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組織をグロースさせるコミュニケーション法(全4記事)

フルリモート化の成功を支えた、役員・マネージャーのある価値観の変化とは

10人のスタートアップも、10,000人のグローバルカンパニーも、事業は日々のコミュニケーションの上に成り立っており、その質とスピードを上げることが組織の成長に繋がっていきます。一方で、「良いコミュニケーション」の概念を組織で揃え、実際に実践することは容易ではありません。本セッションでは、スタートアップから大企業まで幅広いバックグランドを有するコミュニケーションのプロをお呼びし、組織の成長に向けた最適なコミュニケーションについて語って頂きます。1記事目では、登壇者がコロナ禍でハマっていたことを中心にお届けします。

田端氏がJ.Y.ParkとNiziUプロジェクトから学んだこと

岡島悦子氏(以下、岡島):みなさま、こんばんは。モデレーターの岡島悦子です。今回のセッションは「組織をグロースさせるコミュニケーション法」です。このセッションはいろんな会社の事例などを、なるべく生々しくお話しいただこうと思っています。

最初に登壇者のみなさんに、コロナ禍でハマっていることをご紹介いただきながら、自己紹介をしていただこうと思います。私がこのアイスブレイクを選んだきっかけとも言える田端さんからお願いします。

田端信太郎氏(以下、田端):はい。去年の年末まではZOZOやLINEで執行役員などいろいろやっていたんですけれども、今年はオンラインサロンといろんなスタートアップの顧問をやらせてもらったり、本を書いたりしております。

今日は組織がテーマですけれども、ちょうどコロナが来たタイミングで会社から抜けてしまっていて、今はフリーランスのような状況なので、逆に会社じゃないところから話せればと思っています。

最近ハマっているのは、韓国の方でJ.Y.Parkという芸能事務所の経営者。ソニーミュージックとジョイントベンチャーで去年ぐらいからNiziUというプロジェクトをやられているんですけれども、コロナの中で大ヒットコンテンツになっていて。

僕はもともとアイドルオタクなんで、そういう目線で見ていたんですけれども。途中からビジネス目線というかマネジメント目線。あるいはモチベーションをどうやって上げていくかとか、プロフェッショナリズムという中でも、最高の教材だなと思っています。

今のK-POPは若い女性(ファン)が多かったりするんですけれども、すごくどハマりして「むしろおっさんこそ見るべきなんじゃないか」と熱弁したり、YouTubeにも動画を上げたりしています。

あとは、今日発表があったんですけれども、1週間後に米津玄師さんの新曲発表会があるんですが、フォートナイトというオンラインゲームで発表するそうで。これもすごいなと。

今年の夏はフェスが全滅だと思うので、今はゲームの中がフェス会場みたいになっていて、フォートナイトはすごくその感じが出ているんで、それも含めてこれは行かねばと。親子でそういうのをやったりしております。

岡島:女子の間ではどちらかと言うと『愛の不時着』『梨泰院クラス』みたいな感じはしますが、J.Y.Parkさんの話も今日のコミュニケーションとすごく関係があるのかなと思います。では澤さん、お願いします。

ガジェットを揃えてなんでもできる状態を作った澤氏

澤円氏(以下、澤):僕はですね、これわかるかな。今、僕が配信している環境なんですけど、スイッチャー2台があってこんな感じで。

岡島:すごい! 

:僕はもともとガジェットオタクなんで、オンラインとなったら買い漁りまして。なんでもできる状態にしたんですね。これだけあれば、本当にいろんなことができるんです。あともう1個ハマっているのが「1人サウナ」です。自宅なんですけど1人用のテントを買って、そこにカセットコンロとかを持ち込んでいます。

岡島:練炭はやめてくださいね(笑)。

:それはさすがにやめました。IHとカセットコンロを使っていますけど、これをやったらけっこう整うわけですよ。どこかにいかなくても、整うことができるソリューションを編み出して。

そしたらサウナ界で有名なヨッピ―さんもすごく興味を示してくださって。「ぜひやってみたい」と言ったら、「ヨッピ―さんクラスになると、死んでも責任が取れないからやめてくれ」とテントメーカーからストップがかかっていました。

