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シリコンバレーはもう古い!? ~ アジアで働くエンジニアのオルタナティブな生き方(全5記事)

スマホのロック画面に広告、ユーザーに通信料金をプレゼント--YOYOの「PopSlide」がアジアで人気

海外(主にアジア)で活躍するスタートアップ3社のエンジニアが集合。「アジアで働くエンジニアのオルタナティブな生き方」をテーマにグローバルな働き方を目指す技術者に向けて語られました。このパートでは、東南アジアを中心にサービスを展開する、モバイルインターネットを無料化するアプリ「PopSlide」のYOYO Holdings・尾崎良樹氏が自社サービス開発の流れについて語ります。

アジアで活躍するスタートアップ3社のエンジニアが集合

カン・スニ氏(以下、カン):では皆さまお待たせいたしました。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

「Asia Dev Night Vol.1」ということで、今日は3社のエンジニアに集まってもらっています。私はYOYO Holdingsプロダクトマネージャーのカン・スニと申します。私も一応YOYOの一味ではあるんですけど、公平な立場でいろいろ質問したりつっこんだりしたいと思っております。

では、まず登壇者を簡単にご紹介させていただいて、そのあと各社から会社の紹介を各10分くらいでしていただこうと思っています。

だいたい20時頃からパネルディスカッション。そして後半10分15分質疑応答の時間を設けようと思っておりますので、皆さま楽しみにお待ちください。

21時頃に一旦パネルディスカッションを締めさせていただいたのち、懇親会を予定しております。

お飲みものと食べものを21時頃にご用意いたしますので、ちょっとそれまでお腹空くかもしれないんですけど、しばらく皆さんお待ちください。22時頃に終了を予定しています。よろしくお願いいたします。

ではまず紹介させていただきます。YOYO Holdings、CTOの尾崎さん。同じくYOYO Holdings、Lead Android Developerの代蔵さん。

次、Quipper、Web Developerの長永さん。最後、ウォンテッドリー、リードエンジニアの相川さん。皆さん心の準備はよろしいですか?

では最初、YOYOのCTO尾崎さんからご紹介を。

YOYOの名前の由来は「洋輔と良樹」

尾崎良樹氏(以下、尾崎):初めまして。皆さんこんばんは。YOYOのCTOをやっております尾崎と申します。いまから3社の会社紹介ということで、まずYOYOの会社説明と、あとどういうサービスやってるかとか。

今日はエンジニアの方がほとんどだと思うので、最後に技術的な話をちょっとさせていただいて、紹介とさせていただきます。

ここにいま出ているのはPopSlideというサービスで、我々がいまメインでやっているサービスです。簡単に言うとロックスクリーンに広告が出て、スワイプするだけでポイントが稼げてプリペイドの料金に変わるというのがあるんですけど。ちょっとあとで詳しく説明します。

最初に自己紹介なんですけど、私は尾崎という名前で、フィリピンに普段いるのでイングリッシュネームがあって。ザックと呼んでください。

年齢は28歳で、好きな言語はPerl。会社でもPerlをやってます。AWSも結構使っていて、好きなのはSQSと、あと最近東京のリージョンでも出たElastic Container ServiceというDockerのマネジメントが簡単にできるよ、というAWSのサービスですね。それを結構うまく使いたいなと思っていまいろいろ見ています。

私は前職DeNAで3年ほどモバゲーの開発をやってまして。ゲームのほうじゃないですけど。モバゲーの本体のほうの開発をやっていました。普段フィリピンにいまして、会社を始めてから移住したのでもう2年8ヵ月ぐらいになります。

ちょっと自慢気に書いたんですけど、フィリピンにいると英語が上達するよということで。とくに勉強はしていないんですけど、最近受けてみたら行く前に比べて250点ぐらい伸びてた、みたいな。

