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「90分腹落ちセミナー」育休×越境学習! 育休を個人と組織の価値に変える、新発想の人材育成(全4記事)

アウェイで“恥をかいた経験”が、自身や組織の改善に繋がる? 異なる組織・部門・立場を行き来する「越境」が生む、新しい価値

出産や育児といったライフイベントを迎える人材が活躍する上で「制度の充実だけでは解決できない」という課題を抱える企業が増えています。「育休中は仕事の話をしないほうがよい」「復職後も、責任の重い仕事はさせない方がよい」などの組織の育休取得者に対するバイアスは当事者の意思とズレが生じてしまうこともあり、マミートラックが発生する要因ともなります。一方で、当事者は適切な教育機会も与えられないまま復職を迎え、復職前と同じ働き方が通用せず、本来であれば組織で活躍できる人材であっても自信を喪失してしまうことも。このように、組織の中に機会や環境がないと、制約があっても活躍したい・できる人材の活躍機会を奪うことになるのです。そんなギャップを解消するソリューションの一つとして、いま注目されているのが、育休期の「越境学習」。本記事では「育休×越境学習」をテーマに、組織開発のプロフェッショナルである沢渡あまね氏、多数企業での人材育成支援に携わってきたNOKIOOの小田木朝子氏の2名で90分語り尽くすセミナー「育休×越境学習! 育休を個人と組織の価値に変える、新発想の人材育成」の模様を公開します。

2022年は「越境元年」

小田木朝子氏(以下、小田木):ありがとうございます。こんな捉え直しをしつつ、ここに「越境」を掛け合わせていくかたちで、次のテーマに進みたいと思います。今日2つ目のキーワード「越境」とは何か。沢渡さん、お願いできますか?

沢渡あまね氏(以下、沢渡):はい。もうズバリ言います。2022年は「越境元年」だと思っています。越境というキーワードが、今でも人材開発・組織開発の領域でじわじわと注目されていて、今日は私からその部分をひも解いていきたいと思います。

越境とは何か? 今日ここでの定義を、小田木さんに描いていただいたイラストで示していきたいと思います。左側「ホーム」、これは自分の会社だったり自分の組織だったり、あるいは今の環境。そして右側「アウェイ」、今までとは異なる環境だったり、異なる経験。このホームとアウェイを「ボーダー」、境界を越えて「往還」とありますね。行きっぱなしではなくて「行き来すること」によって新しい価値を生み出す。

小田木:「行き来」ね。

沢渡:そうです「行き来」ですね。

小田木:「行きっぱなし」じゃないって、大事ですね。

沢渡:そうですね。ここに書かれているとおり、境界(組織、部門、立場など)を越えて、人と人、組織と組織がつながり、既存の問題・課題を解決する、ないし新しい価値を生み出すこと。これを越境と捉えたいと思います。

自ら答えを出せるやり方に変えねば“個人の経営リスク”を負う時代に

沢渡:「なぜ、わざわざそんな面倒くさいことしなければいけないの?」「別に同じホームにとどまっていたっていいじゃないですか?」と。それが通用しにくくなってるという時代背景が、次の図になります。

毎度毎度すみません。リピーターの方はもう聞き飽きたかもしれないですが、私が書籍『バリューサイクル・マネジメント』の中でも展開している図が、(スライドを指して)こちらです。お初の方もいるので、今日の越境学習に焦点を当てて、手短に説明したいと思います。

要は、向かって左側の「統制型(ピラミッド型)」。全員が同じ環境・同じ条件で、言われたことをきちんとこなす、ないしは、こなさせるマネジメントのやり方では勝ちにくくなってきている時代なんですね。大量生産・大量消費で答えを見出せない。

個々人で見ても「いわゆる終身雇用型で、60歳まで会社から言われたことをきちんとこなしていれば、マネージャーであれば(メンバーに)こなさせていれば、潤沢な年金と退職金で家族ともども幸せな60歳以降の、昔でいうところの『老後』を幸せに送れる社会モデル」は、もう崩壊しつつあるということなんですね。

