2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
マーケティングを成功に導くプロジェクト体制編【サイルアカデミー BtoBマーケティング】(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
栗原康太氏:株式会社才流の栗原と申します。本日は、BtoBマーケティングの入門編ということでお話しします。まず、簡単に自己紹介いたしますと、株式会社才流の代表をやっております。過去10年くらい、2008年頃からずっとBtoBマーケティングのプロジェクトをやってまいりました。
自分自身がマーケターをしていた時もありますし、今はいろいろなBtoB企業さんのマーケティングのプロジェクトに入らせていただいております。累計で100から200のBtoBマーケティングのプロジェクトに関わっております。
まず前提として弊社では、今BtoBマーケティングの業界で「提供サービス/ツールのドーナツ化」が起きています、という話をしております。私もBtoBマーケティングの業界に10年いるんですが、広告やMAツール、SEOなどのデジタル系の施策を中心に、やれることは非常に増えています。
ただ、そもそも誰向けにマーケティングしていくのか、どういうメッセージを届けるのか、どういう順番でプロジェクトを進めていくのかという、ドーナツの根幹の部分が抜けているケース。かつ、それを相談できる相手があまり外部にいないケースがありますので、このドーナツの真ん中を支援するサービスを提供しております。
本日は、マーケティングのプロジェクトを実際にどう進めていけばいいのかという、まさにドーナツの真ん中の1つをお話しできればと思っております。私も過去に100〜200件のプロジェクトに関わってきた中で、この原則を守っておくと非常に成果が出やすくなるというものがあります。今日は、その3つに絞ってお話させていただきます。
まず、プロジェクト推進の3原則の1つ目では、「打ち手の数を増やしましょう」というお話をさせていただいております。
書籍やセミナー、Webの記事など、(マーケティングのプロジェクトを)どういうふうにやっていけばいいのかという、知識やアイデアは世の中にあふれているなと思うんですが、なかなか実行まで行っていないケースを過去に非常に多く見てきました。
世の中に出ている情報は、ほとんど9割くらいが知識やノウハウ、どうすればいいかというお話なんですけれども。実際の成果を決めるのは、それをどれぐらい実行できたのかというところになので、まず実行に価値がありますという話をしております。
こちらは私が過去に、いろいろなマーケターや経営者の方とお仕事をしてきた中で、こういった裏側があるなというものを図にしたものです。
例えば、「非常に成果が出ていてメディアに取り上げられていて、マーケティングはうまいよね」と言われているような会社。このスライドで言うと、外から見ると、本当に左の「一般的な認識」と書いてあるようなかたちで、的確に打ち手を重ねて成功してきたように見えるんですけれども。
実際に私が一緒にプロジェクトをして感じるのが、そういった優れたマーケターの方も、非常にたくさんの試行錯誤をされていて、うまくいかないことも含めて、人の3倍、4倍の打ち手を打っています。その結果として、最終的に成功するのかなと思いますので、そもそも「打ち手の数を増やす」というのが、重要というお話をしております。
あとは、実際にBtoBマーケティングのプロジェクトを進めていく時に、BtoBマーケの経験が豊富にあるマーケターの方はあまり多くないと思います。そういう時に心がけていただきたいのが、打ち手の数を増やすところにつながってくるんですが、今スライドで表示している「学習曲線」というものがあるんじゃないかなと思っています。
始める前は、「理想」という左下から右斜め上に真っすぐ伸びている直線。こういうかたちで結果も伸びていくし、自分のマーケターとしてのスキルも上がっていくと思うんですけれども。先ほどの多くの試行錯誤の話にも近いんですが、なかなかすぐにうまくいくことはないですと。
それを弊社では「死の谷」と言っているんですが、マーケターの死の谷に陥ってしまってなかなか結果が出ない時に、打ち手の数をそこで止めてしまいますと、当然成果が出ないと。
ただ、そこを越えて、引き続きPDCAを回していく中で、だんだん「現実」と書いてあるこのグラフのようにスキルも上がっていきますし、大きく数字も伸びていくというのを、過去、いろいろなプロジェクトで見てきました。この「打ち手の数を増やす」というところで、継続していろんなことをやっていくのが、プロジェクトを推進する上で非常に重要になってきます。
あと欠かせないのが、どういう組織・チームでプロジェクトをやっていくかというところです。原則2として、実行力の高いチームを作りましょうというお話をさせていただきます。
こちらも私が過去にいろいろなプロジェクトに関わってくる中で見えてきた、明らかに「こういうプロジェクト、こういうチームになった時に成果が出るよね」というパターンと、逆に失敗パターンというか、「このプロジェクトってあんまり成果が出ないよね」というところのフラグをまとめた図になっております。
