2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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青木耕平氏(以下、青木):産休ってね、通り抜けるとぜったいメリットがあるんですよ。その人がいなくてもできる構造を、その間につくろうとするんで。
小野裕之氏(以下、小野):そうですよね。
青木:結果的に効率が上がるんですよね。
小野:自己再生っていうか。
青木:はい。あと、マネジメントのタイトルがついてる人が産休に入ってくれるのは、本当にありがたくて。別の人もマネージャーのポジションでやれるかどうかを試せる、すごいチャンスなんですよね。だから、うちの会社って40人ぐらいいるんですけど、今8割は女性なんですね。もう常時けっこうな人数が産休に入ってる、みたいな(笑)。
小野:そういう年代ですもんね。
青木:そうなんですよね。なので、その期間はもう2ヶ月とかかわいいやつじゃなくて、最低半年から1年みたいな産休だから。そうすると、いい意味でも、大変ですよ。大変だけども、新陳代謝もあるし、都度効率化されていくんで、結論としてはやっぱり、いろいろ大変だったけどよかったねっていう話になるんで。
そういう例なんかも話しながら、ようするにこれって交渉の話だから。やっぱり、相手のメリットを提示できないと、実現できないじゃないですか。そうすると、自分がいなくても滞りないようにできる、こういう仕組みをつくりました、みたいなこととセットで交渉したら、たぶん、それはいいんじゃないかなっていう気はします。というところで次、いきましょうか。
小野:前向きな気持ちになりましたでしょうか?
小倉ヒラク氏(以下、小倉):次いってみよう。
小野:納品完了ですね。じゃあ、次いきましょう。どうぞ。
小倉:20分あるので、あと2人か3人ぐらい、いけんじゃないかな。
青木:いきたいね、3人いきたい。
小倉:いきたいね。
質問者6:すみません、じゃあお聞きしたいんですけど。プロデュースおじさんの組織論って書いてあるんだから、みんなこういうこと聞きたいんでしょ? みたいな。これ俺しか言えないよ、みたいな組織論をぜひとも聞いてみたいなと。
(一同笑)
小倉:逆質問!
小野:答えづらいわ!(笑)。
青木:ドヤ的な(笑)。
(会場拍手)
小野:お、ありがとうございます。
質問者6:あと、すみません。もう1個。それも聞きたいんですけど、(私は)コワーキングスペースの企画や運営の仕事をしていて。コワーキングスペースで、こんなの今ない、こんなのあったらいいなっていうのも、もしあったら聞きたいな、と。
小野:はい。じゃあ、ドヤッていうやつ、コワーキングスペースの次なるアイデア。……途端に喋らなくなる。
(会場笑)
青木:おじさんね、ドヤるのが得意じゃないんだよね。
小倉:なんかね、ドヤることの恥ずかしさが、すべてのモチベーションになってる。
(一同笑)
小野:わかるわあ。
青木:いやあ、でも……コワーキングスペースの話していいかな?(笑)。いやいや、組織論っていうことで言うと、やっぱりすごい悩んでるんですよ。僕自身もめちゃくちゃ悩んでるんですよ。2017年の悩みの95パーセントは組織のことです、と。
僕の部下のマネージャークラスの人たちに繰り返し、1on1で、2週間に1回ぐらい……。
小野:何人ぐらいやってるんですか?
青木:マネージャー?
