2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
リンクをコピー
記事をブックマーク
小池栄子氏(以下、小池):あ、お二人を迎えて、今日はこんなテーマを用意しました。はい、「メディアの進化と融合」ということですが、龍さん、このテーマはなぜ?
村上龍氏(以下、村上):メディアというのは、インターネットの出現で、すごくそのシステムにしても機能としても随分変わったと思うんですよね。
どう変わったかというのは、あまりにもテクノロジーとかプラットホームとか、デバイスの進化が早いので、なかなかみんなうまく把握できない。
例えば僕がやっている本とか出版の世界で言うと、昔は雑誌とかがあって、それで原稿を書いて、編集者と出版社を通って、印刷所で印刷して、取次が本屋さんに卸して、読者の人がそれを買う。それしかなかったんですよね。
でも、電子書籍が出てきてからは、ものすごく複雑になって、多分映画の世界でもそうだと思うんですが、音楽とかだと、もうレコード屋さんが、大きなレコード屋さんが次々に潰れていくときに、スピードが速いなと思ったんですよ。
今、CDの発売数では、ヒット曲はなかなか計れなくて、ダウンロード数で計るというような時代なので、便利にはなっているし、広がりもあります。
けれども、複雑になってしまったので、お二人に色々とお聞きしようかなと思って、「メディアの進化」ということをタイトルにしてしまったのですが。
小池:今日来ていただいたお客様の中にも気になっている方がたくさんいらっしゃると思いますが、川上さん、角川との経営統合ですけれども、どういった狙いがあったのかを、簡単に教えていただければと思います。
川上量生氏(以下、川上):狙い。僕もあちこちしゃべって、あちこちでこのテーマを聞かれるんですが、そこで大体いつも本音でしゃべっているんですが、わからないんですよね。単純に、角川会長が一緒になろうと言っていたことはね……。
村上:わからないというのは、何がわからないんですか。
川上:狙い。
村上:狙いが。
川上:特にないんですよ、別に。
村上:ドワンゴのほうにないと。
川上:ドワンゴのほうに、角川もないんじゃないですかね。
小池:角川が持っている本や映画を具体的に活用していこうという戦略みたいなものは、おありだったりはするわけでしょうか。
川上:多分、漠然としたものはあるんだと思うんですよね。要するに、出版の従来のメディアと、ネットメディアの融合は、抽象的な話としては分かるじゃないですか。
ただ、具体的にそれがどうやったら解決があるのかというと、現時点で明確に見えているものがあるわけではないから。多分この方向というのはあるけれども、具体的にというと、それは分からないですよね。
村上:なるほどね。
川上:分からない状態で言われたので、しかもドワンゴで言われたから、「じゃあ、ちょっと、うちがやってやろう」と思っただけで。
村上:なるほど。川上さんらしいですね。僕がそのニュースを見て思ったのは、角川がドワンゴを欲しいというのは何となくわかるような気がしたんですが、で、歴彦さんもおっしゃったみたいですが、プラットホームが欲しいと。
川上:はい。
村上:だからわかるんですけれども、川上さんは何が欲しくて角川と組んだのかなというのがわからなかったので聞いたのですが、自分でもわからないのだから、もうこれで……。
川上:いや、実は、何かみんなわからないじゃないですか。わからないものをやったら、かっこいいですよね。
村上:ああ、なるほどー。
川上:できそうな気がします。はい。もうそれだけですよ。
小池:宮坂さんは、このニュースをごらんになって、何か思われることとかありますか。
宮坂:最初は驚きましたよね。でも、すごくわくわくはするニュースでしたね。それも、色々な出版社がある中で角川さんと、色々なIT企業がある中で川上さんのところというのは、両方ともある種、すごくユニークな、それぞれの業界でユニークな者同士ですから、すごく面白いですよね。
おっしゃるように、総論オーケーな形がこの頃多いんです。シナジーとかいうんですか。実際に、七転八倒になるのが多いので。でも、すごく楽しみですよね。実際にどのようになっていくのか。本当に楽しみなところですよね。
村上:「分からない」と言う経営者は、どう思いますか。
宮坂:そう言えるところがすごいですよね。僕なんて、一応分かっているふりをして、「今は言いません」というのが。
川上:でも実際に、本当は分からないことが多いはずですよね。ほとんどの経営者は。それを分からないと言えないだけで。
村上:それは具体的に言葉にできないだけで、本能的なところでは何か感じているわけでしょう。
川上:本能的な部分……うーん。
村上:結構本能的な部分があるじゃないですか、川上さんは。「これは違う」とか、「これはそうだ」とか、何か。
川上:僕は、大概うまくやっていける自信があるんですよ。どんなものでもね。別に角川というか、別のものでもよくて。
村上:角川じゃなくてもよかったんですか。
川上:はい(笑)。いやいや、角川がすばらしい理由は色々あったわけですよ。もちろん、色々あったけれども、「絶対角川じゃなければいけない」というわけではなかった。というか、絶対角川じゃなければいけなかったら、みんな、そもそもこんな質問は出ないと思うんですよ。
村上:だったら、みんなが思うように、角川が持っている書籍とか雑誌とか、あるいは昔からつくってきている映像とか、そういったものが具体的に欲しかったというわけではないんですね。
川上:欲しかったというよりは、コンテンツ業界はパワーがあるのにIT企業にだまされていいようにされてきたという歴史なんですよね、僕の目からすると。自分の持っている価値に気づかずに、ただ時間だけ経ってしまってというのがあって。本当はIT企業がもっと困るようなことが色々できるのに、何でやらないんだろうと思ったので。
ちょうど角川さんと話した中で、そう思っているような部分の幾つかを実現できればなとは思っていますけれどもね。でも、それはどちらかというと、そこをやりたいというのではなくて、「ほらっ」と見せたいというのがありますね。「こうやれば、よかったじゃん」みたいな。それを見せたいと思っています。
関連タグ:
2024.12.20
日本の約10倍がん患者が殺到し、病院はキャパオーバー ジャパンハートが描く医療の未来と、カンボジアに新病院を作る理由
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.17
面接で「後輩を指導できなさそう」と思われる人の伝え方 歳を重ねるほど重視される経験の「ノウハウ化」
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
Climbers Startup JAPAN EXPO 2024 - 秋 -
2024.11.20 - 2024.11.21
『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜
2024.12.07 - 2024.12.07
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05