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テレワーク下で生産性をUPさせる! 進化系雑談 のつくりかた(全3記事)

「みなさん雑談しましょう」は、会話のハードルを上げるワード 社員コミュニケーションを活性化させる、コンテンツ活用術

「テレワーク下で生産性をUPさせる! 進化系雑談のつくりかた」のイベントに登壇した、株式会社Enbirth CEO 河合優香理氏と株式会社遭遇設計代表取締役 広瀬眞之介氏。リモートワークで雑談が重要視される中、雑談のマンネリ化や、強制的な雑談によって社員への効果にバラつきが生まれるなど、課題も浮き彫りになっています。本記事では、オンラインコンテンツを使用したコミュニケーションの具体例を紹介しています。

オンラインで行える「リモート談話室」とは

広瀬眞之介氏(以下、広瀬):具体策の2つ目は、「リモート談話室」です。今、うちの研修ゲームなどを「リモート談話室」というかたちでオンラインで使用できるようにしています。単純にオンラインゲームをしながら交流時間が持てるというものです。後で商品のURLもお送りします。

もともと研修目的で作っているので、ビジネススキルが上がるのもあるんですが、それ以上にゲームがお酒みたいなコミュニケーションの促進になっているのを感じております。

例えば男性に多いと思いますが、麻雀しながら話すってありますかね? 麻雀接待ってやったことありますか? あんな感じで麻雀しながらのほうが、そっちに集中しちゃって本音が出やすかったり、長ったらしく話ができたり、とりとめのない話ができたりしますよね。ということで、こういうゲームをしながら話すというのをやっております。

もちろん、うちのゲームに限らず、例えば「オンライン麻雀」「オンラインカジノ」「オンライントランプ」などいろいろあるので、それでも全然構わないと思います。

oViceを使用したリモート社内イベントも開催

広瀬:ただ、会社さんによっては「なんでオンライントランプをやるんだ?」「遊びか!」となるので、だったらもともと研修用に使われいたもので、社員の能力も上がるし、コミュニケーションも深まるから良いんじゃないですか、と使ってもらっています。

最後に、今我々がサービスリリースしようとしているものを紹介します。主にoViceさんを使った「リモート社内イベント」というものです。多人数が一堂に参加している状態で、○×クイズや格付けクイズみたいなのをやるとおもしろいんです。

大勢が一堂に参加できるので、他の人たちの回答が見えるし、そもそもクイズなので社内のことや業界のことをクイズにするという手段が取れます。やっている方はいますかね? oViceなどのバーチャルオフィスを使っている方もいらっしゃると思います。これを使って、さらにコミュニケーションを深めている方もいるかもしれませんね。

ちなみに、先ほど紹介したカードをもうご購入いただいた方がいるということで、ありがとうございます(笑)。といっても、私の商品じゃないし、リベートやバックも何も入ってこないので、単に友人が喜ぶかなっていうだけなんですが(笑)。

今、私がチャットに書いたのが、このoViceというリモートバーチャルオフィスシステムです。今、私と河合さんがこの中に入っています。自分のプレイヤーを置いて、ここで○×クイズなどがやれるんです。oViceが使える方は、ぜひチャットから入ってみてください。

マルバツクイズでチームの一体感が生まれる

広瀬:このまま問題に突入できるかなと思います。何の問題が良いですかね?

河合優香理氏(以下、河合):「〇×クイズを実際にやってみよう」ってことなんですね。

広瀬:そうですね。〇×クイズを実際にここでご体験いただきつつ、先にちょっと種明かしになってしまうんですが......。途中で画面を切り替えます。最初の〇×を答えて、次の〇×を答えて、さらにもう1個〇×を答えると、同じ解答の人たちがどんどんグループ化されていきます。

例えば、「今仕事をすごく楽しんでいる。〇か×か?」「仕事も、チームメンバーも上司も大好きだ。〇か×か?」「この仕事を生涯やり続けたい。〇か×か?」のような質問に、同じ回答をした人たちが同じグループに分けられていくんです。だから、お互いの興味関心が揃った状態でグループができたりします。

今からここで、〇×クイズを行います。みなさんけっこうバーチャルに入ってきていただいていますね。ありがとうございます。

河合:なんか、この状態だけで楽しい感じがしますね(笑)。

広瀬:あははは(笑)。

河合:なんか一体感というか、つながっている感が出ますね。

広瀬:そうですね。じゃあ、実際この〇×クイズをやってみようと思います。第1問目。「自分はリモートワークでもうまくやれている。〇か×か?」お答えください。私は×かな......。真ん中の人がいる(笑)。

河合:真ん中もアリなんですかね?

