2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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ムーギー・キム氏(以下、ムーギー):どうも、こんにちは。本日はお忙しいなかお集まりいただきまして、ありがとうございます。東洋経済オンライン『グローバルエリートは見た!』及び、この『一流の育て方』の片方の……20パーセントくらいしか書いてないんですけれども。息子のほうの著者のムーギー・キムです。よろしくお願いします。
それで、ここにいらっしゃる方が、3年ほど前から東洋経済オンラインで、さまざまな人の子育て、あるいはいろんな家庭の離婚相談、家庭問題にずっと首を突っ込み続けてきた、ミセス・パンプキンさんです。ちなみにこのなかでこの本を買ってくださった方、本当にありがとうございます。これをすでにお読みいただいたという方、いらっしゃいますでしょうか?
(会場挙手)
すでにお読みいただいて。今から話をさせていただく内容は、もうお読みいただいた方には、著者の側からこの辺のポイントをとくに強調したいということをお話させていただければな、と。お読みでない方は、もう読まなくて済むぐらいになにが言いたかったのというのを話せればと思いますけれども(笑)。
(会場笑)
ムーギー:まず、ここにある本邦初公開の、ミセス・パンプキンのロゴなんですけれど。かわいらしいでしょ。おかげさまで、この『一流の育て方』の本が1ヵ月で11万部突破したということで。拍手してくださってけっこうなんですよ。
(会場拍手)
ムーギー:ありがとうございます。私のなかで燃える商魂がわきたぎって、このままお母さんをロゴ化して、商標登録して人形にして売ろうかなと思い始めています(笑)。
というのは冗談なんですけど、このミセス・パンプキンと共に書いたこの『一流の育て方』は、私が最初の1ページに、「結局この本の特徴ってなんなの」と、「なにが言いたかったんですか」と、「一番重要なメッセージってなんなんですか」ということをご紹介した後にミセス・パンプキンが、なにか申し上げたいことがあるということですので。
そしてその後に、またお話させていただけると思います。この1冊を一言でまとめると、「なんなんですか、この本は?」って聞かれたときに、「自己実現できる人の育て方」と。(会場にいる子供に向かって)僕も聞いてますか?
(会場笑)
ムーギー:不本意なことに、『一流の育て方』というタイトルに関して、私とても怒られてるんです。ネットとか見ても、「なんだ、そんな偉そうな」と、「俺は子供をそんな一流に育てようと思ってないんだ」と。お母さんそうでしょう?
一流かどうかなんかじゃなくて、自分の幸せな人生を送ってくれる、そんな子供に育てたいんだ、と。中身を見ると、けっして子供を一流に育てたいということではない、子供に一流も二流もないです。ただ言いたかったことは、「育て方を一流にしませんか」ということなんです。これだけ多く頷いてくださると、今日は本当にお母さん、ありがとうございます。
(会場笑)
ムーギー:これを一言で言うと、ここの一番上の2行くらいに書いてあることなんですけれども、結局特徴としては、子供が将来、親に感謝する育て方ってなんなのだろうと。
それに対する理解を起点に、つまり本書自体が、そもそも200人以上のいわゆるよい大学に行っただけじゃなくて、そこでいろんなリーダーシップを発揮してきた学生。大学期間中に特許をとったり、社会人200人くらいをフィリピンの山奥に連れて行ってスリランカとフィリピンとアフリカで学校作ったとか、並々ならぬリーダーシップをつけている子供たちなんです。
この人たちが、子供のときに受けた家庭教育でいったい一番どういうことで親に感謝しているのか。
だから、ここにお越しくださった方に少なくとも1つお約束できるのは、今の育て方が、将来、子供から感謝されることなのかどうなのか。これは、1つお約束できることだと思います。
2つ目にわかること、これは親の愛情がわかる本でもあるんです。この本の書評で、「読書メーター」というWebサイトがあります。そこには、実際にこの本を読んだ人がどういうところがよかったかっていうことを書いてくれる。どういったところが悪かったということも書いてくれる。
