2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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曽山哲人氏(以下、曽山):もしかしたら教員とか、そういった選択肢もあるかもね、とか。
(スライドを指して)これは私が28歳だったらという仮定で書いたものですけども、こういったものをとりあえず書いてきてというのを面談のときによくお願いするんですよ。そうするとよくあるのは、「3個か4個ぐらいまではサラッと書けました。残りがちょっと時間考えて書きました」という話です。
私がこれをもらって必ず聞くのは、「書いてみてどう思った?」ですね。そうすると、「自分の選択肢が広がってちょっと安心しました」という声が出てくることがけっこう多いです。もちろん出てこない場合はもっと相談にのってあげたほうがいいんですけども。
これはなにかというと、選択肢を俯瞰できると人は安心するということなんです。
キャリアで悩むときになにが起きているか。頭の中で1人で悩んでいるんですよ。
このアイデアが出たらポッと消えて、このアイデアが出たらポッと消えて。これが人間なので。それを紙に書いて俯瞰できるようになると安心できるようになる。もしよければ、せひ使ってみていただけるといいかなと思います。
具体的に意思表示する人事制度で、1個だけ代表的なものを持ってきました。
基本的に意思表明では「言わせてやらせる」というキーワードがあります。まず本人に言ってもらう。言ってもらった以上はやってもらう。そして決断経験が高まる。「言わせてやらせる」ってよく言うんですけど、それを僕ら経営陣もやるっています。
これはなにかと言うと、役員対抗で新規事業のバトルをするというものです。新規事業だけじゃなく中長期的な課題解決案など、役員が決議するような案を考え、その点数を競い合うんです。
「あした会議」という取り組みなんですけど、私も役員の1人として参加するんですが、順位が社内外に公表されるんですよね。嫌じゃないですか、公開されるのだから、絶対にビリになりたくない。だからみんなめちゃめちゃ頑張って、案を考え切るんです。これは、1人の役員と、4〜5名の部署横断の社員でチームが編成されるんですね。
チームメンバーは役員7〜8人でドラフト会議をやるんですよ。カードを引くと1番って書いてあって、誰をメンバーにしたいか指名する。
ただ1つ、ルールがあります。役員は自分の担当分野は提案してはいけないんです。なので、他部署の課題や他部署の伸びしろを自分で見つけて提案しないと、点数が取れないんですね。審査員は社長の藤田(晋)がやるんですけども。この取り組みの中で新規事業だったり人事制度だったりが生まれていく。
サイバーエージェントの人事制度はサイバーエージェントの人事が考えるというよりも、役員や社員から提案されることが圧倒的に多いですね。結果的に、1回のあした会議でたくさんの決議がされています。1泊2日の合宿で、各テーブルごとにチームで5〜6人集まっているんですけども。
一番右でマイクを持っているのが社長の藤田で、審査して点数を付けます。1泊2日でランキングを競うのですが、最初の提案で暫定点が付くんですよ。暫定点が付いたら、点数が低いチームから順番に藤田が回って、「あの案はここがよかったけど、この人事案はもったいないよね」とか考え方をシェアするんです。
「このビジネスモデルだと収益が成り立たないから、ここをもうちょっと考えて」と議論して、また3〜4時間ぐらいチームごとにディスカッションするんですね。夜にもう1回提案すると、最初の提案よりいい案になっている。
去年9月に実施した「あした会議」では30ぐらい提案があった中で、新会社として8社の設立が決まり、しかも2ヶ月以内に8社すべてが設立されました。こうやって設立された新会社の1つが、今このイベントを撮影をしている「CyCAST(サイキャスト)」です。こういった生放送を行う会社ですね。
