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就活を待つな、リングに上がれ!(全7記事)

「仕事はチーム戦、結局は“人をどう動かすか”」KaizenCEO須藤氏のパフォーマンス論

法政大学キャリアデザイン学部の田中研之輔准教授が定期的に開催している「働き方を学ぶ」セッション。今回は、Kaizen Platform, Inc. のCEO須藤憲司氏とディライテッド株式会社CEO橋本真里子氏をゲストに迎え、学生たちを交えてトークを繰り広げました。最後は、個人とチームのパフォーマンスを最大化するための考え方について、須藤氏が語りました。

スドケンのパフォーマンス論

田中研之輔(以下、田中):あと2、3人。どうぞ。もう聞いた? 聞けた? なかなか会えませんよ。どうぞ。

(会場挙手)

質問者12:さっき、質問力だったりとか、興味があることには貪欲になるべきって言ってたんですけど。会社で実際に活躍している人たちに共通して、感じる能力だったり、考え方ってありますか?

須藤憲司氏(以下、須藤):なるほど、グッドクエスチョンですね。活躍してる人たち。やっぱり、今やってることがおもしろいと思ってる人のほうが、活躍してる割合が高い気がするなぁ。当たり前のことを言っちゃって申し訳ないんだけど、「この仕事、ぜんぜん興味ないわー」って言う人が活躍してるイメージはあんまりないよね(笑)。

能力じゃないんだよなぁ。スキルとかでもないんだよね。楽しんでる人が、結果を出してるっていう感じがするけどね。そんな気がします。

田中:今そんな質問なので、ちょっと角度を変えて聞きたいなと思ったことがあって。パフォーマンス論なんですけど。

須藤:はい。

田中:ビジネスをやってると、パフォーマンスを発揮しなきゃいけないじゃないですか。例えば、月末までになにかパフォーマンスを発揮しなきゃいけないとき、人間の能力差はどの人もほとんどないと思ってるんですよ。だけど、パフォーマンスを発揮しなきゃいけないために向けた、計画性と準備。スキル差じゃなくて。そこの執着心で、すごくレベルが違うかなってあって。受験もそうなんだけど。

それを能力と呼んでしまえばそうなんだけど、スドケンさんって、ピークパフォーマンスをもっていくために、どうやって工夫してるのか。キャリアを考えないというのはわかるんだけど、パフォーマンスは出さなきゃでしょ? ビジネスだから。そのコツっていうか。

須藤:そのコツ。個人とチームとで、たぶん違うんですよ。僕の仕事って、会社の本業って、こういう場に来たらさ、それは個人プレーじゃん。別に誰かに、「社長、こう言ってください」って言われて、囁き女将みたいな人がインカムで喋ってくれるわけじゃないから(笑)。

こういうのは個人戦なんだけど、ほとんどの仕事はチーム戦なんですよ。みなさんが会社員になっていくと、一流のアスリートとかアーティストとかも、実は、チーム戦だと思うんですよね。その舞台に立つお膳立てをするためのチームだとか、本来は存在してて。その人たちとのやりとりとか、その人たち全体を含めたパフォーマンスを発揮しなきゃいけないので。

僕なんかそうですよね。会社なので、僕1人ががんばって「イェイ!」とかやってもしょうがなくね? ということを思っています(笑)。みんな全体で、パフォーマンスを最大化するためにどうしたらいいかという、まず発想に立ってますから。パフォーマンスの指標が、自分個人じゃなくて、わりとチームとかそういうことになる。

そうすると、やっぱり僕ね、結局行き着くところは、人をどう動かすかだと思ってるんで、人に対して、一人ひとりに対して、どういうコミュニケーションを取ったら、この人の気持ちが動くのかな、考え方がこっちに向いていくかなっていうことを考えてますね。

だから、自分自身のピークパフォーマンスをどう持ってくかというのは、すごく逆説的に言うと、自分の周りにいる人たちのパフォーマンスをどういうふうにピークに持っていけるかっていうことを考えるようにしてますよね。

理想の社長とは

僕個人の……、例えば、さっきのプレゼンの大会に出ますよね。新経済連盟のプレゼンは、2,000人で、英語でしゃべらなきゃいけなくて。めっちゃダメ出しされるし、超怒られるから。今でも覚えてるのは、俺が赤坂見附のカラオケ館で、たぶん6時間くらいプレゼンの練習をしてた。人に見てもらって、「どう?」って。「ちょっと今の流れが良くないですね」って、お前ふざけんなって思いながら(笑)。

でも練習するわけ。そういうのは、やるよ。若いときはね、そういう練習はすごく大事だったりするので、さっきのお膳立てとか、そういうのも大事なんだけど、どこかのタイミングからは、そのお膳立てとか、そういう準備みたいなことを超えて。だって、ここの教室に入って来て、このレイアウトになってて、「あれ、今日、俺大丈夫か。ぜんぜん事前の打ち合わせと違うけど、大丈夫かな」って、あるわけですよ(笑)。

田中:(笑)。

須藤:それは、慣れだよ。

田中:場数。

須藤:かな、と思います。

田中:その組織のパフォーマンスを持っていくのにすごく興味があって、ちょっと聞いてみたいんですけど。どうやってやるの? ここのチームをパワフルにしたいんですよって言ったら、やっぱり一人ひとりに時間取る?