具体的にどういう時にマーケティングの成果が出ているかというと、左の「成果フラグ」。やはり担当の方がしっかりコミットしているとか、リソースが足りなければ採用するということ。フリーランサーも含めて、外部パートナーをしっかり検討して、リソースをちゃんとプロジェクトに持っているかというところ。
あと、定期的に定例会議をやっていたり。一見当たり前なんですが、デジタルマーケティングで言うとWebサイトにどれくらいの人が来ていて、どれくらいの人がコンバージョンして、そこから何件ぐらいの商談が生まれているのか。基本的なデータをすぐに振り返れる状態になっているかというところが、非常に大きな分かれ目になっております。
なので、担当の方が兼務だと本当に進まないですし、会議も否定されがちなところもありますが、しっかりデータを見つつ定例会議などを進めていくと、一見当たり前のことではあるんですけれども、物事が進んでいきますので、やはり非常に成果が出やすくなってきます。
こちらはBtoBマーケティング特有のプロジェクトチームづくりの課題です。BtoBマーケティングのそもそもの前提として、現状はまだまだ市場にBtoBマーケターはあまり多くありません。今までは展示会やテレアポなど、いわゆる営業さんが足で稼いで売上を伸ばしたり、顧客数を増やしてきたので、そもそもBtoBマーケターという職種がなかったんですね。
社内でBtoBマーケティングの経験がある人を見つけるのが難しいので、意思決定者の方、現場のマーケターの方、プラスアルファで外部のBtoBマーケティングの知見のある方という、三位一体でチームを組むことによって、より成果が出やすくなりますとお伝えしております。
やはり、この中のどれが欠けても成果は出にくいです。例えば、意思決定者の方がプロジェクトの中にいないと決定もできませんし、予算も都度申請しないといけなかったりするので、どんどん施策の実行が遅れてしまう。結果として成果が出にくくなるところもありますので、この3人がチームの中にいるとより成果が出やすくなります。
プロジェクト推進の原則の3つ目です。とにかくお客さんと会うことが非常に重要です。過去に私が仕事をしてきた優れたマーケターや経営者の方は、やはりお客さんに対する理解度が非常に深い方が多かったです。
弊社ではそれを「解像度が高い」と表現しているんですけれども、この図の左のようなかたちで、解像度が低くてぼんやりとしかお客さんを理解していない状態と、右側の非常にクリアにお客さんのことを理解している状態。社内の状況や抱えている課題感の理解によって、戦略やアイデアの質がまったく変わってきます。
とにかくお客さんと実際に対面する中で理解を深めることを、プロジェクトの原則としてお伝えしております。「解像度を高める」というところに関して言うと、もう単刀直入にお客さんに会ってヒアリングして、彼らを理解することが一番重要なんじゃないかなと思っています。
例えば、サービス導入する前にどういう課題を持っていたのか、どういうことを実現したかったのか、もしくは実際に導入した後にどういう変化を感じたか。このあたりもマーケターが頭の中で推測するのではなく、実際にお客さんと会う中でリアルな情報を得ていく。
それを基に施策やコンテンツを作っていくと非常に成果が出やすくなりますし、意思決定も迷いがなくなりますので、どんどんスピーディーに物事を進めていけるようになってきます。
とはいえ、なかなかお客さんと頻繁に会えないケースもあるかと思いますので、こちらのスライドは直接会えない時にどうするかをいくつかまとめたものになります。
例えば、感度の高い同業界のマーケターにアドバイスをもらったり、営業さんに同行させてもらったり、もしくはマーケター自身がカスタマーサポートをやってみるとか、展示会の呼び込みをしてお客さんと接するといったところでも、実際のお客さんを理解するきっかけになります。
これらをやりながら精度高く意思決定していくとプロジェクトが進みやすくなりますし、当然、施策が当たる確率も高まっていきますので、これをプロジェクト推進の3原則としてお伝えしております。
まとめさせていただくと、まず大前提として、とにかく試行錯誤と試行の数が成果を決める一番の要因になりますので、迷うよりもどんどんチャレンジしながら施策をやっていきましょうというところになります。
それを実行するチームの体制として、実行力の高いプロジェクトの進め方、チームの組み方を意識されるといいんじゃないかなと思います。最後は、今お伝えしたようなかたちで、お客さんと実際に会いながらプロジェクトを推進をしていくと、より精度が高くなりますので、結果としてより早く目標の売上や顧客数、市場でのシェアなどを取れるようになります。
この3つを意識されると、BtoBマーケティングがうまくいきやすいというお話をいたしました。本日は動画を見ていただきまして、ありがとうございました。
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2024.11.20
「元エースの管理職」が若手営業を育てる時に陥りがちな罠 順調なチーム・苦戦するチームの違いから見る、育成のポイント
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2024.11.20
「元エースの管理職」が若手営業を育てる時に陥りがちな罠 順調なチーム・苦戦するチームの違いから見る、育成のポイント
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