2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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司会者:では葉一(はいち)さん、本日はよろしくお願いいたします。
葉一氏(以下、葉一):よろしくお願いします。
司会者:さっそくお話をうかがいたいと思います。葉一さんのことを、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、中にはお名前だけという方もいらっしゃると思います。まずは、葉一さんがYouTubeでどんな授業を提供されているのか、動画をご覧ください。(動画の総本数は)どのくらいになりますか?
葉一:生放送やアーカイブも含めると、今3,700くらいですね。
司会者:3,700ですか!
葉一:そうですね。もう10年目になるので、コツコツと撮り続けていたら、こんな数になっていました。
司会者:3,700というと、10年で割ると370。1年365日で、ほぼ毎日ですよね。
葉一:そうですね。特に前半はいっぱい撮っていたので、やたらハイペースで増えていきましたね。
司会者:まずはそのうちの1つをご紹介させていただきたいと思います。
司会者:この動画を観て、「あ、これだったらわかりやすい」と感じた方もいらっしゃると思います。私も、初めて葉一さんの動画を拝見した時、「ものすごくきれいに板書をされる方だな」と思いまして。
葉一:ありがとうございます。
司会者:多くの方がそう感じていると思うんですよね。何かこだわりはありますか?
葉一:そうですね。以前、塾講師をやっていた時も、たぶん会社で誰より板書にこだわっていたと思います。特にYouTubeは、再生してもらった時に板書がきれいなほうが、子どもたちのモチベーションが上がると思うんですよ。これは塾講師の時から意識していました。事前に準備ができるものですから、できる限りこだわって、定規で測ったりしながら書いていますね。
司会者:なるほど。やはり第一に、観ている子どもたちのことを考えているんですね。
葉一:そうですね。子どもたちがやりやすいようにと思っています。
司会者:(動画で)今ちょうど書き込んでいますが、書く時の注意などもあるんですか?
葉一:そうですね。書いている時に、ここ(手のひらの側面)で消えちゃうんですよね。でも極力消えないようにしています。あとはできる限り自分の肩が、見ている子どもたちの邪魔にならないように自分が映らないように、でも手だけ映るように。そんなことを注意していますね。
司会者:要所要所で、そういう工夫や気遣いをされているんですね。ありがとうございます。これは、何年の動画でしたっけ?
葉一:これは2013年かな。たぶん9年前ぐらいですかね。
司会者:始めて1年ちょっとの頃ですかね。実は、葉一さんに、「ぜひ最近の動画も紹介してほしい」と、ちょっと無理なお願いをしておりまして。もう1つ、紹介させていただきたいと思います。
葉一:声のトーンが違いますね(笑)。
司会者:違いますかね。撮り方も少し違いますね。
葉一:これは特殊な「受験対策シリーズ」で、いつもこんな感じで撮っています。昔に比べると画面が明るくなったり、ピンマイクを使うようになったりで、最近のものは観やすく聞きやすくなっています。始めた当初は、ぜんぜんその観点がなくて。視聴者の方に意見をもらいつつ、アップデートして、ここにたどり着きました。
司会者:今ちょうど画面に映っているところで、赤と青に色分けされていますが、何かこういったこだわりがあるんでしょうか?
葉一:この動画は9問あるので、全部観ないで早送りして確認する子もいるんですね。その時に赤が交互になっているほうが、答えの場所を見つけやすいんです。なので、赤と青の配置は、板書案を作る時にけっこう考えています。
司会者:なるほど。ゴチャゴチャになりがちなところが、すごく整理されているなと。
葉一:できる限り観やすくとは思っていますね。
司会者:最後に、かわいらしい絵が登場しますね。
葉一:これがエンディングなんです。
司会者:これもシリーズになっているんですか?
葉一:そうですね。中3生向けの受験対策シリーズです。
司会者:最後に葉一さんの似顔絵のイラストが出てきましたが、授業中、葉一さんはほとんどお顔を出さないのでしょうか? そこにも何か、こだわりがありますか?
葉一:多くの子どもたちは早送りして、欲しい情報だけをセレクトして観るんですね。早送りした時に、「葉一が邪魔で見えないよ」みたいなことも防ぎたいですし。説明している時も、自分の姿が邪魔なのは極力なくしたいんです。姿が映っていないほうが、集中しやすいんじゃないかなと。それで、極力自分は映らないようにしていますね。
司会者:なるほど。実は私の講座ではマーケティングについて授業を行っているんです。マーケティングで一番大切なことは、「お客さまがどう考えるか」「お客さまにどう映るか」なんです。このマーケティングの考え方に、葉一さんのお考えが合致すると感じました。
葉一:うれしいです。ありがとうございます(笑)。
司会者:それではさっそく本題に入りたいと思います。まず1つ目の「キャリアステップについて」。
葉一さんは東京学芸大学という、教員系の大学に入られています。先生になる方が多いと思うんですが、最終的にあえてそちらの教師の道を選ばなかった。最初に教師になるための大学を選ばれたのは、何か理由がありますか?
