2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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川島高之氏(以下、川島):せっかくなんで、質問ある方はお願いします。極力、話題が幅広になりすぎるんで、教育委員会や文部科学省がどうという話は抜きにして、保護者や地域がどうというところに特化したような、ご質問をお願いしたいと思います。
(会場挙手)
川島:じゃあ、お願いします。
質問者1:今日はどうもありがとうございました。保護者についてなんですけども、私も子どもが小学校に上がって、昔は連絡網があったんですけど、個人情報保護法で今はないようなんです。
それで、例えば、子どもが誰かの家でジュースをごちそうになった時に、お礼を言う手段っていうのがなくて……。幼稚園のそういうグルーピングがないと、まったく他のご両親に接続できないんです。
「そういうのどうしたらいいんですかね?」って先生が聞いたら、全部先生が1回電話をしてくださるそうです。その先生が電話で確認をして「○○くんが今日お宅に行って、ジュースをごちそうになったんですけど、お礼をしたいみたいです」みたいな。
私が教育委員会で市会議員やっているんですけど、確認したところ、教育委員会でもそういう指導をしている。保護者の過剰な要求っていうところに、(連絡網の問題が)変に接続してるかもしれないんですけど、個人情報保護法がけっこう先生を苦しめてるんじゃないかなと思いまして。それはどうなんですかね?
川島:確かに、いつもPTAの初年度の4月は、メールアドレス交換会になっちゃうんだよね。あるいは、学年委員会もそうですよね。学校の立場だと個人情報保護法があるからね。結局、結論が出ない場合は、自分も連絡網なしでやってたんですけどね。何か今の問題に対して、いいアドバイスはないですか?
一同:……。
川島:どうしたらいいでしょうかね? それは学校の立場だったら、個人情報保護法で電話番号やメールアドレスを配るわけにはいかない。それがもう学校の立場ですね。保護者はまさに、一人ひとりに聞くのが大変である。じゃあ、先生が受ける。どうしたらいいですか? 安藤さん。なんか、イタリア人的なセオリーみたいなものはありますか(笑)。
安藤哲也氏(以下、安藤):たぶん、うちの子どもたちもいろんな家でごちそうなってるし、うちも(子どもの友達が)いっぱい来て、ごちそうしてあげているんだけど、僕らはそんなお礼を言いあったりしません(笑)。
だから、日頃の関係が疎遠だから、そういうふうに言っとかないと、「あの人、常識ないよね」って言われるのが怖いだけじゃないんですか? そうじゃなくて、そもそも「そんなこと当たり前だよね」っていう関係性を、まずつくることが大事だと思います。
川島:だから、コミュニティに参加して。
安藤:そう。コミュニティに参加してみんなで顔見知りになっていく。だって、会社のやり取りのようなつまんないこと言わないじゃないですか。それと同じで(笑)。
川島:そうか。「今日はお茶をいただきまして、ありがとうございます」なんて。
安藤:そんなこと言わないじゃないですか(笑)。関係の深さによって、必要なコミュニケーションって変わってくると思います。
川島:そうだよね。
安藤:個人情報保護法がまたなくなることはありえないんで、そこで保護法を変えることはありえないので、しょうがないと思います。
川島:じゃあ、もっと地域に参加して、当たり前に顔見知りになっていくことが大事だと。
安藤:だから、みんなが定時に帰れる社会にしなきゃダメなんですよ。お父さん、だって今日は疲れているから地域のことやろうなんて発想にもならないわけだからね。
川島:はい。じゃあ、他の質問のある方。
(会場挙手)
川島:あ、じゃあ、一番後ろの、どうぞ。
質問者2:貴重なお話、ありがとうございます。僕は公務員なんですけど、そこで見ていて思うのは、先ほどのお話にありましたように、(教育の現場に)スクラップアンドビルドがないっていうのは、すごく感じています。
PTAのやり方、幼稚園のやり方、要は行政のやり方って、やっぱりそうだと思っていて。今、自分がPTAとか園の話をちょっとずつやろうとしているんですけれども。
いっぱいあると思うんですけど、その中で保護者が変わるところ、幼稚園が変わるところ、学校が変わるところ、つまり行政が変わるところ、どこが一番効果があるのかをうかがいたいです。
保護者として、保護者が変わる、保護者の中で広めるということができるのか。園に働きかけるってことができるのか。逆に、園が行政に対しては、ある意味受託者になるので、お客さんが行政になっちゃうんですけど。
保護者からすると、要は行政っていうのは、逆の立場として発言がしやすいという側面があるので、保護者として「もっと行政はこうあるべきじゃないですか?」という、保護者の動きかけ方っていうのもあるかなと思っていて。
今、PTAとしてどうするのかで、保護者が変わるところ、園が変わるところ、学校が変わるところ、行政が変わるところ、どのへんに時間を注力するといいのかとか、どこが変わるのが理想かなと思うのかを、ご意見をお持ちでしたら教えてください。
川島:要は、学校の長時間、教員の長時間労働の是正のためには、どこが変われば一番いいか、っていう質問ですね?
