
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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柳澤大輔氏(以下、柳澤):はい。ありがとうございます。これから、佐久市を「酒蔵ツーリズムの聖地」にしていきたいという強い思いがあった時に、どんなアイデアがいいですかね。募集してもいいですし、お二方で、「今、こんなことを考えている」というのがあれば。
田澤麻里香氏(以下、田澤):DAY1でお客様からいただいたアイデアで、「酒蔵でキャンプしたい」ってありましたね。
井手直行氏(以下、井手):おぉ~。
柳澤:酒蔵でキャンプね。ありましたね。
田澤:ありましたよね(笑)。その後のアンケートでも「ぜひ実現してください」っておっしゃってくださっている方が多かったです。
柳澤:確かに、いろんなものがあっていろんな体験ができるのはいいですね。さっきの「個性の話」は、やっぱり注視する必要があるんでしょうけど。オリジナリティというか、「個性は他者への優しさでもある」というのが、僕は大好きな言葉なんです。
「オリジナリティがある」というのは、「他の人の領域を侵さない」という、他者への優しさなんですね。なるほどな、と思いました。だから、13の酒蔵が個性を出し合うことは、まとまって全体を伸ばしていくことになると思うんです。
全体感を持ちながら調整する必要があるのかもしれないんだけど、「こっちはキャンプをやって、こっちはまた別で」っていうのはおもしろいですよね。どうですか? これはビールとかも混ざっていけるもんなんですか?
井手:いいんじゃないですか? お酒が好きな人には、「日本酒だけが好き」「ビールだけが好き」という方もいらっしゃいますけど、「両方好き」という方もいっぱいいらっしゃるのでね。ビールが飲めて酒が飲めたら幸せだ、という人もいっぱいいると思いますよ。
井手:あと僕は今、ジャストアイデアですけれども、例えば、我々は「ビールを中心としたエンターテイメント事業」なので、ディズニーランドや劇団四季さんなんかのミュージカルとかをすごく参考にしているんですよ。
要は、ビールもおいしくてこだわっているけど、エンタメのところでも楽しめる。ビール業界では、我々ぐらいしかそんなことをやっていないんですけれども。日本酒業界はやっぱり職人の世界だから、そういうエンタメをやる日本酒企業って、ちょっと今まで聞いたことがないです。
なので、13の酒蔵の中に、「ここは職人も作っているけど、見学に行ったらすごくおもしろいコンテンツがあって、なんかわくわくしちゃうな」なんて蔵があってもいいんじゃないのかなと。
歴史がある酒蔵がこんなサービスをやっていておもしろいなっていうのは、ギャップがあります。どこかの蔵がやったら、僕は真っ先にその酒蔵に見学に行って飲んだくれたいなと思いました。
田澤:(笑)。
柳澤:わかります。すごくよくわかります。いろんなかたちがあったほうが、おもしろいですよね。
井手:本当にそう思います。ほんのちょっとの差というよりは、ぜんぜん違うのが13蔵もあったら、1つ2つぐらいあってもおもしろいと思いますね。
田澤:私も20歳になった瞬間から、ヤッホーさんの『よなよなエール』大好きなんです。
井手:本当ですか!? ありがとうございます。
田澤:ビールを売っているというより、「わくわくを売っている」と感じる時もあって。『水曜日のネコ』とかもすごく好きなんです。
井手:うれしいです。
田澤:今、エンターテインメントというお言葉が井手社長から出ましたが、日本酒業界は培ってきた伝統が数百年と長いので、厳かな雰囲気があります。エンタメに振り切っていくには、もしかしたら新しく免許を取った酒蔵さんだとか、そういったところが今後は出てくるのかな、なんて思います。
佐久の蔵元の方々の伝統や紡いできた文化を、どうやったら発信できるのかを、日々かなり真剣に考えていまして。私たちが他と違う体験サービスとして提供していることの1つが、酒蔵に入る前に近所の新海三社神社という伝統ある神社の神官さんにお越しいただいて、お祓いの神事をするところから始めています。
井手:いいなぁ。
柳澤:楽しいですね。
田澤:なので、心も清めていただいて酒蔵に入る。そんなことも1つ、個性あるサービスとして提供していますね。