小野:はい。
青木:全部で10人弱ぐらいですかね。その人たちに対して毎回言ってるのは、とにかく僕が知る限り、マネジメントの仕事を上手にできたやつは1人も見たことがない、と。経験上、ただの1人も、上手にやってるやつを見たことがない、と。だから、どっかにいるかもしれないけど、少なくとも僕が45年間生きてきたなかで「こいつマネジメントうめえな!」って思った人は、自分含めて1人もいないんですよ。
だから必ず失敗するし、必ず無様になるから、それがデフォルトだと思ってやってくれっていうことだけすごく、いつも2週間ごとに言ってるんですよね。
小倉:言う前には、喫茶店で決めてる。
(会場笑)
青木:そうそう。本当は要求したいじゃん。「もっとお前さ、うまくやれよ!」みたいな話がしたいわけですよ、本当はね。だけどやっぱり、本当にそうなんです。上手にやってる人、僕も見たことないんです。だからどうしても、自分もできてないくせに要求したくなる、っていうのが人間じゃないですか。
例えば、そんなにいい奥さんって、俺は見たことないんですよ。だけど自分の嫁にたいして「もうちょっとやれよ!」みたいな感情を持ったりすることはあるんですよ。で、そんな人ってどこにいるの? って言われたときに、「どこそこの奥さんいるじゃん」って言えるほどいい奥さんって、見たことないんですよ。
それといっしょで、マネージャーの立場にある人で、そんなに上手に、人望もあって能力もある人って見たことがないんで。基本的には全員が失敗するのが、マネジメントの仕事だっていうふうに、僕自身は思ってるんですよ。
だからようするに、自分なりの上手な組織論っていうことじゃないんですけど。基本、全員が失敗する仕事だと思ってやるのと、実は正解があって、自分の知らないところで上手にやってるやつがいるんじゃないかって思いながらやるのとでは、その仕事の心持ちはずいぶん違うんですね。
だから、(マネージャーが)「いやあなんか、マネジメントの仕事でこうこう、こうで」って(相談してきたとして)。(それに対して自分は)「いやいや、順調だね」「みんなそうだよ」という理解。さっきの、日本社会はどんどんよくなってるという話にちょっと近いのかもしれないですけど。そういうふうに思って接してる、っていうことですかね。
小野:今、ドヤ話でいいですかね?
青木:ドヤ!
小野:おお(笑)。
(会場笑)
小野:でも最近、本当に青木さんに影響されすぎだから、僕もすごい思うんですけど。さっきの職場で明るくするっていうほうが、マネジメントの技術を引き出してあげるとか、悩みに乗ってあげるとか、何か目標設定に寄り添ってあげるとか、人事考課でこういう基準を入れたほうがいいんじゃないかって。もちろん、その状況で必要なものはツールとしてあると思うんですけど。
本当に、明るく振る舞うっていうのは1番大事だな、と思ってて。いつでも諦めずに、次やろうって。だめだったねって言って。能天気とは違うんですよ。能天気とは微妙に違って、やっぱり職場を明るくしてあげるとか、スタッフの別に目標にすら、ならなくていいなっていうか。
そういうこともあるよ、って認めてあげたりとか。意外とそっちのほうが高度だったりするのが常で。やっぱりマネージャーだから、最初は肩に力が入って、「やってあげなきゃ!」みたいな感じになると、だいたいね、さっき言ったみたいにうまくいかないっていうか。
だんだんこう、肩の力が抜けてって人間らしさを見せるようになり、いつ何時も明るく振る舞えるみたいな、当たり前の状態を保つほうが、マネージャーとしてはすごい大事で。逆に部下に、正解とか正論みたいなことしか言ってこない人って、だんだん相談しづらくなるじゃないですか。
いいときも悪い時も、いつも明るく振る舞ってくれて、たまに的外れなこと言ったりするんだけど、とにかく美味しいお酒がいっしょに飲めたりとか、毎日ランチ行きたいなって思うようなタイプの人のほうが、結局うまくマネジメントできてるんじゃないかなって。途中で、すごい発想が変わったんですよ。
だからあんまり、僕自身も自分を追い詰めるように、経営者然として「あ、しなきゃ」と思わずに、等身大でいようとか、明るく振る舞おうとか。人間として嫌なやつの側面はお家のなかに置いといて、今は大人としての振る舞いをしよう。というふうに、だんだん変わっていって。
