
2025.03.19
ドバイ不動産投資の最前線 専門家が語る、3つの投資モデルと市場の展望
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原隆氏(以下、原):じゃあ次、メルカリお願いします。
小泉文明氏(以下、小泉):メルカリの小泉と申します。よろしくお願いいたします。
簡単に経歴を説明すると、私、最初は証券会社で主にネット企業のIPOを担当してました。そのときのクライアントはDeNAであったりミクシィであったり、そういう大手のネット企業のIPOのアドバイザーをやっていました。
そのあと、縁あって2007年にミクシィに入りまして、取締役として主にコーポレート部門全体を見ていました。当時PRも見ていて……原さんが『日経ビジネス』の記者だったころですね。散々いじめられながら修行したという感じです。
原:いやいや(笑)。
小泉:2012年にミクシィを辞めて、そのあと1年半くらい、ニート期間と僕は呼んでいるんですけれど(笑)、ずっと定職に就かずにいました。ただ、その間に複数社の立ち上げをサポートしていました。ボード(役員)をやった会社が、フリークアウトやアカツキですね。この2社は最近、上場しましたけれど。それ以外にもラクスル、トリッピーズみたいな、比較的今大きくなってるベンチャーを1年半くらいでいくつか立ち上げました。そして、2013年末にメルカリに入っています。
このあと説明しますけれど、メルカリでは基本的にはプロダクト以外、コーポレート部門全体を統括しているといった感じになっています。
メルカリは2013年2月に創立したので、3年半くらい前にできた会社です。アプリのローンチも同年7月と3年くらい前なので、今、日本が3,500万ダウンロードくらいあるんですけれど、かなり急速に立ち上げてきました。アメリカも2年くらいやっていまして、今2,000万ダウンロードを超えるところです。日米5,500万ダウンロードで、順調に進んできているということですね。
オフィスは東京と、仙台にカスタマーサポートがあります。それ以外はサンフランシスコですね。あとロンドンは今年立ち上げて、UKのサービスのローンチを準備中といった感じです。
グローバルメンバーが350名くらいいるんですが、このうち200名くらいがカスタマーサポートに従事しています。カスタマーサポートを内製して強化しているんですね。それ以外では150人しかいないです。150人で日、米、あと英ですね。
さらに今は新規事業の「メルカリ アッテ」という新しいサービスも、ソウゾウという子会社で、20〜30人のチームでつくってます。ソウゾウはいくつか新しいチャレンジをしている会社になっていますね。
ボードメンバーが5名いるんですけれど、基本的には全員、前職でなにかしら経営をやっています。いわゆるシリアルアントレプレナーと言われるところなんですけれど、経験があるメンバーが知恵を絞って経営しています。
僕たちは過去3年半で125億円くらい資金調達をしてきて、基本的にはキャッシュをきちんと集めたうえで、ダイナミックに攻めていくといったことをやってきています。
組織図ですね。来る前にLINEさんの組織図を見たので、一応うちも入れておこうと思って(笑)。
僕はスライド右下のコーポレートを見ています。ヤマトさんなど、いわゆる決済会社と連携するBizDevから、テレビCMを作るプロモーション、PR、人事、CS、それ以外も全部見ています。
今は広報が1人ですね。その広報の中澤(理香)も、あそこにいます。この1月に入ってきた感じなので、おそらく2,000万ダウンロード強まで広報がいなかったという会社でして(笑)。広報が今1人でなんとかがんばっています。
もう1人、プロモーション・テレビCMを作っている鋤柄(直哉)、今日もいますけれど。プロモーションは、箱はあるんですけど彼と僕の2人しかいないですね。しかも、鋤柄はその上の「オンラインマーケティング」を兼任しているので、極めて脆弱な組織のなかで、ここまでやってきています(笑)。
事業開発も実は1人しかいなくて。「大丈夫なのか、この会社?」って感じなんですけど(笑)。ええ、ヤバイですね。今、話してて「これやべえな」って思いましたけど(笑)。人事だって、やっと最近5人目が入ってきたところですからね。
矢嶋:うちはマーケティングコミュニケーション室全体で40人くらいですね。
小泉:えっ。
矢嶋:広報が今8人いて……。海外の広報が4名で……。
小泉:1人くださいよ(笑)。
矢嶋:えっ(笑)。
(会場笑)
小泉:なんかブラック企業感が出てきましたね(笑)。余計なことはやらないことが大事ですね。一応そんな感じでやってます。ヤバイから早めにいこう(笑)。
メルカリ、みなさんご利用いただいているかもしれないんですけれど、「日本最大のフリマアプリ」ということで、簡単に使えるところと、カスタマーサポートを強化して、安心・安全性を売りにしています。
今、月間100億円以上の流通高があります。日本でいうとおそらく上から、楽天、アマゾン、あとヤフーさん。その次がたぶん私たちとか、ZOZOTOWNのようなところが、4番手集団みたいな感じになってくるんじゃないかなと思っています。
3年くらいかけて、ここまで順調に伸びていったかなと。出品数も今1日50万品以上あります。非常に多くの出品が行われている感じになっています。
こんな感じできれいにびゃーって伸びていってます。
アメリカもドカーンと伸びているんですけれど。今年7月末に、いきなりApp Storeで全米3位になるということが起きました。僕、夏休み中で、朝起きたら3位だったんですよ。嘘じゃないかと思って(笑)。
矢嶋:あれ、なんで急に伸びたんたですか?
