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ラクスルとフルラの「食」から始める健康経営とは?(全6記事)

「ヨガと卓球台」がスタッフ同士の交流を活発にする ラクスル、健康経営の導入で訪れた変化

従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉える「健康経営」が話題となっています。2018年2月21日、健康経営をテーマとした情報交換会「ラクスルとフルラの『食』から始める健康経営とは?」が開催されました。ラクスルとフルラは健康経営を取り入れてどう変わったのか? 参加者からの質問に答えるかたちでディスカッションしました。

健康経営として最初に取り組んだこと

質問者1:お二方とも、健康経営という言葉に出会って「これだ!」という瞬間があったというように私は感じました。そのように健康経営がいいという話が広まってきているとは思うんですが、実際に一歩踏み出す企業はまだそんなに多くないですよね。

その導入のきっかけというか、「よしやろう」「これでいこう」といったところは誰がGOサインを出して、どういった施策から始まっていくのかというところをうかがいたいです。健康経営がいいという話は広まってきていると思うんですが……。

司会者:なにから始めたのかということですね。

質問者1:そうです、そういうところです。

ランチとオフィス環境の改善からスタートしたラスクル

忽那幸希氏(以下、忽那):そうですね。おそらく「オフィスおかん」さんについては、実は私が入社する前から導入はされていたので、もう3~4年ぐらい入っているんですが、その頃からやはり先ほどのランチ事情にもあったとおり、なかなかごはんを食べに行けないといったところから、食事はまず最初のきっかけだったと思います。

その後2015年の11月にオフィスを移転して今のオフィスに来たんですが、職場環境が大きく変わり、オフィスもだいぶ余裕ができてスペースも広くなったというときに、例えば卓球台を取り入れて業務時間中にちょっと体を動かしてリフレッシュできる時間を作ったり、あとはヨガ部です。

ヨガもやろうということで、ヨガマットを会社で買って朝や夜にヨガをする、といったところで、それも社員から自発的にやりたいというところもあれば、こういうことをやってみたらと上から話があったものもありますが、そうしたことが自然と出てきて、食事以外にも体を動かしていく。

その後、健康診断も家庭を持っている社員が増えてきたので、普通であれば35歳以上からいろんな人間ドックに入るんですが、うちはもう30歳から全員受けるようにしよう、といったところにまで話が進んだり。

ちょっとしたきっかけ、まあ最初はたぶん食事のところだったんですが、そこからオフィス環境が変わったり会社の規模が変わるにしたがって、上や社員から自発的に普及してきた形がラクスルの進め方ですね。

司会者:それは、社内で効果が見えたからということではなくて、社員にこういう人が増えてきたからということで、どんどん上の人の理解が深まっていったという感じでしょうか? なんだかすごく自然な流れですよね。

忽那:そうですね。ひとつ大きかったのは、オフィス環境が変わってヨガをするスペースや、卓球ができるスペースなど、スペースの余裕ができたところに導入しやすかったということもあります。

あとは社員の年齢が上がるにつれて、若いうちはわりとがむしゃらに働いても大丈夫だったりするんですが、やっぱり自分の年齢も上がる、守るべきものも増える、となるとやっぱり体が資本というところにはつながってくると思いますね。

テレビのニュースから始まったフルラ

村上儀明氏(以下、村上):そうですね……。まあ「おかん」さんの件もそうですが、うちは基本的にほぼ直感というか。

だいたい話の始まりは、例えば「おかん」さんの場合では、最初のほうにテレビのニュースかなにかで取り上げられたことがありましたよね。そこで、「お!」というようになったんです。

司会者:「お!」となったのは、上の人ですか?