組織の中に答えを見出だせる領域が限られてきています。少子高齢化で、同じ組織の中で抱えられる人材に限りがある。そして世の中の要請・環境も変化が激しくなっていく。組織の中、あるいは過去に答えを見出しにくくなってくる。

そうすると、右側のやり方「オープン型」。個と個がつながり、組織と組織がつながり、あるいは業界内外で会社を越えてつながり、立場を越えてつながって、答えを出していくやり方に変えていかないと。組織としても既存業務の継続はもちろん、新たな価値を生み出すことがやりにくくなっていく時代になっていっている。

個人においても、自ら問いを立てて、問題・課題に名前をつけて、それに答えを出してくれる、ヒントを与えてくれる人とつながる。そして自ら答えを出していけるようなやり方になっていかないと、個人としての生きていくリスク、すなわち“個人の経営リスク”を負う時代になりつつあるという話ですね。

どちらが悪いと言っているわけではなくて、どちらも正しいんですけれども。時代の変化に応じてより右側のやり方を進めていくための筋力トレーニング・考えるトレーニング・行動するトレーニングであるとか、それが生まれるような組織体制にしていかないとうまくいかない。

ゆえに今、ジョブ型雇用とかリスキリングに日本の企業・世界の企業・自治体・官公庁が力を入れ始めているのは、左(統制型)モデルの危機感を感じているからだと言うことができます。

この中でさまざまな項目。どの項目をオープン型、統制型に変えていく、あるいはハイブリッドにしていくか? について考えるための図が(スライドを指して)こちらです。下から2つ目の学習スタイル、いわゆる閉じた組織内で、先輩・ベテランの背中を見て学ぶだけの経験学習(OJT)オンリーから、右側。立場を越えて、組織を越えて、組織の中に答えがない・ロールモデルがない、そんな状況をどう打破していくか。

越境学習が重視されているのが今の時代のトレンド、そんな意味づけをしたいと思います。別の見方をすると、統制型(ピラミッド型)のやり方は「同質性の高い人たち」、言ってしまえば「終身雇用前提の男性正社員、24時間戦える人たち」が、これまでのやり方と環境の中で決められたことをこなす・こなさせるモデルでした。

そこに最適化していましたが、これからは異質な人たちが境界を越えて、立場を越えてつながり、過去に答えのないテーマに向き合って成果を出すモデルにしていく必要がある。そういうきっかけを作っていく必要があるよ、と言えるのかなと思います。

組織の中に答えがない、過去に答えがない時代、求めにくい時代。越境、垣根を越えてつながって、問題解決していく。テーマに名前をつけて、答えを導いていくやり方にしていく必要があるよという話ですね。

竹内義晴氏・石山恒貴教授による「越境学習とは何か?」

沢渡:越境学習とは何か? 2人の識者のコメントを、本人のご許可を元に引用したいと思います。それが(スライドを指して)こちらです。特定非営利活動法人しごとのみらい理事長、竹内義晴さんですね。この方はサイボウズでもお仕事されていて、今、新潟県妙高市に身を置いていらっしゃいます。ワーケーション活性とか、本人がさまざまな景色を変えられてて、私もすごく尊敬してる人なんですけれども。

竹内さんはこうおっしゃっています。「価値観の揺らぎ」。ホーム、アウェイ、越境する。今までのいわゆるコンフォートゾーンから出ることによって当然、価値観に揺らぎが起こりますね。先ほどの小田木さんのメッセージでも、揺らぎというものがありましたけども。

「『価値観の揺らぎ』によって起こる『気づき』『発見』『学び』のことを、『越境学習』と言います。『越境学習』とは、ふだんの環境(つまり、会社)の枠を越えて、異なる環境を行ったり来たりすることによって得られる学びです」と。

もう一方、法政大学大学院の石山恒貴教授。越境学習の日本の権威の方はこうおっしゃっています。越境すると気まずい思いをしたり、今までの常識が通じなくて決まりが悪かったりすることがあるんですね。

