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受験指導専門家・にしむら先生に聞く!自分にあった進路の見つけ方【13歳からの進路相談 刊行特別イベント】(全4記事)

人生の目的がすっぽり抜ける「進路選びのドーナツ化現象」 選択肢がたくさんある時代の、進路の「軸」の考え方

高校や大学選び、就活や仕事選び……進路を決めるあらゆる場面で、選択肢が増え続ける今、何の情報をもとに選べばいいのか悩んでしまう人も。そこで今回は、『13歳からの進路相談』(すばる舎)著者でサイル学院高等部学院長の松下雅征氏と、受験指導専門家の西村創氏による「自分に合った進路の見つけ方」のトークイベントの模様をお届けします。本記事では、松下氏より進路選びの「軸」の選び方について解説されました。

受験指導専門家に聞く、自分に合った進路の見つけ方

松下雅征氏(以下、松下):あらためてイベントに参加いただき、ありがとうございます。これから、「受験指導専門家・にしむら先生に聞く! 自分に合った進路の見つけ方」というテーマでイベント進めさせていただきます。

今回、モデレーターを務めます松下と申します。よろしくお願いします。簡単に自己紹介をさせてください。

通信制オンラインスクール、サイル学院高等部にて学院長をしております。学生時代はやりたいことではなく、偏差値で自分の進路を選んで後悔した経験から、中高生向けの受験相談サービスを立ち上げまして、これまで7万件以上の受験相談を目にしてきました。

社会人時代は、教育系の上場企業やコンサルティング会社の経験を経て、今は一人ひとりが自分にあった進路が選べる社会を目指して、通信制オンラインスクールの経営をしております。

進路相談やキャリア教育が、これまでのキャリアで一貫して持っているテーマです。これらの経験が、書籍『13歳からの進路相談』の執筆にもつながっています。

『13歳からの進路相談』(すばる舎)

とはいえ今、通信制のオンラインスクールと申し上げたんですが、そもそも通信制オンラインスクールってどんな学校なのと思われる方もいらっしゃるかなと思いましたので、15秒程度のCMを紹介させてください。

実は、このテレビCMですが、映像撮影やナレーションをすべてサイル学院に通う生徒が実施しています。プロの制作会社の人と一緒に作ったものです。

ぜひ、音ありで聞いていただきたいなと思っていますので、今からチャットにURLをお送りします。

これが学校のWebサイトなんですが、このWebサイトのトップページにCMが埋め込まれていますので、ぜひ音有りで、お手持ちのデバイスで流してみていただけるとうれしいです。こちらでもCM流しますね。

ご覧いただけましたか。今、映像にあったように、オンラインで全国各地から集まる生徒と一緒に学び合う学校です。

中学校で不登校の経験があって、そこから進学している方もいれば、中高一貫の私立の進学校に通われていて、そこから転校してきた人だったり、いろいろな背景を持つ生徒が在籍している学校です。

以上が、私の簡単な自己紹介です。。続いてゲストの紹介をさせていただきます。あらためて、受験指導専門家のにしむら先生でございます。簡単に先生から自己紹介いただいてもよろしいですか。

受験指導の分野で幅広く活動

西村創氏(以下、西村):みなさま、にしむらです。私のことはYouTubeで見ていただいている方もいらっしゃるかと思うんですが、大学に入ってすぐに塾業界に入って、早稲田アカデミーに新卒で入って、その後、シンガポールと香港にある駿台の海外校の後は河合塾などを挟みながら、合間でIT系のベンチャー企業にも2社ぐらいいながら、受験指導は一貫して続けています。

今はフリーで執筆が中心ですかね。いろいろなとこに執筆していて、こういったところでオンラインセミナーに出させていただいたりしています。そういった受験指導の分野で幅広く活動させていただいております。

松下:ありがとうございます。実は今回のイベント、私がどうしてもにしむらさんとお話がしたいということで、ラブレターをお送りしたところ、快諾いただいた経緯で始まりました。

にしむら先生のYouTubeチャンネルをご存知の方も多いと思うんですが、こんな感じのYouTubeチャンネルがありまして。受験をテーマに本当に幅広くいろいろなテーマを扱っております。