柳澤:僕も実は体験に参加させていただいた時に、いろんなところに体験で行っている方も一緒にいて、「これほどしっかり、酒蔵をただ見るだけじゃなくて、自ら入り込んでさまざまな工程に参加させてもらう体験はなかなかない」って言って絶賛していましたよね。
田澤:ありがとうございます。
柳澤:考えるのも大変だったでしょうし、それを受け入れた橘倉酒造の民生社長もすごい勇気だったと思うんです。本来、やっぱりなかなか工場現場では難しいことなんですよね。きっとそこまで体験することって。
田澤:そうですね。不特定多数の人が入って、例えば納豆菌やそれ以外のよからぬ雑菌が入ってしまうリスクと、ツーリズムで得られる効果を天秤にかけた時に、蔵元の方々にとっては、「リスクをできるかぎり少なくして毎年おいしいお酒を造る」ことのほうが、ずっとずっと大切なことだったはずなので。
そこを踏み切ってくださった橘倉さんとしては、新しい酒蔵のブランディングの戦略の1つとして捉えてくださったのかなと私は捉えています。
柳澤:なるほど。酒蔵ツーリズムとマイクロツーリズム。まぁ、マイクロじゃなくてもいいと思うんですね。むしろ、普通に聞くとおそらく海外の人のほうが喜んで体験するんだろうなという気がします。
今のこの時期だからマイクロツーリズムがありますし、そもそもマイクロツーリズムでは、地元の人に好きになってもらって、それが結果的には世界に発信することにつながっていくので。まずはマイクロツーリズムで近隣の方に楽しんでもらうことから工夫されるのが一番いいのかなと。酒蔵ツーリズムの可能性を非常に佐久市に感じたんじゃないかなと思います。
柳澤:お話ありがとうございました。お二方から、最後に何か一言ずついただいていったんセッションは終了にしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
田澤:はい。では私のほうから。おいしいビールが造れるのも、おいしいワインが造れるのも、おいしい酒所であるのも、この佐久エリア、長野県の豊かな自然環境のおかげだと思っています。
今後ろに映っている、一番のシンボルとなっている浅間山、それから日照量が非常に多くて晴天率が高い佐久エリア。本当に自然に支えられた豊かな文化だと思いますので、ぜひ佐久エリアにお住まいの方には本当に誇りを持っていただきたいです。
この文化をまた次の世代にも引き継いでいけるように、蔵元、それからビールメーカーさんもみんなで応援して、コロナを乗り切っていけたらいいなと思います。ご清聴ありがとうございました。井手社長、お願いします。
井手:はい。この酒蔵ツーリズムは、すごくいい企画だなと思っています。コロナという危機的な状況があったので、よけいにここ(マイクロツーリズム)にフォーカスが当たっていると思うんです。これをチャンスに変えて、ぜひ地元の人にもっとお酒を飲んでもらって、現場に来て体験をしてもらう、本当にいい機会だなと思っています。
私、今ここに越してきてどれくらい経つんだろう。もう30年近く経ちますけれども、酒蔵さんは全部知っていますし、だいたい場所もわかっています。ただ、見学に行ったことがあるかというと、ここで言いにくいぐらいちょっとしかないんですよ。
地元で日本酒も飲んで、ここの酒蔵のお酒もよく飲みますが、見学に行ったところは本当に少ない。だけど見学に行ったところは、やっぱりすごく好きになるので、その後もずっとそこの酒蔵の酒を買って飲んだりしているなと思うと、伸びしろがまだすごくあると思うんですね。お酒大好きな私ですらそうなので。
なので、今回このコロナの危機をすごくプラスに転じて、地元や周辺の人に飲んでもらういい機会です。製造業だけど、サービス業にもアンテナを立てていただいたら、きっとなかなかこういうことをやっている酒蔵さんはいないと思うので。ぜひ私たちも、何かできることを一緒に協力しながら盛り上げていけたらなと思いました。ありがとうございました。
柳澤:お二方、ありがとうございました。今日のセッションは以上になります。佐久市に遊びに行かれてない方は、ぜひ行っていただければと。かつ佐久市出身の方はますます佐久に、酒蔵ツーリズムに協力していただければと思います。ありがとうございました。
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