これが、本好きの人たちが読んでいるところなので、実際に読んだ人たちが書いてることだ、と。そのなかで一番多いレビューは、「ここで自分の親の姿を見た」と。つまり、世の中の人たちが親に感謝してることって、よくよく考えてみると、自分がそういうふうに育てられたな、と。
例えば、親は自分の判断が危ういと思っても、私に進路を決定さしてくれた、と。視野が広がるように、本をいっぱい買ってくれた、と。別に親は裕福じゃなかったけれども、視野が広がるように、留学に一生懸命行かせてくれた、と。
そういったように、世の中の人たちが感謝する育て方のところに、自分の親の愛情を思い出して、親孝行する本でもある。ですからここに、みなさんも我々も、運命共同体というか同志です。つまりこれを子供に渡すと、感謝される。自分の親の愛情を思い出してもらって。そういうこともございますので、ぜひこれをお子さんにお読みいただければと思います。
3つ目、これが腰です。一番重要です。これは、育児の本じゃないんです。もちろん第一義的には育児の本なんですけど、本質的には「人の育て方」の本なんです。先ほど、なんで私が早口でごちゃごちゃしゃべってるかというと、早口だからじゃないんです。そう、お子さんの声に負けないように先ほどからしゃべってるんです(笑)。
(会場笑)
ムーギー:うそ、うそ。僕、ちょっと静かにしてくれるとうれしいかな(子供に向かって)。気にならないですか、大丈夫ですか? 気にならないようでしたら、私このちょっと甲高い声でひたすらしゃべろうと思います。
先ほど、ダイヤモンドの営業部長のイノウエさんという方がいらっしゃるんですけど、その方が、ありがたいことに100冊も本を買ってくれたんです。
なんで100冊も買ってくれたのかな、と話をしてると、ご自身がもう1つの仕事で、スポーツマンを養成する学校をなさってるらしいんです。スポーツマンが自主性を伸ばすために著しく使えるとおっしゃって。実はこの本のレビューのなかでも、「これは子育ての本でありながら人を育てる本だ」「ビジネスにも使える本だ」と。そのように言ってくださっている方がいて。
これは、著者として非常にありがたいことです。著者として狙っていたことは、この3つのことなんです。
この本は、本質的には自己実現できる子供を育てる本です。その中身は、子供の気持ちがわかって、親の愛情がわかって、そして人の育て方がわかる本なんだと。
最終的には、人の育て方を度外視しても、自己啓発、つまり自分を理解する本だと思うんです。どういうことかと申しますと、例えば私、ぜんぜん自己管理能力がないです。偉そうに本を書いたわりに、めちゃくちゃ部屋汚くて。カバンの中はぐちゃぐちゃなんです。
思い出してみると、中学、高校の頃までお母さんがなんでもかんでもやってくれていたんです。過保護で育てると、自分でなにかやらなくちゃいけないという生活習慣がつかない。
自分自身の実体験をもって言うんですけど、子供の世話をやり過ぎると、子供の自己管理能力が育たないんだな、と。でも、中学入った後はなんでもかんでも自由にさせられて、別に干渉とかなにもなかったんです。
自分で自分の進路とかやりたいこととか決めてきたんですけど、確かにそういうふうに放っておいてくれたから、自分でこれやろうとか主体性がついたんだなというのがあって。
今の自分の性格、いいところも悪いところも含めて、こういうふうに育てられたから、自分はこうなってんだな、と。
だから、自分を発見するという新たな驚きもある本でした。私、書きながら自分で一番勉強させてもらったなと思うんですけど、けっして私たちの我流のやり方を書いてるわけではなくて、本当に200を超えるいろんな人のインタビューに基づいています。
かつ、このインタビューの内容というのが実際ビジネスでも役立つかどうかを確認するために、各章の頭でビジネスリーダーに語ってもらってるんです。「息子さんの主体性を上げるためにどんなことをされましたか」と。「息子さんの学習能力を高めるためにどんな教育してますか」というのを、ビジネスマンの視点で。こうしたいろんな人の叡智を1冊の本に収めることができたことに、達成感を持っています。
うんちくはこの辺にさせていただいて、このなかでミセス・パンプキンがどんなことを申し上げたいのかということを、パンプキンに15分くらい話してもらってそのあと、私から具体論、つまり「自己実現できる人の育て方 実践理論7大方針と55ヶ条」を。
