2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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宮田昇始氏(以下、宮田):ちなみに、前のオフィスはこれの3分の1ぐらいの狭さだったんですよね。そこに扉がない会議室がどんとあったので、強制的に全部まる聞こえだったんですよ。で、今はここの会議室でやっているんですけど、今ってちょっと執務スペースと離れちゃったんですよ。そうなると、近くに来ないと聞こえないんですよね。
なんで、昨日ちょっと盛り上がったのは、「マイクを置いて聞こえるようにして会議やる?」みたいなことをなんか考えて。包み隠さずオープンにというのを再現できるようにやっていけたらいいなと思いますね。
今西良光氏(以下、今西):なるほど。それは、あそこの会社は経営会議にマイクが置いてあるぞみたいな。スピーカーにガンガン流れるみたいな。それはなかなか新しいですね。
宮田:怒られるかもしれない。
今西:いや、ぜひトライアルしていただきたいなと思いますけど。僕、沢木さんのFacebookとかでときどき見るんですけれども、「今日はこの日」と決めて、服装をあわせてみたり、あとはヨガでしたっけ。
沢木恵太氏(以下、沢木):やっていますね。
今西:ああいう取り組みって、なんか肌感として効いている感覚はあります?
沢木:結局、コミュニケーションの量が重要です。さっきお話した心理的安全をどうつくるかというと、それは多く話している人のほうが空気作りをオープンにできるので、それをいかにつくるかが一番基本的なポイントだなあと思ってます。
もちろん、環境やハードの部分でもいかにそういうのがつくれるかといって、さっきのちゃぶ台とかもやりますけれども、手を変え品を変え、ヨガをやってみたり、みんなでベリーダンスをやろうとか。
けっこうみんなが、そういう勉強会とか体を動かす系の企画をやってくれるんですね。なんか明日の9時からは、ライザップ式の痩せ方のセミナーに参加したメンバーがセミナーをやってくれるらしいんですけれども。
今西:社内に。
沢木:そんなことをやってくれていますし、逆に、そうしやすいようなスペースはつくられています。要するに、フレキシブルにスペースが動かせて、かつ靴を脱いで上がれる場所です。カーペットなので、寝っ転がることもできますし、みんなで座り込んで座談会みたいなこともできますし、そういった融合の仕方はしています。
そうすると、まさにエンゲージメントというか、帰属意識みたいなものが高まっていきますので。それが高まれば、元の能力はみんな高いはずなので、リハビリの成果を出してくれるなと思っていますし、今すごく実感しています。
今西:そういうことですね。今なんかおもしろいなあと思ったのは、おっしゃるとおり、そういう取り組み自体をやっていくこともそうですし、それがやりやすくなるハード面というか。
沢木さんのところも、机や椅子をバーっと動かして、みんなで固まってなにかできるような環境をかなり意識しながらオフィスづくりをされている。そういうところが、オフィスを考える上では非常に重要なんだなあと思いました。
ここからは、みなさんがより聞きたいことを抽出しながら聞いていきたいと思っています。今、座ってらっしゃるみなさんがどういう部門におられるかや属性をお聞きすることで、いろいろ話を掘っていきたいと思っているんですけど。
ちょっと手を挙げていただけますか。総務部門の方、多いですね。3分の1以上ですかね。人事部門の方、ありがとうございます。経営層の方、ありがとうございます。営業の方はいらっしゃいますか、ありがとうございます。ほとんどが総務か人事の方だと思いますので、ちょっとそちら側のお話を聞いていきたいんですが。
それを探してる間に1個だけお聞きしたいのが、「宮田社長、トイレの近くにあるヘリウムガスはなにに使うのですか」という質問がきてるんですけど。
(一同笑)
すごく気になって先に進めないんで、ちょっとお答えいただけますか。
宮田:前のオフィスにいたときに、なんか風船を浮かべようとしたんですね。その理由は忘れました。この人は新入社員ですよのアピールだったのか、デプロイという開発で重要な行程があるんですけど、その担当者ですよという目印か忘れたんですが。
なにかの目印で風船を浮かべようとして、ヘリウムガスを買いました。動物のかわいい風船も買ったんですけど、重くて浮かばなくて諦めました。その残りです(笑)。
今西:その残骸なんですか。すいません、ありがとうございます。次にいきたいと思います。人事や総務の方が多いので、ちょっと僕も聞きたいんですけれども、「人事制度はどのようなものですか」という質問がありました。
なにか工夫されているお話とか、評価制度あたりまで含めて、沢木さんが独自になにかこだわっているものがあれば教えていただきたいなと思います。
沢木:結論からいくとそんなにしっかりできてないんですが、そこにも少し意図がありまして。評価制度とか人事制度で一番重要なのが、納得感だと思うんですよね。当事者同士が「それでいいよね」と思っていれば、周りが見ておかしいだろうと思っても、極論はいいわけですよ。
周りが不公平感を感じたらダメですけれども、基本的には本人たちの納得感が重要だなあと思っています。弊社の人間に元アクセンチュアの人間がいるんですが、聞いた話によると、アクセンチュアさんはこの制度が曖昧らしいんですね。
今西:評価制度とかですか。
沢木:はい。どういうことかというと、1 on 1の仕組みが非常に整っているんですよ。常日頃から上司と、期待値やそれに対する実績のすり合わせをしているので、そこで納得感が醸成されているそうなんですね。極論を言えば、その状態なら、上司の主観で決めても、部下はもう「この方が言うなら」と。だってふだんからすり合わせているし、そこに納得されるそうなんですね。
