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「もう、やめよう。」 ~ポスト資本主義時代、個人と社会のパラダイムシフト~(全3記事)

「コミュ力が低い」という言い訳は、生きづらさを助長するだけ 人生をもっと自由にする、コミュニケーション能力の鍛え方

まだあなたが気づいていない「未知なる可能性に気づく体験(Transformative Experience)」を提供するプラットフォーム、ヒューマンポテンシャルラボが開催した年末特番「Wisdom Commons Labウェビナーシリーズ」。第1回目となる今回は、川原卓巳氏と武井浩三氏が登壇し「『もう、やめよう。』 ~ポスト資本主義時代、個人と社会のパラダイムシフト~」というテーマでトークセッションを行いました。本記事では、コミュニケーション能力の鍛え方について解説しています。

コミュニケーション能力を上げることが、最もつぶしの利く努力

山下悠一氏(以下、山下):自律って、みんな「意識を変えなきゃ」「自分はこの専門性を持たなきゃ」というのがすごく強いと思うんです。だから、副業の逆のようにに思ってる人が多い気がするんですが、武井さんもよく「自律とは依存先を増やすことだ」と言ってます。

川原卓巳氏(以下、川原):ほんとそれ。

武井浩三氏(以下、武井):本当、そう。

川原:eumoは通貨というか、コミュニティであり生態系なんです。そこに自分の人格を1個置いておけたら、むちゃくちゃ安定感が増すんですよね。

武井:本当にそう。

山下:「自分らしくいる」といった時に、1つは川原さんから出たような、いくつか選択肢や仕事を持とうという話があると思うんですが、他にも重要なコンセプトはあるんですか?

川原:現代で、特に日本向けの話でいうと、さっき武井さんがおっしゃっていたように、結局社会は人間関係でできていて、人と人の間に磁場が生じ、エネルギーが生じ、それをルールで形作ろうとしてるんです。

そもそも一人ひとりのコミュニケーション能力が上がると、関係をうまく調整することができるようになるから自由が増えるんですよ。なので、何かを勉強しようと思って身につけるなら、コミュニケーション能力を身につけること。言い方が嫌いだけど、一番つぶしが利く努力だと思ってます。

山下:コミュニケーション能力っていう言葉はたぶん何十年とあると思うんですが、例えばどんなことですか?

川原:もうね、全部(笑)。

山下:(笑)。一番難しいですよ。

川原:マジで。ここだから、もう言葉を選ばずに言いますが。

山下:ぶっちゃけてください。

川原:みんな、へたすぎんのよ。

山下:どんなところが? 気付いてないかもしれないですね。

川原:話し方もきちんとトレーニングをしてなけりゃ、相手が何を言ってるかを聞くことすらもしてなくて。だから、理解ができてないので的外れなことを言い、どんどんずれていっている(笑)。

武井:だって、理解しあってないやつらが会話してるから、何も成り立ってないってことでしょ(笑)。

川原:そこで言われるのが「不毛」なの。しかも、コミュニケーション能力は先天的でもなんでもなくて、技術なんですよ。やればうまくなることなので、きちんと学ぶこと。そして、1回1回のコミュニケーションを丁寧にとること。

山下:なるほど。

川原:これはリアルもそうだし、特に今はオンラインもそうだけど、一つひとつに気を向けるだけで絶対に変わるんだよね。これが本当に、自由で豊かに生きていくためのマスターキーだなってすごく感じてる。

「コミュニケーション下手なんで」という予防線を張るのは危険

山下:でも、今はものすごく情報過多じゃないですか。いろいろ情報を集めて、よく聞いて、むしろ自分のことがわかんなくなっちゃう人も多そうな気がするんですよ。それはどうしたらいいんですかね?

川原:確かに。そうなると、その前に取捨選択できる自分を見つけるステップが必要になるんだろうね。

山下:「本当に自分の心がときめくのか」という感度を上げないと、情報に飲まれちゃうということですよね。

川原:「コミュニケーションを学ぶためにはどうしたらいいか?」、いい質問です。自分が心地いいと感じるコミュニケーションをとっている場にいることです。

山下:なるほど。

川原:そうすると安心・安全が生まれるし、絶対にうまくなるの。基本的に、コミュニケーションが下手な理由って恐れなんですね。「自分はどう思われるだろう」「こう言ったらどうなんだろう」って、どんどん億劫になっていく。

