
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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谷村江美氏:みなさま、はじめまして。サニーサイドアップの谷村と申します。今日はありがとうございます。私からは簡単にサニーサイドアップのご紹介と、ちょっとユニークな制度についてぜひ聞いていただきたいと思っています。
サニーサイドアップはPR会社です。「たのしいさわぎをおこしたい」を会社のスローガンに、来期7月(2019年)から創業35年目を迎えます。私はそこでPRの仕事をやっております。
10数年前までは、中田英寿や為末大、北島康介などのアスリートのマネジメントで我々を知っていただく機会があったと思います。35年来変わらず、PRの力で世の中を変えることにチャレンジしています。
ヒト・モノ・コトなどの伝える価値があるものを、世の中に伝えるということをやっております。近年では「bills」という飲食店(パンケーキ専門店)の運営も我々のほうでやらせていただいております。
「パンケーキ」って、今でこそ当然のように日本でも使われている言葉がですけれども、当時はまだ「ホットケーキ」という言葉も使われていたように思います。「ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)」の小さな記事で取り上げられていた、エッグマイスターのビル・グレンジャーを発掘してですね。「パンケーキ」という言葉の普及のためにPRをして、「朝ごはんを外で食べる」という文化を作ることにチャレンジしました。
「bills」は11年目を迎えています。飲食店を運営するというよりは、PRという手段を使っていろんな事業にチャレンジするということを、我々の企業はやらせていただいております。
こういった自社開発の事業もあれば、商材とか施設とかクライアントさんのPRのお手伝いもさせていただいており、黒子のお仕事だと思っています。
さっそく、制度の紹介に移りたいと思います。我々PR会社は、どちらかというとブラックといいますか、世の中的にもすごく忙しいというか、なかなか休みが取りづらいと思われている職種じゃないかなと思います。
実は8年前の話になるんですけれども、サニーサイドアップの「サニー」にかけて、「32の制度」というものを制定いたしました。うちは32という数字をすごく大事にしてるんです。
時代は1年ごとに変わっていくものなので、改廃をすごく重視しております。新しく制度を決めたりとか、なかなか活用されないものや時代とともに古くなってきているものなど、毎年数項の見直しを行いながら、広報と人事で運用している制度です。
そのなかでもやっぱり「休みづらい」とか「有休を取りづらい」ということがあったりしますので、有給とは別に休暇制度を充実させています。例えば自分自身のお誕生日、家族のお誕生日、結婚記念日のときは、いつでも特別休暇として休んでいいよ、と伝えています。
制度を通して、「プライベートも充実させていいんだよ」というメッセージが少しでも伝わればいいなということで、お休みの制度は今もたくさん盛り込んでいます。
それ以外にも月に1回、(スライドを差して)真ん中の上のほうに「オトコドアップ・オンナドアップ」という制度があります。男性社員の場合、朝礼で社長がくじを引いて当たったら、社長とお昼ごはんを一緒に食べに行けるという制度です。「罰ゲームじゃないか」みたいなことを囁かれていたりもするんですけれども(笑)。
(会場笑)
私たち女性は、エステとかネイルサロンとか、月に1回のメンテナンスみたいなかたちで、美容につながるようなサービスが受けられます。お休みのところで言い忘れたんですけれども、よくメディアの方にもおもしろがっていただくのが、「恋愛勝負休暇」と「失恋休暇」です。気持ちよく休んで、気持ちよく出社してほしいという社長の意向がありますが、1日で失恋の傷が癒えるとも思えないんですけれども(笑)。「恋愛勝負休暇」に関しては一人だけ取りまして、プロポーズにあてて成功したという事例もあります(笑)。
(会場笑)
それ以外にも、健康診断の判定がオールAであれば、32日で32,000円が支給される「A身体」制度や、一日の平均歩数が月を通して1万歩を超えると、毎月3,200円が支給される「幸せは歩いてこない」制度など、社員の健康を促進する制度もあります。「楽しみながら健康になってね」というメッセージが伝わればという思いでやっています。
ほかにも社員が楽しみながら活用したいと思える制度や、公私ともに充実させるための制度の運用をすごく大切にしています。
実はサニーサイドアップは「女性だからこそ」というような視点で会社の人事制度を考えているわけではないんですね。ダイバーシティをずっと掲げておりまして、CSR(企業の社会的責任)の一環で、LGBT(性的少数者)向けのイベント「東京レインボープライド」に賛同しており、毎年サポートさせていただいております。
「男性だから」「女性だから」と決めてはいないんですけれども、我々の会社は社員の55パーセントが女性ですので、女性が少しでも充実して楽しくすごしてもらえたらいいなということで、2つの制度を用意しています。
1つ目は「プレミアムウーマンデー」です。
日本でも「国際女性デー」って認知されはじめていると思います。フランスや中国などは、国民の休日に制定されているような日ですね。女性だけではなくて男性も当てはまる制度なんですけれども、今年から始めた制度です。
就業時間を15時までと奨励し、そのあとゆっくりお茶できたりとか、お友達とお食事できたりとか、そういう時間にあててほしい。男性社員には、パートナーやご家族をいたわる時間に使ってほしいと思っています。なので、通常よりも4時間早く退社するよう奨励しております。
あとはクライアントさんからいただいた商品を、抽選でプレゼントしました。家事代行企業の「カジタク」さんからいただいたサービスクーポンをプレゼントしたりですね。プチギフトも含めてなんですけれど、そういったものが全員に行き届くようにということで盛り上がりました。
もう1つは、2015年の7月に制定した「Dear Woman」制度です。
社員の働き方というよりは、これからの女性の生き方の後押しができたらいいなといいなということで、卵子凍結を推奨し、補助金を一部出す制度を導入しました。2014年ぐらいから、facebookを皮切りにアメリカのシリコンバレーの企業でスタートしていて、いろんな企業につながったそうです。
実際にアメリカでは、4年間で7万人ぐらいの女性が卵子凍結制度を利用していらっしゃるとのこと。我々サニーサイドアップでも、アメリカに遅れること1年ほどでスタートさせました。
私には子どもが二人います。結婚式のときに社長から「これからはorの時代じゃなくて、女性はandの時代になるのよ」ということを言われたんですね。「あれを手に入れるためにこれを我慢しなきゃいけないということじゃなくて、あれもこれも、自分のなかで選んでいける時代になってきていると思う」と言われたのを覚えています。
これは「卵子を凍結してくださいね」というメッセージではありません。女性の体にはタイミングがあって、それを逃してしまうと、あとで取り返しのつかないことになってしまうかもしれない。この制度を数年前でも知っていれば活用できたんじゃないか、という気付きを与えられればいいなということで制定しています。
実際にこの制度を使っている女性社員も、最初のころは「うーん、なんだろう?」とピンとこなかった人が多くて、なかなか使われていませんでした。ただこの1、2年で、2名の社員が制度を活用していますし、検討している社員も増えてきています。
(スライドを差して)詳細に関しましては、黄色の枠で囲っているんですけれども、費用総額の30パーセントを会社が負担しています。今はまだこの卵子凍結ができる病院自体が首都圏にもそんなにあるわけじゃないんですよね。たぶん両手で数えられるぐらいなんじゃないかと思います。自由診療になるので、やはり高価です。100万円近くかかる病院もありますし、そのへんを少しでも負担できればいいなと思っております。
対象者は在籍3年以上の社員。実際に凍結するときにかかるお金と、採った卵子を管理する月額の金額というのも、毎月だいたい1万円弱ぐらいかかるんですね。そういったところも30パーセントをフォローしていくということをやっています。やはり女性ならではのものなので、女性限定の制度として運用しております。
こういったかたちで楽しいものから、みんなが気軽に「これ使ってみよう」と思ってもらえるもの、本当にスタッフの人生を支援できるような大きなテーマのものまでを含めて、32個用意しています。
これからも、社会的な問題だったりとか、個人のライフステージとかスタイルに合わせて、制度を見直していきたいなと考えております。以上、サニーサイドアップからのご紹介を終わらせていただきます。
(会場拍手)
司会者:谷村さん、ありがとうございました。印象的だったのが、「いい仕事をするためにはプライベートも充実させるべし」ということで、32の制度の構築はとてもおもしろいなと思いました。ありがとうございました。
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