「越境して恥ずかしい思いをしたり、苦しい思いをしたりする『混乱するジレンマ』に直面することで、リフレクション(内省)が起こる」。そこから組織だとか、あるいは自分自身をアップデートしていく活力になるよ、と説明されています。

違和感はイノベーションの源泉だが、そこで日和ってしまうと終わる

沢渡:お二方のメッセージと、今までの時代背景の話を小田木さんにまとめていただいたのが、(スライドを指して)この図ですね。ホームにいる時、目標は上から降ってきたり、短期的な成果に慣れていたり、誰かが決めてくれる。

「なんか阿吽の呼吸で話が進むよね」「タバコ部屋ベースのコミュニケーションで、同質性が高い人たちで違和感なく決めごとが起こるよね」。あるいは「ローカルルールで、なんか空気で仕事できていたよね」という話だと思うんです。

育休という環境もそうですよね。1回それ(ホーム)とは違う環境に身を置くと、モヤモヤ、揺らぎ、あるいは組織を越える人と何か協働プロジェクトをやると「今までの常識が、ヤバい通じない」「これでいいんだっけ?」みたいな葛藤や違和感が生まれる。

違和感はイノベーションの源泉ですね。そこで日和ってしまうと終わるんですけども、壁を越えるために当然、組織としてのサポート、それから個人の自助努力の双方が大事だと思うんですけども。この壁を越えていくと、できない自分を受け入れる自己変容、やってみて経験から学ぶ経験学習や対話。違いを受け入れるマインドセットが身につく、すなわちダイバーシティ&インクルージョン(D&I)につながっていったりします。

あるいは言葉が通じない。極端な話で、地球人と火星人と冥王星人が何か同じゴールに向けて、相互理解して「行くぞ!」となるためには、景色を合わせるファシリテーション能力が磨かれたりだとか、あるいは身につけなければいけない内発的動機づけにつながったりしますよね。

壁を越えるために必要なことに名前をつけて、組織としてどうサポートしていくか、本人としてパワーアップしていくか? ここが越境学習の本質だと捉えています。

小田木:ありがとうございます。「揺らぎ」とか「混乱するジレンマ」というキーワードが出てきました。これを乗り越えるようなサポートだとか、ここから学ぶような仕掛け・仕組みを作っていくことによって、揺らぎっぱなしではなくて、そこに越境による学習効果が生まれてくる、みたいなイメージですかね。

沢渡:そうですね。今、NOKIOOのTさんから、ボイスディアの「Voicy」での法政大学の石山先生と小田木さんの対談のリンクをいただきました。ありがとうございます。後でぜひ、ながら学習して耳で聞いてほしいと思います。

「まったく違う組織に飛び込まないと越境の効果はない」は本当?

沢渡:では、越境学習ってどういうバリエーションがあるの? どういう手段がいいの? についてまとめたのが次のページです。

さまざまな越境のかたち。これについては3月発売の書籍『新時代を生き抜く越境思考』で書いているので、ぜひ読んでいただきたいんですけれども。「交流範囲」と「行動」、この2軸で分けてみました。

例えば(スライドを指して)一番上、社内にアウェイを「取り込む」。中途採用というやり方がありますよね。あるいは社外のリソース、社外の能力を社外に置いたままにして、自組織に取り込んでいく。最近、言われている副業人材の活用だとか、あるいはフリーランスの登用。それによってアウェイを中に取り込む。アウェイの人と付き合うことによって、揺らぎを生むことができるということですね。

そして「飛び込む」。自分たちで新しい環境に飛び込む。アウェイの環境に自ら飛び込む行為。社内でいえば人事異動だとか社内副業だとか。社外人材を入れるのであれば、自組織あるいは自分たちもどこか外の組織で副業してみる。副業を解禁したり、社外留学や研修だったり。こういうものがあると思いますね。