「自分、コミュニケーション下手なんで」という予防線を張ることで、コミュニケーションをとらなくていいスタンスを取り始めるのね。でも、こうすると社会との距離がどんどん開いていって、逆に自由が減ってるんですよ。まずは自分の居心地がいいところでいいから、コミュニケーションの量を増やせるようにしたら必ずうまくなります。

山下:そうか。恐れがあるってことは、自分が恐怖を感じるような場にいるということですもんね。そういう場を選択すればするほど、どんどんコミュニケーションが億劫になって下手になっていく。

川原:そう。例えば、今日はヒューマンポテンシャルラボでお話をさせていただいてますが、こういうコミュニティに来ている人は500万パーセント変態じゃないですか。

山下:(笑)。

川原:こういうことに興味がある人たちしかいないとわかっている場だと、それが好きな人にとっては自由になれるんですよ。どこでもいいので、自分が興味があって、それを好きだと言っている人たちのいる場所に行くこと。

山下:こういう業界にいると「自分を変えなきゃいけない」「自分らしくいるためには」みたいなのがあるんですが、川原さんの本で僕が好きなのは「自分は変えなくていいよ」「心地いい環境を変えればいいんだよ」と。おっしゃっていることは、誰にでもできることですもんね。自分が知らなくてもいいかもしれない。

自分の思いにブレーキをかけていたのは「お金」が原因だった

川原:なるほど。武井さん、「恐れ」がコミュニケーションの根本原因になっているという話がありましたが、組織においてもシステムにおいても、資本主義社会は恐れが完全に埋め込まれてる感じがします。どうですか? 

武井:うん。だって、言うことを聞かなかったらお金あげないよっていうシステムじゃないですか。

山下:わかりやすく言うと、そういうシステムですよね。

武井:お金で人間の行動を支配しているわけですよね。「俺の言うとおりにやったらお金あげるよ」「俺の意にそぐわなかったらお金あげないよ、クビにするよ」みたいな、不安と恐れを助長させるシステムなんです。だから、今の貨幣経済を回せば回すほど、不安と恐れが広がっていくんですよね。そういうメカニズムなので。

山下:そうですよね。いい話なんですが、あと10分ぐらいになってきましたので締めに向かっていきます。

やっぱり、お二人がすごすぎる感じもしちゃうんですよ。要は、「自分たちにはできるのかな?」「貨幣を捨てるとか、明日からできないし」みたいな。スモールステップでもいいので、誰でもできる、明日からやめるプロセスのご提案はありますか?

武井:お金つながりですが、僕自身も「何かしたいな」「誰かを応援したいな」と思った時に、お金がその思いを止めていたことに気付いたんですね。「あれ、俺の思いがお金によってブレーキかけられちゃってる」って。気持ち悪いというか、やだなと思って。最近は意識的にそのリミッターを外してるんですよね。

そういう感情が出た時に、「あ、お金ブレーキが利いてる」って感じるようになって。意識的に外してみると、やたらとクラウドファンディングの応援をしちゃうっていうね。

(一同笑)

川原:そうなるだろうなっていう結論、先に読めちゃった(笑)。

武井:Facebookでいいねを押すぐらいのノリで、1万円とか5万円とかいっちゃう。

山下:eumoも配ってますもんね。

武井:今日も2万円ぐらいeumoを配りましたけど、気持ちいいんですよね。やっぱり人間ですから、“排泄”する時は気持ちいいんでしょうね。

山下:そっか。お金も排泄するって考えるんですね。

武井:気持ちいいっすよ~。

(一同笑)

川原:いいねぇ。

山下:いいですね。

川原:やべぇ領域に踏み込んでて、すごいですね。

山下:(笑)。

川原:「お金出すって気持ちいいっすよ~」なんて、(普通は)聞かねぇ~。でも、そう思う。

山下:いいですね。お金の排泄。

武井:人それぞれ扱える額は違うので、別に大きい金額じゃなくてよくて。今までやらなかったけど、自分としてはやりたいことがあったら、500円、1,000円、3,000円とかでもやってみる。

なぜか毎月「お金がない」状態に陥らないために

山下:なるほど。ありがとうございます。川原さん、いかがですか。

川原:ちょっと逆説的なんですが、すぐにできることは、日常的に出ているお金に対してもうちょっと意識的になること。みんな月々の支出で、本来使わなくていいものにバチ使ってるんですよ。

