
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
宮崎正勝氏インタビュー(全1記事)
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─本書の表紙には、人類の歩みを「早送りでフィルムを再生するように読む」とありますが、これについて、宮崎先生の考え方を教えてください。
「視点を固定化させずに、全体の流れを見ましょう」ということです。いままでの世界史は、西洋史・東洋史などと地域ごとの歴史に分けて見ていく方法が一般的でした。しかしこの方法では、視点が固定化され、視野が狭くなってしまいます。そうすると、世界史の魅力であるダイナミックさが見えなくなってしまいます。
これだけ国際的になり、またインターネットが広く普及している時代を生きる人たちが歴史を理解するには、まずは細かな事象に目を奪われるのではなく、鳥瞰的、雲の上の視点から世界史をザックリと見て、理解することが大切だと思います。
その中でもっと詳しく知りたい地域や時代が出てきたら、個別に該当分野の本を読んで詳しく勉強していけばよいでしょう。
─世界史を理解する際のポイントとは何ですか?
歴史の大きな流れ、トレンドをつかむことです。世界史は時代とともに、その時々の中心となるプレーヤーが変わっていきます。その動きをおさえながら、歴史の流れをつかむことが重要です。中心となるプレーヤーに必要なのは「軍事力」と「経済力」。ただし、面白いのは、それ以外にも「運」という要素が重要なことです。「運」は、変化を起こす条件の集まりです。
たとえば、ユーラシア大陸に広大な国家を築き上げたモンゴル帝国は、決して実力だけでそれを成し遂げたわけではありません。事実、モンゴル帝国を復活させようとしたティムールは、強大な軍事力・経済力を持ちつつも、途中で病死してしまい、チンギス・ハンのような大帝国を築くことができませんでした。
また、砂漠地帯のアラビア半島からイスラム教徒の大征服運動が起ったり、アレクサンドロス大王がペルシャ帝国への遠征を成功させたのも、はっきり言って偶然の要素が強いと言えます。
しかし、世界史を勉強していくと、運を含めた小さな事象の積み重ねが、結果として大きな勢力に成長していく様子を見ることができます。これがトレンドとなり、世界全体を動かす勢いにつながるのです。
─先生はカルチャースクールで社会人にも世界史を教えられていますが、こうした人たちが歴史を勉強する意義について、どう思われますか?
先ほど述べた世界史のトレンドがどのようなものか理解できるようになると、今度は、現在の世の中の動きが過去の歴史とどう繋がっているのか、理解できるようになります。
たとえばインターネットにしても、当初はアメリカで軍事用に開発されたものですが、それが民間でも使われるようになり、さまざまな思惑が重なることで、現在のような一つのトレンドとなりました。
なぜ、インターネットがそうなっていったのか、社会人の皆さんにはぜひ考えてもらいたいと思います。特にその事象の背後にある、時代の動きや変化に目を向けてみてください。そうすれば、やがて自分で世の中に変化を起こし、トレンドを作り出すことが可能になるかもしれません。
カルロス・ゴーンなど著名な経営者には、歴史好きな人が多いようです。少しでも多くのビジネスパーソンが歴史から変化の法則を学び、動きを起こせる人材になってもらいたいですね。
─先生は長年、世界史を教えられてきましたが、昔といまとでは歴史の教え方が変わったと感じる点はありますか?
昔は、歴史の授業というと出来事の羅列という印象を持つ人が多かったと思います。いまの歴史教育ではそのような面はできるだけ抑えて、説明することを重視するようになってきています。
私が教えているカルチャースクールの授業でも、「なぜ、こうなったのか?」「こことここがどのようにつながるのか?」といったように、歴史の動きが受講者の方に理解できるよう、心がけています。
─最後に、読者に本書の魅力をお伝えください。
本書を一度読んでもらえれば、大まかな世界史の動きがある程度はつかめるようになります。もしわかりにくいところがあったら飛ばしてもよいので、細かいことは気にせず、「こんな感じで歴史が動いてきたのか……」と思いながら、どんどんページをめくってください。サクサクと理解できるつくりが、本書の魅力です。世界史をほとんど知らない人にも理解できる内容ですので、少しでも歴史に興味のある方は、ぜひ手に取ってみてください。
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