2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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川原崎晋裕氏(以下、川原崎):では次のテーマなんですけども、今、特に女性ってすごく大変だなって。ごめんなさい。他人事みたいに言うこういう男がいるから大変なんだと思うんですけど、私「ウートピ」っていう女性向けの媒体にも関わってまして、けっこう「女性の働き方」について取り上げるんです。
社会進出をすごく求められているんだけど、実際に働く会社の環境だったり政府の支援策が全然実態を伴ってなくて、単純に男と同じだけ仕事をして、プラス出産・育児・家事みたいなのが乗っかってきていて、ものすごく大変だと。
これに対応するためには、やっぱり自分がどうしたいとかもあると思うんですけど、企業の環境が整ってないとどうしようもなかったりとか、国の対応がなかったらどうしようもないとか、いろいろあると思うんです。
その辺りで、非常にホットなテーマなのですが、ここはぜひ掛川さんのほうからお願いします。
掛川紗矢香氏(以下、掛川):大きく分けて3つあるかなと思っています。まず第一が個人ですね。個人の意識の改革というところが重要かなと思っています。特に男性ですね。
川原崎:はい!
掛川:(笑)。弊社の話をさせていただくと、先ほどフレックスタイム制のお話をさせていただきましたけれども、夕方に帰ってお迎えに行くですとか、有給も消化して、「今日は授業参観なのでお休みします」という社員がそこそこ増えてきたかなと思うんですね。
そういった意識の改革って、すごく重要で、弊社はHRでそれを率先してやっている人間がいるんですけれども、そういった人が1人でもいると、「あ、こういうことしていいんだ」と思って、休みやすくなっていくと思うんですね。
なので個人の改革が必要だと思うんですが、2点目の会社の改革というところも重要だと思っていまして。個人が休んだり早く帰ったりするためには、ある程度会社の制度が整っていないと、どうしても帰りにくいですし、それこそ男性が育休を取ったら「お前昇進どうすんだよ」みたいなのが出てきたりもするので、そのあたりは、会社としてキチンと制度を作るのが必要になるかと思います。
今回のmerci boxもそうですけど、「男性もどんどん育児に参加してくださいね」というメッセージも発していくのが重要ですよね。
掛川:そして会社だけではなくて、3点目として国の改革かなと思うんです。今回のmerci boxの産休・育休時の支援という点に関してましても、やっぱり賛否があったんですよね。
元々、産休・育休中は国ですとか健保が一部給料を払いますという内容があります。そこにさらに上乗せして会社が支援金としてお支払いしますという制度になっているので、「会社が払ってしまうと国からは出ないんじゃないの?」とか、いろいろなご意見があったんですね。
国は今までどおり払っていればよくて、従業員は今まで以上にもらえて、損するのって会社だけなんですよね。なので、国の制度がそういう会社の改革を後押しするようなものであるといいなと。もっともっと男性の育児参加を後押しするような施策を国としてやっていく必要があるんじゃないかと考えています。
川原崎:ちょっと物議を醸した辺りっていうのは、具体的に国側から何か言われたというわけではないですよね。
掛川:全然そういうことではないですし、国の制度とも共存できるものだと思っています。
川原崎:ありがとうございます。では片山さん。
片山勇志氏(以下、片山):この辺に関しては結構自分の考えで答えられると思うんですけど、僕はあえて「異性」と言いますけど、うちのコワーキングスペースには子連れで来ている男性もいるのですが、異性の理解度というのは、すごく重要だと思っています。
ただ、理解度というより、もし夫婦なのであれば、夫婦として誰がどの役割を持つかというのを明確に決める必要があるんだと思うんです。
もし2人ともリモートワークができる人なのであれば、例えば子どもが熱を出したときにどちらが面倒を見るのか。そこら辺のところを最初に話し合っていなかったら、すごくケンカになると思うんですね。
これはもうバランスなんですけどね。「本当に5:5なの?」というと、「5:5」じゃないと思うんですよ。「6:4」でもいいし、「7:3」でもいいんですけど。
本当に「5:5」なのであればそれでやればいいと思うんですけど、それをちゃんと話し合っているか、話し合っていないかが、すごく重要だと思うんですね。
Hatchの会員さんや自分の場合に、やっぱり最初に決めているほうが、「何かあったら自分が行くんだ」という思いがしっかりしているのでいやな思いはしないですし。
以前会員だった方ですけど、男性がメインで子どもを見るという家庭もあって。その人は、今奥さんが6カ月アメリカに単身赴任で行ってしまってるんです。
彼はeコマースのサイトを立ち上げようとしていて、毎日寝れない夜が続いているような話も聞いていて。でもそれも不満じゃないんですね。なんでかというと、それは彼女がブレッド・ウィナーというか、彼女が家庭を支えるものを持ってきてくれているという理解があるから。
自由に自分の夢を追っているので、それくらいは自分の責任だよね、という人もいるので。そこの責任分担がすごく重要かなと思います。
川原崎:相手の職業だったりによっても違いますもんね。じゃあ、結婚するときとか、子供ができたときに、まず家族会議を開いて、役割分担をしっかり決めるということですね。
川原崎:ちなみに堀江さん、いかがでしょうか。
堀江大輔氏(以下、堀江):あります! すごく大賛成なんです。同じことだと思うんですけど、個人・会社・国。国はどちらかというと、日本の場合はあまりできていないということがあると思うんですけど。
私も妻も理解がある会社で働いているので、子供たちになにかあったら、どちらかが対応できるようになっています。
(前の人と)同じことを言ってもどうにもならないので、何を言いたいかと言いますと、逆に会社にとってすごくチャンスだと思うんですよ。というのは、日本というのは教育制度がすごくしっかりしていて、スキルレベルの高い女性がいっぱりいる国じゃないですか。
