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DMM.Africa Presents ABIC優勝者来日記者会見(全2記事)

日本×アフリカのビジネスチャンスはどこにある? DMM.Africaの今後の展望

2016年10月3日、DMM.Africaがメインスポンサーを務めた東アフリカ最大級のビジネスコンテスト「DMM.Africa Presents Africa Business Idea Cup 2016」の優勝者来日記者会見が開催されました。会見では、ケニアから来日した優勝者アンジェラ・ワンブイ氏やDMM.comの亀山敬司会長が、日本とアフリカにおけるビジネスの展望を語りました。

DMM.Africaの2つの狙い

司会者:まず始めに、DMM.Africaを代表しまして、アレックス・カプングさんに事業説明をしていただきます。アレックスさんお願いします。

アレックス・カプング氏(以下、アレックス):ありがとうございます。DMM.Africaのアレックス・カプングと申します。

DMM.Africaは、DMM.comのグローバル化を促進するための新規事業として、2015年12月に始動しました。アフリカをはじめとする新興途上国におけるビジネスチャンスを模索するチームでございます。

チームのメンバーは、20代から30代の25名です。すでに何名かがアフリカの現地に行って赴任して、ビジネスの種を探しています。

アフリカだけではなくヨーロッパやアジア、中南米などのさまざまな地域の出身者がいまして、アフリカに限らず、振興途上国を中心に、世界中へのビジネスを目指していきます。

現時点でのチームの方向性は大きく分けて2つあります。1つはDMM.comグループが築き上げてきたさまざまなビジネスモデルを世界に展開するということです。

みなさんご存知のとおり、DMM.comグループは動画配信やゲーム、英会話というサービスのオンラインプラットフォームがあります。

そのほかにも、国内のスタートアップ企業が開発したハードウェア製品を展開するプラットフォームであるDMM.makeや、ソーラーパネルなどの販売を行うDMM.energy、VRシアターを展開するDMM.futureworksなど、多角的な事業展開を行っています。

DMM.AfricaはDMM.comグループのグローバル化の象徴として、このような多様なビジネスを世界市場に拡張させていきたいと考えております。

もう1つは、日本が持つリソースを活用することにより、アフリカにおけるイノベーションを促進することです。

例えば日本とアフリカの組織や人々をつなげること、それぞれのナレッジや商品を相互に市場展開すること、また若く活動力に満ちた人材に新たな事業創出の機会や環境を提供すること。

このような活動を通じて、アフリカにおけるイノベーションを促進させていきたいと考えています。

DMM.Africaはこのたびのビジネスコンテスト、ABIC(DMM.Africa Presents Africa Business Idea Cup 2016)にメインスポンサーとして関わらせていただきました。このような取り組みは、アフリカの将来を担う才能あふれる若い人材を支えていくことにつながると考えたためです。

東アフリカ最大級のビジネスコンテスト開催の経緯

司会者:続いてはTricksterの園部さんより事業説明をしていただきます。園部さんお願いします。

園部篤史氏(以下、園部):はい。代表取締役社長を務めております、園部篤史と申します。弊社Tricksterは、2014年にタンザニア現地で創業した広告代理店です。

僕らはアフリカにおける日本のプレゼンスを高め、また日本の企業のプロモーションをかねて活動することを目指しております。

過去の実績としましては、タンザニアで毎年7月に開催されます国際商業見本市、通称「サバサバ」において、日本より8名のアーティストを招集して日本文化祭りを開催しました。

また日本酒販売におけるマーケティング事業、また日本に拠点を置かないアフリカでサービスを展開する企業さん方の、現地の広告を担当させていただいております。

現在は主催させていただきましたABICの運営に加え、日本のアニメーション販売にも注力しております。今後も成長していくアフリカ市場において、広告のあり方というものを提示できる企業でありたいと思っております。

今回大会を開催するにいたった経緯になりますが、日本企業がアフリカ進出において二の足を踏んでいるところとしまして、弊社としてはリアルなニーズの情報の欠如や、また事業を展開するうえで、それを共に律することのできる現地人材の不足。こういった2点を非常に大きな問題として考えておりました。

また現地の方々の声やアイデア、そして野心に目を向けることが、日本に対してアフリカのポテンシャルをより鮮明にお伝えできるんじゃないかと思い、まさにその思いがDMMさんと一致したのではないかと考えております。

5ヵ国・350人の応募者から優勝者を選出

本大会ですが、ケニア、ザンビア、ジンバブエ、タンザニア、ルワンダの5ヶ国を対象に開催いたしました。今年の4月より約1ヶ月の応募をオンラインを中心に行い、1ヶ月で約350の応募者が集まりました。