広瀬:真ん中アリなのかな?(笑)。

河合:あははは(笑)。

広瀬:じゃあ、2問目にいきます。1問目で右側で答えた人は、右側の緑の〇×のどちらかで答えてください。左側で答えた人は、左側の灰色の〇×で答えてください。「リモートワークでも、けっこうチームメンバーと雑談ができている。〇か×か?」。私は〇かな......。迷っている方もいますね。苦い顔している人もいるな(笑)。

はい、では3問目いきます。同じように今解答した場所で、〇か×かを答えてください。先ほどはチーム内で雑談ができているかどうか聞きましたけど、「チーム外ともコミュニケーションや雑談ができている。〇か×か?」(雑談)少ないんだよな、俺はこっちかな......。あ、みんな×にいっちゃった(笑)。

河合:このアイコンの動きで迷っているのが見えておもしろいですね(笑)。

広瀬:そうですね。あと、回答している人の顔でなんとなく雰囲気がわかりますね。「うーん」みたいな感じで答えているとか、「いやいや。これはこっちでしょ」って、自信満々に答えているとか。

オンライン上のクイズで、オフラインのような空間作り

広瀬:今、こんな感じで〇×クイズを3回させていただいたんですが、例えば、今みたいにこうやって分かれて、このメンバー同士でゲームテーブルを作ります。

「同じリモートワークにおけるコミュニケーションの状態」を持っている人たちと、例えば「ゲームをしてください」と言うとします。すると、こっちが意図的に選んだチーム分けじゃないし、「共通の話題を持っていて、かつ偶然出会っただけ」なので話しやすくなる。これはけっこうあると思います。

河合:さっきの「コーヒーマシン効果」ですよね。

広瀬:そうですね。

河合:同じグループになったオスギさんという方。どなたか存じませんが、すごく近しい気がしています。

広瀬:あははは(笑)。

河合:話が合いそうな気がします(笑)。

広瀬:そうですね。今のクイズをもっと内部向けにしたり、自分たちの関心のあることに切り替えたりすると、もっと「ご一緒感」が出たりもします。今、吹き出しで「孤独。俺1人しかいない」みたいなことを書いてくださった方もいて、おもしろい。

ちなみに「そういう問題を作るの難しくない?」という人のために、うちはクイズ作家さんとクイズゲームを作っていまして。「クイズ作家さんがどうやって良いクイズを作っているか?」というゲームもあります。(これを使って)社内のメンバーやパートナー、取引先のメンバーでおもしろくなりそうなクイズを作って、さっきのようにやってもいいのかなと思います。

社内の雑談を促進するポイントは「エンタメ化」

広瀬:まとめ(のスライドを)出すの2度目なんですが、チーム内で仕事が完結してしまう人たちが一部存在しています。その人たちは「チーム外の人たちと雑談しろ」「コミュニケーションしろ」と言われても「は?」ってなることもあります。その時には、強烈な動機付けが必要です。

今みたいな、「会社の中での一部エンタメ化」は大事だろうと思われています。また、都市設計や都市競争の文脈では、「そもそも都市は必要なくなる」「今までほどニーズがなくなる」と言われています。そこに人を集めるには、「都市自体のエンタメ化」「会社自体のエンタメ化」が必要になるだろうということです。

大手芸能事務所が、山梨県の富士河口湖町に会社を移転させたと思いますが、それも会社のエンタメ化の一部かと思います。

雑談促進の3要素は先ほどのとおり(「適度な距離」「適度な暇」「自然な理由」)ですが、それに対して具体的な施策をみなさん考えてやられると良いのかな。もちろん我々だけじゃなくて、いろんな方々がいろんなものを作っているので、うまく組み合わせていただければと思います。

ちょっと長くなってしまいましたが、私の話はいったんここで終了とします。ありがとうございました。

河合:ありがとうございます。

雑談には「内容」も「タイミング」も大切

河合:それではもう一度私から、画面共有させていただきますね。今まで私もいろんなセミナーをやらせていただいているんですが、今日ほど参加者の方たちと近いというか、温かいセミナーってなかなかないなと思いました。