まあ写真はこんな感じで爽やかになりましたよ、みたいな。ちなみに右の後ろのきれいなのがフィリピンの海なので、こういうビーチもあります。そんな感じです。

会社の紹介なんですが、YOYO Holdingsが正式名称なんですけどYOYOという名前でやっていて。今日はCEOの深田も来ているはずなんですけど。2人ともDeNAの同期で、同じタイミングで会社を辞めてフィリピンに移住して会社を始めたというのが設立のきっかけですね。

YOYOという名前ですが、深田の「洋輔」と私の「良樹」でYOYOという。これが由来です。あとは世界どこでも読めるというのと、覚えやすいというのと、あと日本語で前途洋々という言葉があるので縁起がいいなということで。

本社の登記はシンガポールにあって。従業員はマニラが一番多くて20人ぐらい。ジャカルタに営業拠点があって3人。

それが現在のオフィスの状況なんですけど。本当にすぐベトナムでもオフショアの開発を検討しているので、拠点がもうすぐ増えるかなというところですね。

5月末にニュース、もしかしたら見られた方もおられるかもしれないですけど、KLabというソーシャルゲームの会社から出資を受けたりとか。あとはグリーベンチャーズさんとか、サイバーエージェントベンチャーズさんから出資を受けています。

これオフィスの近くの公園で撮った写真なんですけど。フィリピン人がいたりインドネシア人がいたり、結構多国籍な感じでやってます。こんな感じの会社ですというのを最近撮ったので載せてみました。

東南アジアに特化したアプリ「PopSlide」

尾崎:PopSlideというサービスの紹介もさせていただきます。ターゲットとしては、日本ではちょっとやっていないサービスで、新興国、とくに東南アジアに特化してやっている、しかもAndroidに特化したロックスクリーンアプリという形でやっています。

ロックスクリーンに広告を出して、その代わりユーザーさんにはプリペイドの携帯の通信料金を渡します、という形でサービスが回っていくという。

プリペイド携帯の通信料金というのはちょっと日本の方はなかなか馴染みがないのかもしれないですけど、新興国では9割以上がプリペイドの携帯なので。日々使う分だけ買ってまた無くなったら買ってという形で、プリペイドで携帯を使っていくというのは結構一般的です。

もうちょっと具体的に説明すると、一番左がロックスクリーンの画面で、例えばネスカフェさんに広告を出していただいたとして、ユーザーはそれをもっと見たいなというときは左を見ると、もっと詳しいページに飛ぶという仕組みになっています。

ポイントがある程度貯まると「何円分換える」というのと「どのキャリアに」というのを選んで、そのあと送りたい電話番号、自分のでもいいし友だちのでもいいし、というのを入れるとその場でポイントが携帯の通信料金に変わる。

それで、携帯料金がユーザーの携帯に届きます。ユーザーはそれをすぐ使うことができると。こういう形のサービスになっています。

どのようなロックスクリーンが出ているかというと、当然新商品の広告やアプリの情報も出るんですけど、広告だけじゃなくてニュースや天気予報というコンテンツもロックスクリーンに出しています。事例としてはこういう形でいろんな広告主さんに使っていただいていますよ、と。

ちなみに一番右のは最近メイウェザーとパッキャオのボクシングがあったと思うんですけど、パッキャオはフィリピンの英雄なのでそういうのも出てたりしていましたという事例ですね。

右上とかはニュースですね。左上の2つはアプリの宣伝と。いろんなバリエーションがあります。

いまダウンロード数はトータルで60万ありまして、サービス始めてから1年やってないぐらいですね。フィリピン、インドネシア、ベトナム3ヵ国でやっています。ユーザーは一番インドネシアが多いですね。

我々の目指している世界は、会社のビジョンでもあるんですけど「モバイルインターネットを世界の人びとに」ということを掲げてやっています。要は通信料金をプレゼントして、その分ユーザーはインターネットにもっとアクセスできると。