上司同士によってけっこう評価の仕方が違うそうなんですけど、それは成り立っているそうなんですよ。そこまでやりきれているかは別として、比較的、我々もその傾向が強いと思っています。1 on 1は、例えばマネージャーとメンバーが週に1回とか2週に1回は必ずやっていますし。
私も可能な限り、月1回はメンバー全員と1 on 1をやっていますので、そこですり合わせをしながらあまり型にはめすぎないというか、いいゆらぎを残した状態で運用しているような状況ですね。
今西:なるほど。それは上司の方がけっこう責任を持って評価をするかたちになると思うんですけれども、評価の目線というか、クオリティみたいなところは、その上司の方とのコミュニケーションの中で担保して。
沢木:そうですね。僕とマネージャーのメンバーも1 on 1は定期的にやっているので、そこですり合わせをしていたりはしますね。あとは基本的に評価の基準が、単純なスキルセット云々というよりは、ミッションに対する貢献度合いとか、行動指針をどれだけ体験してるかといったところに紐付いていきますので、あまりブレない部分もあります。
今西:そういうことですね。ありがとうございます。評価制度について、宮田社長はいかがですか。
宮田:うちは逆に、けっこうカッチリやっています。僕が人の給料を決めるのがすごく苦手なんですよね。ものすごくストレスだったんですよ。実は、初期は給料全員一律とか決めなくて運用していて、9名ぐらいの時から評価制度をガッツリ1回のコンサルでやり始めて、すごく珍しいと言われながらやっていました。けっこうカッチリしたことを入れました。
特徴があるとすれば、うちの会社ってけっこうセオリー重視なんですよね。セオリーって、いろんな人たちが試行錯誤をくり返して残ったものだと思うので、自分たちでいきなりオリジナリティがあふれるものにするよりもいいと思っています。
ただ一方で、セオリーどおりのやつ(評価制度)をやっても合わない可能性があるんですよね。合わなかったら捨てるよとか、どんどん変えていくことが、従業員に対してコミュニケーションしてるポイントです。制度をつくった当初から半期ごとの評価なんですが、その半期ごとに大きく変えていっています。
宮田:ざっくり4つの項目で評価するんですが、いわゆる目標設定というか、ミッション設定というと、組織貢献度。あとは会社との価値観のマッチ度と、ビジネスマンの基本みたいなやつの4項目です。
最初に変えたのが、目標設定の一番根幹の部分だと思います。いわゆるMBO(Management by Objectives:目標管理制度)みたいなものを拾ってみて、うちだと合わないねとなったんで、いきなり次からOKR(Objective and Key Result:目標と主な成果)に替えました。OKRは比較的合いそうかなと思っています。
また、この前(評価制度を)変えるタイミングがあったんですが、さっき言った4つの項目のうちの組織貢献度を廃止しました。人数が10名以下のときは兼任の嵐だったんですよね。
開発のリーダーがオフィス移転もやればユーザーサポートもやり、営業リーダーが健康診断の予約をすれば、プロダクトマネージャーが人事と経理もやっているような感じだったので、当時は組織貢献度がすごく重要だったんですよ。(だから)評価してあげたいポイント(でした)。
一方で、50名ぐらいになってくると専門性が高くなってくるので、どっちかというと、組織貢献度を発揮できる機会が少ないメンバーもいたりとか、むしろ本業のほうをがんばってほしいところもありました。そういうフェーズにあわせてちゃんと変えていくところを重要視しております。
今西:かたちはカッチリ決めていくんだけれども、それをフレキシブルに変えていくんだってことをちゃんと伝えてやっているという。
宮田:そうですね。同じくうちも1on1はけっこう肝になっていて。OKRってフワッとした感じの目標になりがちなんで、いい意味でも悪い意味でも、評価のときにサプライズは起こしちゃいけないと思っているんですよね。なので、上司に週1回は1on1をやってもらって、「今の評価はこんなもんだよ」という認識あわせをきちっとやってもらいながら、やっている感じです。
今西:なるほど。
沢木:2人で1on1でどういう質問するのがいいかという話をしています。人事に聞くといいよねとか、そんな話をしています。
今西:1on1の時間は、スタッフ全員と取ると思うと時間をけっこう使うと思うんですけれども、お二人ともなんとしても時間捻出をされて、直接やる感じですか。
沢木:そうですね。けっこう人数がいるんで、今月できてねえじゃねえかみたいなことはあるけど。基本は毎月でだいたい1週間、営業日を3~4日間ぐらい潰すかたちになるので、それはもうやると決めてやっています。
今西:なるほど。宮田さんも。
宮田:うちは1on1が2種類あります。上司とメンバーの1on1を、2週間に1回やっています。カッチリやり始めたのは、評価制度をOKRに切り替えてからで、2週間に1回やってくださいというので始めました。例えば1種類目が1on1で、もう1つが僕とメンバーとの1on1にして、それを5名ぐらいのときからやり始めたと思います。
30名ぐらいまでは、毎月1回30分ずつ全員でやっていたんですが、なかなか時間の確保であったりとか、細かいところをやるのが難しくなりました。それで、ちょっとずつ頻度を下げていって、今は入社3ヶ月目までは毎月1回、それ以降はオフィスアワーを週4時間、火曜日と金曜日に2時間ずつ設けて、なにか相談ごとがある人とか、いろいろしてほしいことがあったら来てくださいという感じでやっています。
その1on1の替わりに、最近はモチベーションサーベイみたいな感じのサービスをやっています。今まで1on1で話し合っていったものを、もうちょっと定量的に切り込んでいこうというところで、今後、人数が100名~200名と増えていく中で必要かと思って最近始めました。ここはまだ効果がどうなのかわからないなあと思いながらやっています。
今西:なるほど。ありがとうございます。
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