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佐々木紀彦氏講演(全2記事)

「スマホ経済メディアNo.1を確たるものに」NewsPicksが掲げる5つの成長戦略

2015年11月12日、NewsPicksの広告主や広告代理店を対象とした「ブランドデザイン・ナイト」が開催されました。「2016年の5つのメディアトレンド」の予測を発表した編集長の佐々木紀彦氏は、2016年のNewsPicksの取り組みとして、「有料課金モデルの定着」や「『プロピッカー100人』の進化」など、5つの成長戦略を掲げました。

「有料課金モデルを日本に定着させる」

佐々木紀彦氏(以下、佐々木):それでは、こういったトレンドに則った上で、「ではNewsPicksはどうするのか?」という話を後半でさせていただければと思います。

まず1つ目。「有料会員特典のパワーアップ」ということでして。ちなみに、今日来てくださっている方で、有料会員になってくださっている方はどれくらいいらっしゃいますでしょうか? (会場を見ながら)2割くらいですかね。みなさん、ありがとうございます。なっていない方は、何でなりませんか?

参加者:もうちょっと様子を見ようかなと(笑)。

佐々木:そうですよね。まだみなさんのご期待に十分応えられていないなと。ということで、もうすでに有料会員になってくださっている方もすごくありがたいんですけど、さらに多くの方、そして既存の方々にもより楽しんでいただけるために、有料会員の特典のパワーアップというものをしていかなければいけないなと思っています。

今年(2015年)、目標に掲げた有料会員の数よりも上回るペースで上がってはいるんですけども、これは来年かなり加速させない限り、「有料課金モデルを日本に定着させる」という我々の挑戦は成功しているとは言えません。この意味で、いろんな取り組みをやっていきたいなと思っております。

具体的には、例えば検索機能。今も提供していますが、それをさらに強化したり、先ほど坂本(大典、NewsPicksビジネス開発 ディレクター)からもご紹介させていただいた、SPEEDA(スピーダ)という企業・業界情報プラットフォームと紐づけるようなサービスを作ったり、有料会員限定のイベントを、大、中、小と増やしていったり、あらゆる手段を使って、NewsPicksの有料会員になっていたらカッコイイとか、得とか、そういったイメージをつけられるような取り組みをやっていきたいと思います。

もちろん大事なのはコンテンツですので、コンテンツ面でもいろんな新しい取り組みをやっていきたいと思っています。その意味で今、「イノベーターズ・ライフ」という、イノベーターの歴史といいますか、過去を探っていく時系列のコンテンツが非常に人気があります。

それの派生バージョンとして、「イノベーターズ・トーク」ということで、いろんな各界のイノベーターたちを2人呼んできて、徹底的に対談してもらうというコンテンツを、ちょうど来週の月曜日から始めようと思っています。最初に出てくる人がホリエモン(堀江貴文氏)さんと、DMMの亀山(啓司)さんなんですけど。

まだ完成形ではないんですが、動画もいろいろ作っています。いろんなメディアの表現がある中で、やはり動画というのは強烈ですから。動画のノウハウも取り入れつつ、いろんな取り組みをやっていきたいなと思っています。

「『プロピッカー100人』の進化」

2つ目、「『プロピッカー100人』の進化」というところで、先ほどのプレゼンでも、プロピッカー100人を紹介しましたが、必ずしも、コメントしていただくことだけでプロピッカーの方々とのお付き合いを終了させようとは思っていません。ぜひ、プロピッカーの方々は同じNewsPicksファミリーのようなかたちで、いろんな面でコラボしていきたいと思っております。

例えば、我々がエージェントとしてプロピッカーの方々をプロデュースするとか、書籍を出していただくとか、イベントに登壇していただくとか、もしくはみなさんと一緒に作っていただくブランドデザイン広告にもご登場していただくとか、そういったかたちで、プロピッカーの方々との協力を深める。

そして、プロピッカーに選ばれることが、すごく名誉になって、そこからいろんな分野のイノベーターがどんどん生まれていって、NewsPicksがプロデューサーになっていくという。そういった、ポジティブなサイクルを回していきたいと思っています。

すでにメンバーの方がいろいろいらっしゃいますけど、100人という数は変えないと思うんですが、来年、ここにいろんな新しい方がいらっしゃいましたら、どんどんプロピッカーになっていただきたいと思います。みなさん、公募も受け付けておりますので、私がなったほうがいいんじゃないかという方がいらっしゃいましたら、ぜひどんどん応募していただければと思います。