岡島:なるほど(笑)。

:僕はひっそりとゲリラ的にやっております。

岡島:ありがとうございます。ガジェットは後ほど機材をSlackにあげていただけたらすごくうれしいなと。

:そうですね。わかりました。

コロナ化で食生活が激変してベジタリアンに

岡島:では塩田さん、お願いします。

塩田元規氏(以下、塩田):先月までアカツキの代表をやっていまして、今は退任して非常勤の役員をやっています。基本的には次に何やろうかをいろいろ考えています。

ハマっているものは特に思いつかないんですけど、僕はベジタリアンで人生で料理をしたことがなかったんですが、この2~3ヶ月は完全ヴィーガンフードを自分で作っています。出汁もベジタリアン出汁を探してきて作っているとすごくおいしくて、それだけで人生を楽しんでおります(笑)。

岡島:Oisixの高島(宏平)さんのセッションにも来てもらいたかった感じです。でも、ちょうどコロナになりかかるところでの退任でしたが、すぐにコロナがやってきましたね。

塩田:はい。いい感じですぐに動けないというか。すぐに新しいプロジェクトができないという。無理やり間を空けさせることによって、立ち止まっていろいろ考える時間をもらえた感じですね。

岡島:それでは、伊藤さんお願いします。

伊藤羊一氏(以下、伊藤):みなさん、こんばんは。対外的には「ヤフーの伊藤です」と言っていますが、最近いろいろ忙しくなったので、ヤフーはもう正社員じゃなくて契約社員です。出勤も評価も何もない状況で時々行ったりしています。

岡島:えっ、そうなんですか?

伊藤:何に忙しいかと言うと、実は武蔵野大学でアントレプレナーシップ学部というのを立ち上げようとしていて、来年4月にできればと思っているんです。教員や科目、時間割をどうするかとか、マーケどうするとか、そこに9割方の時間を使っています。

あと、最近ハマっているのが野菜を食べることで。去年にWEINの溝口(勇児)さんがいらっしゃったFiNCで、五十肩を治してもらったんですね。そしたら次は「ダイエットしよう」となって、FiNCのダイエットプログラムをやったら、その時に「野菜を食べなさい」と言われて。

「野菜は嫌いなんですけど」って言ったら、「オリーブオイルをかけると食べられるよ」と言われて、やたら使うようになって、今ではオリーブオイルオタクになっています。そしたら、塩田さんと同じベジタリアンになって。50年以上、肉しか食べなかったんですけど、野菜大好きなベジタリアンになりました。

社外取締役と動画撮影に勤しんだコロナ禍での日常

岡島:(笑)。ありがとうございます。私はプロノバという自分の会社をやっていますが、丸井グループ、セプテーニ、ユーグレナ、マネーフォワード、ランサーズ、ヤプリの社外取締役をやっています。

自分で言っているわけではないんですけど、ベンチャー業界のゴッドマザーという感じで。組織・人に関わるお手伝いをやっている日々を送らせていただいております。

私のハマっているものは、2歳の娘が「YouTuberになりたい」と言い出して。いきなり「はい、みなさんこんにちは○○でーす。今日はすべり台をしまーす」みたいなことをやっていて、それをめちゃめちゃ録画させられる係をしています。

自分がYouTubeデビューする前に、2歳の娘がデビューするんじゃないかと思いながら、自分が遊ばれている日々を暮らしております。あともう1つハマっているのが、電子美容針というもので(笑)。今54なんですけど、けっこう肌が下がってくるので、美容針はめっちゃ効きます!

:(笑)。

岡島:でも、けっこうお高いので。値段言っちゃっていいかな、18万円ぐらいするんです。

塩田:高っか! 

岡島:高いんですよ。なので試してみたいという方は、私がお貸ししますので言ってください。でもエステに行ったと思えばという話もあるので、回収はできていると思います。

社員7,000人のうち出社するのは100人前後だったヤフー

では本題ですが「組織をグロースさせるコミュニケーション方法」。このセッションでは事業成長をさせていくところを中心に、みなさんと議論をしていければと思っています。

今回のIVSも多くの企業の方が参加されていると思うんですけれども、やはり100人の壁、300人の壁といったところで、組織が官僚化していったり、成長の痛みがあったり、中二病みたいなことがたくさん出てくる。

そうした時には、自律分散型にしていく際のコミュニケーションがすごく重要であることは、みなさん体験されていると思います。そのうえ、コロナ禍でワークフロムホームやリモートワークが進み、今まで「DXってなんだっけ」と言っていた人たちもフルリモートになってきている。

一方で、会社の役員会などでは「オフィスってなんだっけ」とか「組織ってなんだっけ」みたいな話が出てきています。

今回はそこを再定義しながら、「リアルの価値はやっぱりあるよね」という議論が取締役会で真面目にされている場も大変多くあると思うので、その辺について伺っていきたいです。

ヤフーさんはかなり注目されるリリースを出されたと思うので、まず伊藤さんに無制限リモートの話も踏まえてお話をいただければと。

伊藤:そうですね。もともと、「どこでもオフィス」と呼んで、月5日までリモートオフィスでいいよ」というかたちでやっていたんですけど、コロナ禍で「常にリモートでやろうよ」ということで、3月から今日時点までみんなフルリモートでやっています。

社員7,000人ですが各フロアを回って数えてみると、合計で100人いるかいないかという状況です。

岡島:7,000分の100ですね。

伊藤:ほとんど休日状態ですよ。ただ例えば川邊(健太郎)の朝礼の様子とかメールなどを見るとめっちゃ元気なんですよ。

なんなんだろうと思っていたところに、こないだの無制限リモートワークの発表が出たわけですね。あれは毎月毎月アンケートを取ってみると、結局効率がリモートワークになっても変わらない。または上がったということで、常に90パーセント以上の社員から「別に変わらないし、上がってるよ」というアンケート結果が出ていた。

「じゃあ、そもそも会社ってなんだっけ?」とか「集まるってなんだっけ?」という話で、いずれにせよ制限なしにしようと、無制限リモートワークになりましたね。

「全部リモートワークってどうなの?」と前から言っていた人間もいるんですけど、今はもう「ぜんぜんいいじゃん」と。「通勤もなくていいし」みたいな感じで。まったく苦労せずにリモートワークでやっていますね。

ヤフーがフルリモート化に成功した理由

岡島:やっぱりトライアルの素地があったことと、何より川邊さんとか小澤(隆生)さんとかがリモートで楽しそうにやっていることが、うまくいっている要因な気がするんですけど。宮澤弦さんも軽井沢に行っちゃったとか。

伊藤:そうですね。川邊も数年前に館山に引っ越して、自分の農園を作ってヤギとか住まわせていたんで。

岡島:そうですよね(笑)。

伊藤:そういうところに対する憧れは、みんなめちゃくちゃあったと思うんですよね。

岡島:こないだオンラインセッションやったら、ヤギが後ろにいましたから(笑)。

伊藤:そうなんですよ。そこの素地はありました。リモートワークをやっていたので、みんなまったく苦労せずにシフトしていますね。

それで何がよかったかと役員陣や本部長陣に聞いてみると、お子さんいる方はほぼ、「子どもと一緒にいられるのが、こんなに素敵なものだとは思わなかった」って口を揃えて言うわけですよ。

リモートワークをやっていた今までと比較してもなかったことで、今では「ずっとリモートでもいいじゃん」って。「来たければ来ればいいけど」って感じになっていますね。

岡島:「リアルでやらなきゃ」ということは特にないんですか? 

伊藤:今日はね、マネーフォワードの人事の方が、「でもリアルの良さってあるよね」と言っていて。

要はメンバーや自分、マネージャー、チームがいますと。その中で自分は、この仕事でいいのか不安になるとか、マネージャーはメンバーがちゃんと仕事をしているのかとか、チームの人たちとあまりしゃべっていないし表情から伺えないとか。いろいろあるからリアルがいいよねという話が出たんです。

でも、みなさんご存じだと思うんですけど、ヤフーでは1on1を毎週1回やっているんですよね。1on1をやっていると大抵のことがすごく見えちゃう。マネージャーとメンバーだけじゃなくて、チーム員同士も1on1をやっているので、そこでカバーしているところはすごくあります。

岡島:もともとの素地として、1on1でコーチを作るようなコーチングセッションを本間(浩輔)さんがやっていたことが大きいですよね。

伊藤:そこがすごく大きいと思います。だから今のところリアルに集まるのがどういうタイミングかというと、もうハイタッチしてみんなで喜び合うぐらいじゃないかなと。そうすると週1日でいいとか、なくてもいいとか。今はそんな感じになっています。

岡島:なるほど。かなり吹っ切った戦略を取っていらっしゃると思いますが、今日のマネーフォアードの記事にしても、リモートの担っているプロセスをみんなに開示していることで、経営陣が考えている背景も見えてすごくいいなと思いながら見ています。

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