2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
デジタルファンエンゲイジメントとは?(全1記事)
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ビセンテ・フェルナンデス氏:スポーツファンと、それにまつわるコンテンツは、非常に競合の激しい分野です。ファンたちは日々リサーチして、愛するチームの情報を得られるようにしたいと考えています。
そして私たちは、ファンに向けてどういったコンテンツがあるのかを理解しています。ツイートであれ、動画の投稿であれ、写真であれ、さまざまなニュースがテレビや新聞から入ってくるわけです。動画コンテンツも、直接チームから発表するものもあります。
こうしたコンテンツがあるなかで、「もし、きちんとしたプラットフォームがあれば、すごく役に立つのではないか」と考えました。関連のあるツイート、動画が大好きなチームなどをプラットフォームで確認できれば、ファンは継続して関わってくれるのではないかと思いました。
しかし、そういったプラットフォームを作るのが非常に難しい。コンテンツはあるので、それをどうまとめていくかが問題でした。
このプラットフォームをつくるために、AIのキュレーションテクノロジーを活用しました。データサイエンティストが作ったデータをまとめて、リーグやプレーヤー、球団が発表したコンテンツを、すべてプラットフォームに載せるのです。
「チームに関わるものであるのか」「サンフランシスコ・ジャイアンツに関わるものなのか」「プレーヤーに関するものなのか」。そういったものをきちんと整理して載せた上で、フィードにしてユーザーに届けたいと考えました。
時々刻々のライブコメントも入ってきます。テレビでの報道でも、そういったチームの活動を見ながら同時に見れるようにしたいと考えました。そういったトピックのシェアがリアルタイムで行われることが、非常に重要であると考えております。
まず、自分自身が好きなチーム、プレーヤーに関して、リターンを持っているかのようなかたちで、プラットフォームで情報を確認できるのが非常に重要だと考えます。それを満足させるためには、今ここにいるように、ネットワークを築くことが非常に重要だと思っています。
しっかりとコンテンツをマッピングして、さまざまな次元でしっかりと届けていくことが、重要ではないかと考えました。野球なのかバスケットボールなのか、あるいは特定のプレーヤーなのか。そういったところにカテゴライズすることによって、トピックの整理をしていく。
例えば「オーナーが変わった」「チームのプレーヤーが移籍した」「拠点が変わった」といったことに関係するデータを、人間が実際にやっていたのと同じように、AIやディープラーニングにやらせることが重要かと思いました。
実際、750以上のチームがあり、コンテンツの量も非常に膨大です。それをすべてカバーできるようにしてもらっています。日本のプロ野球でもメジャーリーグサッカーでも、スペインのラ・リーガでも、このテクノロジーのプラットフォームを使って楽しむことができます。
そして、コンテンツ自体の関係性も、プラットフォームによって評価されてマッピングされるわけです。ここで動画を見せたいと思います。ファンタジースポーツ(注:架空のスポーツチームを作成するシュミレーションゲーム)という観点で、どのように描かれるのかということを見せましょう。ではよろしくお願いします。
(動画が流れる)
さて、あなたの好きなチーム、とくにファンタジーチームに関するフィードを得られること。これを見られたと思います。
さて、SportsManiasになぜお金を払うのでしょうか? スポーツサイトを運営する方はわかると思いますが、消費者の関心を得ることはそう簡単ではありません。そして何度も何度も使用し続けてもらうことは、非常に難しいです。突出することは難しい。
2015年の秋にサードパーティーデベロップメントに対して、カスタム絵文字の使用を許可しました。そして、好きなチーム、好きなプレーヤーに関しての絵文字を発表したわけです。自分のチーム、自分の選手に関しての絵文字を使用したいですからね。
例えば、あなたが好きな選手が、レブロン・ジェームズだとします。そうしたら、自分の大好きなレブロン・ジェームズがお祝いをしているスタンプとか、絵文字を使いたいですよね。
絵文字キーボードを、SportsManiasのアプリに組み込みました。だからアプリを持っている人たちは、このキーボードを使うことができます。ほかのメッセージアプリでも使うことができますよ。
iMessage、Facebook Messenger、WhatsApp、LINE、Snapchat、Instagram、Twitterなどのソーシャルメディアプラットフォームでも使うことができます。これで劇的に成長しました。それが我々が期待していたことなんです。それが我々の差別化だったんです。
最初は1万程度のユーザーでしたが、それが何百万と劇的にユーザーも成長しました。その成長の結果、各リーグの選手会にアプローチされて、カスタム絵文字を一緒に作ろうと呼びかけられたんですね。一番最初がNFL選手会でした。
その年、ペイトン・マニングとキャム・ニュートンがリーグ戦で対戦しました。両選手とも非常に有名な選手です。例えばキャム・ニュートンの試合中のパフォーマンスは非常に有名ですよね。ペイトン・マニングは寡黙さも知られています。
レブロン・ジェームズの例と同じように、彼らの絵文字などを使うことで、選手により近い体験ができるんです。そして彼らが使い始めて、友達や家族と使うことで、爆発的に発展しました。今は78ヶ国以上で展開しています。
メジャーリーグサッカー、NBA選手会、そして大学スポーツとも連携しています。FIFA、eスポーツワールドカップにも参加していますし、ゲーマー自身もこの体験に非常にワクワクしていると聞きます。ワールドカップもそうです。
そして、通話アプリのViverのプラットフォームでも、使用できるようにもなっています。Gatorade、KIA、Lionsgate、Universal Picturesなどとの連携も、これによって可能になりました。
