CLOSE

DMM.Africa採用説明会(全2記事)

コネやアイデアがある人は即採用? DMM亀山会長が語った、アフリカ事業に求める人材

2016年2月26日、DMM.Africaの新卒向け説明会に、DMM.com会長・亀山敬司氏が登壇。DMM.Africaのプロジェクトの概要や今後のグローバル展開について説明しました。また、新卒・中途入社後にアフリカ行きを希望する社員に求められる最低条件を3つ挙げて、同社のアフリカ事業における“人材”の重要性を強調しました。(DMM.Africa公式サイトはこちら)。

DMM.Africaの採用説明会

亀山敬司氏(以下、亀山):ようこそ。今回はDMM.Africaの説明会ということで、ウチがどういうことをやろうとしていて、どういう人材を求めてるか、どういう条件なのかということを話させてもらいます。

今回は新卒希望の人と中途希望の人がいるって聞いたんですけど、まずうちの趣旨というか、DMM.Africaの活動に関して何点か話させていただきます。

なぜDMM.Africaかというと、簡単な話、日本もどんどん人口が減っていくし、今後は海外に行かないといけないかなと思ったときに、アフリカのほうが将来性があるんじゃないかという、ただそれだけのことです。

なので、基本的に何をやるかはまだぜんぜん決まってません。今度はアフリカという軸で仕事を考えようというだけです。

例えば、インターネットという軸でどんな仕事をやろうかとか、ゲームという軸でどうやろうかとか、いろんな考え方があるけれども、今回は成長性のあるアフリカのなかで、それが牛丼屋でもいいし、ITでもいいし、インフラ業者でもなんでもいいから、事業をやろうかなというのが、この考え方です。

基本的に「アフリカ」と言ってますけど、「アフリカのほうがなんかインパクトあるかな?」と思ってアフリカと言いました。

実を言うと、キューバでもいいし、イランでもいいし、ミャンマーでもいいという。どちらかというと、まだあまり日本から進出していないところと思ってもらったほうがいいですね。

だから、実はアフリカだけにこだわっていない。ただ分かりやすく「DMM.Africa」というお題で始めたということです。

言い換えれば、「アフリカに行けるやつはどこでも行けるだろう」という感じかな?そうやって募集しておけば、アメリカに行ってくれとか、アジア行ってくれとか、どこか他の国に行ってくれと言ってもできるんじゃないかなということで、こういうタイトルになっています。

100万ずつ持たせて、社員7人をアフリカへ

今現在、どういった活動をしてるのかと言いますと、ウチの社内にいる人間から、「アフリカに行きたいやつ」ということで募集をかけました。

エンジニアとか、営業とか、デザイナーを含めて25人くらい募集があって、その内9人を採用してます。あとは、アフリカ人を3人雇用して、全部で12人のスタッフで今はやってます。

元々うちの社内にいた人間に関しては、営業部署にいるとか、ゲーム作ってますとかいろんなやつがいたんで、「今の雇用は守るから、半年間借ります」というかたちで出向扱いになってます。

とりあえずきっかけが欲しかったんで、集めたんだけれども、実際のところ彼らがなにもできないかもしれない。英語できるやつも2~3人くらいだし。

「それでも気合だけで行ってこい」という感じで、とりあえず今7人が向こうに行ってますね。そのときは1人100万持たせて、「3ヶ月くらい、しばらく帰ってくんな」と言って、行かせたという感じかな。

それで「4月末くらいに1回帰ってこい」「そんときに、何を見つけたか、何があったかということを全部伝えろ」という感じで旅立たせているのが今の現状ですね。

今のところ、大したレポートは上がっていません。1個くらい上がったので言うと、「ルワンダで衛星放送をやってる会社と組んで、日本の渋谷とか原宿を取材して、それを放送して、その後ECサイトを作って、日本で流行った物を送って向こうで売りましょう」というプランが出てきました。

あとは、不動産をやりましょうとか、農業をやりましょうとか、太陽光をやりましょうとか、いろんなアイデアが出るけれども、なかなか具体的な話にはならない。そういうなかで、各自いろんなところにリサーチしたり、日本の企業と話している人もいる。

管理はしてないので、もしかしたら遊んでブラブラしてるやつもいるかも知れないけどね(笑)。そこは俺もちょっとわからないんだけれども、上がってきた報告で言えば、現状そんなところです。

今みたいな感じで、とりあえず行き当たりばったりでやろうかなというかたちなので、ルールがどんどん変わりますが、ざっくりした予定では、50人ほどアフリカに行かせて、なにか見つけて、それを軸に仕事をしようかなというのが基本的な考え方。なので、本当に何も決まってないと思って下さい。 

先に送り込んだ7人もそのまま継続してアフリカ事業をやらせるかもしれないけども、適性がないと思ったら元の部署に戻すことになると思います。

欲しい人材その1:自分で事業ができる人

では次に、どんな人材が欲しいかという話をさせてもらいます。

まず、現段階ではまだ、誰がリーダーになるとか、それも決まってないんですね。仮に50人いたら、5人くらいがリーダーになって、その下に10人つくかもしれないし、1人だけ向こうに行って、アフリカ人を雇用して仕事を始めるかもしれない。