葉一:きっかけは高校の時の恩師です。その先生に憧れて。人生も価値観もすごく変えていただいたんですよね。なので、「教師っておもしろそうだな」と思って、学芸大を目指しました。
司会者:最初から先生になろうとは思っていなかったんですか?
葉一:もともと「教師大嫌い人間」なので(笑)。
司会者:大嫌い人間。それが、その先生に出会うことによって変わったんですね。その先生は、他の先生と何が違っていたんですか?
葉一:自分は男子校に通っていたんですが、最初は自己紹介をするにも、ものすごく怖かったんですよ。でもその先生は、真正面から向き合ってくださっているとすごく感じられたんですね。「他の先生とはちょっと違うかも」と。繕った言葉ではなくて、心から出てくる言葉で話してくださる。
数学の先生なんですが、わからない問題を聞きに行くと必ず教えてくれて断ることがないんです。自分以外の生徒にもそうなんですが。自分たちのために本当に時間を割いて、真正面から向き合ってくださる人がいる。ある意味衝撃だったんですよね。
そこから、「この人は違うかも」と思って。先生のお子さんの話など、いろんな話をさせていただいて、気づいたらどんどん信頼していました。
司会者:なるほど。ある意味、それまでの「先生」に対する価値観を大きく変えてくださったんでしょうね。もともと「人として」というところも大きいのかもしれないですよね。
葉一:そうですね。
司会者:ありがとうございます。そして教育系の大学に進まれるも、一番最初の就職先は営業系だったんですよね。
葉一:営業マンをやっていました。ピンポーンって1軒1軒インターホンを押して。
司会者:1軒1軒、戸別訪問ですね。そのあとに塾。
葉一:塾講師です。
司会者:いわゆる小学校、中学校、高校の先生にならなかった理由は、何かあったんですか?
葉一:いろんなきっかけはあったと思うんですけど、教育実習に行った時にけっこう大きな衝撃がありまして。先生方が本当に多忙なのを見て、「理想の教師像になるには、時間がかかるかも」と思ったんです。
もともとは教師一択だったんです。でも当時、NPOに参加させてもらったり、起業されている方の職場に行ってお話を聞いたり、いろんな人と触れていく中で、「教育って教師一択じゃないな」と思うようになったんです。
教育業界に戻ることは決めていたんですが、一度きりの人生ですし、「1回外に出て修行しよう」と。それで教員採用試験を受けずに、就職活動を始めたんです。
司会者:学生時代にいろんなものを見たことがきっかけなんですね。
葉一:学芸大学ってちょっと特殊で、今は違うんでしょうけど、自分たちの頃は学校の先生になる人が集まっていました。クラスメイトもほとんど教員採用試験を受けていましたし、「みんなで一生懸命がんばろう」という居心地の良さもありました。
でも、視野が広がらないことにすごく危機感があったんですよね。なので意図的に自分で出会いを(見つけて)、「外に行かないとまずいな」と、いろんなところに参加するようになりました。そこからいろんなものを吸収していったんです。
司会者:いろいろとご経験される中で、鍛えられたことはありますか?
葉一:そうですね。やっていく中で鍛えられたのは、まず視野が広がったこと。それから、自己肯定感が徐々に養われた感じはしますね。
司会者:それまでは、自分にあまり自信がなかったということですか?
葉一:平均値がわかりませんが、今でも自己肯定感が高いほうではないと思っています。いろんな人に出会ったり、いろんな仕事をさせてもらったりする中で、「自分でも何かできることがあるんだな」と、その時期に気づかせてもらったんです。それで、だいぶそこ(自己肯定感)は強くなったかもしれないです。
司会者:「成功体験によって自己肯定感が高まる」とよく言われますが、別に成功だけではないということですね?