我々としては、なかなかインターネットにアクセスするのが難しい人々でも、我々のサービスを通じてそういう機会を得てほしいなという思いでやっています。

下に書いてるんですけど「テレビとかラジオってなんで無料なの?」というと、広告主がうまいことスポンサーして、それでお金がいい感じに回っていると思うんですけど、そういう仕組みをインターネットでもできないかなということで。

モバイルインターネットも同じような形で無料にできるんじゃないかと考えて、そういう世界を目指して我々いま挑戦しているというところです。

これからは全然違う話で、どういう技術を使っているのかを軽く説明させていただきます。Androidのクライアントアプリがあって、バックエンドにAPIがあって、それはPerlのAmon2というフレームワークを使っています。

インフラは全部AWSのシンガポールリージョンで。東南アジアなので1つのリージョンで済んでいるんですけど。Hive使ったりとかあとDockerとかもプロダクションで使ったりしてます。

あとはモダンなところで言うとログ収集をFluentdとか、あとElasticsearchとKibanaを組み合わせてやって、システムの負荷が、どこがレスポンス遅いかとかそういうのに使ってるんですけど。いまのところ結構入れて良かったなと。

Kibana4をまだβの時代から試していましたね。ようやくいま正式版にKibana4もなったと思うんですけど。

これはAndroidのクライアント側のアーキテクチャになっていて、いわゆるMVVMという形で作っています。彼(代蔵氏)がAndroidの責任者なので興味があれば聞いてください。ライブラリは結構モダンなのを使っていて、reactive programming, RX Androidとか、SquareのRetrofitとか、あとRetrolambdaというのを使ったりしています。

あとCIも結構やっていて、CircleCIとかそういうのを組み合わせて。ビルドしてテスト通ったらデプロイゲートに上がります、みたいな。そういう仕組みも頑張ってやってます。

新興国はインターネットが遅い

尾崎:あと新興国の独特の話題というか苦労している点で、やっぱりインターネットが遅いというのがあって。アプリケーションの容量が大きいとそれだけでダウンロードがされにくかったりするんですね。それをいかに減らすかというのが結構課題になっていて。

最近TechCrunchでニュースになっていたので読まれた方もいるかもしれないですけど、Facebook Liteという、Facebookが軽量版を新興国に向けて別アプリで出していて。

200キロバイトぐらいしかないんですね。アプリの容量自体が。それでも、一部の機能は削られているんですけど、まともに動くと。それを参考にしてどうやってるのかなって見たら、ライブラリ使わずに全部Pure Javaで書いてた、みたいな。

さっきライブラリをこういうの使ってますって言ってたんですけど、あれ使ってるとサイズが膨らんじゃうので。いまはPopSlideが10メガ超えてるんですけどそれをもっと減らそうということで、APIとの通信部分もPure Javaで、ライブラリの使用をやめて。なんか時代の流れに逆行してるんですけど(笑)。もしそういうのに興味ある方いたらあとで話しましょう。

ただまあ、どうしても入れないといけない、広告出すのに使っているようなSDKとかあって。それ入れちゃうと問答無用で1メガ増えるな、みたいな。

最近はそういう戦いをしています。これはたぶん日本だと1メガぐらいいいじゃん、という話になると思うんですけど。結構そういうのが大事なので拘ってやっているところですね。以上です。細かいことはまたパネルディスカッションで話します。ありがとうございました。

(会場拍手)

カン:尾崎さんありがとうございました。では次、Quipperの長永さん、準備をよろしくお願いいたします。じゃあその準備の間にYOYO尾崎さん、さっき集合写真があったと思うんですけど、日本人とかインドネシア人、フィリピン人の国籍分布はどんな感じですか?

尾崎:一番多いのはフィリピン人で10人ぐらいですかね。次に日本人で7人かな、いま。インドネシア人が5人とかですかね。あとベトナム人もいま2人手伝ってもらってます。なのでかなり多国籍かな。

カン:開発拠点はマニラなんですね?

尾崎:そうですね。開発拠点は基本的にはマニラで。日本でリモートの方も一部いるんですけど、ほぼマニラでやってます。

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