つまり、これは先ほどの人の育て方を知ってもらうっていうことなんですけれど、具体的に「人の育て方ってなんなんでしたっけ?」という、具体的になにをやったらよいのかという実践論に連ねて。
ただそこは、私が本を書きながら考えたことを、一方的に話すというよりは、例えば主体性を伸ばすために私はこんなことをやってます、視野を広げるためにこんなことをやってます、といったことを、双方向でいろいろ議論させていただいて。勉強させていただく時間にさせていただければありがたいなと思います。
それでは、ミセス・パンプキンに代わりたいと思います。パンプキンさん、よろしくお願いします。
ミセス・パンプキン氏(以下、パンプキン):はじめまして、パンプキンです。
(会場拍手)
パンプキン:この本を書いている時は、本になるというだけでうれしくて。うれしくて、うれしくて、1冊も売れんでもうれしいわ、というくらいの気持ちで書かせていただきました。
それがこのようにみなさんに愛していただいて、八重洲ブックセンターというところでお話させていただいて。みなさまにこのようにお越しいただいて。ダイヤモンドさんのいらっしゃる東のほうに、足を向けて寝られないな、立って寝ないとあかんなと(笑)、それくらいもう光栄で、うれしい日々を送っております。
みなさん、本当にありがとうございます。この本のベースになっている学生さん方のアンケートを、最初、息子が私に見せまして、「親の教科書になるくらい一級の資料だ」と言うんです。「お母さんこれ、ちょっとまとめて」と言うんですけど、私は一読しまして、「絵本を読んでもらった」「読書習慣をつけてもらった」「親に勉強せえって言われたことがない」って、そういうことばっかりが、ばーって書いてあるんです。
それを読んで、「お母様の丁寧な育児を見せられてるに過ぎない」って。「私にそんな時間どこにあったのよ」って、自分を正当化したり。「こんなに同じことばっかり教科書にならない」って、ちょっと隅に置いておいたんです。
ところがこのしつこさで、「これは絶対、親の教科書になる」と言って、「もっぺん見なさい」って言うんです。それで、ゆっくり読みました。
2回目には、これだけ200名の、よいとこへ行っておられる……実はこの本は学生さんのアンケートばかりなんですけど、今後のアンケートには、弁護士さんとかお医者さんとか、もっと経済界でよい会社に行っておられる方、もっと自分がチャレンジしたいから、自己啓発のためにってセミナーを受けに来られた方たち。
そういう方たちが親に感謝することは、一人ひとりが別々のところで集まっているのに、言ってることが全部同じなんです。
「親に感謝してることは」って言ったら、「知的好奇心を刺激してもらった」「さまざまなところに連れて行ってもらって、いろんな体験をさせてもらって、なによりも勉強せえって言われたことがない」。そういうことがすっごく多かったんです。
これだけ優秀な方たちが同じことを言っているということは、それだけで真似するに値する大切なことなんだと、2回目には閃いたんです。
これは、私が最初に暇なお母さんだからできたと思ったような、時間の問題じゃなくて、やっぱり認識の問題。読書、絵本の読み聞かせが大切だいうのは、どのお母さんも知ってると思うんです。でもこれほどに、20歳とか30歳になった子供さんが、幼い頃にあの習慣をつけてもらったことで本当に自分の世界観も広がって視野も広がって、いろんな知的好奇心を重ねて、感謝しているって。
自分が子供を育てている時に、その重要性に気付いてたら、忙しいとか言ってられない。1時間も2時間も読むわけじゃないんですから、(読み聞かせを)やったと思います。
これは時間、忙しいとかそういう問題じゃなくて、親の認識のレベルの問題だと思ったんです。子供はもうみんな大きくなっていたんですけど、私の子育てで子供にすごい悪いことしたって後悔したんです。この本に出てくる子供の親御さんたちは、それをふつうにやってこられたんですけど。私のように、料理・洗濯とかを必死にすると言って、子供の情緒教育とかを後回しにしたお母さん方も多いと思うんです。
そういうお母さん方に、私がこれを書くことで、「イエローカードですよ」って言うことができる、そのぐらいのうれしさが込み上げてきました。
