2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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伊藤羊一氏(以下、伊藤):みなさんこんばんは。ヤフーの伊藤でございます。これからHR Techの今後についてお話していきます。
Fintechとかはけっこう話題で、いろいろなことが出てきてますけど、HR Techって言われてみるとそんなに世の中で話題になってないなというところで。どのような可能性があるのか、例えば人工知能とか、ワトソンなんかを使って、どのように発展していく可能性があるのか、というところをお話していければと思っています。
最初に私のほうから「人事は大事だ」というお話をさせていただければと思います。
今、私はヤフーでYahoo!アカデミアという企業内大学の責任者をしております。それまで事業をやってきたんですけれども、1年半前にヤフーに移り、今は人事をどっぷりやっておりまして、人事は相当大事だな、ということを感じております。
よくよく考えてみると、今の日本は人で勝つしかないということを改めてみなさんと共有したいなと思っています。こんなグラフをご覧ください。
「人口と成長は密接にリンク」ということでこのグラフ、1956年から、60年強にわたるある2つの数字をあらわしています。経済成長率と、人口ですね。「今の日本はこんな状況にある」というのをまず共有したいと思います。
見ればすぐわかるように、経済成長率はどんどん落ちています。人口は増えてきたんですけど、2010年あたりをピークに、減少を開始している。こんな状況にあるというのは、ご承知の通りです。こうやって見てますと、ここ60年間日本どういうことが起きてきたのかということがよくわかると思います。
経済成長率は、1956年からオイルショックのあたりまで、平均9.1パーセント。そのあと20年弱低成長の時代といいながら、平均4.2パーセントぐらいの成長をしてきましたが、、1991年から2012年までのいわゆる「失われた20年」の間に、経済成長はほぼゼロ、平均すると0.9パーセントの成長に終わっているということです。
1年1年でみますと、景気変動で動いたりするんですけど、改めて60年間並べてみますと、なにが起きているか如実にわかると思います。経済成長と人口は密接にリンクしている。人口が増えているときは、経済は成長する。人口増加が鈍化すると、経済成長も鈍る。
(スライドを指して)ではこの先どうなるのか。人口というのは、将来の予測はやりやすいわけです。これは日本の人口ピラミッドです。
実は「先進国はこれから人口が減っていく」と言いながら、これだけきれいに子供が少なくなっていくというピラミッドを示しているのは、日本と韓国しかないんです。で、韓国、日本を比べると、日本が一番やばいです。減り方がやばい。ガンガン人口が減っていくわけです。
そうすると将来どうなっていくかと言うと、当然のことながらこうなっていきます。このグラフは、1956年から2056年、100年間の人口の実績と予測になります。グラフの左半分が実績値、矢印から右側が予測です。
人口が減っていくということなんですけど、どうなっていくかというと、40年間で、1億人を軽く割って、全体の人口が9,000万人くらいになる。
で、経済活動を担う人たち、いわゆる生産年齢人口。これどうなるかと言いますと、すさまじい勢いで減っています。バブルの時にはもう人口減少が開始して、いまやライク・ア・ローリング・ストーンですね。40年間でほぼ半分になっていきます。
さきほどの人口と経済成長が密接にリンクしているということを考えますと、これだけのスピードで人口減っていきますと、グローバルに出て行くか、新しいことを始めないと、経済の規模は、自動的に人口の減り方と同じような推移をたどるというわけです。
日本がどうやって勝ち残っていくか。成長を続けていくか。成長できるのかできないかも含めてなにができるかということを、改めて、テクノロジー、リソース、人材、いろいろなことを考えてみると、もう人間しかいないじゃないかと。これまでも人材は重要だと言われてきましたけど、今後ますます、人材というのをどのように活用していくかというのが、非常に重要になってくるので、人事は重要です。
そんななか、HR Techというのが、どんな人に今活用されているのか、されていないのか。そのあたりを聞くことから始めたいと思っています。
前置きはこんな感じで、今日の登壇者、1人1人紹介したいと思います。1人目、IVSとかB Dash Campとか、もろもろのプレゼンセッションで総なめのSmartHR、宮田さんです。
(会場拍手)
伊藤:いまやスタートアップ界隈で宮田さんを知らない人はいないという。
宮田昇始氏(以下、宮田):ハードル上げるの止めてください(笑)。
(会場笑)
伊藤:宮田さんなんですけど、SmartHRというサービスをやられています。このSmartHRというサービスの紹介を、簡単にお願いします。
宮田:改めましてこんばんは。SmartHRというサービスを開発してます、株式会社KUFUの宮田といいます。
こんなサービスをやっていますという紹介の前に、なぜこのようなサービスをやっているかという私の原体験をお話させていただきます。