あるいは、組織の中でもいわゆる部門横断の問題解決プロジェクト、クロスファンクション・プロジェクトのようなものによって、同じ社内ではあるけれども、違う特性を持った人たち・違うミッションを持った人たちと、クロスファンクション、横断でなにかものごとを解決する経験はできると思うんです。

その他、企業間留学・出向・逆参勤交代、あるいは出島組織を作ってイノベーションを誘発する取り組みがあったりします。

あとは一番下でいうと、ワーケーションみたいなのもそうですね。私もワーケーションはよくやっていて、このお正月も日経産業新聞の取材を受けて答えたりしています。日頃と景色を変えることによって、オープンマインドになったり。オフィスでは生まれ得ない、なにかふだんとは違う景色の中での揺らぎだとか気づきだとかでもって、イノベーションを起こしていく、問題解決を起こしていく。こんな効果があるとされています。

越境って、さまざまなかたちがあるんですね。今日ここで1つだけ強調しておきたいのが、越境学習の話をする時に「企業間留学・出向・逆参勤交代のような、会社組織を越えてまったく違う組織に飛び込まないと越境の効果はない」と言ってらっしゃる方もいらっしゃるんですが、私は必ずしもそうではないと思うんですね。

社内であってもなにか越境する。垣根を越える筋力トレーニングをしたり、経験をしたり、違和感を持ってそこに向き合って解決していく行動を促していくことは、越境するためのものすごく大事なステップだと思います。

大事なのは、半径5メートル以内の越境機会を捉えて、あるいはなにか変化の機会を捉えて越境を仕掛けていく。これから組織として、あるいはそこで働く人たちとして、強く生き残っていくために間違いなく必要なプロセスなのかなと思っています。

越境学習によってもたらされる、8つの効果

沢渡:そんないろいろ越境のかたちがある中で、みなさんの問題・課題の悩みに応じて、いろんなものを使っていただきたいと思います。越境学習の効果について、(スライドを指して)8つ書きました。詳しく本で書きましたが、今日は大きく1から4ですね。

5、6、7、8は企業としての課題に近いので、1、2、3、4でいくと(1は)社員のエンゲージメント維持・向上。同じ殻の中に閉じこもっているのではなくて、期待をかけて垣根を越えてもらう、そういう経験を提供する。そこによって学習をさせる、あるいは一生ものの力を身につけられるようになる。

あるいは、名前がついている問題・課題をそのまま放置ではよくないですけども、組織で解決の協力をすることによって、社内の人たちが「この会社っていいな」「この仲間たちっていいな」「もっとがんばりたいな」「復職してさらに高い自分を目指そう」と思う。こういった、いわゆるエンゲージメントの維持・向上につながる効果は、間違いなくありますね。

本の中でも書いたんですけども「越境させると、(越境先から)帰ってこないんじゃないか? 心が離れてしまうんじゃないか?」という不安を抱える組織も多いです。実はそんなことはない。正しく仕組みと仕掛けとフォローアップ体制を形成すれば、むしろ1回“旅”に出したほうが社員のエンゲージメント高まる。そんなデータもあるんです。

2つ目が、いわゆるリスキリング・人材育成。日頃と違う環境、違う経験、ジレンマ・葛藤を感じながらもそこに向き合う武器を身につけていく、身につけていかせることによって、人材育成になる。

当然、(3の)組織のアップデート。「うちの会社こういうところが良いです。でもここが課題ですよね」「そうだ。解決していこう」。これを解決すれば、先ほど小田木さんがあげていた要因地図ありましたが、ここが「解決するね」「ここが白から黒に変わるね」「その逆になるね」みたいな組織のアップデートにつながる。

4つ目が、越境して立場が違う人たちと協働・コラボレーションする力を身につけることによって、いわゆる個々人のエンプロイアビリティ、雇われ得る力が高まっていき、どこに行っても通用する人材になる。それが組織としての仕事力の向上にもなる。特殊性、ガラパゴス性の排除にもなる。こんな効果があるかなと思います。

