2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
リンクをコピー
記事をブックマーク
嶋﨑真太郎氏(以下、嶋﨑):簡単に進める前に、弊社アスタミューゼのご紹介をさせていただきたいなと思います。弊社は世界中からイノベーションにつながるようなデータを多数集めております。
例えば、世界中にあるベンチャー企業やスタートアップのデータを揃え、それらの企業に投資家たちがどれくらいお金を投資しているかという資金の流れなどを集めることによって、どのマーケットが投資家によって期待されているかを予測したり、同じような概念で世界中にクラウドファウンディングのデータを集め、そのアイデアにどれぐらいのお金が集まっているのかをデータ化しています。
また世界中の研究機関や大学でどんな研究に取り組んでいて、そこに国からどれくらい予算がおりているのかを集め、未来の技術の予測などをしています。
スライド上の3つのデータはすべて未来を予測するデータになるので、不確実なものになります。そこで、根拠となるデータとして、世界中の特許庁から公開特許データと論文のデータを全部集め、およそ8千万件くらいのデータになるんですが、地球上にある技術を可視化するということを行っております。
それらのデータを複合的に分類することによってアスタミューゼ独自に2025年の有望成長領域をデータから導き出しています。
そしてその成長領域から未来を予測することによって、僕らがこの未来を作るために必要な人材はどういう人材なのかを定義し、未来を作るような人材を集めるためのプラットフォームを運営しています。
こちらに一部、ご紹介させていただいているのが、例えばデータサイエンティスト転職ナビとか、ロボット転職ナビとか、発生工学・再生医療・細胞治療転職ナビのようなかたちで専門技術者さんたちが集まるようなプラットフォームを約300サイトくらい運営しています。
今まで僕らがこういった登録人材、集めてきた人材を大手の人材紹介会社さんに送客するビジネスをやってきておりますが、この東京HR EXPOでは人材紹介会社さんに送らない技術系人材データベースから直接ダイレクトリクルーティングするかたちで、仲介業者を介さず、企業のみなさまが直接採用をしに行く採用プラットフォーム「SCOPE」を展示をしております。
それによって中期的な採用コストの低下だったり、いくら待っても人材紹介会社からが良い人を紹介されない等の課題の解決をお手伝いしています。とはいえ、データがあってアクセスできれば、採用できるのかといったら、そういうことではぜんぜんなかったりします。どのような採用をすると良いのか、または採用を成功している企業はどういうことを行っているのか。
本日は、その辺の裏側を少しでも多く聞けたらと思い、メルカリの松尾さんとお話しさせていただこうかなと思ってます。これは僕の方で勝手にこれが聞きたいという話なので(笑)。
ここでいったん、松尾さんにマイクをお渡ししてメルカリさんの会社の紹介をしてもらいたいと思います。よろしくお願いします。
松尾彰大氏(以下、松尾):改めまして、よろしくお願いいたします。メルカリの松尾と申します。最初に自己紹介をさせてください。現在はメルカリグループのPeopleDivision Talent Acquisitionチームのマネージャーをさせていただいております。
前職はエン・ジャパンという総合人材企業です。いろんな大きな転職サイトなどを持っているんですが、そこじゃなくて、新卒で入ってすぐ、「キャリアハック」というIT・ウェブ業界向けのキャリア情報サイトのようなオウンドメディアを、立ち上げから携わらせてもらって編集長までやらせていただきました。
そのあとメルカリのほうに2016年に入社して、一応人事のリクルーターとしてプロダクト、いわゆるフリマアプリ「メルカリ」を作る人だったり、メルカリを届ける人をメインのポジションとして担当しながら、mercanというオウンドメディア、コンテンツプラットフォームを立ち上げております。
2018年には、金融事業などを手掛けるメルペイに出向して、一気に人材を採用して、プロダクトを出して軌道に乗せて、今年から今のポジションにおります。よろしくお願いいたします。
簡単にメルカリの紹介をさせてください。メルカリは2013年にできて、今では国内だと東京・福岡・仙台で、USにはカリフォルニア、パロアルト、最近だとボストンにもオフィスを構えております。従業員は約1,800名ですね。ミッションとしては「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る」というところで、新たな価値という部分が私たちの中ではC to Cのマーケットプレイスで。
「世界的な」という部分では国内だけではなくてアメリカで、一部テストローンチでUK・ヨーロッパでも展開しましたが、そういったものも意思決定を早くして、また新しいタイミングで世界的なマーケットプレイスに繋がる施策も考えております。
このミッションを達成するためのバリューとして設定しているのはこの3つであります。「Go Bold」「All for One」「Be Professional」。
