
2025.02.06
ポンコツ期、孤独期、成果独り占め期を経て… サイボウズのプロマネが振り返る、マネージャーの成長の「4フェーズ」
リンクをコピー
記事をブックマーク
上村紀夫氏(以下、上村):パレートの法則はみなさんご存じでしょうか。働きアリの法則、2:6:2。この2:6:2の法則は、上の2が抜けても新しく2ができるから2:6:2が形成される。これは〇か×か。
参加者:〇です。
上村:〇。おっしゃるとおり、〇なんです。なんですけど、よくよく考えてみましょうということです。優秀な働きアリがいなくなると、普通とぶら下がりが残ります。そして普通の部分の一部が優秀となります。となると、普通の人の一部が優秀化して、ぶら下がりの一部が普通化するというものですね。現実はどうですか?
もしなったとしても、これは平均ラインが落ちていませんか? つまり、パレートの法則が1つ見逃している点はなにかというと、これです。相対的に2:6:2。絶対的にはどうなのか。
つまり組織の中で見た時はそのまま(2:6:2)なんですけど、冷静に客観的に見てこの会社はどうなっているかというと、2:6:2のままベースラインが落ちていくんです。ですので、2:6:2の法則は確かに成り立つんですけど、ベースラインは落ちるんですね。
パレートの法則の神話に引っ張られると、これ(組織平均点)がどんどん落ちていくので、優秀な人材が抜けていくと2が生まれるというのは、よっぽどポテンシャルを持った人たちを抱えられている会社さんだけです。普通の会社さんは絶対にベースラインが落ちますので、気をつけていただくといいかなという話です。
今日の結論だけ言います。ステップやパラダイスの話をしましたけど、これからの働き方改革で真に目指すものはなにかということを、みなさんにちょっと考えていただくといいかなと思います。
実際に働き方改革は、労働時間を減らすためにやっているわけではありません。なにを目的にしているのかを考えましょう。この働き方改革の実現会議があった平成29年3月28日に首相がなにを言っているか。
「日本の働くということに対する考え方そのものに手をつける改革」。普通にさらっと読んじゃいません? ですけど、これは今後起こってくるであろう流れをちょっと示しています。
1つめは、実は弁護士会等で今ぼちぼち検討が進んでいますけれども、「解雇の金銭解決制度」がちょっと進んでいるみたいですね。どういうかたちになるかはわかりませんけど。
2つめ、これはもう出ていますね。「副業や兼業の解禁」。これも当然ありますね。3つめは「雇用類似の働き方」。これは、みなさん聞いたことがありますか? 雇用類似といのは、この領域でしょっちゅう使われる言葉です。雇用類似なので、これは雇用ではない。つまり個人事業主化ですね。
ですので、雇用・直接雇用というかたちを止めましょうという流れを、ちょっと模索する風潮になっているんじゃないかというのが、もっぱらの噂です。
そうなってくると、今のメンバーシップ型から最終的にはプラットフォーム型になる。最終的に「ここに働く場所を与えるけど、それぞれ関与する人は個人事業主」みたいになるんじゃないかと言われています。これを目指す可能性がある。
ですが、これからの組織戦略を考えると、日本旧来のかたちでいうとメンバーシップ型から、たぶんなにかを挟んでプラットフォーム型になると思うんですよ。
それの頻度は、年次的には我々……若い方がいらっしゃるので、(今日参加している中にも)関与してしまう方がいらっしゃるかもしれません。よく言われているのが、昭和世代がいなくなるあたりで、これが終わるんじゃないかと言われています。
ですが、そういったプラットフォーム型をいきなり目指すというのは難しくて、実際には間に1個挟みます。
これがジョブ型とよく言われるんですけど、いわゆる業務が明確になっている欧米型の労働じゃないかと言っていた方がいらっしゃるんですが、今はちょっと違った流れになっています。
そういったところでプラットフォームは生まれないので、おそらくなんですけど、ここで出てくるのが、たぶんステップ型だと思います。ステップ型とジョブ型の組み合わせが起こるのではないかと思っています。
先ほど言った「この会社はいいけど卒業していく」パターン、簡単に言うと、リクルートさんなんかはわかりやすいですね。リクルートさんは完全にステップ型なんですけど、ああいうところで育った方が今度は個人事業主化する。それでプラットフォームで働く。
そうかたちで、ある程度個人事業主を生み出すステップと、それを生かすプラットフォームに分かれる可能性がある。どっちになりたいかを選択していくのが会社の動きになるんじゃないかと見ています。
ということで、僕は今の段階で言うと、もし採用に困られている会社さん、もしくは定着に困られている会社さんがあったら、パラダイス化を目指すというよりは、ステップ型を目指していただいたほうがいいと思います。
卒業しても好きでいてもらうという会社を目指すために、このピラミッドを極力バランス良くすべて上げることを目的にしていただいたほうがいい。ぶら下がりを起こすので、「働きやすさ」だけ求めるのは止めたほうがいいです。
自分たちができるのは、同業他社は触れないしプライベートも触れない。だとすると、自社のピラミッドをどうやってバランス良く上げていくかが今後のポイントになっていく。実際の手に関しては、これだけでたぶん5時間ぐらい話すことになるので、ちょっと止めておきます。
ということで、(スライドを指して)すみません、最後のこれは飛ばします。やりたかったんだけど。
従業員意識捜査は、調査することだけを目的にすると無駄になります。目的をはっきりと持って労働価値を計れないと無理です。なので、ちゃんと労働価値が計れる検査かどうかをチェックしてください。
最終的にプロによる詳細分析がないと意味がありません。その分析がないと、ただの測定が目的になってしまうので本当に意味がないし、もったいない。20パーセントぐらいしか活用ができていません。
いろいろあったんですけど、こういうのもあります。プロによる詳細分析があると、自社データだけではなくて、他者の傾向とか専門知識とか、あとは具体的な施策が得られることがあります。2次分析をしないと、本当に活かせるデータは5分の1くらいになるというのが私の感覚値です。
なぜ従業員の心は会社から離れるのか? 産業医が説く、4つの企業タイプの見分け方
社員の「マイナス感情」の根本原因 人が仕事に求める14の価値観と“ギャップ”の正体
組織にとって「不必要な多様性」もある 採用で失敗する企業が見落としがちなこと
「メンタル不調」は3段階で悪化していく 産業医が教える、注意したい症状
“離職率が低い会社”の落とし穴 産業医が説く「ぶらさがり社員」が生まれる背景
すべての変化はそれ自体がストレス 産業医が勧める、不安感への対処法
「パレートの法則」が成り立つのは一部の会社だけ 優秀な人材の離職が組織全体にもたらす影響
社員の「マイナス感情」を減らすべき 産業医が説く、“従業員満足度の高い会社”への最初の一歩
2025.02.06
すかいらーく創業者が、社長を辞めて75歳で再起業したわけ “あえて長居させるコーヒー店”の経営に込めるこだわり
2025.02.03
「昔は富豪的プログラミングなんてできなかった」 21歳で「2ちゃんねる」を生んだひろゆき氏が語る開発の裏側
2025.02.03
手帳に書くだけで心が整うメンタルケアのコツ イライラ、モヤモヤ、落ち込んだ時の手帳の使い方
2025.02.04
日本企業にありがちな「生産性の低さ」の原因 メーカーの「ちょっとした改善」で勝負が決まる仕組みの落とし穴
PR | 2025.02.07
プロジェクトマネージャーは「無理ゲーを攻略するプレイヤー」 仕事を任せられない管理職のためのマネジメントの秘訣
2025.02.05
「納得しないと動けない部下」を変える3つのステップとは マネージャーの悩みを解消する会話のテクニック
2025.01.07
1月から始めたい「日記」を書く習慣 ビジネスパーソンにおすすめな3つの理由
2025.02.06
落合陽一氏や松尾豊氏の研究は社会に届いているか? ひろゆき氏が語るアカデミアの課題と展望
2025.02.05
エンジニアとして成功するための秘訣とは? ひろゆき氏が語る、自由な働き方を叶えるアプリ開発とキャリア戦略
2025.02.04
生成AI時代に差をつける思考法とは? ひろゆき氏が語る「真のエンジニア像」