リモートワーク下のこのビジネスゲームは、しっかりとしたロジックのあるものなので、なんとなくやる……ではなくて、意味のある形でやることができる。それってすごく大事なことなんだなと、私自身も実感しました。

あとは雑談をするタイミングも大事だと思っていまして。会議の一番最初にアイスブレイク的に雑談をされる方が多いと思うんですが、それはそれで会議の進行がしやすくなるし、発言しやすい雰囲気が作れるので、すごく意味はあると思うんですけど。

例えば(今日のような)こういった場だと、冒頭に私が「みなさん雑談しましょう」と提案したとしても、発言してくださる方は誰もいなかったと思うんですね。でも今のタイミングだと、「さっき一緒のチームになりましたよね」「こんなこと考えていらっしゃる方なんですね」みたいに、すごく盛り上がると思います。

なので、雑談をするタイミングに関しても「最初が良いのか、最後が良いのか」と検証しながらやってみるのも良いですよね。やっぱり雑談の内容もタイミングも、なんとなくやってみて、やって終わりでは意味がないと思いまして。きちんと「効果検証」をすることが大事なんです。

「やって終わり」ではなく、雑談でもきちんと効果検証を

河合:さっき「雑談に目標を作っちゃいかん!」と広瀬さんから強く言われたにも関わらず、空気を読めずこのスライドに「目標設定」と書いてしまって(笑)。「なんと連携が取れていない!」と思ったんですけど。

広瀬:いやいや、ごめんなさい。雑談を促進する側は目標を持っていたほうが良いです。サイロ化を防ぐ目的があっても良いです。ただ、雑談をする側の人たちは、「こういう目的で話してください」って言われた瞬間に、依頼となって雑談じゃなくなっちゃうので。

河合:はい、なるほど。

広瀬:そこを気を付けましょうという。

河合:経営者だったり人事部の方だったり、運営側は目標をきちんと持ちましょうね、ということですね。なるほど!

広瀬:そうしないと、逆に意味がないです。

河合:そういうことですね(笑)。ありがとうございます。「チーム内のコミュニケーションを活性化するため」「他部門との交流を深めるため」「生産性を向上するため」「イノベーション創出のため」など、何のために雑談をするのか? という目標はやっぱり大事なんですね。

目標を定めた上で、「なんとなくやってみる」ではなくて、きちんとどのようにやるかを考えて行うことも必要ですよね。

あと、何といっても大事なのは「効果検証」だと思っています。結局、やって終わりになってしまうと意味がないんです。「狙った効果をきちんと上げられているのか」「上げられていない場合は何がボトルネックになっているのか」と効果検証をすることで、PDCAサイクルがきちんと回っていくと思います。

社員の「消極的定着」が、人材活用にも悪影響をもたらす

河合:最後にちょっとだけ、弊社のサービスに関してもお話させてください。弊社はこういった効果検証も含めて、HRサーベイを企業さまに展開させていただいています。HRサーベイというと、エンゲージメントやeNPSなど、今はいろいろありますが、弊社の特徴は「消極的定着」に特化しているところです。

「消極的定着」って、いったい何ぞや? というお話をします。会社員の方たちを対象にした調査結果で、「今の仕事の満足度はどのぐらいですか?」と聞いたところ、一番多かった解答が「どちらともいえない(満足でも不満でもない)」だったんですね。

「どちらともいえない」って、モヤモヤとした気持ちのまま働いている方が半分もいるって、けっこう驚きだと思うんです。でも、実は私もすごく身に覚えがあるんですね。最後に自己紹介になってしまうんですが(笑)。

私も5年前まで会社員をやっていて、長い長いモヤモヤ期をすごしていました。モヤモヤとは「今すぐ辞める理由はないんだけど、このままで良いんだろうか?」といった状態です。漠然とした不安を抱えながらも、(満足でも不満でも)どちらでもなくて、消極的に組織に定着している。

これって個人にとっても、人材を活用できていない組織にとっても、すごくもったいないですよね。やっぱりこういうのを解消したいなと。一人ひとりが思いっきり仕事を楽しいって言える環境にしたいなということで、「働き方の健康診断-WorkEx」という「HRサーベイ」を展開させていただいています。