武井:使ってるねぇ。

川原:それで「お金がない」と言ってるけど、そりゃそうやんって思うのね(笑)。

武井:間違いない。

川原:なので、使わなくていいものをやめる。持っているものだから、これは絶対に誰でもできるの。言うたら、個人のお金に関する片付けをするということ。自分が本当にときめいていて幸せを感じるものだけに使い、そうじゃないことをやめたら必ず余裕ができます。

武井さんが言っているみたいに、自分が応援したいなというものに再投資をする。もしくはさっきのコミュニケーションの話で言うと、自分が行きたい、好きな人たちがいる場所に行くために使う。そしたら、具体的に絶対に人生が変わる。

山下:そうか。

武井:確かに、資本主義って隙あらば金を取ってきますから。

山下:そうですね。

武井:資本主義の強い企業は、サブスクで存在感を消して、いかに毎月ちょっとずつ奪っていくかの仕組みを作る天才ですから。

川原:そうなの。支出の痛みを麻痺させたら勝ちなのよ。

武井:保険とかもそうですし、車のローンとかもそうですし、全部そうですね。そういう大きいところを削るだけで、月5万円ぐらいは浮かせられますね。

川原:本当に浮く。ちなみに、世界的に見てこんなに携帯料金が高い国はここぐらいやで。

山下:(笑)。そうですよねぇ。じゃあもう、今日のテーマは「お金の排泄」ということで。

川原:(笑)。ここから見た人、マジで意味わかんないね。

山下:意味わかんないと思いますが、最後の話はめちゃめちゃ具体的だし、実践的で誰でもできる。「人に対して利他的に貢献しなきゃ」みたいなのも、プレッシャーになっちゃったりするじゃないですか。そうじゃなくて、出すことは気持ちいいことだから、心地いいものを使っていこうと。

無理のない感覚に従ってお金もやっていくと、実はちゃんと回っていく。僕自身も本当に実践してみたいなと思いました。最後にちょっとだけ我々の宣伝と、お二人に対してのプレゼンも兼ねてさせていただきたいと思います。

武井氏も参加する「Wisdom Commons Lab」とは

山下:今日、ナビゲートさせていただきましたヒューマンポテンシャルラボですが、「人生が変わるウェルネス体験を共に」ということで、オンライン・オフラインで、ウェルビーイングな社会を共創するための教育プラットフォームを鎌倉の研究所からお届けしています。

このウェビナーのタイトルになっています、「ウィズダムをコモンズにする」。みんなで叡智をラボる、Wisdom Commons Labのメンバーシップをリリースさせていただきます。

今日、武井さんからもコモンズのお話がありましたが、ウェルビーイングになっていくためのメソッドも、あらゆる宗教、あらゆる科学、あらゆる会社の中にあるんですが、全部が属人的、属会社的なかたちになっているものなんですね。幸せになる技術はすでに確立されていているのだから、自分の物にせずにみんなで共有しようよというコンセプトです。

なので今回は、お二人にも惜しみなく叡智をこの場に共有していただいたきました。こういった活動に賛同してくれる方々をどんどん増やして、「オープンウィズダム」を掲げていく。そして一緒に実践したり、作っていく人のネットワークを増やしていく。この2つのイニシアティブでラボを運営していく。これが、共同組合型で運営していこうという話になっています。

オープンウィズダムというのは、マインド(思考)、エモーション(感情)、ボディ(身体)、スピリット(精神)、ライフ(生活・生命)の各カテゴリーにおいてさまざまなプログラムを講師の方々に提供していただいています。多くの株主の方々やコラボレーターの方々がいらっしゃって、武井さんもその一員として参加していただいています。これを機会に、ぜひ川原さんも参加していただけたらと思うんですけれども。

ウィズダムをコモンズにするメンバーシップを、どんどん増やして一緒に参加していきましょうということで、ウィズダムを情報共有したり、共同で実践していったり、そして新しい社会を一緒に共創していく。自分たちが変わることから社会は変わっていく。

そういう社会実験をぜひみなさんと一緒にやっていければと思いますので、ぜひぜひチェックしていただければと思っております。ということで、ちょうど時間になりました。朝早く、そして夜遅くお付き合いいただいてありがとうございました。今日は本当にいいお話が聞けてよかったです。お二人はどうでしたか?

武井:楽しかった。

川原:楽しかった!(笑)。

山下:この続きは、またどこかでできればと思います。ありがとうございました。

武井、川原:ありがとうございました。

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