1次審査は提出された書類審査で行い、各国15名から20名が2次審査へと進み、各国プレゼンテーションによる2次審査を行いました。

審査員には、各国それぞれビジネスを熟知する起業家や実業家のみなさんに務めていただき、ケニアでは先日のTICAD VI(ティカッドシックス、第6回アフリカ開発会議)において、安倍首相から名指しで紹介いただいた澤田霞さんという日本人の方、またルワンダではFacebookの創始者のマーク・ザッカーバーグさんとの対談も果たしている(ジャン・)ボスコさん、みなさんをご紹介できないんですが、とても素晴らしい、今後のアフリカビジネスの中心になる方々に務めていただきました。

2次審査を経て、各国2名、合計10名が決勝へと進出しました。決勝当日は300人の来場者に加え、ゲストとして在タンザニア大使館より、岡田(眞樹)大使や、JICAタンザニア事務所の長瀬(利雄)所長にご挨拶をいただきました。

また審査員には弊社会長の金城(拓真)と、また東アフリカ共同体のアドバイザーをされている藤江顕さん、世界銀行民間投資部門の小辻洋介さん、また実業家の堀江貴文さん、一橋大学の米倉誠一郎教授といった、豪華な方々に務めていただきました。

選りすぐりの決勝進出者の中、5名の審査員による厳正な審査の結果、見事、ケニア代表のアンジェラさんが優勝を果たしました。優勝の賞品として、賞金の5000ドルに加え、日本へのビジネスビザが授与され、現在日本に来ております。

今回の渡航では、日本のスタートアップ、ビジネス環境の視察や弁護士との意見交換、大学での講義や東アフリカからの政府関係者からのネットワーキングなどなど、非常に濃い内容となっております。

滞在は9日と限られた時間ではありますが、大会の優勝という結果で終わらせるのではなく、実際に事業を拡大していくまでをサポートしたいと考えております。

DMM.AfricaがABICのメインスポンサーになった理由

司会者:続いては、DMM.AfricaがABICのメインスポンサーになった理由や狙いについてアレックスさんより説明していただきます。

アレックス:DMM.Africaはメインスポンサーとしてのこのたびのビジネスコンテスト、ABICに関わらせていただきました。

アフリカの将来を担う優秀な人材を支えていくことは、我々の1つの方向性であるからです。

DMM.Africaは単なるスポンサーとしてだけではなく、コンテストの運営そのもの、メンターとして活動しました。

コンテスト期間中、DMM.Africaのメンバーが現地に行って、コンテスト参加者のみなさんと一緒に、各人のビジネスアイデアをさらに良いものを用意するためにメンターシップ活動を行いました。

各国の代表者に2組ずつ、合計10名がタンザニアに集まったあとにも、決勝大会に向けて1週間ほどの強化合宿も行いました。

合宿中、コンテスト参加者とDMM.Africaのメンター2対1で、資料の作り込みやプレゼンテーションの練習も行いました。

この強化合宿はそれぞれの国の代表者が1か所に集まり交流することでもあったため、異なる国から集まった起業家同士がネットワークを構築し、相互に影響しあう機会にもなったのではないかと考えています。

このようにアフリカ全土へのスタートアップ支援を、さらなるレベル向上に起用する活動に関わることができたことを誇りに思います。

DMM.AfricaがABICのメインスポンサーとなった理由はもう1つあります。その理由は、我々自身が今後アフリカにおいて、さまざまな事業展開を行っていくうえで、必ず必要となる貴重なリソースを獲得するためのチャンスであると考えたからです。

集められた多くのアイデアに接したことにより、アフリカの市場に対する我々の理解も大いに深まりました。

どの国のどの業界が、どのような課題を抱えているのかを知り、どこにビジネスチャンスがあるのかを見極めていくうえでの知識を蓄えることができたのは、大きな収穫です。

優れたアイデアに対しては今後、資金や人材などDMM.comが持つリソースを投入し、アイデア発案者の協力のもとDMM.Africaとして、事業家を集める可能性も検討しています。

また、コンテスト参加者はいずれも今後のアフリカ経済の中核となって、社会を支えていく若く優秀な人材です。彼らはアフリカが抱えているさまざまな課題を、ビジネスを通じて解決しようとする気概や能力をもっています。

メンターとして彼らと同じ時間を過ごし、交流を深める中で、我々自身にも多くの学びがありましたし、今後DMM.Africaが事業展開していくうえで、このネットワークは強力な資産となると考えています。