私が、この学校経営を始めるにあたって、受験のことももう少ししっかり勉強しないといけないと思った時に、いろいろと調べていた時ににしむら先生のこのチャンネルにたどり着きました。とてもわかりやすく解説していたのが、すごく印象的でした。

そこから、今回ご縁があってお声がけをしました。そんな始まりでした。ぜひご存じない方は、チャンネル登録して見ていただけるとうれしいです。

話を戻しまして、本日の流れは大きく3つに分けて話していきます。まずは導入として、これからの進路選びの前提となるお話を、私から5分程度簡単にさせていただいた上で、メインとなる対談パートで、自分に合った進路をどうやって選べばいいのか、そのヒントをにしむらさんのご自身の進路選びの経験から探っていきたいなと思っております。

最後にQ&Aとして、事前にいくつか質問をいただいているんですが、当日この場でいただく質問にも回答していきたいと思っています。みなさま、もし気になることがあれば、思いついた瞬間にQ&A機能を使ってぜひ質問を送っていただけるとうれしいです。

目の前に選択肢が増えれば増えるほど、決めるのは難しくなる

松下:まず導入の話です。私は仕事柄、生徒さま、保護者のみなさまと接する機会が多いですが、その時に「自分に合った学校や進路の選び方を知りたい」「やりたいことがない時って、どうやって進路先や文系・理系を決めればいいのか」という質問をよくいただきます。

保護者の方から特に多いは「子どもの進路選択を促していくにあたって、どんな関わり方をしていけばいいのか」という質問です。

こうした疑問にお答えするために、今回は書籍、『13歳からの進路相談』を執筆しました。本書を一言で説明すると、たくさんの選択肢の中から、自分に合った進路をどうやって選んでいけばいいのかという進路選びのメソッドを解説したものになります。

今って、進路を選ぶあらゆる場面でいろいろな選択肢が増えていると思うんです。インターネットやスマートフォンの力でいろいろな情報を簡単に自分の手に入れることができる一方で、目の前に選択肢が増えれば増えるほど決めるのは難しくなると思うんです。

例えば、2つから1つ選ぶよりも、100個ある選択肢の中から1つ選ぶほうが大変じゃないですか。なので、これからの進路選びには、もちろん一つひとつの学校や仕事、選択肢に関する情報も大事なんですけど、それだけじゃなくてたくさんの選択肢の中から、自分に合った進路を選ぶにはどうすればいいのかという進路選びのメソッドが必要だなぁと思いました。

なので、この『13歳からの進路相談』という本の中では、この進路選びのメソッドをストーリー形式で漫画と図解を使いながら解説をしている本になります。

人生の目的がすっぽり抜ける「進路選びのドーナツ化現象」

松下:そして、生徒さまや保護者の方と話をする中で、進路を考える時に、どこの学校にしようかなとか、何の仕事をしようかなと進路先を見て考える方がとても多いんじゃないでしょうか。

私も中高生の頃を思い返すと、このように進路先を見て考えていたなと思っています。

ですが、これをやりすぎると……「進路選びのドーナツ化現象」と私は呼んでいるんですが、この進路選びのドーナツ化現象がどんどん進んでいくと思います。

というのも、ドーナツの形を想像していただきたいんですが、ドーナツは真ん中が空いてて、外側に食べるところがあると思うんですけど。

一つひとつの進路先が、このドーナツの食べる部分、外側だとします。進路選びのドーナツ化現象は、進路先の情報、つまり外側がどんどん集まる一方で、そもそもどんなふうに生きたいか、自分の人生を何に使いたいかという人生の目的だったり、そういったやりたいことがすっぽりと抜けてしまっている。ドーナツの真ん中が、すっぽり抜けてしまっているという意味になります。

このドーナツの真ん中に当たる部分を進路選びの軸と私は呼んでいます。この進路選びの軸をどうやって見つけていけばいいのかという話を書籍の中でしております。

今がたくさん、この進路先がどんどん膨らみやすい時代になっています。私たちが中高生だった頃と比べると、格段にこのドーナツの外側の厚みがどんどん増しているので、より選ぶのが難しくなってくる。言い換えると、この真ん中に当たる進路選びの軸が大事になる時代だなと思ってます。