小泉:僕たちも、最初は1日くらい本当に全員信じてなくて。全員「バグだ」「乗っ取られた」「これはやべー」と言って(笑)。
原:超ネガティブじゃん(笑)。
小泉:本当に1日、誰も信じなかったんですよ。「これは本当なのか?」って言って。
元々、メルカリではユーザーを招待すると、招待した人とされた人がお互い2ドルもらえるキャンペーンをやってたんですね。それで、よくよく見たら、そのキャンペーンがTwitterやInstagram、Snapchatといったソーシャルメディア上で数十万人以上くらいのフォロワーがいるインフルエンサーの人たちのなかでバズっていて。要は、どんどん招待すれば自分に2ドル入るので、面白がっていたんです。
それでいくつかの震源地……TwitterもしくはInstagramで「メルカリの招待コードを入力したら、みんな2ドルもらえるよ」って、みんなおもしろがってシェアしていまして。それで、一夜にしてランキングが3位くらいまでいったんですね。
当時アメリカのApp Storeランキングで、メルカリの上の2位が「Pokémon GO」で、1位が「Bitmoji」というSnapchatが買収した絵文字系の会社。「Pokémon GO」のオフィスは、僕たちと同じ六本木ヒルズで同じフロアなんですよ。ポケモン社。「なんか日本発コンテンツがトップ3にいるな」みたいな感じだったんですけど(笑)。
そういう感じで一気にいって、そのあとの1ヶ月間くらいは、Top10であったり、ランキングの上のほうにずっと張り付いていて。今でも2桁くらいにいるような状況です。
メルカリがアメリカで始まったとき、2年前は、だいたい類似のアプリが20社くらいあったんですよね。20社で戦ったんですけど、今はだいたい4社くらいに絞られてきています。
その4社が今団子な状況なのですが、僕たちとしては、この7月・8月でそこから頭1個抜けられるきっかけが掴めたんじゃないかなというところで、もう一踏ん張りやろうと思っているところです。
アメリカはまだ広報がゼロなんですよ。さっき言った広報の中澤が「Wall Street Journal」など、向こうのメディアの対応を必死にやってるという、とんでもない状況です。ぜひ広報、みなさんよければ来てくださいという感じです。
9割くらいがメルカリ使ってますって話ですね。あとはレディースが多いですよとか。このへんはファクトなので、サラサラと。
あと、メルカリで特徴的なのは、売れている商品の約半分が1日以内に売買完了してることです。メルカリだと売れるのが早いということを、みなさん体験してると思うんですけれど。こういうところが非常にユーザーの満足度につながってるんじゃないかなと思っております。
よくこういうところで登壇するときに、メルカリの規模が今より小さかったころに、「広報とかブランディングでなにをやったのか」をけっこう聞かれるんですよ。
この縦軸がダウンロード数なんです。ちょっと消えちゃってるんですけど。一番左が、スライドには書いてないですけど2014年の2月です。ちょうど200万ダウンロード手前ですね、160万ダウンロードくらい。そこから一番右が約1年後です。1年間で160万ダウンロードくらいが、だいたい1,000万ダウンロード強までジャンプアップするんですけれど。
3月に、メルカリは14.5億の資金調達をしています。その14.5億の資金調達をもって、5月にテレビCMをやっているんですね。それまでも伸びてきてたんですが、ようやくFrilを超えたかなというくらいでした。
このCMで1ヶ月間で100万ダウンロードくらいバーンって積まれるんですね。CMをやったのは、実際は2週間くらいなんですけれど。このタイミングで3億円くらいCMに大きい投下して、フリマアプリならメルカリとなったと思います。
9月にアメリカでサービスを開始したあと、10月にテレビCMをもう1回やっています。そのテレビCMを打つタイミングでもう一度、23.6億円の資金調達をしました。基本的には、資金調達とテレビCMみたいな賭けを意識的にやって、ベースを上げるようなことをやってきた感じになっています。
HR、採用の戦略も実は変えています。300万〜400万ダウンロードくらいだと、知名度も低いのでまだまだエージェントに頼っていたんですが、テレビCMをやった結果かなり知名度が上がってきたので、このくらいから採用としても、いわゆるWantedlyや自社ホームページなど、自分たちでコントロールできるメディアにちょっとずつシフトしてブランディングしていきました。
メルカリ自体、今はエージェント比率が1割くらいで、残りの9割がリファラルという社員紹介だったり、自社ホームページ、Wantedlyみたいなところからの採用です。
広報でやることって、僕は大きく2つあると思っています。1つは、会社のブランディングをしたうえでなにをやるか。採用ですね。とくにベンチャーにおいて、採用以外は広報の意味がないと思っています。なので、採用にコミットするというもの、と。
もう1つは、サービスをきちんとアピールすることによって、ダウンロードやDaily Active Userを増やすこと。
採用数とユーザーを増やす、この2つが広報のミッションだと思ってます。その2つに則ってやっている感じです。
最後のペーパーですけれど、今後メルカリは、国内でも当然まだまだできることがあると思っています。そこを増やしつつ、さっきのメルカリアッテも100万ダウンロードを突破して、足元も順調に伸びてきているので、新サービスをこれからもいくつかつくっていこうかなと考えています。
あとは日本、アメリカ、イギリス、このあとヨーロッパの大陸にも入っていきますけれど「グローバル展開を加速していく」という、この3本柱でやっていこうと思っています。
最後は「採用します」と。当てつけっぽくってやばい(笑)。
原:ありがとうございます。お2人、ちゃんと仕事してるんだなということがすごくわかりました。
(一同笑)
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