今はピンピンして毎日お酒を飲んでいるんですけど、実は4年位前は一時期車椅子生活の時期がありました。当時10万人に1人というハードな病気にかかり、顔面麻痺をしたりとか、耳が聞こえなくなったり、味覚がなくなったりだとか、最終的に車椅子になり、ちょっと危ない時期があったんですね。でも今はおかげさまで元気になってます。
なぜ元気になったかというと、当時社会保険制度の、傷病手当金というのをもらって、リハビリの期間中の収入を補填してもらってたんです。それで、お金のことを気にせずに、リハビリに集中できて、おかげで治らないといわれていた病気が治ることができました。この制度、個人的にはすごく思い入れがありまして、ありがたい制度だな、と思っています。
当時車椅子だった私は、今では娘を肩車することができるように、あの、いい奴だなと思われたくてこの写真を(笑)。
(宮田氏が子供を肩車している写真がスライドに映る)
(会場笑)
宮田:従業員側としてはなにかトラブルがあったとき、助けてもらえるありがたい制度なんですけど、これをやるのは従業員さん本人ではなくて、大体会社側がやるようになっています。会社側がすごく面倒にできています。
例えば大量の書類があったりとか、1個1個の書類が専門の書籍が必要なぐらい難解だったりとか。さらにこのジャンルって複数の役所にまたがってるんですね。年金事務所とか、健康組合とか、ハローワークとか。日中にハローワークに行きますと、2時間くらい待たされたりとかあるんです。けっこうしんどいです。
やったことがある方はご存知だと思うんですけど、(スライドを指して)これは従業員さんを採って、社会保険に入れますよという書類なんですけど。
これ今拡大したのは、性別を選ぶ欄です。性別って大体2択だと思うんですけど、まさかの6択になっていて、なぜか4番がないみたいな。
(会場笑)
ちなみにこれ、1番が普通の男性、2番が普通の女性なんですけど、3番がなにか知ってます? 伊藤:男女。
(会場笑)
宮田:(笑)。
伊藤:性転換されている。
宮田:あー、惜しい! 正解は、炭鉱で働く人なんです。
伊藤:ぜんぜん違うじゃないですか(笑)。
(会場笑)
宮田:で、なんでこんなことになってるかというと、この制度、高度成長期にできたものなんですね。で、当時炭鉱で働く人が多くて、病気になりやすかったり、怪我をしやすかったりして、こういうのがあったんですけど、「まだそれ残ってんのかい」みたいなことなんです。
ちなみにこれ、日本でまだ年間350万回使われてます。やばいですよね。で、このやばい領域を今風のテクノロジーを使って、普通に便利にしていこうということをやっています。それがSmartHRというサービスです。デモ動画をお見せします。
(デモ動画が流れる)
これまで従業員さんを1人雇うというと、これだけたくさん書類が必要だったんですけど、こういったものが一切必要なくなります。クラウド型のソフトウェアですので、PCないしはスマホがあればどなたでもご利用することができます。
従業員さんを雇うというときも、人事の方がやる作業はすごく簡単で、メールアドレスで、従業員さんを招待するだけです。すると従業員さんのところへ、ユーザー手続きをやってくださいというメールが届きます。
ですので、従業員さんは入社前に自宅で、ないしは、入社当日のオリエンテーションで、自分で自分の情報をブラウザから入力することができます。書類と違ってわかりやすいので、サクッと入力が終わってしまいます。
入力が終わりますと、人事のほうへ「入力が終わりましたよー」という連絡が届きます。で、自分の情報はすべてそろっていますので、後は入社日とか、給与とか、会社が入力するべき情報を入力すると、先ほどお見せしたような書類が自動でパパパッとでき上がってきます。
で、そのまま役所へオンラインシステムでできるようになっています。これまで半日とかかかっていた役所の申請が、1分以内くらいでサクッと終わってしまうようなサービスを作っています。自分で言うのもなんですが、とても便利です。
ちょうど1年前くらい、去年の11月18日サービスを公開しました。おかげさまで現在2,300社を超える企業様にご利用いただいています。使っていただいている企業さんなんですけど、今はIT系の会社さんが中心にはなっていますが、先ほどご登壇いただいたエウレカさん、メルカリさんにもご利用いただいています。
特徴としては、もともと10名未満の小さい会社さんが多いかな、と思っていたのですが、ふたを開けてみると、50名、100名を超える会社さんでもご利用いただけています。こういったように、いろんなところに幅広くご利用いただけているのがすごくうれしいな、と思っております。
こんなところでしょうか。以上がSmartHRの紹介でした。ありがとうございました。
伊藤:ありがとうございます。
(会場拍手)
伊藤:もうちょっと別のこと聞こうと思ったんですけど、どうしてもあの、さっきの性別1・2・3のあとの、5・6・7。
(会場笑)
宮田:あ、あれですね。3番以外はあんまりおもしろくなくて、厚生年金基金に加入している男性とかですね。おもしろくなくて小難しいやつなんですよね。
伊藤:でもそれ、そういった解説は付いてないんですよね。
宮田:裏側に書いてあるんですよ。
佐野一機氏(以下、佐野):そろそろこっちにも振ってほしい。
(会場笑)
佐野:たぶんみんなも僕のことをパソコンを操作する人だと思ってきてる(スライドの操作をずっと佐野氏が行っていたため)。
(会場笑)
佐野:僕自身もだんだんそんな気になってきてる。
伊藤:そうですね(笑)。
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