私はこの子に、みなさんが小学校5年生で受験戦争に必死になってる時でも、この子はエンジンかからずに。ザリガニ追いかけたり、野生児やったんです。
(会場笑)
パンプキン:ペケになったプリントを、そのあたりのごみ箱に捨ててあったり机のなかに突っ込んであったり、ランドセルにいっぱい突っ込んであったり、そんなんなんですって。私はそれをチェックもしませんでした。
小学生の学習なんて、やればできるんだから、やらないだけだからなんて。先生にいつも注意されてたんですけど、チェックしませんでした。ところがあるとき、この本に詳しく書いてあるんですけど、これは「やればできる、やらないからできないんじゃなくて、放っておいたら永遠にこの子はやらない子なんだ。やっても追いつかないとこまで差がついてる」というのを、5年生のとき、塾に初めて行かせてしばらくして、気付いたんです。それから二人三脚で、受験ベースに突っ込めるまでには一緒に勉強しました。
ちょっと欲を出させて、1位になったらこんなにおもしろいんか、というところまで連れて行って。あとは自分で勉強するようにしたんですけれども。
この子が、この資料を見てこれは親の一級の資料だって感じたのは、自分が受けた教育とこの人たちが受けた教育の差を、すぐにわかったからですね。私は忙しかったからって、自己弁護とか自己弁解をしていました。
でも、この子はすごかったんです。「お母さん、これが勉強になる人がいっぱいいる」って言うんです。今は核家族化で、相談する人もいないし、アドバイス受ける人もいないわけでしょ。私が話すことで参考にしてくださる親御さんも多いっていうことに気づきまして。本当にまた繰り返しますが、書いててうれしかったんですよ。
ここに出てくるお母さん方と私の違いですけど、私は4月になっても花が咲かない、おかしいって慌てて水をやったり。そうして、なんとか小さな花を咲かすことができたって感じなんですけど。
ここに出てくるお母さん方の教育というのは、苗木を植えるときから土を選び、養分をちゃんと与え、水をちゃんと与え。だから4月になったら放っておいても咲くんですね。私はなにもしないで、「4月になったら勝手に咲くわ、雨が降ったら自分で移動するやろう」って思って。
(会場笑)
パンプキン:それがもう、4月になっても咲きそうにないから、慌てて水をやる。そういう教育じゃない家庭教育というのは、親の認識の仕方で、ずいぶん改善される。その難しさは痛感してるんですよ、できなかったものですから。
でも、その反省に立って、こういうことを言うのも、きっとささやかな社会貢献になるんじゃないかと思いました。書いていてすごくうれしかったです。このような評価を得られなくてもね。
あと1つは、親子の絆とか親子の愛情というのは、親に愛情があればどの家庭でも伝わるのかという問題なんですけど。
昔は、この本の最後にも書いたんですけど、親はずっと子供のために一生懸命苦労してて。だから、子供は幼心にも見てて、「親というものはすごく大変なんだな。早く親を楽させたい」とか、「親の悲しむことはしない」とか。その親の姿を見て、親の存在がまた非行に走ることの抑止力になったり。その環境そのもので、親に迷惑をかけない生き方をしよういうようなことが芽生えてた思うんです。自然に覚えた。
私なんか、流行の少女雑誌を1冊も買ってもらったことはありませんし。でも、「買って」って言わなかったし、そんなの親が困るだろうし。
私のために、喜ぶお料理をしましょうかとか、そんなことになりませんでした。でも、親にとって私はすごく大切な存在だということは肌で感じてました。親のことは大好きでした。なにを買ってもらうわけでもないのにね。
隣近所も昔はみんなそんなようなもので、今起きてる親子の悲惨な事件なんかは、ほとんどありませんでした。ところが日本が豊かになって、親もそんな苦労してない、楽してる。そんなところで、じゃあ私のように、子供が見てるだけで親の愛情は芽生えにくいのか、感じ取りにくいのかっていう問題があると思うんです。
別にこの本がバイブルじゃないんですけど、この本を出したときのアンケートに、親との絆について1つのヒントがあるんですね。
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