進路選びの軸となるのは「社会」と「自分」の重なり

松下:どうやって真ん中に当たる軸を見つければいいのか。進路選びの軸を見つける目的を、自分に合った進路を選ぶためと置くと、私は、自分に合う進路が選べている状態、というのは「自分にとって十分なお金が稼げること」と「自分が楽しいこと」の2つが重なっている状態、と考えています。

楽しい、とまでいかなくても、嫌いじゃない、いやじゃない、くらいでも良いかもしれません。人によって程度の差はあれど、自分の進路やキャリアを考える時には、両方の気持ちを持っていることが多いんじゃないでしょうか 。

そして、この進路を選ぶという文脈においては、そもそも自分が好きなこととか嫌いなことを考えるよりも前に、社会で何をしたらお金が得られるのかだったり、どんな課題を、どんな困り事を解決するために、みんなが働いているのか、誰かの役に立ってるのか、を知らないと、何に対して自分の好きとか嫌いがあるのかを見つけるのが難しいと思ってます。

なので、この書籍『13歳からの進路相談』では、ステップ1として「社会でお金を稼ぐこと」に対する理解を深める。ステップ2として、「自分の感情」に対する理解を深める。そして、ステップ3として、この「社会と自分の重なりを選ぶ」という順番で、どうすれば進路選びの軸は見つかるのか、という全体像から、具体的な手順、アクションまでを解説しているという本になります。

時間の関係上、詳細は割愛します。実は今このサイル学院の資料請求をいただいた方に、この書籍をプレゼントしております。実は今サイル学院高等部と説明をしたんですが、今年度から中等部を設立しまして。小学生の方から含めて、体験授業など諸々、2023年4月から始まる予定です。

なので、小学生から高校生の生徒さま、あるいは保護者のみなさま限定にはなるんですが、もし本校や書籍の内容に興味があられる方は、資料請求いただければなと思います。

受験専門家としてのキャリア選択で大切にしてきた「軸」

松下:私からの導入は以上としまして、続いて、メインの対談パートに移っていきたいと思います。

それでは、「進路選び 5つの質問」と称しまして、にしむら先生の進路選びエピソードを深堀りしていきながら、これからの進路選びに必要なエッセンスを探っていきたいと思っておりますので、にしむら先生あらためてよろしくお願いします。

西村:よろしくお願いします。

松下:みなさまにお伝えをしておきますと、事前に「こういう質問するんで、こういう回答お願いしますね」みたいなことは、一切聞いていません。私も、にしむら先生の話を聞くのを非常に楽しみにしておりますので。もし「いやいや、松下。そこじゃなくて、もっとこういうところを聞いてよ」というのがあれば、チャットで「こういうところはどうですか」と言っていただけるとうれしいなと思っております。

さっそく第1問として、進路選びの軸の話です。進路選択をするにあたって、その基準となるような進路選びの軸。いろいろな考え方があると思うんですが、にしむら先生がご自身のキャリアの選択、今まで受験指導というテーマを一貫してお持ちながら、いろいろな会社や校舎を経験されていて、今は独立されていたりしています。

これらの選択において、大事にしている進路選びの軸と言われた時、にしむら先生はなんとお答えします?

西村:そうですね。すごい難しい質問だなと思っていて。人選が私で大丈夫だったのかなぁと未だに思ってるんですけど。あまり軸がないんですよね。よく進路にかかわらず、人生のポリシーや大事にしてる考え方とか、よく言われるんですけど。

軸はそもそもなくてですね。軸と決めると窮屈になってしまって動きづらくなります。軸と考えてないんですけど。

そうですねぇ……。今、どうなってるかというと、私自身は、受験指導が一つの軸にはなってますね。ずっと途切れずに、寄り道しても、何らかのかたちで関わり続けて、受験指導を軸ということで進んでますね。

