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section 2 AROUND 25 割石裕太 氏(全1記事)

あなたはなにをする人ですか? 3つの質問で築くセルフブランディング

若手デザイナーのためのコミュニティ「UI CRUNCH UNDER25」が開催したイベントに、FablicにてUIデザイナーを務める割石裕太氏が登場。これまでのキャリアのなかで見つけたセルフブランディングの手法について話しました。自分のやりたいことを明確にし、活動範囲を広げ、自身の考えを周囲に伝えることの大切さが語られています。

「わりえもん」こと割石です

割石裕太氏:Fablicという会社でUIデザインをしております割石と申します。よろしくお願いします。

ほとんどの方が「お前誰だよ」となっているかと思いますので、自己紹介いたします。割石といいます。「FRIL」というアプリを運用している会社Fablicで、UIデザイナーをやっています。

会社では、UIデザイナーをやっているんですけれど、それ以外にも、「OH」という名前で個人でも活動をしていて、そこでは「わりえもん」という名前で活動をしています。

今まで作っていたものの話で、「前の会社のものを出すのはどうなんだ?」と思われるかもしれませんが、1年半やっていたので出してもいいかな、と。「Lobi」というサービスを、1年半ほど、手伝ってくれるデザイナーさんとやっていました。

そちらは運用がメインだったんですけれど、それ以外に新規で「FILTERS」というカメラアプリなどを制作しておりました。

OHという名前でも活動しているという話ですが、個人的にもいろいろ制作をしていて、先ほどはサービスのデザインだったんですが、ビジュアルデザインや、ブランディングもやっております。

最近だと、いろいろと有名なカヤックのコピーライターで、株式会社コピーライターの社長にもなられる長谷川哲士さんのCI(企業ロゴ)なども制作しております。

今月、転職しました

何回も言っているので「自分ごとではありますが」と書いてありますが、ちょうど今月頭にFablicに転職いたしました。

(首かけパネルを手に取って)今回わざわざイベント用にハンドメイドで作ってきました。首からかけているので、見つけたら声かけてあげてください。

転職は、自分のデザイナー人生においても結構大きな選択でした。そこに至るまでには、「今の状況でもいいんじゃないか?」とか、「今でもやれることはあるんじゃないか?」とか、悩むことがありました。その上で自分が考えたことや、大事にしたことは、どんな人にも通じる部分があるのではないのかと思ったのでお話させていただきます。

3つの問いを通して自分と向き合う

ここから本番ということで、「自分と向き合うセルフブランディング」というタイトルでお話したいと思います。自分のデザイナー人生を考える上で重要な部分は、3つの問いにまとめられると考えました。

まずは、「自分がいったい何をする人なのか?」というところ。あと、自分の活動範囲、「自分がいったいどういう世界で生きていくのか?」というもの。で、思考のアウトプット、「自分がいったいそこで何を考えているのか?」、この3つにまとめられる、と。

この3つの問いを通して、自分が求めているものや、やるべきことが見えてきました。これは自分内部の話だけじゃなくて、結果的には外からの見え方にもつながる話なので、「自分と向き合うセルフブランディング」というタイトルをつけています。

今日の話を通じて、今悩んでいる方とか、インターンでどこに行こうかとか悩んでいる人もいらっしゃると思うんですけど、デザイナー人生や自分自身と向き合うきっかけに少しでもなれば幸いです。

自分の“主戦場”を明確にする

まず「何をする人なのか?」という問いです。「自分は何をする人なのか?」という問いに対して、ここにいるほとんどの方が「デザイン」って答えると思うんです。ただ、デザインと一言で言っても、今やその領域が広がっていて、いろいろあるわけです。

ここにいらっしゃる方だと、多くの人がUIデザインや、UXデザイン、あとゲームデザインとかもいらっしゃるかもしれないんですけれど、Webに関わるデザイン領域だけでもかなり(の種類が)あります。

「UIデザイナー」と名乗り始めたことで変わったこと

自分の主戦場はどこか、と考えたときに、やりたいことが見えているんだったらもっと明確にしたほうがいい、と考えました。明確にすることで、人からの見え方も仕事の質も変わってきます。

僕はLobiというサービスを1年半ほどしたことで、サービスやUIデザインに対して強い熱意を持つことができました。

去年の末くらいからUIデザイナーと名乗っているんですが、自分はそれまでWebデザイナーとかデザイナーと名乗っていました。僕コーディングはできないんですけれど、コーディングできないのにWebデザイナーって名乗っていいのかと思っていて。

ですが、UIデザイナーと名乗るようにしてから、UIに関しての案件依頼だったり、相談、イベントへのお声かけとか、その領域により特化したコミュニケーションが増えてきまして、自分の領域を明確にしたことで得られた大きなメリットだと思っています。

「名は体を表す」といいますが、実際仕事の質が変わってくると、自分もそこにフォーカスしてどんどんものを考えていくようになりました。「自分は何をする人なのか?」という問いに対して、一言で答えられるようになってほしいと思います。

活動範囲が狭くなっていないか?