メッセージアプリは新しいソーシャルメディアと言えます。ユーザーはここで多くの時間を費やしているんです。私たちもそこに一枚かみたい。ブランドを持って、絵文字を持って、彼らとのつながりを持ちたいんです。試合でホームランを打ったとき、バスケのスリーポイントがどんどん決まるとき、あなたもその会話に加わりたい。そしてそれについて話したい。絵文字がそれを可能にするんです。
メッセージアプリのユーザーが20億人いるなかで、絵文字が60億共有されています。ステッカーもたくさん売れています。ここにはレベニュー(収入)のポテンシャルも多いですし、それはブランドにとってもリーグにとっても、選手にとってもチャンスなのです。
1人のファンが1試合につき、だいたい5.9(通)のテキストメッセージを送るというデータもありますからね。この絵文字はどういうものなのでしょうか。2つ目の動画を流してください。
(動画が流れる)
この絵文字のコンテンツでは、たくさんのチームや選手とつながることができました。こちらのチャートを見てわかると思います。これがユーザーの求めていることなのです。劇的な成長です。
今は登録ユーザーは120万を超えて、また新しいパートナーシップも組んで、どんどん増えています。新しいユーザーは、52パーセントがオーガニックに増えているのです。
ほかの人が使い始めると、どんどんバイラルに広がっていきます。ソーシャルメディア戦略を使って、エンゲージメントでもすばらしい数字が出ています。ソーシャルメディアのディレクター、マクドナルドさんもここに来ています。レプリケーション、複製ができるんですね。ファン自身も、どんどん行っているわけなんです。
SportsManiasのファンはどういう人たちなのでしょうか? 大半は男性です。そしてミレニアル世代、大卒で、比較的裕福な方が多いです。
そして、スポーツだけじゃなくて、スポーツカルチャーに興味がある人が多いです。つまりホームランだけじゃなくて、ホームランのあとにするバック宙とかにも興味がある。例えばアントワーヌ・グリーズマンのフォートナイトダンスとか、ジェームズ・ハーデンがスリーポイントを決めたあとにやる手動作とかに、興味を持っているんですね。
では、絵文字でどうやってマネタイズするのでしょうか? 例えば日本で、LINEは消費者と直接つながってスタンプを販売することで、大きな収益を上げることができています。それを私たちも、先ほど見たパリ・サンジェルマンとの連携で実現していますし、アプリをローンチしてからさまざまなパートナーシップを組んで収益を上げています。
そのほかチームだけではなくて、ブランドとも直接つながって取り組んでいます。例えばBURGER KINGです。BURGER KINGのKING自身を「FANTASY KING」と呼んで、彼が絵文字として登場していくことでファンもKINGに共感して楽しむことができる。そしてエンゲージメントに関するコストも、非常に価値があるものが生まれてくるんです。
私たちはブランドに、勝利の方程式を提供できていると思います。BURGER KING、KIA、Wells Fargo、20世紀フォックス、Universal Pictures、Papa John's Pizza、Gatoradeなどと、パートナーシップを組んでいます。エンゲージメントは1,100、インプレッションは従来の価値よりも13倍になっていますね。
セリーナ・ウィリアムズとかウサイン・ボルトとか、これまでGatoradeのLightning Boltを撃つというようなアニメーションも、アスリートを使って連携して実現できているんです。
そしてNBAファイナルなどのビッグイベントに合わせて、BURGER KINGの絵文字も活用しています。試合のあとで「BURGER KINGはどうですか?」と、導線を張って行かせるわけなんですね。こちらはジェームズ・コナーの絵文字です。例えば、映画『アンクル・ドリュー』とも連携しています。
これが、我々が目撃している新しい潮流です。ただアプリを使うだけではなくて、私たちはファンがいるところに行きます。FacebookでもTikTokでも、Snapchatでも、どこでもいいのですが、私はそこ(ファンがいるところ)にいたい。TeamApp・LeagueAppsを使っているのであれば、私はそこにいたいんです。
これは1つのケーススタディですね。Lionsgateの『アンクル・ドリュー』の映画に合わせて、ステッカーパックを作りました。これはSportsManiasをダウンロードしなくても使えるようにしました。
これはFacebookのネイティブアプリのパッケージとして作り、今非常に成功を収めています。次はTeamApp・LeagueAppsに絵文字スタンプをどんどん組み込んでいきたいと思います。データサイエンスの力を活用して、スポーツベッティング、DFS(注:Daily Fantasy Sports、1試合を対象に安い参加料を支払えば参加できて簡単に換金できるタイプのファンタジースポーツ)などに配慮しながら進めていきたいと思います。
私のプレゼンテーションは、明らかに動画共有が非常に大きなエンゲージメントを占めていることがわかると思います。スポーツコンテンツをやっていく上で、ARがもたらすエクスペリエンスが非常にワクワクする楽しみな展開だと考えています。
動画共有プラットフォームとして、世界でも大きなものになっていきたいと思います。最後に今後の取り組みについてのビデオをご覧いただきたいと思います。
(動画が流れる)
プレゼンテーションをさせていただきまして、ありがとうございます。すばらしいチャンスをいただけたと思います。「Sport Innovation Summit」という、すばらしい機会をしっかりと楽しみ、みなさま方ともしっかりと話ができるのを楽しみにしています。これからのプレゼンテーションも楽しみにしています。
(会場拍手)
司会者:すばらしいですね! ビジネスの将来がここにありますよね。みなさん、契約したいんじゃないでしょうか。バックステージで話してみてください。
26歳でこんなにすごいビジネスをやっていると思うと、自分が今まで何をしてきたのかなと本当にガッカリします……。とにかく、こういう未来が今ここで見られるのは、本当にすばらしいことだと思います。ありがとうございます。
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