2024.12.24
「経営陣が見たい数字」が見えない状況からの脱却法 経営課題を解決に導く、オファリングサービスの特長
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奥田浩美氏(以下、奥田):あと自分が失敗をたくさんすると、失敗をする人に優しくなるので、自分がマネージャークラスになろうと思う人が、「どうやったらマネージメントうまくできるんですか?」って質問をされるんだったら。
あなたが人の失敗を許せるぐらい思いっきり失敗たくさんあって、部下が失敗しそうなときに「あ、俺も昔、ここ失敗しそうになったから、ここは押さえとけな」っていう上司ってすごいかっこいいじゃないですか。
大島永理乃氏(以下、大島):かっこいいですね。
奥田:「実際、俺、これで上に呼ばれて痛い目にあったんだ」っていう助言をしてくれる上司って、すごいですよね。だから、それって失敗をたくさんやって、そのポジションまで来た上司だったら、やっぱり価値があると思うので。
大島:そうですね。
奥田:だから部下をできるだけうまく育てていきたい人は、失敗の辞書をたくさん持っとくべき。
大島:なるほど。すごくきれいな形でまとめていただきました。
奥田:いえいえ(笑)。
大島:今から質問タイムに移りたいと思っております。貴重な機会ですので、ぜひご質問がある方は挙手制でお願いいたします。
奥田:どうぞ。
質問者:インドのほうに行かれたっていうお話だったんですけれども、そこですごく不思議なのは、どうしてインドに行ったんですか?
奥田:インドは、本当に運と縁で、私の父親がちょうどその頃、インドで仕事をしていたっていうのがあるので。
私、本の中にも書いてるんですけど、比較的能動的に掴み取りに行った場合と、ポンと落ちてきたっていう中で掴んだケースって両方ある、インドはある意味、縁があったんですけど、逆に父親は「そんなところには絶対やらない」って言ってて、半年ぐらい大喧嘩をしました。実際は2カ月ぐらい電話をかけまくって。
大島:国際電話ですよね。
奥田:そうそう、それが笑っちゃうことに親のお金ですよねって(笑)。今、気づいたって感じなんですけど。でもそれぐらい反抗して手に入れた結果です。
質問者:ありがとうございます。
大島:あふれる思いですよね。
奥田:そうですね、だから、でも、何かすごく能動的でも受動的でも思ったときっていうのは、結構人生で大きなものがあるので、あれぐらい「ここに行きたい!」と思ったことはないですね。
質問者:ありがとうございます。
大島:次の方。お願いいたします。
質問者:2点、質問がありまして、何かやりたいことを見つけるときに、「かっこいいことを見つける」って言って、確かにかっこいいものって考えると、やりたいことって結構見つかるのかなと思ったんですけれども。
娘さんが15歳ということで、中学生とか高校生に、どうやったらそういった夢とか、やりたいことって、どうしたら見つけさせることができるというか。
奥田:私自身がやりたいことが生まれたのって20代半ばで、それですら本当にやりたいことじゃなくって、40代後半になって本当にやりたいことができて、それが今なんですね。
2年前につくった会社っていうのが、ある意味本当にやりたいことだったって考えると、今、実は娘に職業的な夢を持つなっていう教育をしていて、10歳ぐらいまでに夢がなければ、その後の十何年は持つ必要ないってずっと言い続けてるんですね。
その意図はっていうと、10歳ぐらいまでっていう意味は、例えば自分がバイオリニストになりたいとか、野球選手になりたい、サッカー選手になりたいって言うんだったら、10歳までに始めてなければ、なれない職業とかっていっぱいあるじゃないですか。
実を言うと、その10歳ぐらいのラインを越えた後って、まだ選択肢がいっぱいあることを知らないのに、教師も親も「夢を持て」って言うじゃないですか。
でもはっきり言って私が大学に入ったときに田舎の子だったから、東京でいとこが弁理士の免許を目指してるみたいなことを聞いたときに、「弁理士なんて知らなかったし」っていうような格差があるし、あと中学生が別にマッキンゼーとか知らないじゃないですか。
