2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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石黒卓弥氏(以下、石黒):メルカリの石黒と申します。よろしくお願いします。今日は「メルカリでどんな採用をしているか」というのを少しお話させていただけるかと思います。
さっき、そめひこさんのお話をうかがって、いい採用というか、進んでいる会社はやっていることが一緒だなと思いました。「とにかく手数を打つ」ことがすごい大事だし、あとは「いろんなものをやりながら、いい物を選んでいく」というのが共通点としてありました。
今日は我々の取り組みを少しお話させていただくことで、ちょっと小さなことですけど、みなさんに何か1つでもお役に立てればいいかなと思って少し準備してまいりました。よろしくお願いします。
簡単に自己紹介をします。メルカリのHRグループというところにおりまして、前職は新卒で10年くらいドコモにいて、今メルカリに来てもうすぐ1年経つところです。ちょうど去年の今頃、(山田)進太郞さんと最終面接をしたのを非常に懐かしく思っています。
ドコモでも人事とか制度みたいなことをやっていたのですが、本当に採用の手法が180度くらい違っていて。
ドコモのときは、数万人のプールから数百人を採用していくというような新卒採用がメインだったんですけど。今は一部を除きほぼすべてが中途採用なので、活きるノウハウもあれば、ぜんぜん違うことやってるなということを日々感じながら奮闘しています。
改めて、メルカリがどんな会社なのかおさらいします。設立は2013年の2月なので、2年半が経過したというような状況でして、サービスのローンチが日本とアメリカです。アメリカが1年遅れというかたちになっています。
日本では2000万ダウンロードを越えたと先日リリースさせていただきました。アメリカも500万ダウンロードを越えて、山田の言葉を借りると、「0から1じゃなくて、1から100の状態にになった」という状況です。
従業員は日米合わせますと、今200名くらいおりまして、この内日本が170名くらいおります。6割近くはカスタマーサポートのチームになっていて、残りがエンジニアを中心としたプロダクトのチームとコーポレートのチームになっています。
ダウンロード数2000万ということになっているんですけど、テレビCMなどのマーケティングがうまく効いてるなと感じています。この半年は、「開発のリソース9割はアメリカのことをやろう」と言っていて、そんな中でのこの伸びはすごいなと感じる部分です。
エンジニアを始めとした開発陣はアメリカに集中してやっているという状況で、いろんなストレスがありながら頑張ってくれています。少しでもいい環境を提供したいなと思い、いいメンバーを入れることによって、さらに開発の速度が進むといいなと思って毎日採用活動しています。
我々のミッションは、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」というもので、バリューが「Go Bold」「All for One」「Be Professional」です。この4つは社員なら誰でも空で言えるようになっています。
たとえば僕たちのオフィスにある会議室の名前は、createとvalueとglobalとmarket placeとanyoneとbuyとsellとboldと、allとoneとprofessionalとなっています。バリューを浸透するために、いろんなところで工夫をしています。
HRグループのミッションというものを半年前の合宿で決めました。「当社にとって価値のある優秀なメンバーを集めること」と「メンバーが思い切り働ける環境をつくること」と「思い切りやったことに対して、適正に評価すること」の3つで、それぞれのバリューに沿ったようなかたちで考えていて、そこに則って日々活動をしています。
特に今日は1番目の話が多いんですが、組織が成長しているので、2番目としてはメンバー間のコミュニケーションなどの話もあります。
この3つの通り、「採用」と「コミュニケーション」と「制度企画」が主なミッションになっています。
今日のテーマなんですけど、「待たない」というのは、要は、「媒体に(求人を)出して待っていてもね……」という話だと思っています。
先ほどそめひこさんのお話でもありましたが、本日のテーマとしては、いわゆるリファラルリクルーティングやダイレクトリクルーティングで、こちらから動いていくことが多いのかなと思っています。
僕たちはいろんなものをブレないようにするために、「リファラル採用」ということをお伝えしてやっていきたいなと思っています。ただ、社員に対しては、「いい人いないー? 社員紹介してくれ、社員紹介してくれ」って非常にわかりやすい言葉で伝えていて、いかにわかりやすく、いかに利用しやすくしていくかを心掛けています。
「リファラル採用」は、ググると「人材紹介会社や求人サイトなど既存の採用チャネルに頼らず、人と人との個人的な繋がりを活用する」と書いてあります。
別に頼ることが悪いというわけではなくて、人材採用サイトにしろ求人サイトにしろ、人と人との個人的な繋がりを活かしていくのはすごく大事だなと思っています。
おそらく今日ここにお集まりの人事のご担当のみなさんも「いいエージェントさんどこですか?」と言われたら、ほとんどの方が会社名ではなくバイネーム(担当者名)でお答えになるんじゃないかなと思っていて、たぶんそういうことじゃないかなと思っています。