2つ目の問いは、「どこで生きていくのか?」という話。新卒で会社に入って、デザイナーとして活動し始めて僕は今3年半ですが、自分の活動範囲を考えたときに、「(活動範囲が)会社やチームだけになってませんか?」というところです。

まず、入ったときは、会社のデザイナーチームだったり、所属しているチームのなかで、自分がどう役に立つかということをすごく悩んでいたんですけれども、ちょっと余裕が出ると、会社というものに目が向き始めるようになって。

会社でのコミットももちろん得られるものが当然あるのですが、もっと外に目を向けることで得られるものもあるはずだと思っています。とくにこの年代の人は知らない世界をもっと見た方がいいな、と。

「覚えてもらうこと」だけを目指した

まずは、自分の会社や自分のチームより1つ外の世界で生きなければ、と目標を立てて僕は動いてみました。そのために大事なこと、ゴールを1つに絞りました。

それが「覚えてもらうこと」です。

僕はそれまで、「今、何をしている人なの?」と言われたときも、「デザインやってます」「Webデザインやってます」みたいな感じで、自分がしていることを自分でもうまく具体的に言えなかったんです。

だけど、UIデザイナーと名乗るようになって、その世界で生きていくんだとなったときに、まず覚えてもらえなければ、全然コミュニケーションができないと思ったので、覚えてもらうことをゴールにポートフォリオを制作しました。

もしかしたら、見てくださっている方もいらっしゃるかもしれないんですけど、さっきから何度も出ているマークのサイトがあるんですが、こいつを引っ張ったり、スマホを振ったりすると、びよんびよんと動いたりするんです。ぱっと見、このマークしかいないかなり変わったサイトを作ったんです。

なぜかというと……、小綺麗にまとめたサイトやシンプルにかっこいいサイトも、正直僕は大好きで、いいと思うんですが、覚えてもらうためには差別化できずに埋没してしまうんじゃないか、というところがありました。

僕はゴールを覚えてもらうにしていたので、自分のロゴだけを置いた挑戦的なデザインにして、ゴールに対して明確なデザインをしてみました。

ゴールに対しては適切なギミックやデザインができたのではないかなと思っているんですけど。実際、ポートフォリオサイトを制作をして以来、サイトを見てくださっている人がありがたいことにいらっしゃって、名刺代わりにもなっています。

それまでの「何をする人なのか?」、自分で自分のことを説明できず、誰からも認識されていない状況から、少しは前に進めているのではないか、と思っています。

言語化することの大切さ

続いて、「何を考えているのか?」というところです。ここが皆さんにとって大事かと思っていまして、皆さん自分の考えを持って制作をしていると思うんですけれど、「それを人に伝えられますか?」と。

僕は、偶然、イベントに登壇する機会をいただいて悩みながら言語化してみたんです。そのときにようやく自分が見えてなかった核、コアみたいなものが見つかりました。

「心地よいUIの温度」というタイトルで、「UI温泉」というイベントに出させてもらったり、「UX KYOTO」というイベントに登壇したり、「amana tech night」だったり。

数回の登壇を通じて、自分がユーザー目線や、ユーザーと一緒に作ること、ユーザーの近くで作りたいということをすごく大事に思っているんだと気付きました。

一人で考え続けても、あまりそれを言語化しないというか、人に言うことって「しよう」と思わなければなかなかしないので。そういう(一人で考える)ことによって、どんどん深化する部分もあるんですけれど、人に伝わるように言語化することは、自分の思考整理になると思うんです。

そして、アウトプットするとフィードバックをいただいて、思考整理の練度が上がってアウトプットの質が上がる、で、またフィードバックをもらうというふうに、結局は自分の深化につながると思います。

登壇でも、ブログでも、LTでも、何でも大丈夫だと思います。きっと自分自身にも見えていなかった「何を考えているのか?」という問いの答え、少なくとも答えの糸口が見つかるんじゃないか、と思っています。

自分がどんなデザイナーになりたいかが見つかった

そして、「自分と向き合うセルフブランディング」というところで、この3つの問いに答え、お話したアクションや問いを通して、自分を定義したり、自分自身を問い正すことで、1つの答えができて、自分が実際にどういうデザイナーになりたいのかが見えてきました。

今日の話が、皆さんが自分自身と向き合うきっかけになればと思っております。

宣伝をしたいんですが、アプリ「FRIL」を制作している、Fablicという会社に僕はいるんですけれど、お話の途中で言ったように、ユーザーと一緒にものを作りたい、ユーザー目線で作りたいと、いろいろ悩んでいたんです。

Fablicは、実際のユーザーをカスタマーサポートのメンバーとして招き入れて一緒にものを作る、ユーザーインタビューをしながらものを作るという環境が整っていて、自分にとって導き出されたなかでもすごくいい答えだったと思っています。同じような気持ちを持っていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願いいたします。

で、今はハンドメイドが人気ということで、「自分たちもハンドメイドして、今日に挑んでいます!」っていうことで、(最初に見せた首かけパネルを手に取って)これはまだきれいなほうだと思うんですけどね、まあかわいらしい感じで。

ハンドメイドの顔はめパネルを作ってきてるので、「ちょっとやって下さい」って言っても皆さんやらないと思うんで、僕がこれ被っているので、あとで声かけてください。隅っこで頑張っております!

(会場笑)

ということで、ありがとうございました。

(会場拍手)

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