そういう中で、じゃあ結婚して子供ができて……まあ、結婚しなくても子供ができて、仕事辞めるのは、すごいロスじゃないですか。そういう人を採用できるように、そういう人が活躍できて力を発揮できるような職場を作れば、トップレベルの人材がどんどん会社に入ってくるわけですよね。
それは難しいことは難しいんでしょうけど、でもそこを解決すれば、働くのがすごく楽しいと感じる人はいっぱいいるので、会社としてはすごくチャンスだと思うんです。
GitHubの考え方としては、じゃあどうして男性・女性の2人とも必ず4カ月フルで育休取れますよというのは、人は採用した段階のままじゃないですよね。1年後、2年後、10年後、どんどん人は変わっていきますよね。成長していきます。
その中で、子供ができて、家族ができて、それに参加して、子供が大きくなっていくのをサポートしていくのって、人間としても、会社の一員としても、すごい経験値なんですね。
そういうことを会社としてサポートして、4カ月間の育休から帰ってきたら、具体的な何かはないんですけど、みんないい感じに、幸せに帰ってきて、「よーし、仕事するぞ!」とガンガン仕事してるんですよ。
そういうのって、なんて言うんですかね。絶対、「仕事」と「家族を作る」っていうのはバッティングする必要はないと思うんですよね。というのが言いたかったことです。
川原崎:ありがとうございます。では最後に「今後どういう働き方が主流になると思いますか?」という、非常にふわっとしていて難しいテーマなんですけど、一言づつだけご回答いただければなと思います。ちょっと10秒だけ待ちます。難しいと思うんで。
じゃあ、逆レディーファーストで片山さんから。
片山:(笑)。自分は、9時〜6時とか、主流は変わらないと思います。やっぱり自分も中小企業にて、大企業のことも考えると、そう簡単には変わらないなと。
まあ、10年以上はかかるのではないかと思います、何かが変わるにしても。どう変わるのかは別として。ただ、この会場に来ている方というのは、もうちょっとスタートアップ系の会社にいるのかなと、ちょっと思っているんですけど。そういう人たちにとってみると、これからいろんな働き方が出てくると思いますので、それを自分のものにして欲しいですね。
このまえ雑誌を読んでいたらAppleのティム・クックが言っていたのが、池の中に石を放り込むと波紋が広がるじゃないですか。「その石になれたらいいな」と言っていたんですね。
僕はそれがすごく心に響いて。自分もHatchをやっていて、自分が全部を変えられるわけじゃないと思っているけど、それが1つのアイデアとして投げられて、そこからいろんなものが広がっていけば、それはそれで大成功かなと思っています。
これからたぶん、いろんな働き方が出てくる中で、みなさんも自分が成功すれば「石」になれると思う。主流は変わらないと思うけど、そういうところから変わっていくんじゃないかなと思っています。
川原崎:Hatchさんはすごく素晴らしいサービスなんで、ぜひ拡大していっていただければなと思います。では次に掛川さんお願いします。
掛川:そうですね。難しい難しい質問ですよね。さきほど堀江さんも仰っていましたけど、企業にとって今はいいチャンスなんですよね。女性にきちんと働いてもらう、優秀な女性をたくさん雇い入れることができるという時代になってくると思いますので。
さきほど会社の改革というお話をしましたけれども、そこがあればどんどん囲い込めると。そうなると、家庭と仕事の両立が重要になってきますので、そのためにリモートワークだったり、当社で取り入れているフレックスであったり、両立できるような時間の使い方で働いていく方は、どんどん増えていくと思います。
逆に、増えていかないと両立はなかなか難しいのかなと思いますので、そういった社会が来るといいなと思っています。
川原崎:ありがとうございます。今日、僕もお話を聞いていて、企業にチャンスってすごく面白いなと思って。経営者として、言葉悪いかもしれないですけど、女性対策っていうんですかね。優秀な女性がちゃんと会社に残ってくれるとか、そもそも働きたいと思ってもらえるようなやり方は有効だなと思いました。
川原崎:では、最後に堀江さん。もしなんかあれば。
堀江:あると思います(笑)。この質問なんですけど、知ってたらすごく嬉しいんですよね、知っていたら「じゃあ、こうしよう」って、自分の人生の中で計画を立てられるので。
ですけど知らなくて、どんどんテクノロジーは進化していく中で、仕事のワークスタイルも変わっている。20年前はほとんどの会社はリモートワークとか考えられない状態だったので。
今40代なんですけど、どうすれば生き残れるか、どうすれば自分が仕事をしたい環境で仕事ができるかというのを常に悩んでいて、じゃあそれに対してのスキルをどうやってつけていけばいいかのほうを悩んでいます。なので、わかんないです。
川原崎:悩んでいらっしゃるんですか?
堀江:悩んでいます! これ、知りたいですもん。知っていたら、「10年後にこういう会社で働きたかったら、自分がこういうことを知らなきゃいけないんだ」「こういうキャリアパスを積んだほうがいいんだ」とか考えられるんですけど、あまりにも変わるので。なので、わかんないです。
川原崎:でも、GitHubさんは重要なハブになってきますよね。
堀江:いまはそうですけど、会社としても進化しないと、いつ新しいサービスが出て(自分たちが)なくなるかという危機感はありますね。たとえば、タクシー業界はUberが出てきて「え?」って感じじゃないですか。そういうのがいつ起こるかわからないので。
すべての業界が変わっていくなかで、自分が今持っているスキルでは10年後には絶対無理だと思うんですよね。なにか違うマインドセットと、何か違う能力を手に入れないと、できることがすごく少なくなってくると思うんですよ。そこに対してだけの危機感だけを持っているので。これ、答えがわかったら、ぜひ教えてください。
川原崎:わかりました。メールします(笑)。
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