村上:いやいや、僕です。僕が「お!」となって、うちの人事部は僕とあと2.5人、0.5は時短の人です。「昨日テレビ見た?」という話から始まって、「なんの話ですか?」と(笑)。「昨日のニュースだよ!」「なんですか?」「これこれこういうのがあってね」と語ると、「ああー」となって。

「いいと思わない?」という話から始まって、いろんな人、とくにうちは女性が多いのでそうした食事などのネタはけっこうみんなが食いつきます。「こういったものがあるんだけど、見た?」と聞くと中には見た人もいて「あれいいですよね~」となり、世論を形成していくようなかたちですね。

司会者:難しいですよね(笑)。

村上:こうしてワーッと、「あれをやるといいと思わない?」「いやーもう入れたいです」という感じになるじゃないですか。そうすると10人くらいに聞いて、社長には「ほぼほぼ全員が入れたいと言っているんですが」と話を持っていく。

(一同笑)

司会者:それいいですよね。この間もちょうど、「おかん」の話になってしまいますが、従業員がボードで「入れたい!」というようなものを上の人に差し出して、「私の意見ではなくてみんなの意見です」と上に世間の言葉として出していくというのはひとつの手かもしれませんね。はい、ありがとうございます。

質問者:ありがとうございます。

みんながちょっとずつハッピーになれた

司会者:他にはいかがでしょうか?

質問者2:では、よろしいですか? そうしたきっかけがあって健康経営をやり始めたとうかがったんですが、実際の効果が、1つは離職率というお話を村上さんからいただきましたが、他に効果というとどんなものが出ているのでしょうか? 定量化は難しいところもあるので、雰囲気的なものも含めておうかがいしたいと思うんですが、よろしいでしょうか?

村上:「おかん」さんの例でいくと、もともとこうした使い方もありますよという、例えばうちは女性が多いのでご家族がいらっしゃる方もすごく多いんですね。そうすると、今日はちょっとおかずを作るのが大変な人がいたりすると、1品買って帰るという方もいらっしゃいます。

だからいろんな使い方というか、「おかん」が入るから電子レンジを新しくしよう、というような話もあったりして、おしゃれな電子レンジを「みんなが欲しいと言っています」と言って買っちゃったり。

だから、それが入ったことでみんなに「プラスαの彩り」というか、新しい電子レンジで、でき上がったら曲が鳴るようなものとか。あとは1品作らなくてよくなったり。やっぱりちょっとプラスαがあることで、みんながちょっとずつハッピーになるという効果はあると思うんです。

質問者2:ちょっとずつハッピーになるんですね。

村上:ということをなんとなく肌感覚で感じるのと、1品買って帰って家で旦那さんなどが食べて「すごく好評でした」となると「そりゃそうだよ、添加物入ってないから」と。

質問者2:ちょっとした会話のきっかけにもなりますね。

村上:そうそう、そうですね。そうしたプラスの効果があると思います。

社員同士のコミュニケーションが豊かになった

忽那:そうですね。うちの場合では、150名くらいと従業員規模もだいぶ増えてきまして。オフィスも昨年の11月に拡張しまして、そうなるとどんどん働いていくスペースがいろんなところに分散したりしていて、今までちっちゃいオフィスでやっていたときは、みんな誰がどこで何をやっているのかが見えていたものが、なかなか日々同じオフィスの中にいても話すことのない人も増えてきます。

それが、卓球導入したことでそこに人が集まってきて、業務ではなかなか話す時間がなくても、そういうときにコミュニケーションが生まれたり。ヨガもそうですね、朝ちょっと早く来て気持ち良く体を動かすことで、笑顔が増えながら肩こりがなくなったなどと言いつつ、またそこで違う部署のメンバーとの会話が生まれる。

けっこう飲みニケーションもまだまだあったりもするんですが、そうではない、体に良いコミュニケーションというか(笑)。そうしたものが築けているなと思っています。最近は社員の中でライザップ的なトレーニングに通いだしたメンバーがいて、それを週に1回会社でみんなに教えてくれたりするんですね。

そこでまたみんなの健康につながったり。そんなことが自発的に起こるようになっていて、社員の健康だけではなく、コミュニケーションも非常に豊かになっていると思います。

司会者:ありがとうございます。

質問者2:やっぱりそうしたコミュニケーションがあったりすると、普段どうしても、大きな会社になってくると部署だけで話すことが多かったり、部門間を出たりするんですか?