学校の授業がつまらなくて仕方なかった

松下:ありがとうございます。受験指導を一貫してテーマでお持ちだと思うんですけども、いつからこの受験指導を自分のキャリアのテーマとしてやっていこうって思われたんですか。

西村:浪人時代に通ってた東進ハイスクールという予備校で、予備校の先生の講義を聞きました。それまでずーっと小学校、中学校、高校の授業がつまんなくて仕方がなかったんです。予備校の授業で、「あ、こんなおもしろい授業があるんだ」と思いました。それで先生を目指そうと思ったんですよね。

松下:予備校の講師が、にしむら先生にとっては今までつまらなかった授業が初めておもしろいと思えたきっかけを与えてくださった。そんな存在なんですか。

西村:そうですね。

松下:なるほど。いろいろな方が先生がすごく素敵な人と巡りあえたから授業がおもしろくなった経験があると思います。でも、自分が教える側になろうとか、それを仕事にしようと思う人はそんなに多くないんじゃないかなと思うんですけど。

西村:大学に入学した日に、栄光ゼミナールという塾のアルバイトを受けに行きました。

松下:そうなんですね。

西村:19歳で入学した時から、塾講師はもう始まってますね。

松下:大学入学初日に塾講師をやろうと思ったのは、なぜなんですか。

西村:浪人時代に、塾講師やろうと決めてたんで。大学に入ってすぐに採用試験を受けに行った感じですね。

松下:そうなんですね。塾講師を19歳のタイミングから始めて4年間ですか。大学時代はずっと塾講師を続けられていたんですね。

西村:そうですね。

塾講師をやりすぎて大学を留年

松下:卒業したら栄光ゼミナールはどうされたんですか。

西村:栄光ゼミナールは、大学時代の校舎が移るタイミングで、3年ぐらいで辞めちゃったんですけど。並行してまた別の塾で働いてた。明光義塾とか街にある塾で働いていました。塾講師をやりすぎて留年して、大学には5年間在籍して塾講師をやっていました。

松下:そうなんですね。5年間ずーっと塾講師の仕事をされてたんですか。他に並行してやってたアルバイトや仕事ってあったんですか。

西村:カラオケ屋の皿洗いとかやってました。

松下:へぇ~、他にあります? カラオケの皿洗いと他に何かやってます? 

西村:時計工場でも働きましたね。

松下:時計工場って何するんですか?

西村:ベルトコンベアで、運ばれてくる時計のパーツを組み合わせるだけの仕事。

松下:シンプルに大学自体のお小遣い稼ぎみたいな感じで、「とりあえずやってみよう」って感じだったんですか。

西村:そうです、車の免許が欲しかったんです。

松下:それでアルバイトとかもたくさんされてると思うんですけど、それを続けるとかもなく、やっぱり塾講師がたぶん一番続けられたと思います。それはどうして続けられたんですか。

西村:まず、純粋に時給が高かったですよね。他のアルバイトが1,000円くらいだったのに、塾講師だと2,000円くらいでした。あとは自分に向いてるなと思ったんですよね。

塾に来る勉強嫌いな子よりも、勉強嫌いな自信があった

松下:どういうところが向いてるなって思われたんですか。

西村:塾に来る子の9割以上が勉強嫌いなんですよね。でも、そういう勉強嫌いな子よりも自分が勉強嫌いだって自信があったんで。

松下:なるほど、それはおもしろいですね。

西村:だから、そんな勉強は嫌いだった自分のような子でも聞いてくれる授業をするには、どうすればいいのかを考えて授業してるうちに、子どもたちから「おもしろい」「わかりやすい」って言ってもらえて。

松下:私も大学時代に家庭教師などの仕事をした経験があるので、時給が高いからやりやすいみたいなのはすごくわかるんですけど。とはいえ、それをずっと続けようと、私はならなかったんですね。

ですけど、にしむら先生が続けられて、多くの方に支持されるヒントがありました。塾の生徒さんよりも、自分が勉強が嫌いだった自信があったのが、おもしろいポイントだなと思ったんですけど。

言うのが難しいと思うんですけど、どのぐらい嫌いだったんですか? エピソードとかあります? 