こういった弊社の「HRサーベイ」もしかりですが、先ほどすごくおもしろかった広瀬さんのビジネスゲームも、今回の1時間の話を通じてどのあたりにご興味を持っていただけたか、ぜひアンケートを通じて教えていただけると大変うれしく思います。ぜひ最後にアンケートのご協力をお願いします。

興味のない場に、無理やり人を引っ張り出すことは不可能

河合:残り5分になりましたが、最後どうしましょうか。雑談をしましょうか? 雑談をしながらアンケートにご回答いただくとか(笑)。

広瀬:ご質問がある方は声を出していただいても、チャットに書いていただいても良いかなと思います。

僕がおもしろいなと思ったのは、河合さんの調査の中で、「中途半端に(雑談などコミュニケーションの取り組みを)行うと、むしろ孤独を感じる人がいる」というところ。これは我々が考えていた仮説と同じだったので、「そこが一部証明された感じがしたな、おもしろいな」と思いました。

(チャット欄のコメントで)「メンバーとして比較的外向性が高い人を想定すると納得できるのですが、内向性が高めの人はどうなるかが少し気になるところです」。おっしゃるとおりです。勉強します。

私は地域活性もやっているので、まちづくりの話をしてしまうんですが。まちづくりで、独居老人などの孤独死を防ごうという活動があるんですが、ぶっちゃけその人の興味があるイベントをやって引っ張り出すしかない、みたいになっていまして。無理矢理引っ張り出すことは不可能だと考えられています。

お仕事だとか、どうしてもやらなきゃいけないことだと、やってもらうことはできるんです。でも、自発的に・協力的に参加してもらうとなると、やっぱりその人たちが興味を持ってくれそうなものを用意できるかどうかがキーになってきますね。

大人数で集まれない、忘年会や新年会もオンラインで

広瀬:私だけじゃなくて河合さんももし答えられるものがあれば......。すごくいっぱい質問が出てきた。わーい、ありがとうございます。

河合:ありがとうございます。(チャット欄のコメントで)「オンライン会議の前後に雑談できる人が思ったよりも少ないんですが、慣れないものなんでしょうか?」

広瀬:たぶん、僕らが異常なんですよ。オンラインでもこれだけ雑談できるっていうのが異常値と思ったほうが良いと思います。みなさん「慣れていない」が前提なんじゃないかと。

河合:そういう時に、やっぱりさっきのカードみたいなお題があったり、強制的に話すネタがあるのはすごく良いですよね。「最近どうですか?」って、私すぐ振っちゃうんですよ。(でも)そう聞かれても、なんとも言いようがないこと多々ありますもんね。

広瀬:あははは(笑)。でも、つい言っちゃうっていうね(笑)。(チャット欄のコメントで。)「雑談はオンラインゲームで代替される」と。だいたいそのとおりだと思うんですが、今年度の忘年会や新年会って、すごく人数が集まるとか、全社的に集まるのは恐らくできないと思うんですよね。

その時に、会社としての帰属意識みたいなものを持ちにくいんですが、さっきのoViceのような使い方も良いと思います。全員一緒に取り組んでいるんだけど、個別ルームになった人たちと話すことも許容される感じがあって。

「全社で集まらなきゃいけない」(という状況を)をなんとか作りたい場合は、ああいうものが良いんじゃないかなと、個人的には思っています。みんな移動するだけなんでね。回答を書いたり、チャットしたりも必要がないので。それだけでもおもしろいかなと思っています。

(質問が)すごくいっぱい(笑)。ありがとうございます。

河合:ありがとうございます。

広瀬:コロナも明けつつあるので、せっかくならチームの交流をリアルでするのも良いと思うんですが、できれば忘年会とか新年会をこのリモートでなんとかやっていただけたら良いなと思っています。

河合:〇×ゲームとか、格付けみたいなのもおもしろいですよね。

広瀬:そうですね。格付けに関しては、oViceのさっき私が挙げた記事にきっちり書いてあります。

河合:ありがとうございます。ちょうど時間になりましたので、こちらで締めさせていただきます。今日はみなさん参加してくださって、すごく良い会になったなと思います。こういった貴重なお時間をいただいて、本当にありがとうございました。

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