「リファラル採用」がやっぱりいいなと思うのは、裏切らないなというところです。これは当たり前なんですけども。人の紹介だからみんなちゃんとした人を紹介するし、紹介されたほうもちゃんと(面接に)来ていただけているな、というのを実感しています。
採用の話を少しずつ進めていきます。いつも2つだけ言っていて、「メルカリの事業に理解とか共感をしている」のが1つと、「当社のミッションを遂行するにあたってのバリューを持っていること」という、この2つをすごく大切にしています。
例えばご紹介いただく方でこういった例があります。「優秀な方なんですけど、XX社もXX社も進んでまして…」と言われることがありますよね。
ご紹介いただく方はどんな方でも、「その方はメルカリ使っていただけてますか? その方はメルカリどのくらい好きですか?」というのを必ずお聞きしていて、「いや、あの……」という話だと、たぶん選考が進まないんじゃないかなと思っています。
先ほどお伝えした2点のうち、1点目のところを持っておきながら、2点目のところも見ていく。シンプルにこれ以外いらないんじゃないかなと思っています。
ここに戻るんですけども。採用においてやっていることは2つです。「採用広報」で、いかに共感されるポイントを表現できるかなと思っていて、後述しますが、とにかくブランディングというか、採用広報にひたすら力をいれています。
「質の担保」というのは、我々もそうですけど、面接官である執行役員だったり、取締役が常に見ていて、面接も非常に丁寧にやっています。
具体的に採用活動でやっていることを大きく4つに分けると、(いろんな媒体でも露出させていただいていますが、)「ミートアップ」とか、特徴的なところで申し上げると「GitHub採用」とか。あと「媒体露出」とか、「採用会食」みたいなことをやっています。
それぞれご説明というか、スクリーンショットで誤魔化していきますが(笑)。
「ミートアップ」ですね。先日2000万ダウンロード記念で初めて100名規模のミートアップイベントをやったんですが、のべ18回・700名を越えるような人材プールができています。前回の記念のときを除いては、基本的には1回20名くらいに絞ってミートアップイベントをやっています。
私が直接お話させていただいた方にはよく申し伝えているのですが、たぶん20名よりも多くなると顔と名前が一致しなくなるんですよね。ミートアップを何のためにやるかというと、もちろんブランディングだったりするんですが、その中に将来の候補者がいたらいいなというところがあって、顔と名前が一致する人数くらいに絞ってやっています。
人数を絞るもう1つの利点は、来た方同士で当然仲良くなりますし、「ここってこういう方が集まる場所なんだな」という、「場の質が高い」というのを感じて帰っていただくと、「あそこに行けばいい方が来る」とか、「あそこに行けばいろんなことが学べる」という場を提供していくのが必要なのかなと思ってやっています。
2つ目が「GitHub採用」ですね。今年の新卒フォームはこれだったんですが、80名を越える応募があって5名の内定です。使ったツールはGoogleフォームのみです。
「1円もかけずに5名の新卒内定者がとれました」と言うと非常に聞こえがいいんですが。何でGitHubだけでやろうとしたのかについて少し解説させていただきます。
まず、情報感度が高く、当社のサービスに共感している学生を採用するため。この応募フォームにたどり着くには、当社の役員だったり、社外役員のみなさんのFacebookやTwitterをフォローしたりしていないとで、こんなこと(GitHub採用)をやっているのがそもそもわからないです。
元々アンテナの感度の高い方にアプローチしているので、ミスマッチが少ない。かつ大学名も書けなければ応募動機も書けないので、応募するほうにとっては非常にハードルが高いんですね。
冗談で、「2行だよ、10秒だよ」って言うんですが、応募にはそれなりのハードルを設けて、一定の採用の質を担保する。もしくはチャレンジ精神を担保する。
2つ目は、能力主義ではなくて、実力主義で判断するため。非常に似ているような言葉なんですが。ポートフォリオもしくはソースコードしか見ませんので。大学名も見ませんし、性別も見ませんし、ましてや年齢も見ませんので、15歳の方が来るか60歳の方が来るか僕らはわからない中で、連絡先のみいただいて採用します。
例え採用できなくても、「非常に大胆な採用手法だね」ということでブランディングできればいいのかなというくらいに思っています。
3点目は、先ほどもそめひこさんからお話がありましたけど、大量のレジュメを見る暇がないということです。例えば5名エントリーがあって、5名内定するのが非常に美しいなと思っていて。人事担当のみなさん、非常に慣れていらっしゃるので忘れているかと思いますが、NGメールを送る時間って相当膨大なんだと思うんですね。
もしくはそのために派遣スタッフやアシスタントを雇ったりしていると思うんですけども、そこを減らしていくというのも考えていくと、結局その時間を他のことに充てることができるんじゃないかなと思いました。
(スライドの)下に、小泉からの言葉があるんですが、「採用が確率論なら、メッセージを強く発信することで、会社をブランディングして、ミスマッチを無くしていくということをやりたいなと思った」ということです。
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