西村:そうですね。小学校からずっと塾には通ってたというか、通わされていた感じなんですけど。塾に行ったふりして、ゲームセンターに行って帰ってくるとか。勉強が嫌いすぎて、塾のテキストをゴミ箱に捨てるとか。そういう生徒でしたね。

松下:小学生の頃から塾に通われてたんですか? 

西村:行ってました。

松下:あ、そうなんですね。そしたら、中学受験を意識されてたとかですか。

西村:親はしていたと思うんですけど。もちろん、自分自身が嫌いすぎて、無理でしたね。

松下:西村さんご自身は、公立の小学校、中学校出身でしょうか。

西村:そうです。

松下:高校受験をしてという感じなんですね。なるほど。

小学校の時に塾に通わされてたという話があったんですけど。自分から進んで行くのではなくて、もう「行け」と言われたから仕方なく行ったみたいなことでしょうか。

西村:そうですね。

話し方と内容次第で、勉強がおもしろくなるという衝撃

松下:勉強は嫌いだったと思うんですけど、好きな教科とかあったんですか?

西村:ないですね(笑)。

松下:ないんですね(笑)。もうとにかく勉強が嫌だと。

西村:そうですね。国語だけは得意でした。

松下:得意というのは、勉強しなくても点数を取れるという意味合いですか。

西村:そうですね。学校の中で、上から数えて何位とかそういうぐらいでした。

松下:すごいですね。

西村:国語だけは、すごくできましたね。

松下:それは、国語が好きだったから、国語だけ勉強してできたというわけではなく、何もしなくても人よりもできる感覚があったんですね。

西村:そうですね。ぜんぜん勉強しなかったんですけど、本だけは読んでいました。

松下:本だけ読んでたというのは、小学校の時から何を読まれてたんですか。

西村:さまざまな小説を読んでいましたね。

松下:勉強嫌いだったけど、本は好きで読んでいたんですね。ずっと勉強嫌いで、小・中・高ぐらいまで勉強がずっと嫌いだったんですか? 

西村:そうですね。なんなら今でも嫌いです(笑)。

松下:私の想定してたイメージとはまったく逆だったので、すごくおもしろいんですけど(笑)。

勉強嫌いで浪人時代も勉強は嫌いだった。もしかしたら浪人時代もずっと勉強してたというよりは、サボって友だちと遊んでみたいな感じだったんですか。

西村:そうですね、勉強してる感を出していただけですね。

松下:ずっと勉強が嫌いだったんですね。それでも、大学には一応行っておきたいところもあって、勉強を続けて浪人で入られたんですよね。塾講師を選んだのは、時給が高い理由もあったと思うんですけど。お金を稼ぐという意味ではシンプルに時給が高かいアルバイトって、他にもたぶんあると思います。

その上で、嫌いだったことを教える側に回るって、誰にでもできることじゃないなと思います。あらためて、そんなに嫌いだったことを、どうして教える側に回ろうと思ったんですか。不思議でたまらないんですけど(笑)。

西村:(笑)。そんな嫌いだった自分が、予備校の先生の授業がすごくおもしろかったんですよね。こういう話し方と内容だったら、勉強っておもしろくなるんだなと実感しました。衝撃的だったんですよね。

松下:それを実感して、自分みたいに勉強嫌いと思ってる人を……おもしろがらせたいのか、どういうモチベーションだったんですか。

西村:自分みたいに勉強嫌いな子はいっぱいいました。自分の働きかけで勉強が好きになっていくのを見てて、手応えを感じたんですよね。

松下:なるほど、今でもこの長い間、受験を一貫してテーマとして持たれている根本となるエネルギーは、非常に勉強嫌いだった自分が変わったという経験からだったんでしょうか。

目の前の勉強嫌いだった子どもが好きになるという働きかけをして、自分が勉強好きのきっかけになるとうれしい、おもしろいみたいなところにあるイメージですかね。

西村:そうですね。

松下:ありがとうございます。にしむら先生の原動力になっていると感じるのは、その目の前の生徒が、変わる瞬間がすごい楽しいという原体験にありそうですね。

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