この3つのバリューに沿って私たちも施策やプロダクトを展開しますし、評価や目標設定にも結びついています。非常に重要でみんなが信じてこれに沿って動くというバリューを設定しております。メルカリを知らない方はあまりいないかと思うんですけど、使ったことがない方っています? すいません(笑)。
(会場挙手)
おお……ありがとうございます、まだまだ成長の余地があるということですね。ありがとうございます。メルカリはC to Cのマーケットプレイスで私たちは場を提供して安心安全でかつ楽しんでいただけて、そしてお得な新しい体験を提供できるようなマーケットプレイスを提供しております。続いて、会社の数字を表した時に、流通総額も順調に伸びながら、それに紐づいて売上も上昇しています。
松尾:次が事業展開としては今まではカテゴリー別に大きくしていくことは継続しながらも、メルペイを新しい決済システム、決済機能みたいなのを提供できるようになりました。これからはC to Cのマーケットプレイスで動くオンラインのお客様だけじゃなくて、オフラインでお金が動くようになったので、そういったところでまた新しい価値を提供していきたいと思っています。
一個人、消費者だけではなくて、そこでメルペイを使える加盟店様、マーチャント様向けの施策や新しい価値を提供できる土壌が整ってきたかなと思っております。その主軸となるのが私が昨年まで所属していたメルペイで順調に規模拡大しております。
人事的なところで目線を向けてみると、現在1,800名近い人員数を駆け上がっていて、綺麗な右肩上がりで倍々、四半期別でみるとけっこう倍々別になってきたりする側面が出てきております。
メルカリの人事福利厚生的な1つ特徴的な施策として、福利厚生パッケージのようなものがあり、メルシーボックスといいます。例えば育休の拡充については、男性育休取得率が弊社たぶん90パーセントを超えていて。
「気兼ねなく、休暇を取るのも当たり前でしょ」「不安があったらなんでも聞いてね」「いろんな人とってるから」みたいな感じでやっています。その他、手前で妊活の支援もできる限り会社として提供できる、支援できるところはしていこうとしております。
これは一例ですが、その他にもいろんなものがパッケージ化されたものがメルシーボックスとなって提示しておりますね。その他ユニークな人事制度とよく呼んでいただけるのは、新卒採用は「メルグラッズ」というパッケージでやっておりまして。決して新卒だからといって、固定でいくらでみたいな話では一切なくて。中途と同じような目線で今、絶対評価を下していくというところをすごく主軸に置いております。
オファーリングして受諾していただいたあとでも、入社タイミングからはだいたい半年1年、1年半ある方、新卒でも多いと思います。そのタイミングで入社する手前の時にどれだけその入社までのインターン期間だったり、大学での成長をみたいなところに合わせて改めて入社タイミングでオファーをし直します。
それに紐づいて入社後にすぐまた目標設定できるようなかたちの制度などを整えております。
松尾:テックカンパニーとしてメルカリって、C to Cのマーケットプレイスです。基本的な主軸となるのはプロダクトだと私たち自身も考えております。創業者メンバーが全員エンジニアの出身というところですとか、グローバル志向がもともとあっところは私たちの会社の礎になっているかなと思っております。
プロダクトだけじゃなくて、「R4D」という研究機関も社内で早々に整えて人材を確保したことや、それを支えるような制度も整えております。国内にとどまらず、メディアとかでよく言われるのが、インドのIITという日本でいうと東工大みたいな感じですかね。あれがインドは各所で州の中にいろいろ散らばっているんです。
それはトップタレント、グローバルテックカンパニーでいうと、Google、FacebookみたいなGAFA的なところと同じレベルのところのタイミングで新卒採用できるようなプレゼンスを築いていったりですとか。
「採用します、採用します」というところだけでは決していけないので。それを支える技術コミュニティーに対してどれだけ貢献できているのか、みたいなところも非常に力を入れている会社でございます。以上です。
嶋﨑:ありがとうございます。もともとこのセッションというかゲストとして松尾さんをお呼びしたのは「上手くいっているのは、あのメルカリだからだろ」なんていう認識が、世の中にあるんじゃないかなと。でもうまくいっているその裏側には、なにか仕組みや仕掛けがあるなと思っておりまして。それは一体何なのかと。
それはメルカリにしかできない仕掛けなのか、それとも他の会社さんも真似できるような仕掛けなのか、もし少しでも真似できれば、もっとより良く採用活動がもっと円滑に進み、もっと日本の企業にイノベーションが起こっていくと思います。日本は、製品やサービスが今、世界中から輸入されるモノが多くなってますよね。
なので、日本からもっとグローバルに発信していけるサービスやモノがもっと出てきたらいいなみたいなことを、少しでも一助になればなと思っております。今日こういった9つのテーマで行います。9個目は質問なので、もしあれば時間の許す限りなんですが、会場の方とディスカッションしたいと思います。時間も限られた中なので、さっそく進めていきたいなと思います。
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには