
2025.02.18
AIが「嘘のデータ」を返してしまう アルペンが生成AI導入で味わった失敗と、その教訓
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人々の主体性を引き出し、生きる力を育むキャリア教育に取り組む認定NPO法人『キーパーソン21』。誰の中にもある、わくわくして動き出さずにはいられない原動力を「わくわくエンジン」と名付け、全国各地のコミュニティと協力して、さまざまな取り組みを推進しています。今回はそんな『キーパーソン21』が主催する「わくわくエンジンEXPO」にて行われた、株式会社植松電機 代表取締役の植松努氏による基調講演の模様をお届けします。学校の勉強が苦手だったという植松氏がどうやってロケット開発を成功させたのか、夢を叶えるための方法が語られました。
植松努氏(以下、植松):夢を叶える秘訣は、自分の夢をどんどんしゃべることです。やりたいことは、「やったことがある人」と仲良くなればできるから、出会う人出会う人に片っ端から夢をしゃべったら、夢はどんどん叶うからね。
やったことがない人は「できない理由」を教えてくれるんだけど、やったことがある人は「どうやったらできるか」を教えてくれるんですよ。だからみんなは、やったことがある人を探して、どんどん夢をしゃべるべきなんです。
でも、夢はバカにされたり否定されます。そんな経験をした人は、「もう自分の夢はしゃべりたくない」「恥ずかしい」と思っているかもしれません。
でも、聞いていてくれた人の中には「あれ? それ、僕の友達がやってるよ」という人がいるかもしれません。そういう人と出会うチャンスを失うほうがもったいないからこそ、夢をいくらバカにされても勇気を出して、わかってくれる人に出会えるまでみなさんはしゃべり続けるんです。
世界は、そのために広いんだよ。目の前だけが世界じゃなくて、この世のどこかに必ず、みんなを信じて支えてくれる人がいるからね。その人に出会えるまで、勇気を出してしゃべるんです。お手紙を書いたって、メールを打ったって構わないからね。いろんな方法でつながれるから、ぜひ自分の思いを伝えてほしいと思います。
植松:僕は、自分の夢をしゃべる勇気がありませんでした。僕の生まれた町には、飛行機・ロケットを作った人もいませんでしたから、出会えないんです。でも、出会うために本があるんです。
本のすごいところは、死んじゃった人とも外国の人とも仲良くなれるところです。僕は(本の中で)ライト兄弟と仲良くなりました。ライト兄弟は東大に行ってませんでしたし、よくよく調べてみたら日本でも、東大に行かなくたって飛行機・ロケットが作れるんですよ。
そして東大生が使ってる教科書は、普通に本屋でも図書館でも、なんぼでも手に入るんです。「読んじゃダメ」なんて決まりは、どこにもありませんでした。
「習ってないからできない」「進学できないから無理」じゃなくて、まずは本を読めばいいんです。なんたって人生は、フライングしたほうが先に進みます。おぎゃあって生まれた瞬間にもうスタートを切っていて、先にやったほうが前に進めるから、どんどんフライングすべきなんです。子どもたちは、どんどん社会と関わってほしいと思います。
植松:僕もフライングして、中学校の頃から飛行機・ロケットの勉強をしまくりました。その結果、中学・高校と「赤点の帝王」と言われていましたが、それでも僕は大学に行きたいと思いました。家にお金がないことを知っていたから国立大学の一発勝負で、先生からは「絶対に受かるわけない」と言われましたが、僕は受験をしました。そしたら、なんだか知らんけど受かってしまったんです。
受かってびっくり、大学の勉強は全部僕の趣味だったんです。自分で勝手に勉強したことが、全部テストに出ちゃうので、ほっといても100点が取れるようになってしまいました。
僕の会社で働いてる人のお子さんは、恐竜が大好きだったんですが、それを学校でしゃべると「子どもっぽい」と笑われるそうです。だから親御さんも先生もみんな「大丈夫かな」と心配したそうですが、僕はその話を相談された時、うれしかったんです。
「えっ、僕も恐竜大好きだよ!」と思っていたから、その子に僕が持っている本をプレゼントしました。その中の1つが、北海道大学で活躍している小林(快次)先生の本で、北海道で見つかった新しい恐竜の話だったんです。
それを読んだ彼は恐竜の勉強をするようになったんですが、「北海道大学の小林先生のもとで考古学を学びたい」と思ったから、学校の勉強もするようになりました。そうしたら、彼の成績はどんどんどんどん伸びてしまって、今では学年で1番になってしまったんだそうです。これは、あることを示しています。
「勉強しなさい」「いい学校に入りなさい」と言われて勉強するのと、「夢のために勉強したい」というのは、大きな差なんです。実は人間の脳みそは「覚えなさい」と言われたら動かなくなっちゃうんですが、「知りたい」と思ったら、どんどん動いて発達していくんです。脳みそを発達させるこのパワーが「わくわくエンジン」なんじゃないかと思っています。
植松:僕も自分の好きなことをやった結果、大学でいい成績になって、名古屋で本物の飛行機やロケットを作ることになった経験があるから、今、ロケットを作ることができているんです。
どう考えても、先生や大人やいろんな人が「くだらないからやめなさい」と言ったことが、くだらなくなかったから、夢が叶いました。学校の勉強以外のことにも、可能性や価値があったので、これは立派な学問だったんです。
だから、みんなに知ってほしいんです。テストの点数なんかで人生を諦めず、大好きなことこそが人生のパワーだから、大好きなことを奪われないでください。
僕は小さい頃から本を読むのが大好きだったから、国語が好きですごく楽しみなはずだったんです。だけど、漢字を読むテストは100点が取れるのに、なぜか丸っきり漢字が書けないので、今でもぜんぜん適当でぐちゃぐちゃです。だからテストのたびに怒られて怒られて、国語が怖くなって嫌いになってしまいました。
また、僕は計算も大好きです。紙飛行機やペーパークラフトのためには計算が必要だったから、電卓やパソコンを使って難しい計算もします。でも僕は筆算ができないから、テストのたびに怒られて怒られて、算数や数学が怖くなって嫌いになってしまいました。
でも今、本を書く作家の仕事をしています。僕が書いた本の一部は大学の入試問題にも使われたり、僕が計算したロケットは空を飛んでいるんです。僕は学校のテストと相性が悪かっただけで、ダメじゃなかったんです。
植松:もしかしたらみんなの中にも、学校のテストの点数が低いから勉強が嫌いになっちゃったり、自分のことを責めてる人がいるかもしれないけども、思い出してほしいんです。
入学して小学校1年生で初めて教科書をもらった日、わくわくしたはずなんですよ。楽しみで、全部輝いて見えて、早く知りたくて、学びたかった。なのにいつの間にか、勝手に点数をつけられて、勝手に比べられて、勝手に怒られて、苦手と嫌いを植え付けられた。でもそれは、学校のやり方と相性が悪いだけなんです。
だから、自分の方法で学んでほしいんです。図鑑でも映画でも図書館でも博物館でも漫画でも旅行でも、なんでも構いません。とにかく「知る」ことの喜びを奪われないでほしいんです。
「知る」というのは本当に素晴らしいことですが、「学ぶ」というのは「教えられたことを覚えること」じゃないからね。「学ぶ」というのは、「自分で疑問を感じて、自分で調べる」ことだから、それができなかったら社会に出てからなにも学べなくなっちゃいます。だから今のうちから、どんどんいろんなことを読んで、調べてほしいなと思います。
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