そういった意味では、まず事業にリーダーシップや責任を持てる人間、アイデアを出す人間というのが必要になる。事業はアイデアと責任者がいないと始まらないから。だから第一に欲しいのは、「自分で事業を作れて、人を雇用できて、現地でミッションを具体的に実行できる人」、またはやれそうな人ということになるかな。新卒の人は特に実績ないと思うけど、中途の人は過去の実績をふまえて考えます。

欲しい人材その2:ロイヤリティの高い人

そして、第二に欲しいのは「ロイヤリティの高い人」。うちとしては、長い目で当面よくわからないままに投資することになる。50人の年間の人件費などが1人1000万かかるとしたら、年間5億くらいの人的投資をしていこうというところから始めてる。

だから、やっと育ったと思った人間にすぐ辞められても困るよね。つまり、そのなかで、将来的に中核になってもらって、アフリカ人とか、次に送られる日本人とか、そういった人間を含めて新しいアフリカのビジネスをやってもらわなきゃ困る。なので、優秀であってもすぐに辞めてもらったら困るということ。

欲しい人材その3:金を盗まない人・信頼できる人

第三は、「金を盗まないやつ」ということ。どんなに優秀で長くいるやつでも悪いやつはダメということですね。

実際問題、ウチは日本のなかでも権限を渡すと、かなり自由にやれるような組織にはなってるんで、逆にいうと誘惑もいっぱいあるのよ。うちの会社のなかでも、キックバックもらったり、お金を不正したり、セクハラしたり、実はいろんなトラブルがある。

そういったことで、解雇されることもある。優秀で長くいたとしても、それが組織としての損であったとしても、辞めさせるというのが会社の方針です。他への影響もあるからね。

こういうことは日本でもたまにあるし、遠方のアフリカでも当然あるかもしれない。特に管理も効かないしね。自分たちが誠実だとしても、現地に行けば日本よりもう少し不誠実な人が多いかもしれない。自分たちがだまされるのはまだいいけど、自分たちが会社や人をだますのはダメ。もちろん、現地の人にもだまされないほうがいいけどね(笑)。

向こうに行けば、自分たちだけではやれないので、向こうのアフリカ人と一緒に仕事をすることになると思います。そのときに、いかに彼らとの信頼関係をつくれるか。

アフリカ人でも中国人でも日本人でも、良い人もいれば悪い人もいる。そのなかで、一番大事な部分は信頼関係になると思うんだよね。 だから、俺たちにとってもアフリカ人にとっても信頼できる人間が必要なんです。

求められるのは、日本語+外国語1つ

あとは基本的に、まず日本語ができるということ。仕事に関しては外国人・日本人の区別はまったくつけません。ただ、どうしても日本語のコミュニケーションが必要なので。うちのグローバル化は日本語を共通言語にしています。それプラス、英語やフランス語や他の言語ができてもらいたい。

外国人の方は日本語の力を見せてもらいますし、日本人に関しては、英語とか、他の外国語を。どちらにしてもまずは日本語が必須です。そして日本以外の言語があればいいということです。

英語ができなくても、フランス語ができますとか、スワヒリ語ができますでもOK。スペイン語でもOK。さっき言ったように、アフリカに限ってないので。アフリカは基本的に英語とフランス語ですけどね。

だから、面接のときに、「○○語ができます」と申告してもらって。うちのスタッフと面談してもらって言語をみるということになります。

自分で事業ができる人間で、ロイヤリティが高い人間で、悪くない人間、そして少なくとも日本語プラス外国語が1つできるということを最低条件にしてます。

新卒・中途入社後の流れと雇用形態

あとは、さっき「既存のうちのスタッフで募集をかけて、とりあえず100万持って旅してこいと行かせた」という話をしましたけど、自分たちがすぐそれをできるかというと、そうじゃないということを言っておきます。

というのは、さっき言ったロイヤリティや悪くないという部分に関しては、現状自分たちの信用がゼロだということ。アフリカに行かせた社内の人間というのは、社内で少なくとも1年以上雇用してて、ゲームを作ってたり、デザインをやってたり、営業やってるという人たちを集めた上で行かせました。

それで言うと、新卒であれ中途であれ、みなさんは信用ゼロということになる。向こうに旅に行って、100万円渡したっきり帰ってこないかもしれない。それは困るということです(笑)。

結局グローバルビジネスの基本は、なんだかんだ言っても人間関係なので、そのパイプになるのが自分たちだとしたときに、向こうに行って仕事するにも、パイプがアフリカ人との片側だけにしかできない。日本のDMMスタッフとはパイプがないということになるので、まず基本的には、うちの部署のどこかに入ってもらいます。

僕エンジニアできますという人はエンジニアの部署に行けばいいし、営業や企画ができますという人であれば企画・営業部署に、配信をやってる事業とかFXとかいろんな事業があるから、しばらくそこに所属してもらいます。

イメージとして中途は半年以上、新卒は1年以上って感じかな。だから、入ったらすぐアフリカに行って大暴れだと思われたら、ちょっと違うんでね。そう思ってる人はやめといてください。