小野:僕も、スタッフとの関係性はすごい悩んだんですけど。greenzでいうと、とくに2年半ぐらい前とかは本当に、ほとんど全部、僕が営業成績をあげてたんですよね。経営者でもあったので、高圧的になるわけですよ。当たり前ですけど「ああー!」みたいな(笑)。何言ってるかわかんないですけど。
そういうふうになってたなって思ったのが、必死さであり、僕はそれがマネジメントだと思ってたんですよ。僕ができてるんだからできるでしょ? っていうのを見せるのがマネジメントだと思ってたんですけど、ぜんぜん違うんですよね。本当に、明るく振る舞うとか笑顔を見せるとか、そっちのほうがマネジメントするのに、すごく役に立つし。
結局、そういうふうにみんなに働いてほしいわけだから。プロデュースはわかりませんよ。結果論として、組織にこういう人が増えればいいなっていうふうに振る舞うことが、すごい大事な観点かなと思って。もうけっこう、さっきも喧々諤々、今、会社(として)10年経ってるので20年目に向けてビジョンをつくろうよ、みたいな。議論の素材持ってこよう、みたいな。
だいたいみんな、現場が忙しくて持って来れなかったりとかするじゃないですか。「なんで持って来ないんだよ!」みたいな話はぜったいしないですよね。「いや、無理だよね」って言って(笑)。じゃあちょっと、楽しく集める方法考えよう、次は。って言って。
そういうふうにやっていくと、信じてもらえてる感じもするだろうし、自分が参加してる感じもするだろうし。僕もマネジメントをしてあげてるんだっていう、強迫観念から解き放たれるわけですよ。けっこういいこと言えたりして。だからその、本当に人間の力を信じるっていうか、すげえ最後重くなっちゃいましたけど。
(一同笑)
小野:それ以外に、小さな組織がご機嫌にやっていく方法論って、ないんじゃないかな、とすら思ったりしますけど。ヒラクさん、何か喋ります?
小倉:うーん……僕は今、経営してないからね。でも、1分ぐらいもらうと、僕がいっしょに仲良くしてる醸造蔵ってね、本当に長く続いてるところが多くて。100年、200年は若輩者で、500年続くっていうところがあるんですけどね。だいたい家族経営なんですよね。
だからね、田舎の家族経営ってけっこうあなどれない組織なんですよ。合理性がいっぱいあるの。家族経営するとどうなるかって言うと、常に乳飲み子がいるんですよ。だから、子どもがそのへんウロウロしていて。だけど、家族経営プラス、そこで働いてる地元の人とかで、子どもを見るからね。結局、主婦みたいなのが出ないんだよね。
だから今って、育休みたいなのが出ちゃうじゃない? でも、田舎の家族経営っていうのは育休が出ない。子どもが生まれてもみんなで見てるから。最初の1ヶ月、2ヶ月とかはお母さんがちょっと元気ないからあれだったりするんだけど。ロスがない。
すごくロスがないし、あとはいいのはね、家族経営で規模をまあまあにして、たまに設備投資して、まあまあ借金して親父が死ぬとか、超いいよね。
(一同笑)
小倉:すげえよくて。
小野:え、何が?(笑)。
小倉:まあまあ赤字つくって親父が引退するっていうのは、最高なのね。酒蔵とかけっこう、つぶれる原因って、儲けちゃうことなんだよ。相続が大変なので、まあまあ、ぼちぼち、このバカ息子でも多少返せるかな? ぐらいな、数千万とかの額の赤字を残して親父が引退するみたいなのを。みんなずっとね、中途半端な赤字が出てるし、廃業もできないから惰性で続いちゃう。みたいなのがあって、気づいたら400年でした。みたいな。
まじだよ、これ。そういうのもあるので。さっき、儲ける、拡大していく組織の話もあったんだけど。地域で家族経営をぼちぼちやるっていうのは、サステナビリティという意味において、日本のケーススタディ、経営のケーススタディとしてけっこう最強レベルだ、というふうに僕は思っているので。
東京型じゃないけど、1つそういう選択肢もありますよっていう話で、ドヤッてことでいいですか?
小野:ドヤッ。
青木:じゃあちょっと、コワーキングの話は置いといて……。
小野:いいですか? じゃああとで、個別で暑苦しいおじさんたちが3人いきますんで。
小倉:よっしゃ、次いこう。
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