越境学習のきっかけについての「3つのつながる」

沢渡:どのきっかけで越境学習を仕掛けていくか? なんですけども。越境学習のきっかけについての「3つのつながる」という話を、この本の中でもしています。

1つ目が「立場でつながる」。例えば、同じ経営企画部門の部長同士がつながるとか、課長同士がマネジメント研修でつながる。立場でつながることによって、問題・課題に名前つけられたり、あるいは自分1人で問題だと思っていたけども、他の課長も問題だと思っているから、つながりながらもっと解決していこう。いわゆるネットワーキングによって、ものごとを解決していく力が身についたりしますよね。

2つ目「テーマでつながる」。例えば、働き方改革というテーマ異なる企業の人たちがつながる。今日のこの場も、立場でつながる・テーマでつながる場ですよね。もうこの場で既に皆さん越境学習しているのです。

同じ組織開発、人材開発、テーマ、あるいはそれを旗振りする責任ある立場の方が、今日この場で同じテーマでつながって、チャットしながらインタラクティブにお互いの問題・課題を言語化しながら、自分の組織に帰ってどう変えていこうか、強くしていこうか? この場も越境学習ですよね。

もう1つが、今日この後小田木さんと深めていきたい「ライフステージでつながる」。例えば、育休・両立期にある人が組織を越えて、違う部署同士でも違う会社同士で(つながること)もいいと思うんです。同じチームの中に育休を経験した先輩がいなければ、あるいは育休経験したけどそれが20年前、30年前の話だったら、言葉は悪いですけど参考にならないんですよ。

組織の中に答えがあるとは限らないので、同じライフステージで組織の垣根を越えて、越境してつながる。越境学習が威力を発揮する、課題解決になりうる大きな領域が育休。こう私たちは捉えています。

「強制的な越境は効果的?」という問いの答えは、イエスでありノー

小田木:ありがとうございます。一気に流れがブワッとつながりましたけど。沢渡さん、コメントで1つ質問いただいてまして。「強制的な越境って効果があるんでしょうか? 組織側の立場で考えると、メンバーが主体的に越境しようとする姿勢をどう育むかが、大きな課題のように感じます」と。

沢渡:ありがとうございます。すばらしい質問です。(答えは)イエスでありノーなんですよ。これは相手をいかに観察するかだと思うんですね。人によっては強制的に環境を変えれば、それによって新しい仕事のやり方だとか新しい景色に気持ちよくなって、勝手に火がついて自走する人っているんですよ。みなさんの周りにもいると思いません?

ですから、最初はある程度の強制力を持たせることによって、自分でも気づかない内発的な興味・関心に火をつけるやり方が、効果的なケースもあります。

一方で、なんでもかんでも強制すると主体性が減衰していくタイプの人もいますから、けっこう相手次第なんですよね。だから、相手を観察する。例えば当事者が1人いたとして、あなたがイエスでも、他の人から見ればノーの可能性があるわけです。

やっぱりさまざまな観点で観察しながら、どういうオプションを提示していくのがいいのか。あるいは、強制力を働かすのがいいのか。オプションだけ用意して「選ぶのはあなたたち」とするのか。このチューニングがたぶん、組織開発の肝かなと思っています。

相手を観察して選択肢を用意する。温度の上げ下げをチューニングする。こんなところですね。

小田木:さっき「さまざまな越境のかたち」という説明を、沢渡さんがしてくれ、かつ「本人が越境だと思えば、越境である」といった解説をしてくれたじゃないですか。その機会に対しての意味づけを、本人と組織でどんなふうにしていけるのか?って、けっこうポイントですよね。

沢渡:そうですね。

小田木:まさにVoicyでの石山さんとの対談でも、越境の要件に定義があるわけではない、と。本人が「それはボーダーを越えることだ」、要はコンフォートゾーンを出ることだと思えば、それは越境である。そんな話もあったかなと思いますので。

大きなボーダーを越えていかなければいけないっていうよりも、小さな越境体験の中で1つずつクリアさせたり、成功体験を積ませるところも、もしかしたらプロセスになるかもしれないですね。

沢渡:そうですね。

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