須藤:僕は、一人ひとりに、まず時間取ります。

田中:素晴らしい。すごい。それは、1on1はどれくらいの? 30分とかやってる?

須藤:まず30分でいいから、とりあえず、俺が話すんじゃなくて全部聞きたい。「あなたは何をしてるの?」「あなたはどうしてるの?」。

田中:それは、どういう時間? スドケンさんとミーティングみたいな、スケジュールがバーっと入ってるの? みんな。

須藤:そうそう。

田中:それは、月1? 週1?

須藤:自分のチームは週1でやってますよ。もちろん。

田中:だって70人いますよね?

須藤:それはね、半期にいっぺんくらいやって。でも、だいたい「ランチとか行こうぜ」って誘って行ってる。個人の話を聞くのは、やっぱり1対1のほうがいいから。たぶんなんだかんだ全員と飲みとか飯に行ってますよ。

田中:いい社長だなぁ。ねぇ?

橋本真里子(以下、橋本):ねー。

田中:これができる社長はいないと思う。これ、やらないと思う。これを効率化させるのがピラミッドで、要は、ここに指令を出して、お前ら行っとけってやっちゃうから、ああいう組織になっちゃって。まぁ、300人くらいになると、またそうせざるを得ないのかもしれないけど。

須藤:それでも、1対1で行けなくても、じゃあちょっと3人一緒に行こうぜって言って、いろいろ話を聞きたい。

田中:それはリクルートで教わったとかあります?

須藤:いや、そんなことはない。飲みは好きですけどね。そんなことをしなくても飲みに行くから、行きましょうよって。

田中:『ゼクシィ』を立ち上げた渡瀬さんも同じことをおっしゃる。渡瀬さんも1on1でやる。それを聞いたときに、「本当ですか!?」って。すごく大変じゃないですか。だけど、大事なのね。

須藤:僕は大変だと思わないんですよ。人の話を聞くのが好きだから。「なんでそう思うの?」とか、すごく知りたい。

田中:30分×70人とか、思わない?

須藤:あ、ぜんぜん思わない!

田中:いいねぇ。

須藤:むしろ、一緒に営業に行ったりするほうが、それよりもさらに楽しい。「最近、何がおもしろいの?」って聞くじゃないですか。めっちゃおもしろい。

従業員が生き生きすることで会社は成立する

田中:なるほどねー。あと1人くらい。どうぞ。聞きたい人?

質問者13:須藤さんって、今、社長でいらっしゃるじゃないですか。須藤さんって、自分でやりたい方って思ったんですけど。逆に今、組織の中で、ほかの部下とかいるわけじゃないですか。仕事を振り分けていかないと、組織として成り立っていかないじゃないですか。須藤さんはどういうかたちで仕事されてるんですか? 下にどういう指示を出して、どこまでの部分で、自分が……。

田中:指示出しってことね。

須藤:指示出しね。例えば、僕の会社の場合、会社の組織図がピラミッドになってまして、社長が一番下なんですよ。それで、事業部があって。

田中:そうなの?(笑)。

須藤:そう。

橋本:逆ピラミッド。

須藤:そうそう、本当にそうしてる。それはすごく簡単で、俺は、お客さんよりも従業員が一番大事なんですよ。従業員が生き生き働かなきゃいけないんで、この人たちが最大にがんばってくれないと、会社って成立しないから。この人たちが、まず、キーマン。

もっと言うと、従業員の家族のほうがちょっとくらい上で、大事。なぜかって言うと、その人がご機嫌に働くためには、家族の協力が必要なんですよね。だから、けっこう、僕の価値観はそうですね。

マネージャーとかは、そのチームを支えている。指示出しすることって、ほとんどない。基本は、この人たちが自分の頭で考えて、自分で実行までやるから。困ったら助けるし、サポートするし、なんなら自分でやるけど。

あと、自分もマネージャーをやったりするので、そのときは、「どうする?」とか言いながらみんなで一緒に会議をして。昨日も夜22時くらいまで、1個1個エクセルのリストを作って、優先順位決めようって、1から6まで数字付けていくのを、3時間くらいみんなでやってました。普通に、いちメンバーとして。

田中:わかりました。みなさん。聞けましたでしょうか? あっという間で、もっと聞きたいんですけど。でも、スドケンさんのこれまでの考え方の核心部分にいくつも迫って、おもしろい時間だったと思います。第2回は、橋本さんにもまたお越しいただけるみたいなので。

スドケンさんが出してくれるメッセージと自分もすごく似てる部分もあるんだけど、要は、みんなが次の時代を作っていくと思ってほしいなと。歯車になって、せっかく生きてるのに、何十年もただ組織の中でというよりは、やっぱり作り手になって、それは立場っていう意味じゃなくて、それぞれの場所でそういうふうになってほしいなと思うので。

今日はどうもありがとうございました。

須藤・橋本:ありがとうございました。

(会場拍手)

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