忽那:そうですね。部門を超えてエンジニアさんとカスタマーサポートのメンバーがやっていることもよくありますから、そうした人数が増えていく中で、会社がちょっとバラバラになりがちになるところがうまくまとまっていると思います。

司会者:はい、ありがとうございます。おもしろいですね。

遠慮しないで言いたいことを言っていく

質問者3:バックオフィスの発言力が小さい場合、発信力を高めるためにできることは何でしょうか? みなさんもやっぱり、管理部門なんですが、その仕事と数字を追ったりするエンジニアさんもそうなんですが、違いますよね。そこでどうやるときいてくれるのか、じゃないですけど、それをおうかがいしたいと思います。

村上:そうですね、それはあれですか、「バックオフィスは引っ込んでろ」的な感じですか?

質問者3:たまに(笑)。話題によりけりですが。

村上:営業のことなんかわかりゃしないんだから引っ込んでろみたいな感じということかな?

一同:ああー……。

質問者3:なんて言ったらいいんでしょう、例えばですが、そうした場合はどうでしょうか?

村上:そうですね……まあうちも小売の会社なので似ているというか、営業部隊が強いには強いんですよ。やっぱりバックオフィスというのは営業部隊を後押しするという位置付けにはいるんですが、昔はそれでなかなか話が通らないだとか、常に奴隷のような扱いだったりという会社も今まではありました。

でも、やっぱり言いたいことを勇気を出して言っていくのが一番いいのではないかと思いますね。管理部は管理部でやらなきゃいけないことや、それはちゃんとやっていかないとあなたたちが困るよということもあるじゃないですか。

そこは遠慮なくズケズケと言うようにしていくと、向こうもちょっと態度が変わるのではないでしょうか。そうすると向こうは、そうした人なのだなというように認識してくれるので。僕はかなり今の会社でも笑いながら言いたいことを全部言うようにはしていますね。そうするとすごくラクになる。そういう人間だと思われることによって、なんのストレスもなくずけっとイヤなことを言うことができるようにはなってます(笑)。

司会者:伝わりましたでしょうか?

(一同笑)

村上:もう遠慮しない、遠慮しない(笑)。

司会者:「おかん」に来ている総務の方は、見なければいけない範囲がすごく広いんですよね。数字に結びつかないものは全部バックオフィスに、というような感じですから、村上さんがおっしゃるように、やることはやってもらわないと本当に、君たちが困りますよというような感じで、それはみなさんをハッピーにするためにやっているので、ちょっと強気に言ってみるのももしかしたら良いのかもしれませんね。

楽しそうなことを楽しそうにやっていく

忽那:そんなにバックオフィスの声が小さい会社ではないので……どうでしょうねえ……。

司会者:昔からそうですか? 入った当初からけっこう理解がある感じでしたか?

忽那:そうですね……入ったときは私、管理部ではなくマーケティング部という別のところにいて、まあ広報だったんですが。それが途中から管理部に入った広報兼人事になり、インナープランニングだったり、ES向上のようなところも担っていたりもしたんですが。

そのときは楽しそうなことを楽しそうにやるという。そうすると、なにか楽しそうなことをやっているねといって自然と人が集まってきて、集まってきたところをすかさず捕まえる、というようなところで進めていったと思います。

強要してもいろんな価値観のメンバーがいますし、業務内容がどうしてもシフト制だったり、働き方が違ったりするとなかなか全員に同じことをしようと言っても、現実的に難しいところもあるので、それを許容しつつ、とにかく自分が楽しそうにやっていれば楽しそうだなと思ってきてくれるメンバーはいるので、そこをどんどん巻き込んでいくというようなところは、けっこうあるかもしれませんね。

司会者:ありがとうございます。

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