こういった取り組みを通して経営陣も意思表明をする。あるいは「あした会議」に参加するメンバーは若手もいますけども、ここで自らが責任者として新会社を設立する意思表明をすることも行っています。
ということで私からのプレゼンテーションは以上になります。どうもありがとうございました。
ということで、瀬名波さんもありがとうございます。ここからパネルのディスカッションにいきたいと思います。そこでみなさんに力をお借りしたいと思ってまして、質問を考えるワークというか、セッションをしたいなと思います。今から3分ほどお時間を差し上げます。
基本的には「これもうちょっと聞きたいね」とか、今の2人のお話を聞いて「こんな感想をもったね」とか。雑談でいいです。5分経ったらもう一回お声掛けしますので、このFacebookグループに、もしくは曽山に直接でもいいのですが、1つだけでいいので「これ聞いてみたい」という質問をぜひ書いていただければなと思います。
もちろん、後で手を挙げる時間もとります。しかし、書いていただくとすぐ拾えるので、ぜひそれをディスカッションしていただければなと思います。今から3分お時間を差し上げるので、よろしくお願いします。
(時間経過)
今、質問を書いている方はそのまま書き続けていただいてですね、質問が2〜3個きましたので、さっそく、瀬名波さんと対談していきたいなと思います。この質問をできる限り拾っていきたいと思いますけども、盛り上がると後々質問に追いつかなくなる可能性がありますので、早めに書いていただければうれしいです。
さっそく瀬名波さんへ質問がきてますね。「面白い変わり者をチームとしてワークさせる」、これ難しそう。難しそうですよね。変わり者とかいてくれてもいいんだけど、「じゃあどうやってワークさせるんですか?」っていうのは、これ風土としてなってるかと思いますが、なにかアドバイスはありますか?
瀬名波文野氏(以下、瀬名波):前提は面白がるっていう。
曽山:自分が面白がる。
瀬名波:「この人変わってる」って思ったときに、「変わってるから面倒くさいな」となった瞬間はみんなにわかるんですよ。「こいつは面倒くさい奴だ」っていうラベリングになっちゃうんですよ。それを声が大きい人とかプレゼンスの高い人が「こいつ、超面白くてさ」っていう、そのスタンスがまず空気を変えるんですよ。
いい組織にはいい風が吹いてて、面白がるということが上手な人がいると、やっぱり違うんですね。それがまず大事で。
もう1個あるとすると、お互いにそうですけど、人間なので自分と同じタイプの人が、コミュニケーションも速いし気持ちがいいわけですよね。自分と違う変わり者ってやっぱり面倒なんですよ。私も面倒なんですよ。
曽山:普通は自分と違う人ですもんね。
瀬名波:そう。自分と違う人とは距離を取りたいし、お互いに分かり合えなくてもいいやって、対岸にいる人に対しての方が諦める速度は速いわけですよ。なんですけど、「この人自分と意見が違ってて面白ーい!」とか「自分の苦手なことがこの人は上手なんだ」っていうことをお互いに思えたりすると最高。
「私が苦手なことを、この人は上手にやってくれて、それが好きなんだとしたら最高じゃん」ってなるじゃないですか。ここの「こいつ変わってるな。面倒くさいな」から面白がるとか、自分の苦手なことができるということへの純粋な「おっ! すごいな」という、ここの感覚が大事かもしれないです。
曽山:可能であればもう少し教えていただきたいのですが。お互いの差があるじゃないですか。差を理解するための研修なのか、それこそさっきの「Will-Can-Mustシート」でしたっけ? ああいったものとか、差異を認め合えるような企業風土とかセリフなど、なにか仕掛けはあったりするものなんですか?