質問者2:そうですね。かつ、それと、保護者の立場でやりやすいところを考えるとどんなところかと。
川島:保護者の立場で、どこのスイッチを押せば、教員の長時間労働是正につながるのか、っていうののスイッチ先というような質問になりますね。
それは教育委員会のスイッチなのか、行政なのか、校長先生なのか。あるいは、自分が自分のスイッチを押して、自分が参加するのがいいのか。どうでしょうか? どなたでもけっこうです。
生重幸恵氏(以下、生重):やっぱり一番に保護者の意識が変わってほしいですね。PTA向けの研修会でしゃべる時にどんなに学校の文句を思っても、やらないよりはいいんですよ。
そこを対象にするっていうんじゃなくて、どうやって学校の中で延長できる環境を作っていくかっていうことがたぶん一番大事なんですね。
その時に、「PTAをやってるから先生全員出てきてよ」とか、「地域が任せてるわけだから、先生こんなことするの当たり前じゃないか」っていう、その今の考え方を変えていかなきゃダメなんですよ。
「それは俺らがやるからいいよ。先生だって子どもの面倒あるし、自分のご家庭に帰って面倒みろよ」って言ってくれるパパたちがいることが大事だし、そういうふうに1個1個を合意していくのが、PTAと教職員、運営委員会、コミュニティ・スクール、地域連携推進とか、そういうところが全体でそういうことをやっていくので。
プロセスの参画に向けての教育的な位置づけは、教員として、プロとして、教育者としての目線は必要だけど、地域の中の規範意識形成とか、そのイベントを「先生の中では盛り上がらない」なんて思っているのは間違いで。
やっぱり「保護者も助けるし、先生もやっている。部活のあり方もそうだよね」、みたいなことを親側が言ってくれることで、そこがボトムアップされてきて、教育委員会も「そうだよな」ってなってくれるほうがいいんですよ。教育委員会や行政など、上から言ったって、ぜんぜんダメ。
川島:ダメなんだね。地域の夏祭りに、PTAのお父さん、お母さんたちと教員たちが、20人、30人集まって見回りしてるんですよね。で、僕はPTA会長だった時に、「先生たち、来なくていい」って言ってたんですよ。
だって、土曜日の夜ですよ。「僕らがやるから、来なくていいです」って言ってたんです。土曜日の夜に教員が10~15人来るんですよ。子どもたちの数が減ってる。今時の中学生、屋台のあのへんで、お祭りで、シンナーとか吸わないですよね。
(会場笑)
川島:屋台の周りでは大人の数も多くて。たぶん、もっとそれは、「先生、来なくていいです」って言わなきゃいけない。まさにそういうことでしょ?
生重:そういうことです。
川島:保護者のところに、ちょっと限定してほしいですね。
妹尾昌俊氏(以下、妹尾):保護者目線から「ここまではやらなくていいですよ」って言っていただくのは、本当にありがたい話ですよ。ただ、両方あるんですよね。
保護者が先生たちの仕事を増やしていったっていう側面と、先生たちが自ら増やしていった、あと教育委員会からの仕事がいろいろある。だから、一方だけの責任を追求するだけじゃ、うまくいかないんですね。
例えば、部活動1つとっても先生が「これはやりがいがある」と、生徒指導になるというんで増やしていったところもあるんです。一方で、保護者も応援して、どんどん「やってほしい、やってほしい」。家でゲームさせているぐらいだったら、部活動を見てほしいっていう保護者が多いので。そういう両方あるんですよ。
だから、誰かが悪いとか、誰かが改革しなきゃいけないんじゃなくて、各々が当事者意識を持ってできることを探していくと思っています。
もうちょっと身近なことで言うと、例えば、先生方のテスト、宿題の中のコメントとか、ハンコだけとか、簡単でも、保護者は「ええよ」って言ってあげてほしいんです。
生重:そうです、そうです。
妹尾:アドバイスを含めてね。
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