜかと言うと、今おっしゃったように、社会課題という穴を埋めることがおいしい時代になった時に、何を子どもに提供できるか? と思って。やっぱり「どんな社会課題を自分から解決したいか?」という、自分にとって大事なものを見つけることが、一番大事だと思ったからです。
バリ島はすごく素敵な場所なんだけれども、結局、観光収入で暮らしているから、自然の美しさを守るためには観光客を入れなきゃいけなくて。観光客を入れると必ず環境が汚れたり、何か歪みが起こるんですよ。
バリ島で娘と住んでいると(わかるんですけど)、実は捨てられた高級犬とか高級猫が増えてるんですね。なぜかというと「自分のインターバルで、2〜3年の長期休暇をとってバリ島で過ごします」という外国の方がいるんです。
藤野:あぁ、そういう人いるよね。
尾原:そういう人たちが帰る時に、捨てていっちゃうんですよ。
藤野:へ~。
尾原:そうすると娘は猫や犬が大好きだったので、そういう「捨て犬がたくさんいるバリ」という事実に気づいて、そこに穴を見つけるわけですよね。
藤野:そうですね。
尾原:彼女はわんこが大好きだから、わんこを守りたい。そうすると必然的に、わんこを預かってちゃんとワクチンを打ってあげて、次の飼い主を探してあげるようなボランティアを助けたくなる。そうすると、自分でもインターネットでちょっとページを作って、みんなにアピールするだけで、穴は埋められるんだということを……。
藤野:大事、大事。
尾原:子どものうちから気づけるんですよ。テクノロジーって本当に「穴を埋めることを、誰でもできるようにしている力」だから。何か自分の大事なものを見つけて、その大事なものに穴があった時に埋めたくなるという気持ちを、もっともっと若い人が持っていったら、2040年に向けておいしい穴って本当にいっぱいあるんだなぁと思って、この本を読ませていただいてたんですよね。
藤野:その意味で見ると、僕が最近明るく思っていることの1つがSDGsなんですよ。去年の年末ぐらいに気がついたんですけれども。今、全国いろんなところでベンチャーの表彰制度などがあるんですが、審査員として地方の田舎まで行って、高校生とか大学生とか社会人の話を聞くと、だいたいのものがSDGs絡みなんですよ。
最初は「SDGsという“流行り物”に乗ってて、どうなんだろう?」みたいな、ちょっとネガティブな気持ちがあったんですよ。だけど最近、すごくポジティブに変わってきている。これ、すごくいいことだなと思うのは、SDGsが2~3年ぐらい前から中学・高校・大学の授業に入ってきていて、(僕も学校で)話すようになったんですけれども。
「自分が主役になって、社会に対して何かできるかもしれない」というのが、SDGsの大きなメッセージなんですよ。要は、自分がその影響を与える主人公であって、環境や人権、私が何をすべきなのか? ということを考えていくことが、SDGsの中核的な考え方になっています。
実は今まで日本の教育の中では、自分が主役になるよりはobeyする、人に従うというところが教育の中心になっていたんです。けれども、自分が主役になって市民として何か行動するという考え方が、けっこう日本の中で植え込まれつつあるんです。
そうすると、次に出てくるのは起業とか、それからソーシャルビジネスかもしれないけれども。でも、自分が社会を変える主人公であるという認識が広がるのはものすごくいいことです。
政治であったり、もしくは企業社会に入っても、「自分は上司の言うことをイヤイヤ聞く存在ではなくて、会社のために何か影響力を行使する大事な存在である」と思う。そういうことが、日本の社会をけっこう激変させるかもしれないなと。SDGsはけっこういいね、と思いつつありますね。
さっきのバリ島の話も、やっぱり自分がネットなども使いながら犬猫の問題を解決して、「バリ島に対して何らかの影響力を与えるかもしれない」という認識がすごく大事で。
尾原:そうなんですよね。
藤野:この認識が、彼女が、バリかもしれないし世界かもしれないし日本かもしれないし、結果的に何か影響を与えていく。たぶん、さらに大きなスケールで(影響を与えることが)できることになっていくと僕は思うんです。そういうふうに人が変わっていくと、日本はもっとワクワク楽しくなるんじゃないかなと思うんですよね。
尾原:そうですよね。だから決して穴を埋めることが我慢でもないし、裏方でもなく、誰かを幸せにすることで、自分も主人公になれるし、自分らしくもなれる。
そういう意味で、この令和の20年後は、もともとの真面目というところに戻っていけるわけですよね。もともとの意味から外れた、昭和の日本の「真面目ゲーム」のルールが、自分らしさの中で本当の意味の真面目に変わっていけるということですよね。
藤野:そうなんですよね。だから、最初に言っていた「本当の意味の真面目さ」を僕らが取り戻すことによって、よりイキイキした楽しい人生を過ごすように幸福度が上がればいいかなぁ。
尾原:そうですね。
藤野:よく言うウェルビーイングの話も、大事なものは何かというと、やっぱり自分の感情なんですね。感情がポジティブであって、社会に対して何か影響力を行使できる状態になることが大事です。決して金持ちになることじゃないんですよね。ただ、そういう人のほうが実はお金持ちになりやすいんです。
尾原:逆に、結果的に成功もするということですよね。
藤野:そうなんですよ。
尾原:そういう意味で、令和の真面目は、どういうふうにもともとの意味に戻るか。今日はなぜこういう考え方をするのかという点をお話しいただきましたけど、具体的にどういう場所に「おいしいニッポン」があるのか? が、この本の中に書いてあるので、ぜひみなさん読んでいただければ。
藤野:そうですね。
尾原:本当にあっという間の対談時間でした、ありがとうございます。
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