想像してもらえればわかると思うんだけど、今日会って、「じゃあアフリカ行ってきまーす」って行って、向こうで「新しいビジネス見つけました、送金1億してください」って言われたとき、送れるかって話なんだよね。

今の社員だったら、「おもしろいと思うんだったらやってみろ」って話になるかもしれないんだけれども、君たちがどんないい話を持ってきたとしても、そこはやっぱり送金できないよね。

なので、半年から1年くらい社内でやっていくなかで、そこの部署のスタッフへのヒアリングの上で、採用を決めたいということになるかな。

雇用形態は、新卒に関しては社員雇用になりますけども、中途に関しては半年間契約社員扱いになります。契約社員でも、保険とかビザの問題はできると聞いてるので、とりあえず半年契約。

その後、正社員にするかしないかと待遇を正式に決めます。とりあえずは暫定的な報酬を決めるけれども、半年間あればだいたい正式に採用できるかどうかはわかると思います。待遇についても、こういうかたちで正式採用ですというなかで、そのときに自分たちで判断してもらえればいいかなと思います。

その後すぐアフリカに行ってもらうか、日本とアフリカを行ったり来たりになるのかはわからないけれども、基本はそういった発想です。

コネやアイデアがある人は即採用もありえる

あと、半年は待たせるけど、途中で出張に行ってもらう可能性はあります。現在向こうでどういった活動をしているのかというと、たぶん5月くらいに展示会をやります。DMM.makeで作った物のアフリカへの売込みをイベントでやってみようかと思います。

あと6~7月にはタンザニアとかルワンダとかの東アフリカ中心になると思うんだけれども、DMM.comメインスポンサーでアフリカビジネスコンテストをやろうと思っていて、現地の大学とかベンチャーの人たちを集めて、優勝者には賞金を出すみたいな感じです。

向こうではあまりビジネスコンテストはないと聞いているので、うちで主催して、向こうの5~6ヵ国、それぞれの国でやってもらおうと。

最終戦はタンザニアで、テレビ中継も入るらしいので、そういうなかで、「アフリカでこんなビジネスやりたい」というのをプレゼンしてもらいながら、コンテストをやるという感じです。

そのときには、日本からもなるべく優秀なスタッフ何名かに行ってもらって、アフリカのベンチャーの人たちとコミュニケーションをとってもらいながら、若い優秀な層とか、その他の人脈を作ってもらいたいと思います。

あと、すでに「こういったアイデアがあるんだ」とか、「ビジネスとしてこういうコネがあるんだ」とか、そういうのがある人は、面接のときに話してもらえたらいいと思います。それがおもしろいと思えば即採用もありえるし。うちの社員とセットで動けということになるかもしれない。

そういったかたちで、イメージとして50人くらいのスタッフが、日本とアフリカを動き回れば何かできるんじゃないかなということです。まあ、どうなるかわからないけどね(笑)。

DMMもアフリカも理解できる人に投資したい

うちの他の事業で利益が出ている間に、アフリカ事業の何に投資をしたいかといったら、まずは人の投資をしたいということです。

仮に50人の人間が向こうに行って、現地の人たちと仕事の関係をつくれれば、時にはだまされるかもしれないけど、時にはいいパートナーを見つけるかもしれない。その人間関係さえあれば、今度はその信頼できる人間とITの会社をやろうとか、日本からエンジニアを送ろうとか、日本のゲームをどっかから買いつけてアプリを作ろうとか。そんないろんな展開がありえるんじゃないかなという、すごいざっくりとしたプランです。

プランもざっくりなら、アフリカという地域もざっくりです。なので、ざっくりとした考え方でもいい、そういった人間に来てほしい。あんまり細かいことは言わないでということかな。

ある意味、日本に比べれば可能性もあるけど、けっこう大変かな。暑いしね。いろいろあるよ。そういったなかで、おもしろいかなと思うなら受けてみて下さい。

また、アフリカ事業のメンバーを引き受けてもらってる部署、ゲーム事業部でも、.make事業部でも、動画事業部でもなんでもいいんだけど、たぶんその人たちとの信頼関係ができるよね。そうなったときには、そこに所属しても構わない。そこから先に会社のグローバルを手伝うのもありだし。それはそのときに決めればいいよ。

どちらにしても、うちらがビジネスをやろうとしたときに、具体的に仕事をやろうと思うと、うちの会社のなかを理解しないとできない。いろんな部署を見て会社を理解しないと、結局プランがつくれないということになる。

もし向こうで「ホテル建てて売りましょう」と言われても、「それってDMMにどんな有利性があるの?」って聞くよね。「現地の人と戦って勝てるの?」みたいなことを言われる。

でも、例えば「日本のアニメを向こうに持っていって売りましょう」と言うなら、「少なくとも日本のほうが有利性があるから戦いようがあるよね」とか、「アニメ会社ならDMMは取引があるから映像の提供も可能だよね」とかなるかもしれない。

うちが投資したいと思う案件をつくるには、アフリカも理解しないといけないし、DMMという会社も理解しないとできないということですね。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • “退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!