だからそういうときに、なんでわざわざ職業の幅が全然知らない中で職業を選ばせるんだろうと。「夢を持て、夢を持て」って言うけれども、みんなはそのときに、じゃあ、さっき世界銀行で話をしてたようなアフリカでエシカルなバッグをつくるみたいな選択肢ってないですよね、中学生では、なかなか。
でも本来自分が持つべき夢って呼べるようなものって、人々の義足をつくるとか、エシカルなバッグをつくるとか、そういうことって12歳では絶対思いつかないんだから、逆に何でそんなメニューを狭めた中から選ばせるんだろうと思ってます。
奥田:10歳ぐらいまでに、どうしても始めていなきゃいけないようなものでなければ、12年ぐらい逆に猶予を持ってから選べばいいって、私は言っているので。もっと言うと、この人かっこいいなっていう人が現れたら目指してもいいなと思うんですよね。
大人で、この人ってこういうことをやってて、すごい憧れるみたいなのが、本当に憧れるっていうふうにならないかぎり、結局野球選手とかサッカー選手って、やっぱり小っちゃいながらにかっこいいって憧れるっていうのが職業ですよね。
でも10歳から22歳ぐらいのときに、学校で「あなたの職業の夢は?」っていうときに、憧れて書いてるってすごく少ない気がして。だったらもっともっと、たくさんの食材を集めた後に自分の料理法を決めるっていうか。きゅうりと塩しかないのに、「いい料理つくれ」って言われても(笑)。
大島:無理ですね。
奥田:そうそう、漬け物ぐらいしかできないよっていう話だから(笑)。
大島:漬け物できたらいいほう。
奥田:だから、できるだけ食材的なものを体の中にたくさん蓄えた上で、「じゃあこの食材で、あなたは世の中にどんなおいしいものがつくれるんですか?」っていうことをわかって、これめっちゃおいしそうで、腕も試せてかっこいいっていうので、娘が選ぶ日が来ればいいなって。
だったらそういう人にたくさん会わせようっていうので、いろんな人に会わせるっていうこと。夢を持てじゃなく、私がとっても素敵だと思う大人に、どんどん会わせてます。その中から何かヒントをもらえればいいかなっていう。
質問者:ありがとうございます。
奥田:いえいえ。
質問者:高校生が例えば大学を選ぶときとかって、何を考えて選ぶんですかね。
奥田:日本は基本的には大学を選ぶときに、私は今のお勧めだと、「この大学に、この先生がいて、この人がおもしろいから大学に行け」っていうふうに言いたいけれども、「そんなことを見せられる高校ってどれだけありますか?」って。
でも大学って本当は先生が好きで、この人の研究を学びたいって言ったら先生はすごく教えてくれるし、学べることも多いのに、そういう形はないですよね。
ゼロとは言いませんけど、大学に行ったら、この学部では、例えば電子工学科にこういう研究をやってる人がいて、この人ってすごいことやってるから、ここに行くためにこの大学の、この学科がいいみたいな勧め方をする学校はないから。
そうなると偏差値70弱だったらここでとか(笑)。50の後半だったら、ここでみたいなことでしか選ばないから、みんなが結局教育受けても、何を学びに行くかっていうのが見えないって言って。
私は実を言うと娘に関しては、いろんな大人に、本当、会わせてます。大学もそうだし、それこそリクルートの社員とかにも会わせたりとか、マイクロソフトの社員とか会わせたりとか。
それはもう1つ私、ほぼ半月ぐらい出張してるんですね。半月ぐらい出張してるうちの、15日ぐらいのうち5日間ぐらいは、どっかの企業の人に預かってもらってるので(笑)。
質問者:すごいです。
大島:すごい教育ですよね。
奥田:それが普通だと思いませんけど、でも相手もすごい喜んで、一緒にカフェ行ってパンケーキ食べるみたいな、そんなものですよ。笑)。
大島:でもね、自然と仕事の話とかもね。
