
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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藤岡清高氏(以下、藤岡):御社には大手コンサルティングファーム出身、投資銀行出身の方など、飛びぬけて優秀な若手メンバーも入社してきていますが、採用力向上でどのような工夫をされていますか?
磯野謙氏(以下、磯野):HRチームに人が増えました。あと初期の頃からやってきていた取り組みとしてPRをすごく大事にしています。それが根ざして社会に広まってきたと思います。
例えばさまざまな新聞に取り上げていただいています。うちは広告をほとんどやらないという方針でやっていて、PRを大事にしています。
藤岡:この2年半で会社の成長とともに磯野さん個人で変化したことはありますか? マインド面ですとか、プライベートも含めて。
磯野:日々幸せだなと思って僕は生きています。自然エネルギーを仕事にできているということは、最初にこの世界に入ったときには実現が難しいように思うこともありました。
買い取り制度等の政策的な後押しもあり、ここまで事業が成長できました。また会社が大きくなったので、本当に日本や世界で自然エネルギーを増やすために何ができるかという責任感は前より強くなってきました。
時代も変わってきました。去年のCOP21(気候変動枠組み条約第21回締約国会議)のパリ協定の影響も大きいと思いますが、日本の電力大手も変わり始めています。
社会全体が自然エネルギーは、やらざるをえないという状態になってきて、大企業が本気になりました。最近は日経新聞等を読んでいても、1週間のうち数回出てくる程のテーマになりました。
大手商社が洋上風力事業を始めたり、林業企業が再生可能エネルギーベンチャーに出資したり、本当に大手企業が本気になってきている感じがします。
藤岡:大手企業が再生可能エネルギービジネスに力を入れてきている中で、自然電力さんはその中でどのような立ち位置で戦っていくのでしょうか?
磯野:再生可能エネルギーに社会的な注目が集まっても、僕たちの強みは変わりません。スピードと実行力。それらを強みにできる企業は残念ながら日本にはあまりないと思います。
大手企業は競合ではなくパートナーだと考えています。彼らにはお金はあるけれども、スピードと実行力については僕たちに強みがあると思います。
スピードと実行力は、今の日本社会で解決しなくてはならない課題そのものだと思うんです。我々は今、そこを補ってきているので、ほとんどの大手企業さまは我々のパートナーになりうると考えています。
大手企業がお金を出して我々が実行するという枠組みです。実際それで動いている事業や案件があります。クレジットファイナンス等の出し手になるのが彼らで、我々がプロジェクトを組んで実行しています。
とくにプロジェクト開発力で強みを発揮しています。土地を確保して、許認可を取って、地域でさまざまな利害関係者がいるので調整をする。
この部分はとても困難を伴うものですが、再生可能エネルギーを日本で増やしていく、という自然電力の本気度がスピードと実行力に繋がり、強みになっていると思っています。
藤岡:「エネルギーで世界を変える」というビジョンの達成度は現在どのぐらいですか?また手応えを感じるのは、どういうときですか?
磯野:達成度は3パーセントぐらいです(笑)。我々の最後の目標は、国のエネルギー政策に対してどうやってインパクトを与えるかということです。
国や自治体の方々と話している時に、その場所の近くで自然電力の開発プロジェクトが動いていて、自然電力さんの開発はいいよね、と言ってもらえることが増えてきたことですね。
地元の方や金融機関の方など多方面から名前を出していただけることが多くなりました。僕は直接聞くことはなくて、間接的に部署のメンバーから聞くのですが、そういった話を聞いた時は、すごくうれしいなと思います。
自分たちのポリシーをブラさずやっていて、それが評価をされる時は一番やっていてよかったなと思います。手応えはそこですごく感じますね。
藤岡:「やってきたことは間違いないな」と実感するときですね。
磯野:そうですね。ポリシーをブラさないということで言うと、この5年間で一つひとつの意思決定で妥協したことが1つもないです。
例えば資本がそうです。自然電力には今、ジョイントベンチャーを組んでいるjuwiを除くと、他企業の資本が入っていません。
ですから自分たちのやりたい世界観で事業を進められていて、かつ、大手企業のパートナーが何社かいて、それも我々の世界観に理解を頂いて、我々が作るスキームの中で一緒に取り組んで下さっている。
例えば、今会社の売り上げを支える大きなプロジェクトの1つでは、その売上の1パーセントから0.5パーセントを地域に還元することをポリシーとして決めています。
再生可能エネルギーを使って、どうやって地域に還元しようかと常に考えています。売り上げを減らす話なのでパートナーとの協議など難しいこともありますが、そこも一切妥協していません。
我々のポリシーは結局最後に社会のためにどうなるか、というところを考えています。ちゃんと考え尽くせば、みなさんに否定されることはないと思っていて、それが会社の実績として出てきたことで、言っていることとやっていることが段々と一致してきました。
まだまだ足りていない部分はありますが手応えはすごく感じています。僕が現役の間にできるか分からないですが、「エネルギーから世界を変える」ことは、小さい単位であれば思っているよりもずっと早く達成できるかもしれないという感覚があります。
本当にいろんな方の期待を背負って自然電力は前に進んでいると感じています。
藤岡:今、海外でも事業展開をしているということですが、日本での事業モデルは海外でも通じるという手応えはありますか?
磯野:ありますね。大事にしていることは通じます。今海外はフィリピン等で展開していますが、フィリピンの事業は、もう完全に地域開発です。その一部を僕らが担わせていただいています。
藤岡:今、このタイミングで自然電力に参画する魅力を教えてもらえますか?
磯野:やはり創業5年目の会社でこれだけの社会的なインパクトを残せる事業に関われることだと思います。また再生可能エネルギー分野で何かやりたいと思ったら、どんなことでも挑戦できるという感覚はありますね。
今、日本だと電力の小売りとかもありますし、本当に大きな規模の新規事業ができる可能性があります。「ちょっと新規事業やります!」という感覚ではなくて、本当に世界に影響を与えていく。我々のそのスピード感と実行力を、この産業で持ち続けられる会社はそんなに数多くないと思っています。
それ以外でも例えばファンドを作りたいという考えも、パートナー企業と組むことによって半年で実現させました。やはり企業として実績ができてきたので、きちんと発想して、実行しきれば、何でもできると思います、本当に。
自分たちだけでやろうとするとできないことでも、良いパートナーシップを組みながらやれば、少なくともこの産業においては、できないことは何にもないんじゃないかなと思います。
いきなり「今日は飲食店やります」みたいなこと言われるとできないかもしれないですけど(笑)。再生可能エネルギーの分野であれば、気持ち次第で何でもできる環境だと僕は思っています。
藤岡:逆に、自然電力に向いてない人というのはありますか?
磯野:向いてないのは、もう言われたことやるっていうだけの人です。もちろんオペレーションするために、ちゃんと実行することは大事なので、それ自体は否定しません。ですが、やはり常に新しい価値をどう生み出すかという思考がないと難しいと思います。
あとは短期的な利益を求めてしまう人は向いていません。僕らはそもそも短期的に何かをしようという話はしません。事業のスパンは長いです。物事を広い視野で長期的に見れることは大事だと思います。
藤岡:貴重なお話ありがとうございました!
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