葉一:そうですね。結果がもちろん大事だとは思いますが、過程もやはり大事だと思っていて。「失敗は成功のもと」なんて言葉もありますし、失敗から学べることって大きいじゃないですか。自分がたどってきた道すべてに、意味があったと思っていますね。
司会者:なるほど。恐れないでいろんなことにチャレンジした自分を、今は褒めてあげたいですかね。
葉一:褒めてやりたいですね。
司会者:そうですか。いいですね。
葉一:(笑)。ありがとうございます。
司会者:聞いているみなさんも、いろんなチャレンジをして、葉一さんのように自分自身を褒められるといいですよね。別に褒めるためにやるわけじゃないですけどね。
葉一:(笑)。
司会者:お話を聞いて、それいろんなチャレンジをすることはすごく大切だなと思いました。そこからまた新たに、YouTubeを使ってお仕事が始まっていくわけですね。そこへ転換したきっかけについて、お聞かせいただけますか?
葉一:YouTubeを始めるきっかけですね。営業マンから転職して、塾講師になりました。その時に感じたのは、経済的な問題で塾に通えないご家庭が思った以上に多いということ。そこに問題意識を強く感じて、「何かできないかな」と思い、塾を3年で退職したんです。
その時はまったく思いつかなかったんですが、当時たまたまYouTubeを見ていて、「あれ? ここに自分が授業動画を投稿すれば、子どもたちからお金をもらわずに授業を届けられる」と思ったんですよ。
それにハッとなって、翌日に初投稿したんですよ。それがスタートで、気づいたら10年目になっていました。
司会者:すごいですね。ハッと気づいて翌日にやるという。それまでも、そういう行動力があったんですか?
葉一:それまでは正反対の性格でした。当時の自分は、石橋を叩いて渡るタイプで、それを自覚していました。人って、できない理由や諦める理由をいっぱい思いつくんですよね。
その当時も、もちろんYouTubeでの授業動画は前例もなかったですし、成功する見込みもまったくない。だから考えれば考えるほど、絶対にやらないほうに向かうのがわかっていたんです。
だから「すぐやれ」と自分に命令をして、ホワイトボードを持っている知り合いに電話して、「貸してください」と言って車で取りに行って、組み立てて、勢いで撮ったんですよ。ひどい動画なんですけど(笑)。でも、そこから徐々に改善していって、今に至っています。
司会者:なるほどね。縁もあればタイミングもあったり。やはり思った時に動くことは大切ですね。
葉一:自分は、人の情熱や興味ってけっこう生モノで消えやすいと思っているんですよね。一晩寝ただけでも「昨日の夜の情熱どこ行った?」みたいなこともあったり。
わりと今でも、自分が興味を持った瞬間や湧き上がる思いが出てきた時には、何かに残したり行動を起こすようにしています。そういうアウトプットを、けっこう大事にしていますね。
司会者:「時は金なり」とかいろいろなことを言いますが、確かにそのとおりだと思います。ありがとうございます。
司会者:たまたまYouTubeを見ていたとおっしゃっていましたが、YouTube1本で、そのあと何か他のものを考えたりはしなかったんですか?
葉一:プラットフォームについてですね? それはYouTubeしか考えていなかったですね。なんというか、絶対にこれは大きくなると思ったんですよ。当時はもちろんまだユーチューバーもいなかったですし、YouTubeで活躍されている方も今みたいに多くなかったんですが。
感覚的に、このプラットフォームは絶対に大きくなると思ったんです。教育と混ぜた時に、当時はめちゃめちゃ叩かれましたけど、「このプラットフォームだからこそ、絶対に浸透していくはずだ」という、根拠のない自信はあったんですよね。あとはそれを証明するだけだと思ってやっていました。
司会者:なるほど。証明するために、とにかくやって動かしていく。その上、子どもたちは無料で観ることができる。「子どもたちのために」というご自身の信念とうまく合うプラットフォームだったのも、大きいですよね。
葉一:大きいですね。子どもたちからお金をもらわずに教育を届けられて、自分の生活もあるから、マネタイズもできる手段をずっと探していたんですよ。塾講師をしながら丸3年探しても、何も見つからなかったんです。
そしてYouTubeに出会ってひらめいたんです。その瞬間、「可能性に満ちたものがある!」とすごくうれしかった。その感覚を今でも覚えていますからね。
司会者:信念を持って、探し当てたんですよね。信念も大切。探す力も大切ですね。
葉一:そうですね。やはり動かないと、見える景色が変わらないので。
司会者:新しいことをやろうとする時、人って怖くなっちゃいますよね。
葉一:わかります(笑)。自分もすごく怖がりなんで。
司会者:やはり信念が、人を動かしていけるんですよね。
葉一:ずっとそう思っています。
司会者:ありがとうございます。
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