奥田:そうすると彼女は、「こういう職業をしてる人って、かっこいいんだ」とかわかる。だから親も、できるだけ子どもにおもしろい人生を送らせてあげたいと思ったら、自分が素敵だと思う人を子どもに会わせるべきだと。
奥田:そういう目で周りの人を見ると、意外と素敵な人がいっぱいいることにも気づいて、その素敵な人が何か力を持つというか、「あ、うちの娘に会わせたら、この人すごいな」っていう目で私を見ますから、そうすると、素敵な人だらけになる(笑)。自分にとっては、あまり利益がなくてもっていう(笑)。
大島:そうですね。
質問者:実際に人に会わせられない場合は、例えば本とかから。
奥田:そうですね、だから本はやっぱり大事ですよ。書店だから言うんじゃなくて、本は、うち娘に小学校で500冊ぐらいは読ませてると思います。
ずっとずっと図書館から毎週20冊とか置いて、それで本を読ませるくせをつけて、だから今は書籍代だけは結構、別枠のおこづかい。おこづかい年俸制なんですけど(笑)。本はやっぱりオッケーですね。でも腐女子っぽいのも買ってきますけど(笑)。
大島:ちょっとまだまだ、お話聞きたそうな感じなんですけれど。申し訳ない。
質問者:ありがとうございます。
質問者:バシバシぶったたいて、「やれ!」みたいな時期っていうのもあるじゃないですか。
奥田:子どもに対して?
質問者:子どもでもいいし、ある程度若い、成長してきた段階でもいいですけれども。まさに周りが何も見えないぐらいに没頭しないと抜けられないっていうときに。逆にそういうときに、じゃあ「周りの人たちを見ろ、素晴らしい人がいるぞ」って言って見た。
ところが確かに素晴らしい。この人にもなってみたい、あの人にもなってみたい。気がつくと自分との落差があまりにもひどくて、自分に失望しちゃうみたいな。そんな人に何って言ってあげるか。
奥田:私はでも本にも書いてますけど、そもそも自分に失望するとか、人に嫉妬するっていうところの、嫉妬をする存在が多ければ多いほど、そこにやっぱり自分の欲望があると思っているので。
嫉妬する相手を蹴落とすんじゃなくて、嫉妬する材料だけを浮き彫りにして、どうやったらそこに近づきやすいかっていうことを、ちゃんと周りも認めてあげるというか、周りの助言ってすごい大事だと思うんですよ。
あれもこれもってやってる人って、すごく多いんだけど、外から見ると、「あなたは本当は赤が似合うんじゃないの?」みたいなことって、あんまり言ってくれる人がないですよね、日本の会社の中とかって。あれもやれ、これもやれで、ちゃんとフィードバックがないっていうか。でも、そこはすごく大事だなと思います。
質問者:嫉妬だったらまだいいんですけど、達観しちゃった人にはどうします?
奥田:何、何?
質問者:達観しちゃった人。
奥田:何に対して達観?
質問者:「私は、もうこれでいいのよ」って。
奥田:でも私、「これでいいのよ」って思う人には、立ち入らないです。もう「これでいいのよ」をとことんずっと行かせる。私が「ちょっと違うかもな」と思ってても、進み始めた人は、逆にできるだけ早く進ませて、できるだけ早く落とす(笑)。
だって自分が谷から落ちないと、痛い目に遭わないと戻ってこれないけど、私はでも、落ちることがわかってたら、逆にもう進ませて、その先に何をしてあげようかってことを逆に冷静に考えますね。
言えるじゃないですか親って、「このまま行ったら絶対的に不良になるぞ」とか。あるいは、この道をこっちの職業のほうがすごく世の中的には評価されるのに、こっちの道に進むっていうときに、止められた親って、結果的に幸せになってない気がするんですよね。
だって、その子どもが親に言われたからっていう人生しか選べなくなると、「親に言われたから、こうやったのよ」って言って、人のせいにする子になっちゃうから。だったら、「この子、ここの谷で落ちるな」と思ったら、できるだけ急がせて谷の下に布団ぐらい置いとくみたいな(笑)。それくらいが愛かなと思いますけど(笑)。
大島:よろしいでしょうか。
質問者:はい。
大島:ありがとうございました。
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