それではここでDMM.AfricaがABICに関わるうえで活躍したメンターのメンバーを紹介させてください。

司会者:ここでは、代表として石本より挨拶をしていただきます。石本さんお願いします。

石本満生氏:今回ABICのメンターを務めました石本です。メンバー5人で参加者をサポートさせていただきました。

今回のABICを通して、アフリカ各国の起業家の方と知り合うことができて、彼らの問題意識や提供するサービスの着眼点を勉強させてもらうとともに、非常にアフリカのビジネスの可能性というものを感じました。

また、メンターとして彼らと一緒に夜遅くまでビジネスプランをブラッシュアップしたりだとか、そういった経験も大変有意義な時間となりました。

今後ABICのような、若い人が活躍できるプラットフォームを作っていきたいと思っています。以上です。

司会者:アレックス、メンターのみなさん、ありがとうございました。続いてはABICの様子を簡単にまとめた動画を上映させていただきます。

こちらは約3分程度のダイジェスト版となっており、みなさまのお手元の資料にある記者会見ご参考資料には、こちらの動画のリンクを記載しております。のちほど、そちらご参照していただければ幸いです。それでは楽しんでご覧ください。

ABIC優勝者の声

司会者:みなさま楽しんでいただけましたでしょうか? 続きましては、ABIC優勝者の紹介へ移ります。

東アフリカ5ヶ国において、各国2組ずつ、計10組だけが参加できる決勝戦。激戦を繰り広げた決勝戦において見事に最後まで勝ち抜いたのが、ケニア代表のアンジェラ・ワンジョヒさんです。それではアンジェラさんにご登場していただきます。みなさま、盛大な拍手でお願いします。

(会場拍手)

司会:まず、アンジェラさんより簡単な自己紹介をしていただきます。

アンジェラ・ワンジョヒ氏(以下、アンジェラ):私のもともとの職業は弁護士で、これまで南アフリカやさまざまな地域で弁護士業に従事しておりました。

現在は大学で法学や商学の講師をしつつ、Uwakili(ウワキリ)の創業者としても活動を行っております。

Uwakiliはオンライン上の法律プラットフォームサービスで、企業や個人などが、法的な文書、情報など、効果的かつ低価格で使いやすい法的サービスを提供することができます。

私たちUwakiliの最終的な目標ですが、これまで法的サービスにアクセスできなかった個人や企業主に対して、こういったサービスを提供することを目指しております。

最初の5年間で東アフリカのほうで約8000万人、最終的にはアフリカ大陸の5億8000万人にこのサービスを届けたいと思っています。

ABICを通して、ビジネスをするうえでさまざまな貴重な経験をすることができました。また、異なる国々や文化の起業家とビジネスアイデアについて議論したりすることができて、非常に素晴らしい体験となりました。

今回の滞在で、テクノロジー企業を1から立ち上げることについてよりよく知りたいと考えております。もともとは法律のバックグラウンドで、経営の、バックグラウンドのないところを、今回の滞在のテーマにしたいと思っております。

DMM亀山会長のアフリカへの展望

司会者:ありがとうございました。続きましてはDMM.comを代表して、会長の亀山よりご挨拶を賜ります。お願いいたします。

亀山敬司氏(以下、亀山):こんにちは、亀山です。 今回、僕も入って見ていて、学芸会の子供を見ている気分で見ていましたけれども。

みなさん見てわかるように、この事業部を立ち上げてまだ半年から1年くらいの間なんで、まだちょっと、こういう感じで、みんなでタイムリーにやってる状況でございます。

今、日本もアフリカとかいろんなとこに大きな規模でいくとか、進んでるみたいですけれども、うちは商社さんや国がやるような大きい資源とか、そういったところまではいってませんが、なんらかのかたちで、アフリカでいろいろやっていきたいなということで立ち上げていました。

「何やるんだ?」とかよく言われるんですけどね、まだ本当にぜんぜん決まってなくて、ガーナでパン屋やりたいというやつもいれば、ルワンダで電子マネーをやりたいとか、ソーラーパネルをやりたいとか、今、いろんなアイデアが出てる最中でございます。

そんななかで、まずは現地とのパイプを作ろうということで、今回いろんなコンテストを始めてみました。その中で優勝した方に1回来てもらって、日本を見てもらおうという感じですね。

今から日本でアフリカの方を採用したり、あとは現地で対応したりして、どんどん進めていきたいと思います。

まだ若いやつらが手探りなんで、みなさん応援して、私の写真は載っけなくても彼(アレックス氏)はどんどん撮っていいですから。思い切り踏み込んでいただけたらいいなと思っています。よろしくお願いいたします。

(会場拍手)

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