瀬名波:仕掛けと言うほどの仕掛けではないと思うのですけど、うちの会社は新しい年度が始まると歓迎会みたいなものがあり、ここでけっこう濃いめの自己紹介をさせるんです。
曽山:自己紹介、くわしく教えてもらえますか? 自己紹介って濃いとかあるんだという感想ですが(笑)。
瀬名波:なにを大事に生きてるとかなにが得意とか、なにか今までにやったいい仕事とか、そういう「どこどこ出身の誰々です。何歳です。こういう経歴です」みたいな自己紹介から始まる。「ほう、それでそれで?」というのが20回ぐらい繰り返されると、人となりっていうのがだいたいわかる。年度明け1発目の歓送迎会とかは特に大事ですね。
あとは、合宿もよくやります。役員合宿からメンバーが普通にチームでいく合宿まで、たくさんのレイヤーで合宿が行われていて、そこは当然お互いをわかり合うことは別に目的じゃないので、なにかのゴールに向けてHowを出し合うとか、そもそもどこに向かうべきかということを議論したりと、大事な目的が合宿ごとにあるわけなんですね。
だから、ある程度ぶつかっても大丈夫な人間関係が必要なんです。違う人たちが違う岸からアイデアを出し合うとか、アイデアがぶつかることによってなにかが生まれるから。
でもぶつかるのって怖いじゃないですか。否定されたくないし、させたくない。そのために、ある程度はお互いのことをわかってたほうがいいので、やっぱり合宿の頭でちょっと濃いめの自己紹介をしていますね。知っている人同士でやるから、よけいに恥ずかしいですけど(笑)。
曽山:合宿でもやるんですね。
瀬名波:やります。
曽山:合宿と歓迎会がセットになる時もあるんですか?
瀬名波:それもあります。要所、要所でやるっていうことです。
曽山:飲み会を想像してしまったのですが、その歓迎会というのは飲み会ですか? それともミーティングですか?
瀬名波:どっちのケースもありますね。
曽山:日中、会議室でキックオフを兼ねてみんなで集まって自己紹介して、その時に「それでもっと教えて」みたいな?
瀬名波:そうですね。上品に言うと。
曽山:上品にね。ちょっと柔らかめに言ったんですけど、「それで、それで?」という感じなんですよね(笑)。なるほど、了解です。ありがとうございます。
ネットからもけっこう質問がきてて、また後で見せてください。たくさんのコメント、めっちゃうれしいです。ご覧になってもし気になるものもあれば、せっかくなのでディスカッションしていきたいなと思います。
「起業とか発信しやすいカルチャーにするにはどうすればいいでしょうか?」「評価制度とかにこだわりがあるのでしょうか?」。起業とか発信しやすいカルチャー……個人も社内外発信する機会は多いですか? それとも褒める文化というのを聞いたので、結果的には上司が表彰するというイメージが湧きましたけど。
瀬名波:どっちもありますね。自分で発信するということもあります。それはやっぱりみんな、にわとり卵なんですけど、こうしたいという当事者意識とか、うちの会社はこうあるべきだというのがあるので。
論を持つとですね、やっぱりぶつけたくなるわけですよね。変えたいと思っているから。発信するといろんな反応が巻き起こる、それがムーブメントになって大きな動きになる時もあれば、「あっ失礼しました」という時も当然あるわけなんですけど。わりと発信自体は当たり前に起こるし、だからすごくいいものでもないし、ダメなものでもない。普通にそれはやるというぐらいですかね。
曽山:なるほど。リクルートのみなさんって外に情報発信されたり、 講演やセミナーとか登壇をどんどんしていこうという印象があるのですが、それって入社する人たちがみんなそういうタイプなんでしょうか。
瀬名波:いや、そんなことはないと思いますよ(笑)。
曽山:ですよね。サイバーエージェントもソーシャルメディアをやってる人たちが多いので、発信が得意な人が多いですよねって言われるんですけど、必ずしもそうでもない印象があって。
やっぱり、「どうしたい」とか引き出してあげる訓練をずっとしてるからというのはありますか?
瀬名波:あると思います。私なんか基本的には沖縄の田舎で18歳まで育ってますから、知らない人の前でしゃべるみたいなことが好きではないし、得意なわけでもないです。
でもやっぱり仕事を通してなにかを発信することで、作用に対して反作用があるわけじゃないですか。リアクションがあってアイデアがもらえて、仲間ができたりスポンサーができたりするんです。ということで、スモールウィンを積み重ねていくことによって、発信することの本質的な良さみたいなことを体得してきたんですよね、後天的に。
曽山:なるほど。発信が本質的にいいという感覚を体感させる。それがあると楽しいから発信すると。それ、すごい大事ですね。
瀬名波:面倒だったり怖かったり不安に思ったりするけど、それでもぶつけることでしか反応はこないということかもしれませんね。
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