東京の「西海岸」から「東海岸」へ

3つ目が、「東海岸への進出」です。まず、「東海岸ってなんぞや」というところから説明しなきゃいけないと思います。これは私のアイデアではなくて、『ハーバード・ビジネス・レビュー』の編集長の岩佐(文夫)さんという方に聞いたアイデアなんです。ここでいう東海岸というのは、東京における文化のことを言っています。

私は最近、東京には2つのカルチャーがあるということを強く感じておりまして、具体的にどこで分けるかは議論がありますが、おそらく千代田区あたりが分けられる側面じゃないかなと思っております。

西海岸というのは、渋谷や六本木など、ITやスタートアップが強いエリアです。一方の東海岸は、丸の内や霞ヶ関など、どちらかというと、エスタブリッシュメントな人たちがいる場所です。

この2つの文化というのが、予想以上に違って、予想以上に分断しているというのを、私は12年間東洋経済(新報社)という、東海岸の典型のメッカのところで過ごしてきたんですが、この1年3ヵ月前に西海岸に移ってきて、こんなにも違うのかということを痛感したわけです。

例えばどういうふうに違うかと申しますと、典型例をあげてみました。西海岸は渋谷・六本木で、みんなホリエモンが好きなんですね。そしてみんな、服はTシャツを着ていると。それで起業が好きで、PCはMacを使っています。そして自由が好きで、進歩主義な方。

一方、東海岸は丸の内・霞ヶ関。そしてみなさん好きなのが、新浪(剛史、サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長)さんのような、大企業で出世していかれる方。そして、スーツが好きで、Windowsを使っているということです。

ここに、カルチャーの分断があるんですけど、次の(スライドの)図で示しましたように、西海岸と東海岸が分断している限り、日本のビジネス界はおもしろくならないということを、強く感じるわけです。

我々は今、西に強くて東に弱いんですが、我々がバイリンガルとなって、東にちゃんと進出することによって、ここを繋ぐ。特に西海岸と東海岸のフォワードの人たち、攻めてる人たちをどんどん繋げていきたいと思います。

攻めの人たちを繋げることで、例えばイノベーションが西にも東にも還流していって、規模が大きくなると思うんですね。

そういった触媒になることが、NewsPicksのメディアとしての役割なんじゃないかと思っています。ですので、その意味でも我々は東海岸の方にも読んでいただけるようなコンテンツを来年は増やしていきますし、マーケティングの企画としましても、東海岸の方々にどうリーチできるかというところに力を入れてやっていきたいなと思っています。

「単月黒字化」の公約を果たせるか

4つ目は、「単月黒字化」ということです。メディアは公共性の強いビジネスですけれども、やはりビジネスですので。ちゃんと稼がない限り、コンテンツにもテクノロジーにもしっかり投資ができません。ですので、社長の梅田(優祐)の視点でも、ちゃんと黒字化して稼ぐことが何よりも重要だ、ジャーナリズムを追求するためにも大事だということを常々言っております。ですので、来年は「単月黒字化」、これを公約しております。

これを言わざるを得なくなったのは、梅田が最近、朝日新聞の「withnews」というインタビューで言ってしまったんですね。「ニューズピックス黒字化『来年初頭に』」と、タイトルにまでなってますので、やはり真実を追求するメディアとしましては、自分たちが言ったことを守らないと誰にも信じてもらえなくなりますので。言ったことは守る、ということで、しっかりと黒字化を達成していきたいと思います。

スマホ経済メディアNo.1の地位を確固たるものに

そして最後5つ目は、先ほど坂本も申しましたが、「スマホの経済メディアとして、圧倒的No.1の地位を確固たるものにしていく」と。これが我々の一番大事な任務だと思ってます。

NewsPicksの会員ユーザー数は、今年中に100万いく見込みです。さらに来年は最低でも200万。200万は最低レベルだと思ってます。それをさらに突き抜けて、これまでの増加率を上げて、ぐっと上がっていくような、そういった軌道を描くくらいのメディアにならなきゃいけないなと思ってます。

メディアというのは、単なる触媒といいますか、仲介役に過ぎない面もあるんですけれども。やはりメディアが変わっていくと、情報によっていろんなビジネスパーソンの方々もマインドが変わって、それによって行動が変わって、いろんな方々の働き方も変わってくると思うんです。

ですので、メディアにおけるイノベーションを起こすことで、我々も、日本と世界のビジネス界を少しでもおもしろくできるように、頑張っていきたいと思います。ですので、黒字化できるように、みなさんぜひよろしくお助けいただければと思います(笑)。それでは、ご静聴いただきまして、ありがとうございました。

(会場拍手)

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